自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.6

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  俺はお姉様方のお店を出てすぐにマウロさんに声を掛けられてマウロさんの働く工事現場で働ける事になった。

 ここでの記憶が全く無い俺は初めて会ったと思ったのだが、かなり親しそうに俺に話し掛けてくるのでマウロさんは結構俺と親しい関係なのだろう。

 マウロさんは黒髪短髪のイケメンだ。

 身長も高く、マリアお姉ちゃんと並んで歩けば美男美女のカップルになるだろう。

 でも、マリアお姉ちゃんを取られたらと思うと嫌な気分になる。

 マリアお姉ちゃんとは血が繋がってるとは言え、俺には一緒に過ごした記憶は無く、姉弟と言うより一緒に暮らす美人な人っていう感覚の方が強いのだから仕方ないと思う。

 給料は月金貨一枚銀貨五枚と中々の待遇だったので、俺はすぐに「働かせて下さい」と言ってマウロさんと握手を交わした。

 確か平民の平均月収は金貨一枚の設定だったと思う。

 それから考えれば少し多目の給料なので俺は満足だ。

 そして、明日から働ける様にしてくれたマウロさんにお礼を言って俺は家に帰った。

 家に着くと俺はすぐに自分の部屋に行き、床に座り座禅を組んだ。

 深呼吸をして、昨日した魔力操作を思い出しながらお腹の中心に意識を集中する。

 お腹が熱くなってその熱がグルグルと渦を巻いて動き出す感覚を感じるとまずは右手に魔力を移動させた。

 昨日は移動させた途端に魔力欠乏による脱力感で終わってしまったが、今日はまだまだ行けそうなので左手にも移動させる事にする。

 左手に移動させてもまだ脱力感は起きなかった。

 (昨日今日でこんなに魔力量が上がるものなのか?)

 心の中で呟いた俺はラグーって実は凄いヤツなのではないかと思ってしまう。こんな登場人物は知らないけど!

 「ただいまー!」

 とマリアお姉ちゃんの声が聞こえたので魔力操作を一旦やめて、部屋を出た。

 「マリアお姉ちゃん、お帰りなさい」

 「ラグーただいまー!」

 マリアお姉ちゃんは満面の笑みを見せると俺に抱きついてきた。

 マリアお姉ちゃんの大きな胸は柔らかくて最高で、もう死んでもいいと思えるほどの気持ちになった。

 「ラグー、お姉ちゃん頑張るからね」

 「う、うん」

 一応、返事はしたけど何を頑張るのかさっぱりわからない俺の頭にはクエスチョンマークが浮かんでいる。

 「よし!まずは晩ごはんを作るね。ラグーは座ってて」

 マリアお姉ちゃんは俺から離れて台所に行き、晩ごはんの用意を始めたけど、極上の感触が離れたのは残念だった。

 「「頂きます」」

 さて今日の晩ごはんだが、いつもの固いパンではなく、日本で見慣れたコッペパンの形をした茶色のパンと、スープだった。

 パンはふっくらとして柔らかく、スープは野菜と何かの肉が入っていてとても美味しかった。

 「マリアお姉ちゃん、このパン美味しい、このスープも具が入っていて凄く美味しいよ」

 「でしょー、頑張れラグーと私頑張れーって事で奮発しちゃったんだよ」

 頑張れーで奮発してしまうってどうなの?って思ってしまうけど、マリアお姉ちゃん美人さんだから気にならない。美人は正義だ!

 「ちなみにだけど、このパンはいくらするの?」

 奮発したと言うくらいだからこのパンがどれくらいするのか気になった俺はマリアお姉ちゃんに聞いた。

 「えーと、パンが一つ銀貨一枚で、このスープの材料と合わせて銀貨四枚もしたんだよー」

 ニコニコしたマリアお姉ちゃんの言葉に俺は口に含んでいたスープを吹き出した。

 「ちょっとラグーお行儀が悪いよ!」

 「ご、ごめんなさい、でも余りにも高すぎて驚いちゃったんだよ」

 パンで銀貨一枚はかなり高い。
 日本円と比べると、

 金貨一枚十万円
 銀貨一枚一万円
 大銅貨一枚千円
 少銅貨一枚百円

 少銅貨十枚で大銅貨一枚、銅貨十枚で銀貨一枚になり、銀貨十枚で金貨一枚になる。

 この世界は物価が低く、食料品は少銅貨一枚出せばほぼ買える事を考えると銀貨一枚は本当に高い。

 コッペパン一個に一万円出せますか?って話になるのだ。

 頑張れーってだけでパンに銀貨一枚を出してしまうマリアお姉ちゃんの感覚が怖い。

 「ラグー手を止めてないで早く食べよ」

 頭を抱える俺を他所に、早く食べようと催促するマリアお姉ちゃんは綺麗だった。

◇◇◇

 晩ごはんを食べ終わり部屋に戻り魔力操作の続きをした。

 右手、左手、左足、右足と順調に魔力を循環させる。

 (ラグーって魔力の回復も早いのか?)

 晩ごはんを食べる前に魔力操作をして魔力を使ったのに、まだ魔力欠乏が起きない。

 ラグーは本当に優秀なのでは?と思ってしまう。

 そして、頭まで魔力を行き渡らせた所で全身に脱力感が走り、顔面から床に崩れ落ち、床にキスをした。

 「異世界ファーストキスが床に奪われるとは……」

 そう呟き、俺はそのまま眠りに落ちた。
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