時は平成。発達障害だと知らなかった僕が、狂人から大人になるまで。(ほぼ実話)

カナリア

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治療は狂気とカテゴライズされる

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僕の頭はいつも騒がしい

そんな僕が僕のために見つけた治療法がある。

それは、体に大きな刺激を入れること

その刺激によって、僕の頭は一瞬「整う」のだ。
今でいうのところのサウナ感覚である。


その治療法(発案、僕)は

まず、めちゃくちゃ回る

とにかく回る
回る遊具が公園にあればずっと乗る。
友達は付き合ってもらえないのがわかっているので
1人で回り続ける。
世界が回転し、頭に強く刺激が加わり
ある一定の時間回り続けると 頭のざわつきは楽になる。

そしてその後、三半規管がいかれ
吐くのである

頭と胃のデトックス。


はたからみたら、すごく怖い。
そして狂気じみている。

そりゃ、子供が1人で狂ったように回り続けて、吐き戻しては楽しそうなのだから噂にもなるだろう。

僕からしたら、苦しみから解放される
治療なのだが、世間からしたら単なる気狂いだ。

それでもとにかく頭を治めるのが重要だった。

親に回ることを禁止されてからは
壁に頭を打ちつけたり、自分で叩いたりしていた。

家で行うと怒られるから

通学路にある適当なマンションで人気のないところで頭を打ち続けていた。

想像にたやすいだろうけど
これも目撃した際は悲鳴ものである。

マンションの物陰で、小学生が一心不乱に壁に頭を打ちつけて鼻血もだしているのだから。

のちに、狐憑きとまで噂されたが
僕にとっては重要な治療なのである。

これ以上頭を打ち続けると高次機能障害になると言われ、頭を打ち続けることも禁止された僕。

世の中は、厳しい。


次に取った手段は
逆さまになる。であった。
よくもまあ、刺激を求めて懲りないものだ。今更だが感心する。


鉄棒に足を引っ掛けて
永遠鼻血が出るまで逆さまになる。

しかし、これは担任が止めにくることが多く、足を滑らせて顔から落ちたのでやめた。

最終的に僕が辿り着いて、比較的怒られない頭への刺激は

頭から水をかぶる。

に落ち着いた。
水道を捻れば頭は濡らせて、冷たい水は程よく刺激をくれた。

ビバ、公共の水道。

髪の毛は短いので、家に着くまでには乾く。
そして、お風呂の際は水をシャワーで出してかぶり、
湯船がそれで冷めてしまっても親が入る前に追い焚きを押せば完璧だ。


こうした、僕の「刺激的な日々」は中学生くらいまでこっそりと続けられた。

いまだに地元の怪談で、
血まみれの子供の霊がでる団地

という噂が残って入ることが大人になった僕の耳に届いた時は
密かに笑った。それは幽霊ではなく、額と鼻から血を出した僕である。
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