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彼のパジャマ
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――花、花、そろそろ起きて
うぅん、まだ……眠いよぉ。
なんだか少し身体もだるいし。
まだ夢の世界でまどろんでいたくて、目を開けずにいたのに、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と頬と唇、首筋へのリアルな感触で一気に目が覚めた。
目を開けると、目の前に、創一郎さんの微笑み。
添い寝するように私の隣にいる彼が、手を伸ばして私の頭を撫でている。
うわぁ、昨日はできなかった朝のキスだぁ。
夢、じゃ、ないよね?
なんか、幸せだなぁ……。
「花、一応昨日身体は拭いたけど、今日は仕事だからシャワーを浴びた方がいいんじゃないかな」
? 昨日、身体、拭いた……?
? 誰が? 誰の?
思わず自分の身体を見る。
? あれ? なんで創一郎さんのパジャマ着てるんだろう?
? 上も? 下も?
? ん? ん?
疑問符のついた頭のまま起き上がってベッドの上で座り、私の手を隠すくらい明らかに長いパジャマの袖を見つめる。
「花のパジャマ、勝手に部屋入って探すのも悪いかな、と思って俺のパジャマ」
創一郎さんは寝転んだまま、手を伸ばして私の髪を触る。
今のセリフは何かのヒントでしょうか?
まだまだ疑問符は消えません。
「花の服と下着は、濡れてたから洗濯した」
? し、下着?
慌ててパジャマの胸元を覗き込む。
あ、着けてます。ブラ、ちゃんと着けてますよ。びっくりしたぁ。
ホッと息を吐く。
でも次の瞬間、さぁぁぁぁ、と顔から血の気が引いた。
下着って、ブラの他にもある……。
『濡れてたから』洗濯したって、創一郎さん、言った。
『身体は拭いた』って……創一郎さん……言った。
今度は、ぶわぁぁぁあ、と顔が熱くなる。
昨日、昨日、私ッ。
「花、可愛い。なんだか忙しい表情してる」
優しく私の頬に触れる、創一郎さんの大きな手。
昨日の夜も、可愛い可愛いって言われた気がする。
創一郎さんは優しいから、気を遣ってそう言ってるに違いない。
あんな変な私、絶対絶対、可愛くない。
あんなに恥ずかしい私、きっと、創一郎さんに嫌われた。
もう一緒にいる資格なんてない、この家にもいられない。
ポロポロポロポロ、と子どものように涙が出てくる。
私の頬に触れる創一郎さんの手にも涙が伝う。
ぎょっとした顔で慌てて起き上がった創一郎さんにふわりと抱きしめられ、赤ちゃんをあやすような手つきで優しく背中をポンポンとされた。
「ごめん、嫌だったよな、あんな事されて。もうしない、もうしないから」
創一郎さんの、何かを後悔しているような辛そうな声。
「だから、俺のこと嫌いにならないで。これからも一緒にいて」
びっくりして、涙が止まった。
――嫌いにならないで。これからも一緒にいて
今の、私のセリフ、だと思います。
「嫌いじゃないし、これからも一緒にいてください」
私がそう言うと、創一郎さんは、安心したように、「よかった」と言って小さく笑った。
そして大きな手で私の涙をぬぐう。最後は目尻に軽くキスをした。
やっぱり創一郎さんは、優しいなぁ。
私が気にしないように、創一郎さんの方が悪かったって感じにしてくれたんだと思う。
昨日わがまま言って、困らせたのは私なのに。
彼は私の頭をポンポンとして、立ち上がった。
「朝ごはんの用意しておくから、その間にシャワー浴びておいで」
朝食に、創一郎さんの用意してくれたトーストを食べ、コーヒーを飲む。
そして出かけるときに、玄関で頬と唇と首筋にキスをされた。
先週よりもキスされる時間が長い気がするけど……気のせいかな?
グロスや香水の香りの確認に、時間がかかった、とか?
あれ? そういえば昨日グロスと香水ってつけたっけ?
それにグロスのモニターの1週間過ぎたけど、キス、するんですか?
