51 / 90
好みのタイプ
しおりを挟む
朝、目が覚めて、目の前の光景に目を疑った。
まず目に飛び込んできたのは、創一郎さんの、はだけた胸。
少し顔を起こして周りを見る。
あれ? あれ? ここソファ?
背中には、いつもソファで使っているブランケットがかけてある。
昨日、ソファで寝ちゃった? 創一郎さんと?
ゆっくりと起き上がろうとしたら、頭がズキンと痛んだ。
それに上手く起き上がれない、腰のあたりに何かが引っかかっている。
ブランケットを捲ってみると、私の腰へと伸びている創一郎さんの腕。
彼の腕の付け根から二の腕、肘の方へと順に目で辿ってブランケットをさらに捲りながら後ろを向く。
創一郎さんの手首が手錠のようなブレスレットで拘束されていた。
昨日の記憶がところどころ蘇ってくる。
ぅうわわわわわーっっっ
昨日のって、夢じゃなかったの!?
慌てて彼のブレスレットを外し、身体をずらして、彼の股間を確認する。
辛うじて、創一郎さんの下着は普通に穿けている状態だけれども、ベルトは外れ、ズボンのファスナーは開いていた。
え? どこまで現実? どこから夢?
目を覚ました創一郎さんに、「俺がそばにいない時には絶対にお酒を飲まない事」を強く約束させられた。
「俺も、魔が差した。本当はもっと早く俺が止めるべきだったんだ」と何故か創一郎さんはちょっと辛そうな表情。
シャワーを浴びてサッパリした様子の創一郎さんは、二日酔いっぽい症状がある私のために、ドリンク剤や食べられそうなものを探してくると言ってコンビニへと出かけて行った。
創一郎さんが出かけて間もなく、来訪者を告げる呼び出し音が鳴った。
いつも創一郎さんがいない時には出ないけれど、モニターに映っていたのは……勇太君。
創一郎さんの秘書だし、勇太君なら、出た方がいいよね――
ロビーへと続く入り口の鍵を解除する。
続いて、エレベーターのロックを解除しながら、慌ててババババッと着替え、ローテーブルに散らかったままだったベビードールを箱に入れて蓋を閉めリビングの隅に置く。
玄関の鍵を解除した時には、少し息切れしてしまった。
「これ、出張のお土産のプリン。創一郎君ここのお店の好きだから昨日買っておいたんだ。甘いものが好きなんて、意外だよね」
「……ありがとうございます」
勇太君も、創一郎さんが甘いもの好きって知ってるんだ。
そういえば、フランスにいたころからの知り合いだって言ってたもんね。
……創一郎さんのこと、スージーさんみたいに、色々知ってるのかな?
紅茶を淹れてダイニングテーブルに置いたら「ソファに座ろうよ」と言って勇太君がリビングに運んでくれた。
「クッキーも買ってきたんだ。花ちゃんも座って、一緒に食べよう」
勇太君がローテーブルに紅茶とクッキーをセッティングしてくれたので、隣に座って勧められるままにクッキーを口にする。
バターの香りが口にフワッと広がって丁度いい甘さ。
なんだか幸せな気分になる味。
勇太君はいつものように、身の回りで起きた出来事を楽しく聞かせてくれた。
今回は、昨日から泊まりで行った出張先での話。
中でも興味深かったのは、ある会社の社長子息と社長令嬢の結婚話。
なんでも、会社の後を継がずに漫画家になってしまった社長子息とその彼をずっと好きだった幼馴染の社長令嬢が、周囲の反対を押し切って結婚してしまったらしい。
「結婚した当初は色々揉めて大変だったって両方の社長が言ってたよ。でも、今は息子さんたちとも仲良くやってるみたい。そこまで人を好きになれるって、なんだか羨ましいねぇ」
結婚したくなるほど、好きになる人、か……
「創一郎さんって、あの、ど、どんな女性が、好きなんですかね?」
勇太君が、一瞬目を丸くしてから考えるように顎に指を添えた。
「そうだなぁ、創一郎君は純情可憐な子が好みであることは確かだね」
純情可憐……清らかで、穢れがない愛おしい存在って感じかな?
