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初めてだったの!?
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飛行機を降りて荷物を受け取り、到着ロビーに行くとスージーさんと勇太君が迎えに来てくれていた。
「「おかえり花ちゃん」」
ふたりにぎゅぅっと抱きしめられる。
「くっつき過ぎ」
ベリッと引き離すようにふたりと私の間に創一郎さんが割って入った。
ふたりと少し距離が空き、スージーさんはジッと私の顔を見つめている。
「花ちゃん……泣いてた?」
慌てて手で顔を隠す。
創一郎さんのプロポーズが嬉しくて、実はたくさん泣いてしまった。
飛行機の中でも、思い出しては目が潤んでしまって。
きっと今私は、泣き腫らして酷い顔をしているに違いない。
眉を寄せ、心配するような目を私に向けるスージーさん。
「大丈夫花ちゃん? 泣くことっていったら創一郎絡みでしょう? 痛くされたの? 創一郎がヘタクソだったのかしら」
「うるさいぞ、源太!」
珍しく創一郎さんが声を荒げる。それを聞いてスージーさんは眉を吊り上げた。
「やぁだぁ! 本名で呼ばないでって、いつも言っているでしょう! スージーって呼んでよ」
「何がスージーだ! お前の名前は鈴木源太だろうが。鈴木をどうもじったらスージーになるんだよ」
……鈴木、源太……って、誰?
「花ちゃん、こんな男やめといた方がいいわよ。なんてったって初恋を拗らせて29になるまで、まともに彼女もいなかったんだから」
「!? 余計な事を花に言うなッ!!」
二人のやりとりをポカンと眺めることしかできない。
ふたりの声が段々大きくなってきたからか、まわりの人がチラチラと視線を送るようになってきた。
『撮影?』、『うわ、イケメン』、『美人、女優さん?』とヒソヒソ話す声が聞こえてくる。
「顔だけは良いから、寄ってくる女はたくさんいたんだけどねぇ。初恋の子が忘れられなくて」
「源太、それ以上口を開くな!」
「13歳の遅い初恋で好きになったのが、お爺さんの家の隣に住む6歳の女の子。それからずっと好きって、重いわよねぇ」
お爺さんの家の隣に住む女の子……?
頭の回転がついていかない。
「源太ッ!!」
「もぉ、源太って呼ぶの止めてよね。じゃないと童貞チェリーボーイって呼ぶわよ!」
スージーさんの声に反抗するように、創一郎さんの声が到着ロビーに響き渡る。
「もう今日から童貞じゃねえよッ!!!!」
ピキッ……と、空気が凍ったような気がした。
創一郎さんは慌てて自分の口を押さえている。
「違ッ、これは……」
『やっぱり撮影?』、『イケメンなのに……』、『童貞って、ププ、残念』とヒソヒソ声とくすくす笑う声が聞こえてくる。
勇太君は笑いを堪えきれずに、お腹を抱えて爆笑していた。
この年、人気有名漫画家、天王寺駆による漫画『今日から童貞じゃねぇよ』が異例の大ヒット。
同作を軸とした乙女ゲームや男性対象のギャルゲーも発売され、映画化も決定し、この年の流行語大賞を受賞。
大企業の副社長でもある創一郎さんはテレビにも出たことがあって目立つ人だけれど、今回の空港の出来事は知る人ぞ知る幻のプロモーションとして扱われ創一郎さんの評判を落とすことは無かった。
創一郎さんの事がそこまで騒ぎにならなかったのは、その裏で勇太君が行なった関係各所への働きかけによる功績が大きかったらしい。
この年の流行語大賞のニュースを、創一郎さんが苦虫を嚙み潰したような表情で眺めることになるのは、まだもう少し先の話。
「「おかえり花ちゃん」」
ふたりにぎゅぅっと抱きしめられる。
「くっつき過ぎ」
ベリッと引き離すようにふたりと私の間に創一郎さんが割って入った。
ふたりと少し距離が空き、スージーさんはジッと私の顔を見つめている。
「花ちゃん……泣いてた?」
慌てて手で顔を隠す。
創一郎さんのプロポーズが嬉しくて、実はたくさん泣いてしまった。
飛行機の中でも、思い出しては目が潤んでしまって。
きっと今私は、泣き腫らして酷い顔をしているに違いない。
眉を寄せ、心配するような目を私に向けるスージーさん。
「大丈夫花ちゃん? 泣くことっていったら創一郎絡みでしょう? 痛くされたの? 創一郎がヘタクソだったのかしら」
「うるさいぞ、源太!」
珍しく創一郎さんが声を荒げる。それを聞いてスージーさんは眉を吊り上げた。
「やぁだぁ! 本名で呼ばないでって、いつも言っているでしょう! スージーって呼んでよ」
「何がスージーだ! お前の名前は鈴木源太だろうが。鈴木をどうもじったらスージーになるんだよ」
……鈴木、源太……って、誰?
「花ちゃん、こんな男やめといた方がいいわよ。なんてったって初恋を拗らせて29になるまで、まともに彼女もいなかったんだから」
「!? 余計な事を花に言うなッ!!」
二人のやりとりをポカンと眺めることしかできない。
ふたりの声が段々大きくなってきたからか、まわりの人がチラチラと視線を送るようになってきた。
『撮影?』、『うわ、イケメン』、『美人、女優さん?』とヒソヒソ話す声が聞こえてくる。
「顔だけは良いから、寄ってくる女はたくさんいたんだけどねぇ。初恋の子が忘れられなくて」
「源太、それ以上口を開くな!」
「13歳の遅い初恋で好きになったのが、お爺さんの家の隣に住む6歳の女の子。それからずっと好きって、重いわよねぇ」
お爺さんの家の隣に住む女の子……?
頭の回転がついていかない。
「源太ッ!!」
「もぉ、源太って呼ぶの止めてよね。じゃないと童貞チェリーボーイって呼ぶわよ!」
スージーさんの声に反抗するように、創一郎さんの声が到着ロビーに響き渡る。
「もう今日から童貞じゃねえよッ!!!!」
ピキッ……と、空気が凍ったような気がした。
創一郎さんは慌てて自分の口を押さえている。
「違ッ、これは……」
『やっぱり撮影?』、『イケメンなのに……』、『童貞って、ププ、残念』とヒソヒソ声とくすくす笑う声が聞こえてくる。
勇太君は笑いを堪えきれずに、お腹を抱えて爆笑していた。
この年、人気有名漫画家、天王寺駆による漫画『今日から童貞じゃねぇよ』が異例の大ヒット。
同作を軸とした乙女ゲームや男性対象のギャルゲーも発売され、映画化も決定し、この年の流行語大賞を受賞。
大企業の副社長でもある創一郎さんはテレビにも出たことがあって目立つ人だけれど、今回の空港の出来事は知る人ぞ知る幻のプロモーションとして扱われ創一郎さんの評判を落とすことは無かった。
創一郎さんの事がそこまで騒ぎにならなかったのは、その裏で勇太君が行なった関係各所への働きかけによる功績が大きかったらしい。
この年の流行語大賞のニュースを、創一郎さんが苦虫を嚙み潰したような表情で眺めることになるのは、まだもう少し先の話。
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