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花の言葉で

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「花、ごめんな」

 呼吸を乱しながら、創一郎さんが耳元で囁いた。

「どうして、謝るんですか?」
「俺のを鎮めるために、今、口でしようとしただろ。そんな事させて、ごめん、嫌だったよな」

 創一郎さんは私の上で四つん這いになりながら、繋いでない方の手で、位置を確かめるように優しく私の頭を撫でる。

 『そんな事』……なのかな。
 創一郎さんは、『そんな事』されるの嫌だったのかな。

「大丈夫です、嫌じゃないですよ。創一郎さんは、ここ私にキスされるの、嫌でしたか……?」

 バスローブの上からそっと、創一郎さんのアソコに触れる。
 ビクッと創一郎さんの身体が震えた。

「嫌じゃないけど……花は、がんばらなくていいから」

 嫌じゃない、と言われてホッとする。

「花、いつもソファでしてるみたいに、くっついて座って。」

 ベッドの上で、創一郎さんにうしろから抱きしめられるような感じで座る。

「見えないから、安心して。バスローブを脱いで、俺の手を両方握ってくれる?」

 お風呂場で裸同士だったけど、脱ぐっていう行為に少しためらいを感じた。
 目隠ししているから創一郎さんには見えないのに、すぐ後ろにいるから見られているような感じがして、羞恥心が湧いてくる。

 おずおずとバスローブを脱いで裸になり、後ろから伸ばされた創一郎さんの手をそれぞれ握る。

「花の表情が見えないから、して欲しい事とか思っている事とか、なるべく言葉にして伝えて欲しい、できる?」

 コクンと頷いて、あぁ見えてないんだったと気付く。

「創一郎さん、わかりました」
「花の声、可愛い」

 耳元で囁かれるように褒められて、心も耳もくすぐったい。

「そうしたら俺の手を、花が触ってほしいところに誘導してくれる? 花が気持ちよくなりたい場所を教えて」

 き、気持ちよくなりたい場所!?

「創一郎さん、わ、わかりません」
「わからない? 俺も花の表情が見えないと、わからない。それなら目隠しを外してもいい?」
「目隠しは、外さないでください……」

 目隠しを外されたら、『ろぉたぁ』の時みたいに恥ずかしい姿を見られちゃうかもしれない。
 目隠しは、外されたくないから……。


 後ろから回された創一郎さんの手を両方とも、恐る恐る『ろぉたぁ』で触られたところに誘導する。

「ここ?」

 創一郎さんが、指でトントンと私の陰核をつつく。
 見えてないのに、ピンポイントで敏感なところを刺激されて、身体がビクンと弾んだ。
 創一郎さんが耳元でフッと笑う声が、甘く脳に届いて困る。

「よく分からないから、花、片足を俺の膝に乗せて、足を開いて。見えないから、恥ずかしくないよ」

 見えなくても、恥ずかしいものは恥ずかしいけれど、目隠しを取られて直接見られるよりは……。
 左足を創一郎さんの膝に乗せるため、自分から足を開く。恥ずかしくて、顔から火が出そう。

「花、教えて、触って欲しいの、ここ?」
「ぁん……」

 再びつつかれて、思わず声が零れる。

「花、ちゃんと教えて。見えないから、ちゃんと言ってくれないと分からないよ。それとも目隠し取って花の反応見た方がいい?」
「目隠し取っちゃ、ダメ。……そこ、です。創一郎さん……触って、ください」
「ん、よく言えました。花、いい子だね」
 
 いい子と言いながら、創一郎さんはクニュクニュと押し潰すように陰核を弄った。
 
「っあ、……んぅ……ゃあ……っ」
「見えない分、花の声がよく聞こえる。花の声いやらしくて可愛い、もっと聞きたい」

 両手の指が陰核のすぐ傍に添えられ、子どもが指で口をいーっとする時のように、左右へ広げられた。
 広げながら創一郎さんは陰核の尖ったところを、指で円を描くように撫でる。

「ひぁ!? っァア……っん、……ぁンッ……!」

 なんだかさっきよりも、敏感なところを直接触られている感じで身体の芯がゾクゾクする。
 お腹の奥が疼いて、逃げたくて、身体を捩るけれども、彼の指はそれを許してくれなくて。

 創一郎さんは、親指で陰核を刺激しながら右手を少し下にずらして、水たまりを見つけた子どものようにピチャピチャと中指と薬指で音をたてて遊んだ。

「花、聞こえる? 花のエッチな音。すごい濡れてる。」
「ゃ……はず、か……し……」
「そうだね、俺の指で気持ちよくなって濡れるなんて、花は恥ずかしい子だね。でも、嬉しい。いっぱい花の恥ずかしい音、聞かせて」

 創一郎さんの左手の指が、つーっと私のお腹を撫でながら胸のすぐ下まで移動して、乳房の外周をすりすりと撫でる。
 胸を触られているわけではないのに、なぜか胸がきゅんきゅんして、もっと触って欲しいような、もどかしい気分。

「花の胸、触っても、いい?」
「……は、い……」
 
 返事をしたのに、創一郎さんの手は胸のすぐそばを撫でるだけで、乳房まで伸びてこない。
 創一郎さんの手の動きがもどかしくて、胸が刺激を欲して、きゅんきゅん疼いて、身体の奥がなんだかムズムズする。

 それなのに陰核はくりゅくりゅと優しく押し潰されたり、時々きゅっと軽く摘ままれて、気持ちよすぎて……。
 ……どうして、胸は、触って、くれないの、かな。

「花……」

 甘い声で名前を囁かれて、ピクッと身体が震える。

「『はい』なんて俺に流されてるだけじゃないの? 本当に触られてもいいなら、きちんと花の言葉でお願いして」

 そういうと片手で器用に陰核をくぷッと広げて、敏感すぎる尖りをクリクリと虐めた。

「こっちだけがいいなら、刺激強くして胸の分もたくさん弄ってあげるけど。花にはつらいかも」
「はァっ、ぁン、ぁあ、ぃ、ヤっ……! そ、いちろ、さ……おねがっ……むね、も……さわっ、くだ、さ……ッ」
「花は可愛くて淫らで、本当にいい子だね。いっぱい辱めて気持ちよくさせたくなる」

 むにっと乳房を揉みながら、創一郎さんは胸の尖端の場所を探しだして人差し指で擽った。
 ちゃんとお願いしたのに、陰核も同時に弄られ続けて、快感の波に飲み込まれそうになり背中が仰け反る。

「花の胸、柔らかい……ずっと触っていたい」

 幸せそうに甘みを帯びた声で言われて、全身がきゅぅぅぅんと痺れるような喜びで満たされた。
 人差し指で乳首をクニクニと揺らされたかと思うと、時々くッと押し込まれるものだから、そのたびにフッと息を飲んでしまう。

「! ッゃ、……ぁあ……んぅ」

 突然、無防備に肌を晒していた肩を、レロ……と舐められ、ゾワリとした快感が背筋を駆けのぼる。
 その舌は肩から首筋を這って、耳のうしろを丁寧に舌全体を使って舐め尽くす。

「ひぁッ」

 今度はうしろから腰に銃を突きつけられたかのように、全身がゾクリとした。
 あ、これ……創一郎さんの硬いの、が、当たってる……。
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