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やさしい第三王子 ※
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(身体だけ手に入れたいわけではない。王族としての人生二人分かけて欲しいのがただの身体だけなわけがない。手に入れたいのは心も体もだ)
昨夜と違い冷静な自分がゲオハルトの反応を分析するのをリヒトは感慨深く思いつつ愛しい恋人の乳首に吸い付いた。昨晩時間をかけたおかげで見事な胸筋の上でプクリと立ち上がった突起は十分に性感帯になったらしく舌で転がす度にゲオハルトは可愛らしい吐息を漏らしてくれる。
リヒトがカリリと歯を立てればその刺激で彼は背を反らせる。割れた腹の上で固く立ち上がったゲオハルトの男根は先走りでテラテラと光っていた。
昼間の明かりの下で年下の男にいいようにされるのは流石にまだプライドが許せなかったようなので優しい恋人であるリヒトは部屋に入るなり得意の拘束術を使ってゲオハルトの自由を奪った。
素早く目隠しをし服を脱がした後は両手両足をベッドの柵に結びつけた。昨日と違い薬を使っていないので抵抗しようと思ったのに出来なかったという言い訳が成立するようにという優しい気遣いである。ゲオハルトがリヒトの心中を知ったらきっと目を回したことだろう。
普通の気遣いができないのに変なところで優しさを発揮するリヒトであった。
視覚を奪われたゲオハルトの身体が薬を使っていた昨夜と同じくらい良い反応をするのに気づいたリヒトは兄たちが手配した閨の教師の教えを思い返しながらも姫だった頃の記憶に一瞬囚われた。
前世の姫だった頃、後宮ではいかに帝王を満足させるのか、飽きさせずに寵愛を我が物にするのかのあれやこれやが囁かれていた。顔を合わせるものは皆ライバルなのだ。秘中の秘を他国の姫が教えてくれるわけがない。
しかし姫たちとの交流を諦め庭の隅の木の上で空を眺めながら下働きの者たちが井戸端で仕事をこなしながらやんごとなき姫君たちの手練手管をかしましく話す声を聞いていた前世のリヒトは処女ながらも立派な耳年増となっていた。
ある日耳にした『男性は後ろの穴を攻められても喜ぶ』という話に彼女は多大な衝撃を受けた。
「帝王は男の愛人も持っている」
「王宮の一部にはそのための男が控えているらしい」
さすがに王に関することは不敬罪で打首になってもおかしくない事柄なので小声で囁かれていたが読唇術の使える前世のリヒトは娘たちのささやきを理解した。
この巨大な後宮を持ちながら帝王の子供の数は驚くほど少ない。
寵姫と呼ばれる姫たちもせいぜい月に二三度お呼びがかかっている程度だ。
それが帝王が男に抱かれるのが好きだからと考えると妙に納得がいった。
そしてゲオハルトは男に抱かれるのを好むだろうかと夢想した。
元から自分が姫として誰かに抱かれると考えると違和感があった。自分ではよく見えない穴の奥に男性器が入るほどの隙間があると言われてもピンとこなかったし。初めて入れる時は狭い穴をこじあけるから出血すると教わったときには恐怖しか無かった。
だが自分がもし男として抱かれるのではなく抱く方になるならばどうだろうか、その妄想は違和感なくピタリとはまった。
そしてそれは処女ながらも国に残してきたゲオハルトを甘く啼かしたいという願望へと成長していった。
その日から彼女はゲオハルトが頬を赤く染め自分を求めて切なく震える様を想像しては布団の中で熱い体を持て余すようになった。
そして男性として生まれてきた今生ではゲオハルトに再会してからというものいつか彼に相応しい男になると決意し生きてきた。
多少の抵抗があっても押さえつけられるように近接戦のやり方は特に熱心に学んだし捕縛術も王都の警備兵や野生動物を捕まえる猟師のやり方も取得した。
恋の成就のために捕縛術を会得するのは普通の人間のやることではないとなだめる人間もいなかったのでリヒトは目標のために自分よりも大きな騎士たちを相手にひたすら練習をした。
その甲斐あって、いとけない人形のような外見に惹かれて寄ってきた害虫も十をすぎるころにはやすやすと駆除できる実力を身につけることができた。
だが後は精通を待つばかりと肉体が精神に追いつくのを待っている頃からゲオハルトがリヒトによそよそしくなってきたのだ。
リヒトは警戒心を持たせないようにあくまで可愛い弟のような存在であるように振る舞ってきたはずが王宮にいても手合わせの指導もしてくれなくなり二人のやり取りが手紙だけになった。
きっと忙しいのだ。日が悪かっただけだ。子供である自分に時間をさけるほど辺境伯の仕事は暇ではないのだ。少年だった頃のリヒトは傷む心をそうごまかしていた。
さすがに自分の成人の儀には会えるだろう、そしてその日には思いを告げ前世のことを打ち明けてもいいかも知れないと淡い期待をしていたリヒトだったが十五歳になった祝の会には代理の者が祝いの品と手紙を持ってきた。
そのころには絶対にその日のうちに思いを告げると思っていたリヒトは落胆のあまり寝込んだ。
そして絶望の床の中で学んだ。悠長にしているからだめなのだと。前世では悠長にしていたから飛び込んできた縁談に思いを告げる暇も無く諦める羽目になった。
絶対次の機会があったら逃さない。前世のことを告げずとも絶対自分におとしてみせる。何があっても抱いてやる!!
