時は平成。発達障害だと知らなかった僕が、狂人から大人になるまで。（ほぼ実話）

なんと何と、お手頃価格。

僕が小学生時代は平成だけど
その中でも災害や事件が多く

毎年のように、ニュースは大きな事件を報道していた。
その事件の影響は、日本国民である限り
こんな狐憑きの子供にも影響を与えたのである


晴れた日。

いつものように僕は、頭を冷やすために水道に向かっていたが
季節は冬。

髪が乾くのも遅いので、ちょっと控えめに水をかぶってすっきりしていた。

世界は今日も僕の耳には騒がしく
世間は、等しくルールに溢れてて、
自由に生きることの難しさを感じ始める
そんな年頃の僕は

常日頃から家から、
つまりは親から解放されることを考えていた。

当時の僕は、命の尊さとか
儚さとか
そういった道徳や倫理観の関わる考え方はそもそも頭の中に無くて

ただ、今は年齢的にも若い親から解放されるためには
死ぬのを待つより殺すしかないんだろう。

そんな短絡的な思考しかなく

その後、
逮捕されるとか
罪を犯す

そんな大事なことさえ、

離れて生活できるならむしろご褒美だ！

そんな感覚で生きていた。

つまり、何が言いたいかと言うと
常に親の殺し方を探していたのである。

さすが狐憑き、頭がイカれてやがる。


幸いにも、世の中はミステリーブームと怖い話ブームにあふれ
どこぞの名探偵の孫が事件を解き明かす
漫画も流行していた。

教科書が沢山あったのである。


そんな中から僕が選んだ方法は
毒殺だった。

僕は子供で
むしろ小さくて、大人に本気で挑んでも絶対に負けてしまう。


そんな僕でも、お手軽！簡単！
そして入手しやすいのが、毒だったのだ。


おー、いえ！！
通販のおじさんもびっくりのお手軽価格。
なんと何と元手は0円！すごい。

そこら中から入所可能なその材料は

空き缶
タバコ
公園の水
マッチ
木の枝
針金


これだけである


そう、僕はミステリーから得た知識で
タバコを煮詰めて高濃度ニコチンを作成し、それを爪楊枝に浸してから
親を、チクン！！作戦を考えていた。

実際うまく行くかなんて、わからない。
読んだ本には、煮詰めたニコチンなら1滴で人は死ぬと書いてあったからだ。

小学生のお財布に優しい
なんて素晴らしい方法なんだ。

この時代は、健康習慣や
成人病なんて遠い異国の話のように、
歩きタバコする人ばかりだったのだ。
道路にはいつだってタバコが落ちている。


これを決行に移すため、タバコを明日拾おう。

そう決意して、とても満足に寝ついた次の日

東京にもある程度の揺れを感じさせながら

日本は阪神大震災に見舞われたのである。