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第十八話【迫りくる恐怖と危機】
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◇◇◇
コンコンとノックをする音が鳴り響いた。サノアルはぼーっとしていたが音でハッと我に返り、慌てて「どうぞ。」と返事をすれば、カチャっと音を立てて黒髪の男性が入ってきた。
それを見た瞬間大きく目を見開いてしまうサノアル。
「ど、どうして…。」
サノアルは顔を青くして小刻みに震えた。一瞬でその男性がプレジャデス王子だと気付いてしまったのだ。
(どうしよう、殺されてしまうわ。どうしよう。)死が直前まで迫っていて過呼吸になってしまう。
プレジャデス王子はサノアルに近寄って優しく抱きしめて背中をさすった。
「サノアル!!息をして、ゆっくりでいいから。ゆっくり。」
意識が朦朧とする中、優しい手と心地よい人肌の温もりで、なんとか呼吸が落ち着いてきた。
「君には、俺が何者でもわかってしまうんだね。」
そう言われるが、もう弱り果てていて声を出す力すらないサノアル。大人しくプレジャデスの腕の中にいた。
「聞いて、サノアル。俺、君の為に王位を捨てる事にしたよ。どうして?って思ってる?俺が王位継承者で後の王だと君を怖がらせてしまうと思ったからだよ。君との未来が無くなるくらいなら王なんてならなくても良いと思ってる。まぁ、でも。俺が王にならないと国が滅ぶっていうなら君の命の方が大切だし少しの間サノアルと離れないといけないかもしれないけれど、何年かかっても俺無しでもやっていける世の中を作って君の元へいくよ。それでも俺が恐い?」
そう語ってくれたプレジャデス王子の顔は酷く儚げだった。なんとか振り絞って声を出そうとするサノアルだが、掠れた声しかでない。
プレジャデスは片手で近くにあった水入りのコップを掴んで口に含むとサノアルの口に唇を押し付けて水を飲ませた。
「なっ…。」
喉が潤ったせいか、驚き過ぎたせいか、流石に声がでた。何が起きたのか状況が把握できず、今度は目が回りそうになった。プレジャデスはコップを近くの台に置いて再びサノアルを抱きしめて背中を擦った。
「俺は君の恐れを全部取り除きたいんだ。君の言う事は全て信じる。君を最後まで命をかけて守るから。教えてほしい。俺の何がいけないのか。」
「…いけないところなんてありません。むしろ…、いけないのは私です。私なんです。」
「どこがいけないの?」
「全てです。存在自体がです。貴方はいずれ私を殺します。」
「それは君が君でなくなっているのと関係しているかな?」
「お気付きでしたよね。私は、サノアル・ハイドシュバルツには変わりありません。ですが、前世では政治に携わる一般市民でした。」
「市民って、なんだろう?」
何気ないプレジャデスの発言にクスリと笑いがでてしまう。
「平民の事です。そうですよね。市とか無いですものね。領民とでも言いましょうか?」
「なるほど、前世の方だったか。魂が入れ替わったのかと思ってたけど。俺も君がちゃんとサノアルなのか不安だったんだ。変装した別人だったらどうしようかとね。だけど、君はちゃんとサノアルなんだね。」
「そもそも、どうしてご不安に?私とは数か月前に面識を持ったばかり…あっ。」
サノアルの過去の記憶には幼少期の頃、黒髪の男の子の使用人が少しの間、自分の世話をしてくれていた事を思い出しだ。
「思い出してくれた?」
(そ、そんなエピソードが?だけれど、幼い頃の私はとても無感情で非道だったような…。)
「私はとても酷い対応をしていたのでは?今は前世の意識が強くて過去を思い出すのに時間がかかってしまいます。」
「君はあの頃、ただの人形だったよ。とても綺麗なガラスで出来てるかのような、お人形だった。」
「そう…ですわよね。私は感情を押し殺す訓練を強いられていましたもの。」
「それは大した記憶じゃないから思い出さなくて良いよ。あの頃の俺は、ただ本物の血に憧れてたんだ。ほら、俺ってギルクライムの血だから、本物が見たくなってね。しっかりと王家の血を濃く受け継いだハイドシュバルツ公爵家を見にね。それを君に言ったら…。」
「いつでもあげるわよ。こんな血。…って言いましたわ。」
「そう、だからね。ずっと貰おうと思ってた。それだけだったんだ。けど、神託を受け取って俺のものになった気になってしまってね。それで、迎えにいったんだ。まぁ、俺の部屋に入ってもらった後の記憶が無いけど、起きたら二人で素っ裸だった。その、純潔を奪われた女性は生き辛いから、責任を取ろうと思ってね。」
「へ?何の事ですの?」
「いや、忘れて。とにかく、俺は君を幸せにする責任ができてしまった。俺にいけないところがあったら遠慮なく教えてほしい。」
