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36.遺品に隠された謎
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朝の執務室は、柔らかな陽光がカーテン越しに差し込み、静かに一日が始まろうとしていた。クレノースは王城へ行き、サクレティアが一人で執務に励んでいる時間だった。机に向かい、書類に目を通していると、控えめなノックの音が聞こえる。
「どうぞ」とサクレティアが声をかけると、執事のバルドが静かに扉を開け、足を踏み入れた。
「奥様、実は折り入ってご相談がございます。」バルドの落ち着いた声が部屋に響いた。
サクレティアはペンを置き、彼に目を向けた。「何かしら?」
バルドは慎重な表情を浮かべつつ、少しだけためらいながら言葉を続けた。「実は、亡き大奥様、マリアベル様のお部屋と遺品の整理についてです。クレノース様からはすべて処分するようにとの指示を受けておりますが……」
サクレティアは眉を寄せた。「クレノースが、処分するように?」
「はい、奥様。ですが……」バルドは少し言葉を選ぶようにして、「私は、サクレティア様のご意見も重要だと考えました。マリアベル様の遺品には、公爵家の歴史に関わる重要なものもあるかもしれませんし、すべてを処分する前に、整理や検討をお願いしたく思い、相談させていただきました。」
サクレティアは少し黙り込んでから、深い息をついた。「クレノースがすべてを処分しろと言ったのなら、彼にはそれなりの理由があるのよね。」
バルドは頷いた。「確かにその通りです。しかし、亡きマリアベル様がどのようなものを残しているか、少なくとも確認してからでも遅くはないかと思います。クレノース様はその感情に囚われがちであり、冷静に判断できない部分もあるかもしれません。」
サクレティアは少し考え込み、机の上の書類を片づけながら立ち上がった。「そうね。丁度クレノースも今はいないし、バルド、今からマリアベル様のお部屋を見に行きましょう。」
バルドは少し驚いた様子だったが、すぐに落ち着きを取り戻し、「かしこまりました。では、ご案内いたします」と恭しく一礼した。
サクレティアはしっかりとした足取りでバルドの後を追いながら、心の中で何が待っているのかを少し不安に思ったが、同時にこの過去を整理しなければならないという強い決意も抱いていた。
「何が見つかるかしらね……」サクレティアは小声でつぶやきながら、マリアベルの部屋へと向かった。
サクレティアは、4階にあるマリアベルの領域に足を踏み入れると、そこには悪趣味な家具や装飾が立ち並び、異様な雰囲気が漂っていた。広大な4階全域が彼女専用のスペースだったということに、改めてその異常性を感じる。
バルドが静かに扉を開け、特に立ち入りを厳しく禁止されていた一室へ案内された瞬間、サクレティアは一瞬足を止めた。室内は、他の部屋以上に不気味で、薄暗い空気が漂っている。
「ここが……マリアベル様が最も秘密にしていた部屋です」とバルドが言った。
部屋の奥には、いくつもの冊子やノートが山のように積まれており、サクレティアはその一つを手に取った。何気なくページをめくると、目に飛び込んできたのは――日本語。
《……これは……!?》
サクレティアの心臓が一瞬止まったかのような感覚が広がり、彼女の額に冷や汗が滲む。「どうして……こんなところに日本語が……?」彼女の頭の中で混乱が渦巻く。
元いた世界で見慣れていた言語が、ここに存在しているという現実が、彼女を困惑させた。サクレティアはページをめくり続けたが、そこに書かれている内容も、明らかに元の世界に関連するものだった。
《そんなことって……》
驚きと恐怖が入り混じり、思わず手が震える。
サクレティアは、マリアベルの奇妙な部屋にある本棚を眺めながら、バルドに問いかけた。「バルド…マリアベル様が発明したものについて、何か知ってたりする?」
バルドは少し考え込みながら答えた。「さぁ、詳しくは存じ上げませんが、随分と昔、私がまだ子供の頃でしたが、紙は私が作ったんだと癇癪を起こされていたのを覚えています。」
「紙を作った人は誰になってるの?」と、サクレティアが尋ねる。
「王家です。」バルドのその言葉に、サクレティアは思わず「なるほど……」と呟き、何かが腑に落ちるような感覚を覚えた。
元いた世界での知識を利用して発明や改革を行ってきた自分と、かつてのマリアベル。サクレティアの胸には、奇妙な共感が広がった。
ふと、彼女は本棚の隅に古びた日記のような本を見つけた。手に取り、ページをめくると、それは日記ではなく、この世界が物語の中の世界であることを記す重要な本だった。もちろん、それも日本語で書かれている。
