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第一章
第25話 ラティマーの意地
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控え室のソファに座ったヘレニーテは、グラスの水をゆっくりと飲む。疲れを滲ませながら、ホッと安堵のため息をついていた。
「お義母様、大丈夫ですか?」
「……ありがとう、ウィステル。またあなたに助けられてしまいましたね」
いまだ青白い顔色のまま、ヘレニーテは弱々しくウィステルへと微笑みかけてくる。本当はそんな余裕もないくらい苦しいはずなのに、気丈に振る舞おうとする姿に胸が締めつけられた。
「お礼を言われるようなことはしていません。これはラティマー家を切り捨てたフェアファクス家への意趣返しであり、拾ってくださったキャスバート家へのご恩返しですから。お義母様はどうか、心穏やかに見守っていてくださいませ」
“わたくしが守りたかっただけ”と言っても、きっとヘレニーテは負い目を感じてしまうだろう。ウィステルは少しでも心労を和らげるために、あえて利己の話しかしなかった。
「ふふ……あなたは、なんだか騎士みたいね」
「……どうでしょうか?」
義理立ての話だったが、ヘレニーテには忠誠心のように見えたらしい。けれど彼女が心を緩めて笑い、騎士のように頼もしい存在に感じてくれているのなら、どっちだってよかった。
「これでもわたくし、元フェアファクス派なので、騎士のような慈悲は持ち合わせてないんです」
「……フェアファクス派……あんなに恐ろしかったのに、味方になると頼もしいものね」
フェアファクス派と言っても、決して一枚岩ではない。価値観や考え方含めて強く賛同している家から、利益のみで派閥に属しているだけの家まで様々だ。ラティマー家も元々は、互いの利益と地政学的な観点からフェアファクス派に属していただけに過ぎない。
「フィセリオ様との婚姻が決まったとき、ラティマー家が元フェアファクス派だとお義母様は知っていたはずです。それでもわたくしを疑いなく温かく迎え入れてくださった。その笑顔に、わたくしは救われました」
婚姻を認め、祝福してくれるヘレニーテの言葉に嘘はなかった。形ではない、心からの歓迎を受けた。フィセリオの嘘だらけの愛と不信で揺れるウィステルを、その温もりが癒やしてくれた。
彼女がどれほどフェアファクス家を恐れているのかを知るほどに、それがどれほどありがたく貴重なことであるか、その重みまでもを知った。彼女は弱い人ではない。優しくて、責任感が強くて、全てをまっすぐ受け入れすぎてしまうから……折られてしまった人なのだ。
「それでは、会場へ戻ります。あとは全て、わたくしにお任せください」
「ごめんなさい……よろしく頼むわね」
申し訳なさそうに笑うヘレニーテを侍女に託し、ウィステルは控え室を出た。
会場に戻るために廊下を歩いていると、入口近くでフィセリオと兄のローワンが会話しているのが見えてくる。
「……ウィステル様」
先に気づいたのはローワンだった。結婚後に会うのは今日が初めてだったが、馴染み深い声に敬称をつけて呼ばれた瞬間、ズキッと胸の奥が痛んだ。
キャスバート家に嫁いだ以上、ウィステルとローワンの関係は兄妹である以前に『公爵夫人』と『伯爵家当主』になってしまう。フィセリオの前や公の場ではもう、兄妹として振る舞うことは許されない。
頭ではもう、自分はキャスバート家の人間だと理解しているつもりだった。けれどこうして敬愛する兄から他人行儀な振る舞いを受けると、いよいよ他人になってしまったのだと強く痛感させられた。
「フィセリオ様とローワン様が、どうしてこちらに……」
「ヘレニーテ様と戻るのが見えて、心配で廊下で待っていたんです。私はキャスバート家の控え室には行けませんから」
「そうだったのですね。お疲れのようでしたから、控え室でお休みいただいているだけです。今は傍に侍女も控えておりますので」
「あぁ、それなら安心しました」
向けられる眼差しの温かさも、笑みの柔らかさも、何一つ変わらない。公の場でのローワンの言葉遣いも聞き慣れている。ただそれが自分へと向けられているのがなんとも言えずちぐはぐとしていて、全身をざわつかせていた。
「母上が迷惑をかけたな。君がいてくれて助かった」
「いえ、想定の範囲内でしたし、大したこともしていませんので」
「……気づいていないのか? 先程のフェアファクス公爵夫人との会話、注目している者も多かった」