そう決意した瞬間が本当のヤンデレ王子誕生の瞬間であり辺境伯の尻の運命は決まったのだった。
そして今リヒトは前世から願ったとおりゲオハルトを抱く立場になった。
ゲオハルトはベッドの上で真っ赤になり震えながらリヒトの次の動きを待っている。昨晩の快楽を覚えた身体がリヒトに触られることで記憶を再生しそれと同じ刺激が与えられることを切望しているのだ。
身体はゲオハルトが思っているよりリヒトに屈している。だが男としてのプライドがゲオハルトに素直になることを認めさせず苦しめているのだ。己の欲望に逆らうことがどれだけ苦しいのかリヒトほど分かっている者はいない、憐憫と愛しさで彼の胸は締め付けられた。
(かわいそうに)
決定的な刺激を与えないように性器の周りを触れるか触れないかの加減で唇で愛でる。吐息がかかるたびにゲオハルトの興奮が増していくのが愛おしくてならない。先走りはもう後ろの穴にまでとどくほど溢れその穴がひくりひくりと中へ誘う動きをする度にかすかな水音を立てるほどになっている。
(くるしいだろう。哀れなゲオ。私が助けてやろう。はやく心も堕としてやらなくては)
昨夜と違い冷静な自分がゲオハルトの反応を分析するのをリヒトは感慨深く思いつつ愛しい恋人の乳首に吸い付いた。昨晩時間をかけたおかげで見事な胸筋の上でプクリと立ち上がった突起は十分に性感帯になったらしく舌で転がす度にゲオハルトは可愛らしい吐息を漏らしてくれる。
リヒトがカリリと歯を立てればその刺激で彼は背を反らせる。割れた腹の上で固く立ち上がったゲオハルトの男根は先走りでテラテラと光っていた。
昼間の明かりの下で年下の男にいいようにされるのは流石にまだプライドが許せなかったようなので優しい恋人であるリヒトは部屋に入るなり得意の拘束術を使ってゲオハルトの自由を奪った。
素早く目隠しをし服を脱がした後は両手両足をベッドの柵に結びつけた。昨日と違い薬を使っていないので抵抗しようと思ったのに出来なかったという言い訳が成立するようにという優しい気遣いである。ゲオハルトがリヒトの心中を知ったらきっと目を回したことだろう。
普通の気遣いができないのに変なところで優しさを発揮するリヒトであった。
視覚を奪われたゲオハルトの身体が薬を使っていた昨夜と同じくらい良い反応をするのに気づいたリヒトは兄たちが手配した閨の教師の教えを思い返しながらも姫だった頃の記憶に一瞬囚われた。
前世の姫だった頃、後宮ではいかに帝王を満足させるのか、飽きさせずに寵愛を我が物にするのかのあれやこれやが囁かれていた。顔を合わせるものは皆ライバルなのだ。秘中の秘を他国の姫が教えてくれるわけがない。
しかし姫たちとの交流を諦め庭の隅の木の上で空を眺めながら下働きの者たちが井戸端で仕事をこなしながらやんごとなき姫君たちの手練手管をかしましく話す声を聞いていた前世のリヒトは処女ながらも立派な耳年増となっていた。
ある日耳にした『男性は後ろの穴を攻められても喜ぶ』という話に彼女は多大な衝撃を受けた。
「帝王は男の愛人も持っている」
「王宮の一部にはそのための男が控えているらしい」
さすがに王に関することは不敬罪で打首になってもおかしくない事柄なので小声で囁かれていたが読唇術の使える前世のリヒトは娘たちのささやきを理解した。
この巨大な後宮を持ちながら帝王の子供の数は驚くほど少ない。
寵姫と呼ばれる姫たちもせいぜい月に二三度お呼びがかかっている程度だ。
それが帝王が男に抱かれるのが好きだからと考えると妙に納得がいった。
そしてゲオハルトは男に抱かれるのを好むだろうかと夢想した。
