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第四話 幻覚の莉緒
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私は優。前髪さえ切れば私だって女の子として振る舞えるはずなのに、私にはそんな勇気がない。ただ誰かと目を合わせるのが怖くてしかたない。だから周りからは弱者とみなされてイジメの標的になった。
最初は無視だったのが言葉の暴力に変わり、もう死にたくなって担任の先生に相談しても、生徒相談室で体を触られただけ……
「……汚れた……汚れた……どうしてかな……?」
辛かったから腕にリストカットもした。この傷で嫌いな自分自身が少しでも消えてくれことが嬉しかったけど、誰も私のことなんか気にしない……
通学路である二人を見かけた。一人は私が通う学校の男子生徒で、名前は牧村穂。私が寂しさを紛らわすために時々話しかけていた男子生徒だ。もう一人は薄青い長い髪をした私より年下の少女。とても可愛らしい子で私は見とれてしまい不思議と笑顔になる。これは久しぶりの笑顔……自分でもわかっている。
「ねぇ、穂。アリサのお話し聞かせて」
「いい加減なところしか話せないけど、それでもいいか?」
「うん!」
薄青い髪をした子は元気よく返事する。
「いいなぁー……私もあんな無邪気になれればいいのになぁー……」
リストカットした腕を見つめ、明日はあの薄青い髪をした子になれればいい。きっと受け入れてもらうんだ。だから穂君を行ったことのない喫茶店へと誘おう。
理想にも似た幻想だけを膨らませた。そして現実の夏の夕暮れの日。私は穂君に拒絶された。
「終わりにしよう」
私は死ぬことにした。
「優といたら自分が変になる? きっと恋煩いだ。それは君にとって綺麗でタイプな女の子がすぐそばにいる証拠でもある。いっそのこと告白でもしてみればいい」
このクソ医者に相談した僕が馬鹿だった。少なくとも精神科医だからと頼った僕はどうかしていた。その証拠にこいつはカルテとやらに目を通しながら何か別のことを考えているふうだった。
「聞いてんのか? 俺の話しを?」
氷室の小綺麗な診察室にて静かにキレる僕。
「聞いてる」
相変わらずカルテに目を通し続ける氷室。僕の話をいい加減に聞いていたとしか思えない。
「あいつに恋なんかしてねぇぞ! 冗談じゃない!」
「恋が恥ずかしいのか? 君くらいの歳にはよくある反応だ。だから恥ずかしがるなよ。優だってきっと君には気がある」
はぁ? 冗談じゃねぇよあんな女。
「今、優のカルテを見ていたんだが、情緒不安定が多数見受けられる。本来なら防音室に閉じ込めることしかできないが、僕はもっと的を外れたことをしてみたい」
「的外れなこと? それはいったい何だよ?」
僕が訊くと氷室はようやくカルテを読むのをやめて、僕の目を見る。それはどこか不敵な笑みを浮かべていたから僕は心から不安する。
「よし、優を外出させよう。同行人は世話係の君だ。夜だけの列車の旅もいい気分転換になるはずだ」
不安が的中したから僕なりの異議を唱えるしかない。
「列車の旅って何だよ? あんなサイコ女、外に出して本当に大丈夫なのかよ?!」
「おいおい、言葉には気を付けてくれ、僕にとっては面倒を見なきゃいけない大切な患者なんだ。サイコ呼ばわりになんてされたら、優は傷つくだけだ」
傷つく? あいつが? もしサイコという言葉で優の傷ついたさまが見られるのなら、僕は喜んで使いたいと思う。
「とにかく森を抜けた先に古い駅がある。壊れかけた街灯が点滅しているからそれを目印にするといい。それから絶対に使うな。サイコ」
僕は氷室に頷いて見せたが、もしも優が僕の癇に障ったなら、きっと使ってしまうに違いない。それにしても一つ気になることがある。
「なぁ、列車に乗ったらどこにたどり着くんだ?」
もしかしたら莉緒が待っているあの暑い夏の日に帰れるかもしれないという気持ちが強くなる。
「さぁ、知らない。なぜ訊く?」
氷室は顔色一つ変えずに答えた。僕はそれ以上は何も訊かずに診察室を後にする。こんな夜だけが続く世界で平穏でいられるこの病院の患者たちや、氷室のような医者や看護師たちが不思議で仕方がない。僕は今にも気が狂いそうなのに……
それにしても、この病院から人気が少なくなっていると感じるのは僕だけなのだろうか……?
「外に出られるの? 嘘? からかってないよね?」
僕が優の病室を訪れて氷室から外出の許可が出たと告げると、彼女はベッドから飛び上がり僕に抱き着いた。
「外に出るのなんて初めて!」
こいつはやっぱり向精神薬か何かでおかしくなっているのか? 外に出るのが初めてならいったいいつからこの病院にいるんだ?