「じゃあ、私を殺したり監禁したり牢へぶち込んだりしないという事ですか?」
「殺す?そんな事絶対にしない。サノアルを殺すくらいなら自分が死ぬよ?」
「そう、そうです…の。…うぐっ!!」
安心したのも束の間、サノアルの頭に鋭い痛みが走り頭を抱えた。
「サノアル?サノアルっ!!サノアルっ!!!」
プレジャデスの声が響くが意識は遠くへといってしまう。
◇◇◇エルヒリア視点◇◇◇
サノアルが目覚めたのは一か月後だった。プレジャデス王子が持つ賢者の石の力で生命は維持されていた。目覚めたサノアルは頭を抱えて小刻みに震えているだけった。
プレジャデス王子とギャラクレアと聖女様と私がサノアルを囲っていた。
「サノアル、どうしちゃったの。」と心配そうにサノアルの顔を覗き込むクレア。
「ずっと、この調子でね。流石に俺ではどうにもできなくてね。」
プレジャデスはサノアルの頭を優しく撫でた。
「私の聖力で回復させられるかも!」
そう言って聖女様が聖なる力でサノアルを癒してみた。
「せ…い…じょ…。」
「あ!サノアル気が付いた!状態異常の混乱と恐怖を解除してみましたー!」
「凄いわ!聖女様!」と私は力いっぱい聖女様を撫でて褒めた。
「あっ!いけないわ!大変なの!!甘薔薇には続編があって、ううん。甘薔薇2なの。もしかすると2がやってくるかもしれない!!」
サノアルは私達にとんでもない発言をしてくれた。乙女ゲーム【甘い甘い薔薇の君】にpart2があるというのだ。嫌な予感しかしない。
「どういうストーリーなの?」
「あの、私、権力とお金を使って試作品を見たの。新たな聖女が降臨してたわ。それから悪役には伯爵家の子と転生してしまったスイートローズ様が追加されるの。」
ピシャンっと雷が走った。それぞれに転生者が入らないとしても、悪役な時点で厄介すぎる。
「待って、攻略対象はどうなってるの?」
「ジェイド王子、ヴァレン宰相、ジグルド、エンバート。追加でフェリス、ギルバート、ミロード・クラリアス、クルス・リスメギスという錬金術士よ。」
クルス・リスメギスという名前を聞いて心臓がチクリとしてしまった。
それだけではない。私が動いて出会った人達、フェリス、ギルバート、ミロードお兄様が攻略対象?そんな事ってあるの?
「待って、何の話をしてるの?攻略?転生?」
プレジャデス王子は話を理解しようと努力しているかのような顔をしていた。
「待って、プレジャデス王子はどうなるの?誰もが恋をした鉄板王子よ?」と聖女様。
「わからないわ。実際に発売したわけじゃないから。でも攻略対象から外れていたわ。ジェイド王子が成長した姿だったのだけは覚えてる。」
「それって、今じゃないかな?」
プレジャデス王子の言葉が広い部屋に響いた。
コンコンとノックをする音が鳴り響いた。サノアルはぼーっとしていたが音でハッと我に返り、慌てて「どうぞ。」と返事をすれば、カチャっと音を立てて黒髪の男性が入ってきた。
それを見た瞬間大きく目を見開いてしまうサノアル。
「ど、どうして…。」
サノアルは顔を青くして小刻みに震えた。一瞬でその男性がプレジャデス王子だと気付いてしまったのだ。
(どうしよう、殺されてしまうわ。どうしよう。)死が直前まで迫っていて過呼吸になってしまう。
プレジャデス王子はサノアルに近寄って優しく抱きしめて背中をさすった。
「サノアル!!息をして、ゆっくりでいいから。ゆっくり。」
意識が朦朧とする中、優しい手と心地よい人肌の温もりで、なんとか呼吸が落ち着いてきた。
「君には、俺が何者でもわかってしまうんだね。」
そう言われるが、もう弱り果てていて声を出す力すらないサノアル。大人しくプレジャデスの腕の中にいた。
「聞いて、サノアル。俺、君の為に王位を捨てる事にしたよ。どうして?って思ってる?俺が王位継承者で後の王だと君を怖がらせてしまうと思ったからだよ。君との未来が無くなるくらいなら王なんてならなくても良いと思ってる。まぁ、でも。俺が王にならないと国が滅ぶっていうなら君の命の方が大切だし少しの間サノアルと離れないといけないかもしれないけれど、何年かかっても俺無しでもやっていける世の中を作って君の元へいくよ。それでも俺が恐い?」
そう語ってくれたプレジャデス王子の顔は酷く儚げだった。なんとか振り絞って声を出そうとするサノアルだが、掠れた声しかでない。
プレジャデスは片手で近くにあった水入りのコップを掴んで口に含むとサノアルの口に唇を押し付けて水を飲ませた。
「なっ…。」
喉が潤ったせいか、驚き過ぎたせいか、流石に声がでた。何が起きたのか状況が把握できず、今度は目が回りそうになった。プレジャデスはコップを近くの台に置いて再びサノアルを抱きしめて背中を擦った。
「俺は君の恐れを全部取り除きたいんだ。君の言う事は全て信じる。君を最後まで命をかけて守るから。教えてほしい。俺の何がいけないのか。」
