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第一章
第11話「放課後の約束」
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その日も放課後、自然とみんなに誘われた。
「ひなちゃん、今日も一緒に遊ぼ!」
ランドセルを背負った小さな背中が、あちこちに揺れている。
最初は断るつもりだった。昨日の公園でのこともあったし、正直、疲れはまだ抜けていない。
けれど、目の前で笑っている友達を見たら……どうしても「行かない」とは言えなかった。
「……わかったよ」
口の中で「めんどくせー」と呟いた声は、幸い誰にも聞こえなかった。
⸻
駄菓子屋の隣のベンチに並んで、みんなでアイスを食べる。
「この前は、助けてくれてありがとね」
小柄な子――昨日、不審な男に声をかけられていた子が、恥ずかしそうに俺を見た。
「べ、別に……俺は……」
言葉がつっかえる。大人の頃なら、もっと軽口で受け流せたはずなのに。
「でも、ひなちゃんが止めてくれなかったら、あの人について行ってたかも」
「そうそう! あの言い方、めっちゃかっこよかったよ」
俺は困って、手にしたアイスを見つめる。
(かっこいい……? 俺の言い回しなんて、ただのオッサンの小言だろ……)
でも――友達の目は、本当に安心しているみたいだった。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
⸻
家に帰ると、兄貴がゲームをしていた。
「お、ひな。今日も寄り道してたんだな」
「……ちょっとね」
「友達と? ふーん」
ぶっきらぼうな声に、なぜか口元がゆるんだ。
(俺が子どもの頃は、こんなふうに誰かと一緒に帰ることなんて、ほとんどなかったな)
風呂上がり。髪をタオルで拭きながら、鏡に映る自分を見つめる。
そこにいるのは、見た目はまだまだ幼い女の子。けれど、その瞳の奥には――四十五年分の重さと、今日感じた小さなぬくもりが同居していた。
「……めんどくせー」
いつものように小さく呟く。
でもその声は、どこか柔らかかった。
(……悪くない。俺、こんな放課後、もう二度とないと思ってたのにな)
胸の奥で、また一つ小さな芽が膨らみ始めていた。
「ひなちゃん、今日も一緒に遊ぼ!」
ランドセルを背負った小さな背中が、あちこちに揺れている。
最初は断るつもりだった。昨日の公園でのこともあったし、正直、疲れはまだ抜けていない。
けれど、目の前で笑っている友達を見たら……どうしても「行かない」とは言えなかった。
「……わかったよ」
口の中で「めんどくせー」と呟いた声は、幸い誰にも聞こえなかった。
⸻
駄菓子屋の隣のベンチに並んで、みんなでアイスを食べる。
「この前は、助けてくれてありがとね」
小柄な子――昨日、不審な男に声をかけられていた子が、恥ずかしそうに俺を見た。
「べ、別に……俺は……」
言葉がつっかえる。大人の頃なら、もっと軽口で受け流せたはずなのに。
「でも、ひなちゃんが止めてくれなかったら、あの人について行ってたかも」
「そうそう! あの言い方、めっちゃかっこよかったよ」
俺は困って、手にしたアイスを見つめる。
(かっこいい……? 俺の言い回しなんて、ただのオッサンの小言だろ……)
でも――友達の目は、本当に安心しているみたいだった。
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
⸻
家に帰ると、兄貴がゲームをしていた。
「お、ひな。今日も寄り道してたんだな」
「……ちょっとね」
「友達と? ふーん」
ぶっきらぼうな声に、なぜか口元がゆるんだ。
(俺が子どもの頃は、こんなふうに誰かと一緒に帰ることなんて、ほとんどなかったな)
風呂上がり。髪をタオルで拭きながら、鏡に映る自分を見つめる。
そこにいるのは、見た目はまだまだ幼い女の子。けれど、その瞳の奥には――四十五年分の重さと、今日感じた小さなぬくもりが同居していた。
「……めんどくせー」
いつものように小さく呟く。
でもその声は、どこか柔らかかった。
(……悪くない。俺、こんな放課後、もう二度とないと思ってたのにな)
胸の奥で、また一つ小さな芽が膨らみ始めていた。
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