「え、そう……だったのですか……!?」
まさかそこまで衆目を集めているとは思わなかった。見ていたのが近くにいたジェシアやローダンセだけではなかったとわかると、ますます失敗しなくてよかったと緊張と安堵が同時に押し寄せる。
「周りを見る余裕がなかったものですから……あの、ということはフィセリオ様もローワン様も、ご覧になっていた……ということですか?」
「あぁ、万が一手に負えない場合は介入するつもりだったからな。常に動向を見ていた」
「もちろん、私も見ておりました」
二人にも見られていたのだとわかると、ウィステルの中にはまた違う思いが生まれて浮き上がる。今回は、勝利を収めたと言っていい結果を得ることができたと思っている。ただ自分だけだとそれを実感しきれない。
ウィステルは周囲に誰もいないことを確認してから、兄を手招きする。少し体を傾けたローワンに、扇子を広げながら顔を寄せる。誰にも口の動きを見られないよう、扇子の内側に自分とローワンの口元を隠した。
「ローワン様、今宵のわたくしはお役に立てていたと思いますか?」
「とても驚きましたが、見事でしたよ。会わないうちに強くなられたようですね、ウィステル様」
二人は声を潜め、扇子の内側でひっそりと笑い合った。ローワンの目には「一つ“貸し”を返したな」という、労いと好戦的な光が宿っている。そして、にまりといたずらっぽく口角を上げていた。
たとえ態度が他人行儀なものに変わったとしても、その温度感だけは兄妹でいられた頃と同じだ。そんな小さな喜びが、じわりと胸の中へ温もりになって戻ってきた。
「はは、どうやら君たちの評価を一つ改めた方が良さそうだな」
フィセリオは小さく笑ったあと、緩んだ頬を引き締めるように咳払いする。けれどこちらに向けられる視線は、興味深そうに更に奥を探ろうとするような気配を帯びていた。
「それは、どういうことでしょうか?」
「いや、こちらの話だ。気にしないでくれ。ただその“得意げな顔”が、これまでの認識とズレていて面白かっただけだ」
どちらからともなく、ウィステルはローワンと顔を見合わせる。どうやら少し意地悪くほくそ笑んだのが、フィセリオの中では意外なものに見えたらしい。
フィセリオからは、真面目で何かを企むようなタイプには見えていなかったのかもしれない。もちろん悪いことはできないし、するつもりもないが、だからといっておとなしくやられたままでいる性質でもなかった。
「フィセリオ様、知っていますか? 不毛の地に生える草は踏まれて枯れても、根が深くてしぶといものなんです」
「根腐れして終わる運命でも、雨は必ず止むと信じて耐え続けられる。それがラティマーの気質というものです」
ラティマー家には、あらゆる力がない。痩せた土地に乏しい資源、売りにできるものが少なく資金を蓄えることもなかなか思うようにいかない。そんな中でも脈々と強かに暮らしてきたのがラティマー家であり、ラティマー領で生きてきた民たちだ。
様々な苦難を領主と民で手を携えて乗り越えてきた地。だからこそ二年前の災害で潰れずに、なんとか耐え忍んでこられた。ここを越えられれば、きっとまた日常は戻ってくる。そう、信じて。
「なるほど。運を味方につけている者ほど厄介なものもない……認識を改めるついでに、覚えておこう」
フィセリオは少し呆れたように笑って、肩を竦めた。そこに嫌悪や軽蔑はなく、むしろどこか「お手上げだ」と言いたげな空気が感じられた。
どんなに緻密に計画を立てようと、たった一つの不運で簡単に崩れてしまう。策を立てて挑む彼にとって、運ほど読めないものもない。
だからこそ彼は、ラティマー家のやり方や考えは、運任せすぎると言いたかったのだろう。けれど何もない地には、むしろ運くらいしか残っているものがなかった。この賭けに出るように耐え忍ぼうとする性質も、そういう土地だからこそ育まれてきたものなのかもしれない。
何より、二年という月日を耐えた結果、キャスバート家という運が転がり込んできた。これはある意味、結果を出しているとも言える。そこがフィセリオの言う『運を味方につけている者ほど厄介』という考えに繋がったのだろう。
その後、ウィステルは会場へと戻り、公爵夫人としての役目を無事に終えることができた。ロクシーナとの一件はフィセリオも労ってくれた。つまり彼から見ても、今回の対応は間違っていなかったと肯定されたということでもある。
