時は平成。発達障害だと知らなかった僕が、狂人から大人になるまで。(ほぼ実話)

カナリア

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お兄ちゃんという、センシティブのかたまり

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狐憑きとまで言われた弟を持つ兄はどんなものかと言うと

大人しく、不器用ながら素直な子供だったと思う。

いい意味で、僕と言う存在を無視しながら「お母さん」が求める子供でいることに努力をしていた。

世間が兄と僕を比べる声はとてもあったが
兄からお前なんていなければ良いと言われたことはない。

周りがどれだけ仮病だと言っても
幼い僕をおぶり、怪我していたら無言で保健室に連れて行ってくれた。
僕はよく吐き戻すので、体重はとても軽く、もっと給食を食べろと言われた記憶がある。

そんな兄は、センシティブな感情の持ち主で

「お母さん」や「お父さん」に叩かれて、なじられる僕をみているのは辛かったのだろう。

一度「お父さん」に首を絞められる時
僕を突き飛ばして代わりに首を絞められていた。


それはちがう!
僕は、首を絞められても
叩かれても

痛みに慣れているから大丈夫なのに

それは違うだろう!
お兄ちゃんは「お母さん」
の大事な子供ななんだから、僕の代わりになってはダメなんだ!


その時、僕は初めて家を飛び出した。
飛び出して近所の人を呼んだ。

僕は首を絞めらるまでお尻を叩かれていた。お尻を叩かれる際は
全裸にされていたので、近所の人は
裸の子供が親の暴力を訴えてきたのでそれはたまげたものだろう。

無事に兄は助かり、父親は非難された。

しかし、世は平成。
親の躾と言われては引き下がらず負えない。ましては、相手は狐憑きである。

流石に「世間体」を気にした「お母さん」が「お父さん」を怒り、僕ではなく兄を連帯責任として首を絞めたことに怒り狂ったため、事なきを得た。


しかし、ここから僕の快進撃が始まる。

どうやら、僕の命を助ける「世間体様」は裸の子供の訴えに弱いらしい。

幸い僕の親は、よく僕を反省といって
下着姿で玄関から外に出していた。

まさか、下着姿で外をウロつくとは思わなかったのだろう。

学んだ僕は強い。


身につけた下着でさえ放り投げ、近所の交番まで猛ダッシュ

親にやられました!と叩かれて赤い体
のまま裸で警察官に訴える。


僕が憎悪の対象であった親も
「世間体」様には敵わない。そして法律にも逆らえない。

そして、ここでミラクル
祖父母降臨。

親族会議が開かれてお叱りを受けた両親は僕や「お兄ちゃん」を叩くのは
このあと一切なくなり

裸でベランダの正座、2時間コース

にまで収まったのだ。

ちなみに冬は木造の廊下で2時間。
その後「お父さん」に説教をうけ
お父さんから、2時間と大体4時間正座だ。

武士も驚きの正座生活である。

このころには、正座の理由なんて些細なもので、食事が遅いからとかそんなレベルで正座だったが

正座は残念ながら僕の軽い体には負担にはならず、
むしろ冷えた廊下は頭のざわつきを抑えられる良い時間であった。

この時の生活が、後に足の関節に影響を受けることとなるのが

おかげさまで葬儀の際の正座が
苦にはならない大人となれた。


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