《……この世界は物語の中の世界……?》
サクレティアの心には、あまり驚きはなかった。むしろ、《やっぱりね。そうよね。》という、どこか冷静な感覚で受け止めた。彼女自身が異世界から転生してきたこともあり、この世界が特別な存在であることには、すでに気づいていたからだ。
だが、本を読み進めるうちに、さらに奇妙なことが書かれていた。物語の中であっても、この世界には強制力はない――自由意志が存在する、という事実だ。これは、この世界に生まれた誰かが未来を体験し、元の世界でそれを綴った結果であると、マリアベルは結論付けていた。
サクレティアはページをめくりながら、眉をひそめた。「そういうことだったのね……」と呟いた。
さらにページを進めると、マリアベルがこの世界に転生したことへの苦しみが書かれていた。彼女はクレノースを「推し」として崇拝していたのに、なぜか彼の母親として転生してしまった。その葛藤と絶望が、マリアベルをあのように狂わせた原因であったことが綴られていた。
サクレティアは本を閉じ、深いため息をついた。《なるほど……彼女にとって、クレノースは推しであり、特別な存在だったのに……母親として生まれ変わるなんて、そりゃあ辛かったでしょうね。》
彼女は本を棚に戻し、冷静にその状況を受け止めた。
サクレティアは、夕方までにマリアベルの遺品整理をなんとか終えると、少し疲れた表情で大きく伸びをした。すると、執事のバルドがやってきて、クレノースが王城から戻ってきたと知らせてくれた。
「クレノが戻ってきたのね……」サクレティアは少し微笑み、玄関へ向かうことにした。
彼女は玄関に着くと、ちょうど馬車が屋敷に到着し、クレノースがゆっくりと降りてきた。彼は優雅な動作で足を地につけ、彼女に向かって微笑んだ。
「ただいま、サクレティア様。」
彼の表情は穏やかで、どこか満足したような様子が伺えた。サクレティアは、そんな彼を見てほっとした気持ちになる。
「おかえりなさい、クレノ。王城での報告はどうだったの?」
クレノースは一瞬、疲れた様子を見せたが、すぐにニコリと微笑んで、「無事に終わりました。王もサクレティア様の発明を高く評価されていましたよ」と答えた。
サクレティアは、少し照れながら「ありがとう」と微笑んだ後、ふと表情を引き締めて言った。「それと……クレノース、あなたのお母様のことで話があるの。少し部屋を移動しましょう。」
クレノースはその言葉に軽く眉をひそめたが、頷いて彼女に続いた。
「どうぞ」とサクレティアが声をかけると、執事のバルドが静かに扉を開け、足を踏み入れた。
「奥様、実は折り入ってご相談がございます。」バルドの落ち着いた声が部屋に響いた。
サクレティアはペンを置き、彼に目を向けた。「何かしら?」
バルドは慎重な表情を浮かべつつ、少しだけためらいながら言葉を続けた。「実は、亡き大奥様、マリアベル様のお部屋と遺品の整理についてです。クレノース様からはすべて処分するようにとの指示を受けておりますが……」
サクレティアは眉を寄せた。「クレノースが、処分するように?」
「はい、奥様。ですが……」バルドは少し言葉を選ぶようにして、「私は、サクレティア様のご意見も重要だと考えました。マリアベル様の遺品には、公爵家の歴史に関わる重要なものもあるかもしれませんし、すべてを処分する前に、整理や検討をお願いしたく思い、相談させていただきました。」
サクレティアは少し黙り込んでから、深い息をついた。「クレノースがすべてを処分しろと言ったのなら、彼にはそれなりの理由があるのよね。」
バルドは頷いた。「確かにその通りです。しかし、亡きマリアベル様がどのようなものを残しているか、少なくとも確認してからでも遅くはないかと思います。クレノース様はその感情に囚われがちであり、冷静に判断できない部分もあるかもしれません。」
サクレティアは少し考え込み、机の上の書類を片づけながら立ち上がった。「そうね。丁度クレノースも今はいないし、バルド、今からマリアベル様のお部屋を見に行きましょう。」
バルドは少し驚いた様子だったが、すぐに落ち着きを取り戻し、「かしこまりました。では、ご案内いたします」と恭しく一礼した。
サクレティアはしっかりとした足取りでバルドの後を追いながら、心の中で何が待っているのかを少し不安に思ったが、同時にこの過去を整理しなければならないという強い決意も抱いていた。
「何が見つかるかしらね……」サクレティアは小声でつぶやきながら、マリアベルの部屋へと向かった。
サクレティアは、4階にあるマリアベルの領域に足を踏み入れると、そこには悪趣味な家具や装飾が立ち並び、異様な雰囲気が漂っていた。広大な4階全域が彼女専用のスペースだったということに、改めてその異常性を感じる。
バルドが静かに扉を開け、特に立ち入りを厳しく禁止されていた一室へ案内された瞬間、サクレティアは一瞬足を止めた。室内は、他の部屋以上に不気味で、薄暗い空気が漂っている。
「ここが……マリアベル様が最も秘密にしていた部屋です」とバルドが言った。
部屋の奥には、いくつもの冊子やノートが山のように積まれており、サクレティアはその一つを手に取った。何気なくページをめくると、目に飛び込んできたのは――日本語。
《……これは……!?》
サクレティアの心臓が一瞬止まったかのような感覚が広がり、彼女の額に冷や汗が滲む。「どうして……こんなところに日本語が……?」彼女の頭の中で混乱が渦巻く。
元いた世界で見慣れていた言語が、ここに存在しているという現実が、彼女を困惑させた。サクレティアはページをめくり続けたが、そこに書かれている内容も、明らかに元の世界に関連するものだった。
《そんなことって……》
驚きと恐怖が入り混じり、思わず手が震える。
サクレティアは、マリアベルの奇妙な部屋にある本棚を眺めながら、バルドに問いかけた。「バルド…マリアベル様が発明したものについて、何か知ってたりする?」
バルドは少し考え込みながら答えた。「さぁ、詳しくは存じ上げませんが、随分と昔、私がまだ子供の頃でしたが、紙は私が作ったんだと癇癪を起こされていたのを覚えています。」
「紙を作った人は誰になってるの?」と、サクレティアが尋ねる。
「王家です。」バルドのその言葉に、サクレティアは思わず「なるほど……」と呟き、何かが腑に落ちるような感覚を覚えた。
元いた世界での知識を利用して発明や改革を行ってきた自分と、かつてのマリアベル。サクレティアの胸には、奇妙な共感が広がった。
ふと、彼女は本棚の隅に古びた日記のような本を見つけた。手に取り、ページをめくると、それは日記ではなく、この世界が物語の中の世界であることを記す重要な本だった。もちろん、それも日本語で書かれている。
《……この世界は物語の中の世界……?》
サクレティアの心には、あまり驚きはなかった。むしろ、《やっぱりね。そうよね。》という、どこか冷静な感覚で受け止めた。彼女自身が異世界から転生してきたこともあり、この世界が特別な存在であることには、すでに気づいていたからだ。
だが、本を読み進めるうちに、さらに奇妙なことが書かれていた。物語の中であっても、この世界には強制力はない――自由意志が存在する、という事実だ。これは、この世界に生まれた誰かが未来を体験し、元の世界でそれを綴った結果であると、マリアベルは結論付けていた。
サクレティアはページをめくりながら、眉をひそめた。「そういうことだったのね……」と呟いた。
さらにページを進めると、マリアベルがこの世界に転生したことへの苦しみが書かれていた。彼女はクレノースを「推し」として崇拝していたのに、なぜか彼の母親として転生してしまった。その葛藤と絶望が、マリアベルをあのように狂わせた原因であったことが綴られていた。
サクレティアは本を閉じ、深いため息をついた。《なるほど……彼女にとって、クレノースは推しであり、特別な存在だったのに……母親として生まれ変わるなんて、そりゃあ辛かったでしょうね。》
彼女は本を棚に戻し、冷静にその状況を受け止めた。
サクレティアは、夕方までにマリアベルの遺品整理をなんとか終えると、少し疲れた表情で大きく伸びをした。すると、執事のバルドがやってきて、クレノースが王城から戻ってきたと知らせてくれた。
「クレノが戻ってきたのね……」サクレティアは少し微笑み、玄関へ向かうことにした。
彼女は玄関に着くと、ちょうど馬車が屋敷に到着し、クレノースがゆっくりと降りてきた。彼は優雅な動作で足を地につけ、彼女に向かって微笑んだ。
「ただいま、サクレティア様。」
彼の表情は穏やかで、どこか満足したような様子が伺えた。サクレティアは、そんな彼を見てほっとした気持ちになる。
「おかえりなさい、クレノ。王城での報告はどうだったの?」
クレノースは一瞬、疲れた様子を見せたが、すぐにニコリと微笑んで、「無事に終わりました。王もサクレティア様の発明を高く評価されていましたよ」と答えた。
サクレティアは、少し照れながら「ありがとう」と微笑んだ後、ふと表情を引き締めて言った。「それと……クレノース、あなたのお母様のことで話があるの。少し部屋を移動しましょう。」
クレノースはその言葉に軽く眉をひそめたが、頷いて彼女に続いた。
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