ロクシーナは捨てた飼い犬に手を噛まれたくらいに考えているのだろうが、ヘレニーテを含め軽率にキャスバート家に絡めばしっぺ返しを食らうと認識し直したことだろう。彼女が気持ちよく誰かを虐げられる時代が、ようやく終わりを迎えようとしていた。
「お義母様、大丈夫ですか?」
「……ありがとう、ウィステル。またあなたに助けられてしまいましたね」
いまだ青白い顔色のまま、ヘレニーテは弱々しくウィステルへと微笑みかけてくる。本当はそんな余裕もないくらい苦しいはずなのに、気丈に振る舞おうとする姿に胸が締めつけられた。
「お礼を言われるようなことはしていません。これはラティマー家を切り捨てたフェアファクス家への意趣返しであり、拾ってくださったキャスバート家へのご恩返しですから。お義母様はどうか、心穏やかに見守っていてくださいませ」
“わたくしが守りたかっただけ”と言っても、きっとヘレニーテは負い目を感じてしまうだろう。ウィステルは少しでも心労を和らげるために、あえて利己の話しかしなかった。
「ふふ……あなたは、なんだか騎士みたいね」
「……どうでしょうか?」
義理立ての話だったが、ヘレニーテには忠誠心のように見えたらしい。けれど彼女が心を緩めて笑い、騎士のように頼もしい存在に感じてくれているのなら、どっちだってよかった。
「これでもわたくし、元フェアファクス派なので、騎士のような慈悲は持ち合わせてないんです」
「……フェアファクス派……あんなに恐ろしかったのに、味方になると頼もしいものね」
フェアファクス派と言っても、決して一枚岩ではない。価値観や考え方含めて強く賛同している家から、利益のみで派閥に属しているだけの家まで様々だ。ラティマー家も元々は、互いの利益と地政学的な観点からフェアファクス派に属していただけに過ぎない。
「フィセリオ様との婚姻が決まったとき、ラティマー家が元フェアファクス派だとお義母様は知っていたはずです。それでもわたくしを疑いなく温かく迎え入れてくださった。その笑顔に、わたくしは救われました」
婚姻を認め、祝福してくれるヘレニーテの言葉に嘘はなかった。形ではない、心からの歓迎を受けた。フィセリオの嘘だらけの愛と不信で揺れるウィステルを、その温もりが癒やしてくれた。
彼女がどれほどフェアファクス家を恐れているのかを知るほどに、それがどれほどありがたく貴重なことであるか、その重みまでもを知った。彼女は弱い人ではない。優しくて、責任感が強くて、全てをまっすぐ受け入れすぎてしまうから……折られてしまった人なのだ。
「それでは、会場へ戻ります。あとは全て、わたくしにお任せください」
「ごめんなさい……よろしく頼むわね」
申し訳なさそうに笑うヘレニーテを侍女に託し、ウィステルは控え室を出た。
会場に戻るために廊下を歩いていると、入口近くでフィセリオと兄のローワンが会話しているのが見えてくる。
「……ウィステル様」
先に気づいたのはローワンだった。結婚後に会うのは今日が初めてだったが、馴染み深い声に敬称をつけて呼ばれた瞬間、ズキッと胸の奥が痛んだ。
キャスバート家に嫁いだ以上、ウィステルとローワンの関係は兄妹である以前に『公爵夫人』と『伯爵家当主』になってしまう。フィセリオの前や公の場ではもう、兄妹として振る舞うことは許されない。
頭ではもう、自分はキャスバート家の人間だと理解しているつもりだった。けれどこうして敬愛する兄から他人行儀な振る舞いを受けると、いよいよ他人になってしまったのだと強く痛感させられた。
「フィセリオ様とローワン様が、どうしてこちらに……」
「ヘレニーテ様と戻るのが見えて、心配で廊下で待っていたんです。私はキャスバート家の控え室には行けませんから」
「そうだったのですね。お疲れのようでしたから、控え室でお休みいただいているだけです。今は傍に侍女も控えておりますので」
「あぁ、それなら安心しました」
向けられる眼差しの温かさも、笑みの柔らかさも、何一つ変わらない。公の場でのローワンの言葉遣いも聞き慣れている。ただそれが自分へと向けられているのがなんとも言えずちぐはぐとしていて、全身をざわつかせていた。
「母上が迷惑をかけたな。君がいてくれて助かった」
「いえ、想定の範囲内でしたし、大したこともしていませんので」
「……気づいていないのか? 先程のフェアファクス公爵夫人との会話、注目している者も多かった」
「え、そう……だったのですか……!?」
まさかそこまで衆目を集めているとは思わなかった。見ていたのが近くにいたジェシアやローダンセだけではなかったとわかると、ますます失敗しなくてよかったと緊張と安堵が同時に押し寄せる。