「…いけないところなんてありません。むしろ…、いけないのは私です。私なんです。」
「どこがいけないの?」
「全てです。存在自体がです。貴方はいずれ私を殺します。」
「それは君が君でなくなっているのと関係しているかな?」
「お気付きでしたよね。私は、サノアル・ハイドシュバルツには変わりありません。ですが、前世では政治に携わる一般市民でした。」
「市民って、なんだろう?」
何気ないプレジャデスの発言にクスリと笑いがでてしまう。
「平民の事です。そうですよね。市とか無いですものね。領民とでも言いましょうか?」
「なるほど、前世の方だったか。魂が入れ替わったのかと思ってたけど。俺も君がちゃんとサノアルなのか不安だったんだ。変装した別人だったらどうしようかとね。だけど、君はちゃんとサノアルなんだね。」
「そもそも、どうしてご不安に?私とは数か月前に面識を持ったばかり…あっ。」
サノアルの過去の記憶には幼少期の頃、黒髪の男の子の使用人が少しの間、自分の世話をしてくれていた事を思い出しだ。
「思い出してくれた?」
(そ、そんなエピソードが?だけれど、幼い頃の私はとても無感情で非道だったような…。)
「私はとても酷い対応をしていたのでは?今は前世の意識が強くて過去を思い出すのに時間がかかってしまいます。」
「君はあの頃、ただの人形だったよ。とても綺麗なガラスで出来てるかのような、お人形だった。」
「そう…ですわよね。私は感情を押し殺す訓練を強いられていましたもの。」
「それは大した記憶じゃないから思い出さなくて良いよ。あの頃の俺は、ただ本物の血に憧れてたんだ。ほら、俺ってギルクライムの血だから、本物が見たくなってね。しっかりと王家の血を濃く受け継いだハイドシュバルツ公爵家を見にね。それを君に言ったら…。」
「いつでもあげるわよ。こんな血。…って言いましたわ。」
「そう、だからね。ずっと貰おうと思ってた。それだけだったんだ。けど、神託を受け取って俺のものになった気になってしまってね。それで、迎えにいったんだ。まぁ、俺の部屋に入ってもらった後の記憶が無いけど、起きたら二人で素っ裸だった。その、純潔を奪われた女性は生き辛いから、責任を取ろうと思ってね。」
「へ?何の事ですの?」
「いや、忘れて。とにかく、俺は君を幸せにする責任ができてしまった。俺にいけないところがあったら遠慮なく教えてほしい。」
「じゃあ、私を殺したり監禁したり牢へぶち込んだりしないという事ですか?」
「殺す?そんな事絶対にしない。サノアルを殺すくらいなら自分が死ぬよ?」
「そう、そうです…の。…うぐっ!!」
安心したのも束の間、サノアルの頭に鋭い痛みが走り頭を抱えた。
「サノアル?サノアルっ!!サノアルっ!!!」
プレジャデスの声が響くが意識は遠くへといってしまう。
◇◇◇エルヒリア視点◇◇◇
サノアルが目覚めたのは一か月後だった。プレジャデス王子が持つ賢者の石の力で生命は維持されていた。目覚めたサノアルは頭を抱えて小刻みに震えているだけった。
プレジャデス王子とギャラクレアと聖女様と私がサノアルを囲っていた。
「サノアル、どうしちゃったの。」と心配そうにサノアルの顔を覗き込むクレア。
「ずっと、この調子でね。流石に俺ではどうにもできなくてね。」
プレジャデスはサノアルの頭を優しく撫でた。
「私の聖力で回復させられるかも!」
そう言って聖女様が聖なる力でサノアルを癒してみた。
「せ…い…じょ…。」
「あ!サノアル気が付いた!状態異常の混乱と恐怖を解除してみましたー!」
「凄いわ!聖女様!」と私は力いっぱい聖女様を撫でて褒めた。
「あっ!いけないわ!大変なの!!甘薔薇には続編があって、ううん。甘薔薇2なの。もしかすると2がやってくるかもしれない!!」
サノアルは私達にとんでもない発言をしてくれた。乙女ゲーム【甘い甘い薔薇の君】にpart2があるというのだ。嫌な予感しかしない。
「どういうストーリーなの?」
「あの、私、権力とお金を使って試作品を見たの。新たな聖女が降臨してたわ。それから悪役には伯爵家の子と転生してしまったスイートローズ様が追加されるの。」
ピシャンっと雷が走った。それぞれに転生者が入らないとしても、悪役な時点で厄介すぎる。
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それだけではない。私が動いて出会った人達、フェリス、ギルバート、ミロードお兄様が攻略対象?そんな事ってあるの?
「待って、何の話をしてるの?攻略?転生?」
プレジャデス王子は話を理解しようと努力しているかのような顔をしていた。
「待って、プレジャデス王子はどうなるの?誰もが恋をした鉄板王子よ?」と聖女様。
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