10 / 16
全部が可愛い?(メスフィルール視点に戻ります)
しおりを挟む騎士団の訓練場から戻ったゴーシュ様を、アヴァンタント公爵邸の広い玄関ホールで出迎える。
するとゴーシュ様が、「ただいま」と言いながら私の唇へキスをした。
まさかそんな事をしていただけるなんて。
結婚式での誓いのキスは、背の高いゴーシュ様が少しかがんで私の額へ口を寄せるだけのものだった。
だから今のが、初めての口付け。
驚きすぎて今までの人生で一番動揺してしまった。
なんだか顔が、もの凄く熱い。
もしかしたら私の顔は今、真っ赤に熟したトマトよりも赤いのではないかしら。
朝食も昼食も別々だったけれど、夕食はゴーシュ様とご一緒させていただく事になった。
昼間ゴーシュ様が不在の間にアヴァンタント公爵家の歴史について執事長から学んだ事、侍女長に屋敷の中を案内してもらった事などについて、食後のお茶を飲みながら報告する。
ゴーシュ様は特に何か話すことも無く私の方をジッと見つめ、時々頷いていた。
つまらない話だとゴーシュ様に思われていたらどうしよう。
マクリ様は私と将来夫婦になる予定でフテイシ伯爵家に住んでいたけれど、一緒に食事をした事が無かったため夫婦の会話というものがこれで良いのか分からない。
不安に思っていたら、侍女長が食器を片付けに来た時にゴーシュ様が「もう少しメスフィの話を聞いていたかった」と呟いたのでホッとした。
湯浴みを済ませ、大きなベッドに軽く腰かけゴーシュ様を待つ。
ガチャ、とドアの音がした瞬間、ビクッと私の肩が跳ねた。
ドキドキしすぎて心臓が喉から出てきそう。
湯浴み後で少し髪が濡れたゴーシュ様は、雄々しいのに魅惑的な色気を纏っていた。
ゴーシュ様が私の隣に座り、ベッドがギシリと軋む。
昨日のようにゴーシュ様へ口で奉仕する位置へ動こうとしたら、話しかけられた。
「赤い所有印をつけたい。尻を向けてもらってもいいだろうか」
ベッドでうつ伏せになり、お尻だけ位置を少し高くして夜着の裾をペラ、と捲る。
打たれるのかと思ったらお尻の柔らかいところに吸い付かれた。
そのまま少し強く、ぢゅ……と吸われる。
「ふゃァんッ」
いつもよりも変に甘くて高い声が出た、自分の声だと思えない。
そのまま何度かお尻を吸われ、そのたびに声の甘さが増していく。
なんか、変。
そう思っていたら内腿をつたって、トロリとした液体が垂れていくような感覚を憶えた。
身体の奥がゾクッと疼く。
このままゴーシュ様にお尻を吸われ続けたら、何か危険な事が起こりそうな気がする。
「ぁ、の、ゴーシュ様、そろそろ次の手順をお伝えいたします」
「次の手順……」
呟くゴーシュ様のお顔を蹴らないように気をつけながら、うつ伏せから仰向けの体勢へ寝返りをした。
「私の方を見つめながら、女性を辱める事をおっしゃってください」
「女性を辱める事とは……何を言えばいいんだ?」
浮気現場を見学していた時にマクリ様は女性の秘部を見ながら「こんなにぐしょぐしょに濡らして、恥ずかしい女だな」とか「僕のが欲しそうにヒクヒクしてるぞ、この淫乱が」と述べていた。
「見た通りの状況を、そのまま伝える感じで良いと思います」
「そうか、分かった」
ゴーシュ様にジッと見つめられ、胸がドキンと跳ねる。
「可愛いぞメスフィ」
「……ぇ?」
「すごく可愛い。大きな瞳も、柔らかそうな唇も、赤く色付く肌も、全部。メスフィの全部が可愛い」
「ぇ、ぇ、ぇ……ゴーシュ様、恥ずかしい……です……」
思わず両手で顔を覆ってしまう。
どうしてかしら耳まで、すごく熱い。
「恥ずかしがっている姿も可愛いのか、すごいな」
「ぁ、の、辱める事を言うのはもう充分です。次の手順へ移りましょう」
「では昨晩メスフィにしてもらった事を、今度は俺がメスフィにしようか。閨では、してもらってもう一度して欲しいと思えるような事を自分も相手にしてあげるのが夫婦円満の秘訣だと親友から教えてもらった」
そう言うとゴーシュタイン様は、私の脚の付け根へ顔をうずめた。
251
あなたにおすすめの小説
結婚式に結婚相手の不貞が発覚した花嫁は、義父になるはずだった公爵当主と結ばれる
狭山雪菜
恋愛
アリス・マーフィーは、社交界デビューの時にベネット公爵家から結婚の打診を受けた。
しかし、結婚相手は女にだらしないと有名な次期当主で………
こちらの作品は、「小説家になろう」にも掲載してます。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる