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第一章
第9話「はじめての放課後」
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「ひなちゃん、一緒に寄り道して帰ろうよ!」
授業が終わったあと、クラスの女子たちが声をかけてきた。
正直、俺は戸惑った。
前の人生じゃ、放課後といえば会社で残業。友達と寄り道なんて遠い昔の話だ。
でも、断ればまた“浮いてる子”扱いされかねない。
「……いいよ」
少しぎこちない笑顔で頷くと、女子たちが「やった!」と喜んだ。
⸻
向かったのは近所の駄菓子屋。
ぎゅうぎゅうに並んだお菓子の棚、ガラス瓶に入ったカラフルなラムネ。
懐かしい……いや、俺の時代でもここまで昭和っぽいのは見なくなってたな。
「ひなちゃんはどれ買う?」
差し出された10円ガムを手に取って、思わず言いそうになった。
(原価考えたら儲け出るのかこれ……いやいや、子供目線、子供目線!)
「えっと……これかな」
手にしたのは、チョコが入った小さなカップ菓子。
友達が「それ美味しいよね!」と笑ってくれて、胸が少し軽くなる。
⸻
駄菓子屋を出て、近くの公園でお菓子を分け合った。
「ねぇひなちゃん、絵がすごく上手だよね。図工のときびっくりした!」
「うん、あれすごかった!」
褒められて、反射的に苦笑いを浮かべる。
(……こうやってまっすぐ褒められるの、慣れてねぇな。会社じゃ“当たり前”扱いだったのに)
「……ありがと」
小さな声でそう返したとき、友達の顔がぱっと笑顔になった。
胸の奥が少し温かくなる。
⸻
帰り道、沈みかけた夕日が街を赤く染めていた。
横に並んで歩く友達が、ぽつりとつぶやく。
「ひなちゃんって、最初はちょっと大人っぽくて近づきにくいなって思ったけど……ほんとは優しいんだね」
心臓が跳ねる。
(優しい? 俺が? ただ“おじさんの経験”で動いてるだけなのに……)
照れ隠しに笑いながら、心の中でいつもの言葉をつぶやく。
「……めんどくせー」
でもそのあと、思わず続けてしまった。
(けど……悪くない)
授業が終わったあと、クラスの女子たちが声をかけてきた。
正直、俺は戸惑った。
前の人生じゃ、放課後といえば会社で残業。友達と寄り道なんて遠い昔の話だ。
でも、断ればまた“浮いてる子”扱いされかねない。
「……いいよ」
少しぎこちない笑顔で頷くと、女子たちが「やった!」と喜んだ。
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向かったのは近所の駄菓子屋。
ぎゅうぎゅうに並んだお菓子の棚、ガラス瓶に入ったカラフルなラムネ。
懐かしい……いや、俺の時代でもここまで昭和っぽいのは見なくなってたな。
「ひなちゃんはどれ買う?」
差し出された10円ガムを手に取って、思わず言いそうになった。
(原価考えたら儲け出るのかこれ……いやいや、子供目線、子供目線!)
「えっと……これかな」
手にしたのは、チョコが入った小さなカップ菓子。
友達が「それ美味しいよね!」と笑ってくれて、胸が少し軽くなる。
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駄菓子屋を出て、近くの公園でお菓子を分け合った。
「ねぇひなちゃん、絵がすごく上手だよね。図工のときびっくりした!」
「うん、あれすごかった!」
褒められて、反射的に苦笑いを浮かべる。
(……こうやってまっすぐ褒められるの、慣れてねぇな。会社じゃ“当たり前”扱いだったのに)
「……ありがと」
小さな声でそう返したとき、友達の顔がぱっと笑顔になった。
胸の奥が少し温かくなる。
⸻
帰り道、沈みかけた夕日が街を赤く染めていた。
横に並んで歩く友達が、ぽつりとつぶやく。
「ひなちゃんって、最初はちょっと大人っぽくて近づきにくいなって思ったけど……ほんとは優しいんだね」
心臓が跳ねる。
(優しい? 俺が? ただ“おじさんの経験”で動いてるだけなのに……)
照れ隠しに笑いながら、心の中でいつもの言葉をつぶやく。
「……めんどくせー」
でもそのあと、思わず続けてしまった。
(けど……悪くない)
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