元から自分が姫として誰かに抱かれると考えると違和感があった。自分ではよく見えない穴の奥に男性器が入るほどの隙間があると言われてもピンとこなかったし。初めて入れる時は狭い穴をこじあけるから出血すると教わったときには恐怖しか無かった。
だが自分がもし男として抱かれるのではなく抱く方になるならばどうだろうか、その妄想は違和感なくピタリとはまった。
そしてそれは処女ながらも国に残してきたゲオハルトを甘く啼かしたいという願望へと成長していった。
その日から彼女はゲオハルトが頬を赤く染め自分を求めて切なく震える様を想像しては布団の中で熱い体を持て余すようになった。
そして男性として生まれてきた今生ではゲオハルトに再会してからというものいつか彼に相応しい男になると決意し生きてきた。
多少の抵抗があっても押さえつけられるように近接戦のやり方は特に熱心に学んだし捕縛術も王都の警備兵や野生動物を捕まえる猟師のやり方も取得した。
恋の成就のために捕縛術を会得するのは普通の人間のやることではないとなだめる人間もいなかったのでリヒトは目標のために自分よりも大きな騎士たちを相手にひたすら練習をした。
その甲斐あって、いとけない人形のような外見に惹かれて寄ってきた害虫も十をすぎるころにはやすやすと駆除できる実力を身につけることができた。
だが後は精通を待つばかりと肉体が精神に追いつくのを待っている頃からゲオハルトがリヒトによそよそしくなってきたのだ。
リヒトは警戒心を持たせないようにあくまで可愛い弟のような存在であるように振る舞ってきたはずが王宮にいても手合わせの指導もしてくれなくなり二人のやり取りが手紙だけになった。
きっと忙しいのだ。日が悪かっただけだ。子供である自分に時間をさけるほど辺境伯の仕事は暇ではないのだ。少年だった頃のリヒトは傷む心をそうごまかしていた。
さすがに自分の成人の儀には会えるだろう、そしてその日には思いを告げ前世のことを打ち明けてもいいかも知れないと淡い期待をしていたリヒトだったが十五歳になった祝の会には代理の者が祝いの品と手紙を持ってきた。
そのころには絶対にその日のうちに思いを告げると思っていたリヒトは落胆のあまり寝込んだ。
そして絶望の床の中で学んだ。悠長にしているからだめなのだと。前世では悠長にしていたから飛び込んできた縁談に思いを告げる暇も無く諦める羽目になった。
絶対次の機会があったら逃さない。前世のことを告げずとも絶対自分におとしてみせる。何があっても抱いてやる!!
そう決意した瞬間が本当のヤンデレ王子誕生の瞬間であり辺境伯の尻の運命は決まったのだった。
そして今リヒトは前世から願ったとおりゲオハルトを抱く立場になった。
ゲオハルトはベッドの上で真っ赤になり震えながらリヒトの次の動きを待っている。昨晩の快楽を覚えた身体がリヒトに触られることで記憶を再生しそれと同じ刺激が与えられることを切望しているのだ。
身体はゲオハルトが思っているよりリヒトに屈している。だが男としてのプライドがゲオハルトに素直になることを認めさせず苦しめているのだ。己の欲望に逆らうことがどれだけ苦しいのかリヒトほど分かっている者はいない、憐憫と愛しさで彼の胸は締め付けられた。
(かわいそうに)
決定的な刺激を与えないように性器の周りを触れるか触れないかの加減で唇で愛でる。吐息がかかるたびにゲオハルトの興奮が増していくのが愛おしくてならない。先走りはもう後ろの穴にまでとどくほど溢れその穴がひくりひくりと中へ誘う動きをする度にかすかな水音を立てるほどになっている。
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