「お前、ここに来る前はどうしていた?」
入院している理由はきっとイカれているからだと思うが、そうなる前はどこで何をしていたんだ? 僕が興味本位で訊いたら、優は僕に抱き着くのをやめ、ただ暗く視線を床に落とし、そして答えてくれた。
「わからない。知らない」
それがこいつなりの答えなんだなと僕は思った。きっとサイコすぎて前の自分なんてすっかり忘れているんだ。
「もういいから、支度しろよ」
僕は優しく言葉した。そうすれば列車とやらに乗れて莉緒と僕が過ごせる日常に帰れると僅かな期待を抱いているから、このサイコ女にも優しくできるというものだ。
「穂君とお出かけなんて、夢みたいで嬉しい。ずっと前から望んでいたみたい」
優は明るい笑顔を見せる。まるでイカれているとは思えない笑顔を僕に見せる。
「望んでいたって、どういうことだよ?」
僕が訊くと、優は「わからない」と、そう言葉にして笑うのだった。
外は相も変わらずの夜の世界で、病院を出たところで僕は途方に暮れた。
「駅ってどこだよ……」
とにかく氷室にいわれた古い駅の場所がわからない。
「穂君。ほら、あそこ」
優は僕が身に着けているエプロンをクイクイと引っ張りながら、森の向こうを指さした。よく見なければわからないが光が点滅している。氷室は壊れた街灯が目印だと言った。きっとその光に違いない。
「お前目がいいんだな」
「今は前髪が伸びていないから」
「前髪って何だよ?」
「教えたくない」
苦笑しながら訊いた途端、優は森の向こうへと走り出す。そこは光が点滅している街灯だと僕は確信する。
僕は慌てて追いかけるしかない。しかし、時すでに遅しとはこのことで、僕は優のことを完全に見失う。深い夏の森の中で一人途方に暮れるしかなく。あとはやり場のない怒りしかない。
「おい、どこいったんだよ! お前みたいなサイコ女! あっちの世界に行けばどうせ人に迷惑かけるか誰かを傷つけるだけだろ! 最悪、人を殺してどうせ二十代にもなっていないからどこかの医療用の年少でクスリ漬けの毎日を送るんだ! サイコのお前にはそりゃ当然の報いだ!」
暗闇に包まれている夏の森で僕は叫んだ。それにしてもあっちの世界とはどこの世界のことなのだろうか? それは莉緒のいる世界? それとも優のいる世界?
「俺はアリサの話を聞かせてやりたいよ」
それは一体誰にだ……? 深い森の中にいても優が目指した古い駅の街灯の光が見えたから僕は進むしかない。
「聞かせてよ。穂が聞かせてくれるアリサのお話が大好きだから……」
莉緒が幻覚のように見えた気がする……
それは大きく両手を広げながら……
それは薄青い長い髪を靡かせながら……
それは夏の日が似合う美しい人だから……
だから気がついたら恋した……
「あの終わりかた。私は好きだよ……アリサが死んでいくような最後がとても好き……」
幻覚の莉緒が……頬を赤らめて恥ずかしそうに笑うのを僕は見つめていた……
最初は無視だったのが言葉の暴力に変わり、もう死にたくなって担任の先生に相談しても、生徒相談室で体を触られただけ……
「……汚れた……汚れた……どうしてかな……?」
辛かったから腕にリストカットもした。この傷で嫌いな自分自身が少しでも消えてくれことが嬉しかったけど、誰も私のことなんか気にしない……
通学路である二人を見かけた。一人は私が通う学校の男子生徒で、名前は牧村穂。私が寂しさを紛らわすために時々話しかけていた男子生徒だ。もう一人は薄青い長い髪をした私より年下の少女。とても可愛らしい子で私は見とれてしまい不思議と笑顔になる。これは久しぶりの笑顔……自分でもわかっている。
「ねぇ、穂。アリサのお話し聞かせて」
「いい加減なところしか話せないけど、それでもいいか?」
「うん!」
薄青い髪をした子は元気よく返事する。
「いいなぁー……私もあんな無邪気になれればいいのになぁー……」
リストカットした腕を見つめ、明日はあの薄青い髪をした子になれればいい。きっと受け入れてもらうんだ。だから穂君を行ったことのない喫茶店へと誘おう。
理想にも似た幻想だけを膨らませた。そして現実の夏の夕暮れの日。私は穂君に拒絶された。
「終わりにしよう」
私は死ぬことにした。
「優といたら自分が変になる? きっと恋煩いだ。それは君にとって綺麗でタイプな女の子がすぐそばにいる証拠でもある。いっそのこと告白でもしてみればいい」
このクソ医者に相談した僕が馬鹿だった。少なくとも精神科医だからと頼った僕はどうかしていた。その証拠にこいつはカルテとやらに目を通しながら何か別のことを考えているふうだった。
「聞いてんのか? 俺の話しを?」
氷室の小綺麗な診察室にて静かにキレる僕。
「聞いてる」
相変わらずカルテに目を通し続ける氷室。僕の話をいい加減に聞いていたとしか思えない。
「あいつに恋なんかしてねぇぞ! 冗談じゃない!」
「恋が恥ずかしいのか? 君くらいの歳にはよくある反応だ。だから恥ずかしがるなよ。優だってきっと君には気がある」
はぁ? 冗談じゃねぇよあんな女。