「周りを見る余裕がなかったものですから……あの、ということはフィセリオ様もローワン様も、ご覧になっていた……ということですか?」
「あぁ、万が一手に負えない場合は介入するつもりだったからな。常に動向を見ていた」
「もちろん、私も見ておりました」
二人にも見られていたのだとわかると、ウィステルの中にはまた違う思いが生まれて浮き上がる。今回は、勝利を収めたと言っていい結果を得ることができたと思っている。ただ自分だけだとそれを実感しきれない。
ウィステルは周囲に誰もいないことを確認してから、兄を手招きする。少し体を傾けたローワンに、扇子を広げながら顔を寄せる。誰にも口の動きを見られないよう、扇子の内側に自分とローワンの口元を隠した。
「ローワン様、今宵のわたくしはお役に立てていたと思いますか?」
「とても驚きましたが、見事でしたよ。会わないうちに強くなられたようですね、ウィステル様」
二人は声を潜め、扇子の内側でひっそりと笑い合った。ローワンの目には「一つ“貸し”を返したな」という、労いと好戦的な光が宿っている。そして、にまりといたずらっぽく口角を上げていた。
たとえ態度が他人行儀なものに変わったとしても、その温度感だけは兄妹でいられた頃と同じだ。そんな小さな喜びが、じわりと胸の中へ温もりになって戻ってきた。
「はは、どうやら君たちの評価を一つ改めた方が良さそうだな」
フィセリオは小さく笑ったあと、緩んだ頬を引き締めるように咳払いする。けれどこちらに向けられる視線は、興味深そうに更に奥を探ろうとするような気配を帯びていた。
「それは、どういうことでしょうか?」
「いや、こちらの話だ。気にしないでくれ。ただその“得意げな顔”が、これまでの認識とズレていて面白かっただけだ」
どちらからともなく、ウィステルはローワンと顔を見合わせる。どうやら少し意地悪くほくそ笑んだのが、フィセリオの中では意外なものに見えたらしい。
フィセリオからは、真面目で何かを企むようなタイプには見えていなかったのかもしれない。もちろん悪いことはできないし、するつもりもないが、だからといっておとなしくやられたままでいる性質でもなかった。
「フィセリオ様、知っていますか? 不毛の地に生える草は踏まれて枯れても、根が深くてしぶといものなんです」
「根腐れして終わる運命でも、雨は必ず止むと信じて耐え続けられる。それがラティマーの気質というものです」
ラティマー家には、あらゆる力がない。痩せた土地に乏しい資源、売りにできるものが少なく資金を蓄えることもなかなか思うようにいかない。そんな中でも脈々と強かに暮らしてきたのがラティマー家であり、ラティマー領で生きてきた民たちだ。
様々な苦難を領主と民で手を携えて乗り越えてきた地。だからこそ二年前の災害で潰れずに、なんとか耐え忍んでこられた。ここを越えられれば、きっとまた日常は戻ってくる。そう、信じて。
「なるほど。運を味方につけている者ほど厄介なものもない……認識を改めるついでに、覚えておこう」
フィセリオは少し呆れたように笑って、肩を竦めた。そこに嫌悪や軽蔑はなく、むしろどこか「お手上げだ」と言いたげな空気が感じられた。
どんなに緻密に計画を立てようと、たった一つの不運で簡単に崩れてしまう。策を立てて挑む彼にとって、運ほど読めないものもない。
だからこそ彼は、ラティマー家のやり方や考えは、運任せすぎると言いたかったのだろう。けれど何もない地には、むしろ運くらいしか残っているものがなかった。この賭けに出るように耐え忍ぼうとする性質も、そういう土地だからこそ育まれてきたものなのかもしれない。
何より、二年という月日を耐えた結果、キャスバート家という運が転がり込んできた。これはある意味、結果を出しているとも言える。そこがフィセリオの言う『運を味方につけている者ほど厄介』という考えに繋がったのだろう。
その後、ウィステルは会場へと戻り、公爵夫人としての役目を無事に終えることができた。ロクシーナとの一件はフィセリオも労ってくれた。つまり彼から見ても、今回の対応は間違っていなかったと肯定されたということでもある。
ロクシーナは捨てた飼い犬に手を噛まれたくらいに考えているのだろうが、ヘレニーテを含め軽率にキャスバート家に絡めばしっぺ返しを食らうと認識し直したことだろう。彼女が気持ちよく誰かを虐げられる時代が、ようやく終わりを迎えようとしていた。
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