いくつか疑問が浮かんだけれど、「行こうか」と声をかけられて、聞きそびれてしまった。
土日の休みがあったからか、今朝の保育所は子どもたちの泣き声でとても賑やか。
私は背中に1歳の透哉くんをおんぶして、お腹に0歳のあゆみちゃんを抱っこし、3歳の浩介くんと電車のおもちゃで遊ぶ。
お腹と背中で同時にぐずるのをあやしたり、浩介君の「ねえ、電車動くの見ててね、見ててね」の声に対応したりと、なんだか忙しい。
眠ったあゆみちゃんを布団に寝かそうと身体から離した途端に泣き出したり、突然ダッシュした浩介君が派手に転んで本人は笑ってても怪我がないかこっちの心臓が止まるかと思ったり、慣れない仕事でちょっと大変。
でも、子どものお世話は大変なこともあるけど、それ以上に可愛くて、楽しい。
仕事をしている間は、昨日のことも頭から消えていた。
創一郎さんは今日も忙しそうだったので、お昼は家に帰ってから一人で食べた。
食後にコーヒーを淹れて、ソファに座る。
ソファに座った、ら……、昨日のことを鮮明に思い出してきた。
このソファで創一郎さんに目隠しされて、『ろぉたぁ』で……ううん、違う。創一郎さんの、指、で、敏感なところを弄られ、て……。
いっぱい口の中、舐められて舌を絡められて。
なんだか、最後、お腹の下の方がきゅぅぅってなって、どこかに落ちていくのか昇っていくのか分からない感じが、した。
今日、も、するのかな?
ドキドキするけど、嫌、じゃない。
……むしろ、創一郎さんに、して、ほしい、かも……。
ああ、本当に、私って恥ずかしい女。
相手が創一郎さんだと、どんなことでも受け入れてしまいそう。
下腹部がじゅわ、とした。
……あ、この感じは、違う。
慌ててトイレに行く。
アソコを拭くと、トイレットペーパーに血がついていた。
毎月の予定よりも若干早いのは、昨日のことで身体が驚いたせいもあるかもしれない。
どうしよう、創一郎さんに、なんて言ったらいいんだろう。
そんなことを考えながら、生理用ショーツに履き替えた。
うぅん、まだ……眠いよぉ。
なんだか少し身体もだるいし。
まだ夢の世界でまどろんでいたくて、目を開けずにいたのに、ちゅ、ちゅ、ちゅ、と頬と唇、首筋へのリアルな感触で一気に目が覚めた。
目を開けると、目の前に、創一郎さんの微笑み。
添い寝するように私の隣にいる彼が、手を伸ばして私の頭を撫でている。
うわぁ、昨日はできなかった朝のキスだぁ。
夢、じゃ、ないよね?
なんか、幸せだなぁ……。
「花、一応昨日身体は拭いたけど、今日は仕事だからシャワーを浴びた方がいいんじゃないかな」
? 昨日、身体、拭いた……?
? 誰が? 誰の?
思わず自分の身体を見る。
? あれ? なんで創一郎さんのパジャマ着てるんだろう?
? 上も? 下も?
? ん? ん?
疑問符のついた頭のまま起き上がってベッドの上で座り、私の手を隠すくらい明らかに長いパジャマの袖を見つめる。
「花のパジャマ、勝手に部屋入って探すのも悪いかな、と思って俺のパジャマ」
創一郎さんは寝転んだまま、手を伸ばして私の髪を触る。
今のセリフは何かのヒントでしょうか?
まだまだ疑問符は消えません。
「花の服と下着は、濡れてたから洗濯した」
? し、下着?