「今、優のカルテを見ていたんだが、情緒不安定が多数見受けられる。本来なら防音室に閉じ込めることしかできないが、僕はもっと的を外れたことをしてみたい」
「的外れなこと? それはいったい何だよ?」
僕が訊くと氷室はようやくカルテを読むのをやめて、僕の目を見る。それはどこか不敵な笑みを浮かべていたから僕は心から不安する。
「よし、優を外出させよう。同行人は世話係の君だ。夜だけの列車の旅もいい気分転換になるはずだ」
不安が的中したから僕なりの異議を唱えるしかない。
「列車の旅って何だよ? あんなサイコ女、外に出して本当に大丈夫なのかよ?!」
「おいおい、言葉には気を付けてくれ、僕にとっては面倒を見なきゃいけない大切な患者なんだ。サイコ呼ばわりになんてされたら、優は傷つくだけだ」
傷つく? あいつが? もしサイコという言葉で優の傷ついたさまが見られるのなら、僕は喜んで使いたいと思う。
「とにかく森を抜けた先に古い駅がある。壊れかけた街灯が点滅しているからそれを目印にするといい。それから絶対に使うな。サイコ」
僕は氷室に頷いて見せたが、もしも優が僕の癇に障ったなら、きっと使ってしまうに違いない。それにしても一つ気になることがある。
「なぁ、列車に乗ったらどこにたどり着くんだ?」
もしかしたら莉緒が待っているあの暑い夏の日に帰れるかもしれないという気持ちが強くなる。
「さぁ、知らない。なぜ訊く?」
氷室は顔色一つ変えずに答えた。僕はそれ以上は何も訊かずに診察室を後にする。こんな夜だけが続く世界で平穏でいられるこの病院の患者たちや、氷室のような医者や看護師たちが不思議で仕方がない。僕は今にも気が狂いそうなのに……
それにしても、この病院から人気が少なくなっていると感じるのは僕だけなのだろうか……?
「外に出られるの? 嘘? からかってないよね?」
僕が優の病室を訪れて氷室から外出の許可が出たと告げると、彼女はベッドから飛び上がり僕に抱き着いた。
「外に出るのなんて初めて!」
こいつはやっぱり向精神薬か何かでおかしくなっているのか? 外に出るのが初めてならいったいいつからこの病院にいるんだ?
「お前、ここに来る前はどうしていた?」
入院している理由はきっとイカれているからだと思うが、そうなる前はどこで何をしていたんだ? 僕が興味本位で訊いたら、優は僕に抱き着くのをやめ、ただ暗く視線を床に落とし、そして答えてくれた。
「わからない。知らない」
それがこいつなりの答えなんだなと僕は思った。きっとサイコすぎて前の自分なんてすっかり忘れているんだ。
「もういいから、支度しろよ」
僕は優しく言葉した。そうすれば列車とやらに乗れて莉緒と僕が過ごせる日常に帰れると僅かな期待を抱いているから、このサイコ女にも優しくできるというものだ。
「穂君とお出かけなんて、夢みたいで嬉しい。ずっと前から望んでいたみたい」
優は明るい笑顔を見せる。まるでイカれているとは思えない笑顔を僕に見せる。
「望んでいたって、どういうことだよ?」
僕が訊くと、優は「わからない」と、そう言葉にして笑うのだった。
外は相も変わらずの夜の世界で、病院を出たところで僕は途方に暮れた。
「駅ってどこだよ……」
とにかく氷室にいわれた古い駅の場所がわからない。
「穂君。ほら、あそこ」
優は僕が身に着けているエプロンをクイクイと引っ張りながら、森の向こうを指さした。よく見なければわからないが光が点滅している。氷室は壊れた街灯が目印だと言った。きっとその光に違いない。
「お前目がいいんだな」
「今は前髪が伸びていないから」
「前髪って何だよ?」
「教えたくない」
苦笑しながら訊いた途端、優は森の向こうへと走り出す。そこは光が点滅している街灯だと僕は確信する。
僕は慌てて追いかけるしかない。しかし、時すでに遅しとはこのことで、僕は優のことを完全に見失う。深い夏の森の中で一人途方に暮れるしかなく。あとはやり場のない怒りしかない。
「おい、どこいったんだよ! お前みたいなサイコ女! あっちの世界に行けばどうせ人に迷惑かけるか誰かを傷つけるだけだろ! 最悪、人を殺してどうせ二十代にもなっていないからどこかの医療用の年少でクスリ漬けの毎日を送るんだ! サイコのお前にはそりゃ当然の報いだ!」
暗闇に包まれている夏の森で僕は叫んだ。それにしてもあっちの世界とはどこの世界のことなのだろうか? それは莉緒のいる世界? それとも優のいる世界?
「俺はアリサの話を聞かせてやりたいよ」
それは一体誰にだ……? 深い森の中にいても優が目指した古い駅の街灯の光が見えたから僕は進むしかない。
「聞かせてよ。穂が聞かせてくれるアリサのお話が大好きだから……」
莉緒が幻覚のように見えた気がする……
それは大きく両手を広げながら……
それは薄青い長い髪を靡かせながら……
それは夏の日が似合う美しい人だから……
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