最強覚醒者の禁忌聖魔 ~大切な何かを失った最凶は人生を怠惰に過ごす~

松川よづく

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聖魔祭編

ねむいけどまたやらかしたようです。

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「生徒会長、霧谷悠太君と天馬美桜さんをお連れしました」

悠太たちは強引・・に副会長に連れられ、闘技場からだいぶ離れたところにある生徒会室に辿り着く。

「どうぞ、お入りください」

ドア越しから意外にも可愛らしい声が返ってくる。やや幼さの残る、しかし澄み切った声であった。

「失礼します」

副会長は慇懃に入室すると、十歳くらいの女の子が肘をついて手を顎の高さで組み、ニコニコ笑顔を浮かべならがいかにも高そうな椅子に座っていた。

「あなたが霧谷悠太君ね」
「はい、そうですよ」

悠太は諸星の時とは違い素直に認める。副会長に名前を呼ばれた時でさえ面倒ごとを避けようと抵抗したが意味をなさず、また抵抗したところでどうせ美桜に何かされると踏んだ悠太は仕方なく諦めたのだ。

「早速なんだけど本題に移らせてもらうわ」

目の前の女生徒は御構い無しに話を進める。

「あなた、生徒会に───」
「お断りさせていただきます」
「「はやっ!!」」

その拒絶の意思を込めた返事の速さについ美桜と諸星は驚きの声を漏らす。

「ふははははっ、流石ね。理由を聞いてもいいかしら?」

生徒会長と思わしき少女(?)は、高笑いをするが目は全くといっていいほど笑っておらず、その瞳には絶対に引かないといった確固たる意志が宿っていた。

(この人どんだけ俺を生徒会に入らせたいの!?)

悠太もその意思の硬さに少し動揺が生まれるがすぐに平常心に戻る。

「まず俺が生徒会に勧誘される大義名分がありません」

(まっ、大体想像はついているが)

「それに俺にメリットがない。生徒会に入れば多少なりとあるとは思うがどれも俺のメリットにはならないし、そもそも入る気がない」
「なるほどね」

生徒会長と思わしき少女(?)はその理由に動揺の素振りを見せることなく、全て計算通りといわんばかりの態度で「わかったわ」と平然と言葉を返し、

「そうね、確かに説明不足だったわね。ではまず始めに貴方をスカウトした理由を教えるわ。それはね、貴方が強いからよ」
「はぁ」

悠太は気の抜けた返事をする。今までなるべく戦闘を避けてきたが、私利私欲のために嫌々戦えばクラスメイトや先生をボコボコにしたり、先の戦いではデコピンで上級生を倒すという普通では考えられないことをしてきたのだ。それを生徒会長となれば知らないはずがなかった。

「生徒会役員が弱いとなっては話にならないわ、そして貴方は生徒会に相応しい申し分のない強さを持っているのよ。クラス全員を圧倒するなんて正直一年生にしては異常だし、何より圏外の貴方が序列六位を倒すなんて普通ならありえないことだし、エミリットをデコピンでワンパン。あの子一応三年生の中でもそこそこ強いのよ?そんな貴方の実力はこの学園でもトップクラスだと私は思っているわ」

(ん?俺が先生を倒したことを知らない?生徒会の情報網でも知らないってことは五皇聖魔がなにかしたってことか)

「だけど私が直で見たわけでわないわ。正直貴方の実力を疑っているのよ。さっきまでの話は私が聞いた通りであればの話よ」

疑うのも無理はないだろう。首席とはいえ下級生であり一年生だ。一般的な一年生はまだまだ魔術の操作も上級生と比べると天と地ほどの差があり、剣術も同様形にすらならず、第一剣術が精一杯であろう。それがこの学園の常識である。そんな一年生がクラスメイトや教師をボコボコにし、上級生をデコピンでワンパンするなど誰が信じるのだろうか。それをちゃんと理解している悠太はこれから起こる面倒ごとを避けるためここで引き下がろうとする。

「だったら俺はここ───」
「だから、確かめさせていただくわ。これを使って」

その力強い声音と共に生徒会長と思わしき少女(?)は机の引き出しに手を掛け、そこからそこそこ大きい水晶が現れる。そして机の上に「ドシンッ!」と重い音を響かせながら置く。謎の輝きを放つその水晶は何一つ混じりけの無い純白であり、その澄み切った白色はどこか神秘的なものを感じた。

「この水晶はその人の強さを表してくれるすごい代物でね、この水晶の表面に手をかざせばそこから数字が浮かび上がってくるのよ」
「へぇ~」

悠太は興味なさげに弱々しく声を漏らす。

「とりあえず手始めに天馬さん、いいかしら?」
「は、はい!」

指名された美桜はその突然過ぎる驚きと緊張で一瞬体が硬直するが、生徒会長と思わしき少女(?)を待たせるわけにもいかずすぐさま水晶前まで歩き急ぐ。

「こ、ここに手を置けばいいんですね?」
「ええ、それでいいわよ」

美桜は息を呑みながらも緊張で震える手のひらを水晶の側面にかざすと、

「───!?」

突然水晶が輝きだす。目を細めるほどの輝きではなかったにしろ水晶の中ではとても凛々しく光っていた。そして水晶に数字が徐々に浮かび上がる。

「一万五千って、貴方すごいわね」
「えっ、凄いんですか?」
「ええ、なかなかいないわよ。流石序列六位といったとこかしら」
「あ、ありがとうございます!」

美桜は生徒会長と思わしき少女(?)に向けて勢いよく頭を下げる。そんな美桜に「何に対しての感謝なんだ?」と悠太は疑問を浮かべていたが、

「さあ、霧谷くんも」
「わかりましたよ。やればいいんでしょ?やれば」

ここで断ればまためんどくさくなると危惧した悠太は渋々水晶に手をのせると、

「な、なにこれ!?」
「うぉっ!」

先ほどとは違く、水晶から放たれる輝きが尋常ではないくらいに激しく増していく。それから数秒経つと輝きが徐々に収まっていく。そして生徒会長と思わしき少女(?)は「どれどれ~?」とその水晶に近寄っていくと、

「なっ!?うそ.....」

目を大きく見開き固まる生徒会長と思わしき少女(?)。その目線の先にははっきりと【測定不能】という文字が浮かび上がっていた。

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