慌ててパジャマの胸元を覗き込む。
あ、着けてます。ブラ、ちゃんと着けてますよ。びっくりしたぁ。
ホッと息を吐く。
でも次の瞬間、さぁぁぁぁ、と顔から血の気が引いた。
下着って、ブラの他にもある……。
『濡れてたから』洗濯したって、創一郎さん、言った。
『身体は拭いた』って……創一郎さん……言った。
今度は、ぶわぁぁぁあ、と顔が熱くなる。
昨日、昨日、私ッ。
「花、可愛い。なんだか忙しい表情してる」
優しく私の頬に触れる、創一郎さんの大きな手。
昨日の夜も、可愛い可愛いって言われた気がする。
創一郎さんは優しいから、気を遣ってそう言ってるに違いない。
あんな変な私、絶対絶対、可愛くない。
あんなに恥ずかしい私、きっと、創一郎さんに嫌われた。
もう一緒にいる資格なんてない、この家にもいられない。
ポロポロポロポロ、と子どものように涙が出てくる。
私の頬に触れる創一郎さんの手にも涙が伝う。
ぎょっとした顔で慌てて起き上がった創一郎さんにふわりと抱きしめられ、赤ちゃんをあやすような手つきで優しく背中をポンポンとされた。
「ごめん、嫌だったよな、あんな事されて。もうしない、もうしないから」
創一郎さんの、何かを後悔しているような辛そうな声。
「だから、俺のこと嫌いにならないで。これからも一緒にいて」
びっくりして、涙が止まった。
――嫌いにならないで。これからも一緒にいて
今の、私のセリフ、だと思います。
「嫌いじゃないし、これからも一緒にいてください」
私がそう言うと、創一郎さんは、安心したように、「よかった」と言って小さく笑った。
そして大きな手で私の涙をぬぐう。最後は目尻に軽くキスをした。
やっぱり創一郎さんは、優しいなぁ。
私が気にしないように、創一郎さんの方が悪かったって感じにしてくれたんだと思う。
昨日わがまま言って、困らせたのは私なのに。
彼は私の頭をポンポンとして、立ち上がった。
「朝ごはんの用意しておくから、その間にシャワー浴びておいで」
朝食に、創一郎さんの用意してくれたトーストを食べ、コーヒーを飲む。
そして出かけるときに、玄関で頬と唇と首筋にキスをされた。
先週よりもキスされる時間が長い気がするけど……気のせいかな?
グロスや香水の香りの確認に、時間がかかった、とか?
あれ? そういえば昨日グロスと香水ってつけたっけ?
それにグロスのモニターの1週間過ぎたけど、キス、するんですか?
いくつか疑問が浮かんだけれど、「行こうか」と声をかけられて、聞きそびれてしまった。
土日の休みがあったからか、今朝の保育所は子どもたちの泣き声でとても賑やか。
私は背中に1歳の透哉くんをおんぶして、お腹に0歳のあゆみちゃんを抱っこし、3歳の浩介くんと電車のおもちゃで遊ぶ。
お腹と背中で同時にぐずるのをあやしたり、浩介君の「ねえ、電車動くの見ててね、見ててね」の声に対応したりと、なんだか忙しい。
眠ったあゆみちゃんを布団に寝かそうと身体から離した途端に泣き出したり、突然ダッシュした浩介君が派手に転んで本人は笑ってても怪我がないかこっちの心臓が止まるかと思ったり、慣れない仕事でちょっと大変。
でも、子どものお世話は大変なこともあるけど、それ以上に可愛くて、楽しい。
仕事をしている間は、昨日のことも頭から消えていた。
創一郎さんは今日も忙しそうだったので、お昼は家に帰ってから一人で食べた。
食後にコーヒーを淹れて、ソファに座る。
ソファに座った、ら……、昨日のことを鮮明に思い出してきた。
このソファで創一郎さんに目隠しされて、『ろぉたぁ』で……ううん、違う。創一郎さんの、指、で、敏感なところを弄られ、て……。
いっぱい口の中、舐められて舌を絡められて。
なんだか、最後、お腹の下の方がきゅぅぅってなって、どこかに落ちていくのか昇っていくのか分からない感じが、した。
今日、も、するのかな?
ドキドキするけど、嫌、じゃない。
……むしろ、創一郎さんに、して、ほしい、かも……。
ああ、本当に、私って恥ずかしい女。
相手が創一郎さんだと、どんなことでも受け入れてしまいそう。
下腹部がじゅわ、とした。
……あ、この感じは、違う。
慌ててトイレに行く。
アソコを拭くと、トイレットペーパーに血がついていた。
毎月の予定よりも若干早いのは、昨日のことで身体が驚いたせいもあるかもしれない。
どうしよう、創一郎さんに、なんて言ったらいいんだろう。
そんなことを考えながら、生理用ショーツに履き替えた。
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