清らかで、穢れがない…………
断片的に記憶に残っている、昨日の醜態が頭に浮かぶ。
…………清らかで、穢れがない女性が好きってことは、昨日みたいに淫らで破廉恥な私だと嫌われちゃうってことだよね。
まず目に飛び込んできたのは、創一郎さんの、はだけた胸。
少し顔を起こして周りを見る。
あれ? あれ? ここソファ?
背中には、いつもソファで使っているブランケットがかけてある。
昨日、ソファで寝ちゃった? 創一郎さんと?
ゆっくりと起き上がろうとしたら、頭がズキンと痛んだ。
それに上手く起き上がれない、腰のあたりに何かが引っかかっている。
ブランケットを捲ってみると、私の腰へと伸びている創一郎さんの腕。
彼の腕の付け根から二の腕、肘の方へと順に目で辿ってブランケットをさらに捲りながら後ろを向く。
創一郎さんの手首が手錠のようなブレスレットで拘束されていた。
昨日の記憶がところどころ蘇ってくる。
ぅうわわわわわーっっっ
昨日のって、夢じゃなかったの!?
慌てて彼のブレスレットを外し、身体をずらして、彼の股間を確認する。
辛うじて、創一郎さんの下着は普通に穿けている状態だけれども、ベルトは外れ、ズボンのファスナーは開いていた。
え? どこまで現実? どこから夢?
目を覚ました創一郎さんに、「俺がそばにいない時には絶対にお酒を飲まない事」を強く約束させられた。
「俺も、魔が差した。本当はもっと早く俺が止めるべきだったんだ」と何故か創一郎さんはちょっと辛そうな表情。
シャワーを浴びてサッパリした様子の創一郎さんは、二日酔いっぽい症状がある私のために、ドリンク剤や食べられそうなものを探してくると言ってコンビニへと出かけて行った。
創一郎さんが出かけて間もなく、来訪者を告げる呼び出し音が鳴った。
いつも創一郎さんがいない時には出ないけれど、モニターに映っていたのは……勇太君。
創一郎さんの秘書だし、勇太君なら、出た方がいいよね――
ロビーへと続く入り口の鍵を解除する。
続いて、エレベーターのロックを解除しながら、慌ててババババッと着替え、ローテーブルに散らかったままだったベビードールを箱に入れて蓋を閉めリビングの隅に置く。
玄関の鍵を解除した時には、少し息切れしてしまった。
「これ、出張のお土産のプリン。創一郎君ここのお店の好きだから昨日買っておいたんだ。甘いものが好きなんて、意外だよね」
「……ありがとうございます」
勇太君も、創一郎さんが甘いもの好きって知ってるんだ。
そういえば、フランスにいたころからの知り合いだって言ってたもんね。
……創一郎さんのこと、スージーさんみたいに、色々知ってるのかな?
紅茶を淹れてダイニングテーブルに置いたら「ソファに座ろうよ」と言って勇太君がリビングに運んでくれた。
「クッキーも買ってきたんだ。花ちゃんも座って、一緒に食べよう」
勇太君がローテーブルに紅茶とクッキーをセッティングしてくれたので、隣に座って勧められるままにクッキーを口にする。
バターの香りが口にフワッと広がって丁度いい甘さ。
なんだか幸せな気分になる味。
勇太君はいつものように、身の回りで起きた出来事を楽しく聞かせてくれた。
今回は、昨日から泊まりで行った出張先での話。
中でも興味深かったのは、ある会社の社長子息と社長令嬢の結婚話。
なんでも、会社の後を継がずに漫画家になってしまった社長子息とその彼をずっと好きだった幼馴染の社長令嬢が、周囲の反対を押し切って結婚してしまったらしい。
「結婚した当初は色々揉めて大変だったって両方の社長が言ってたよ。でも、今は息子さんたちとも仲良くやってるみたい。そこまで人を好きになれるって、なんだか羨ましいねぇ」
結婚したくなるほど、好きになる人、か……
「創一郎さんって、あの、ど、どんな女性が、好きなんですかね?」
勇太君が、一瞬目を丸くしてから考えるように顎に指を添えた。
「そうだなぁ、創一郎君は純情可憐な子が好みであることは確かだね」
純情可憐……清らかで、穢れがない愛おしい存在って感じかな?
清らかで、穢れがない…………
断片的に記憶に残っている、昨日の醜態が頭に浮かぶ。
…………清らかで、穢れがない女性が好きってことは、昨日みたいに淫らで破廉恥な私だと嫌われちゃうってことだよね。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる