自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.8

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 元気のいいマリアお姉ちゃんの声で目が覚めたが、案の定筋肉痛になっていて痛む体を無理矢理起こして足を引きずるように部屋を出た。

 ボロボロの俺にマリアお姉ちゃんが近づいてくる。

 「ラグーどうしたの?大丈夫?」

 心配そうに俺を見つめるマリアお姉ちゃんに少しは癒されたのだが、体中が痛くてうまく笑顔が作れない。

 「マリアお姉ちゃん、筋肉痛で体中が痛いんだ。回復魔法を僕にかけてもらえると助かるんだけど……」

 「マウロも仕事を始めた頃は動けなくて私が回復魔法をかけてあげてたんだよね」

 マリアお姉ちゃんは右手を俺にかざして「回復ヒール」と唱えると、マリアお姉ちゃんの手に淡い光が集まりその光が俺を包む。

 「わぁ、なんか綺麗だね」

 「うん、私も回復魔法を使う度にそう思うよ」

 俺を包む淡い光が俺の中に吸い込まれると筋肉痛の痛みは一瞬で消えてしまった。

 「マリアお姉ちゃんありがとう。痛みが無くなったよ」

 「どういたしまして!」

 胸を張るマリアお姉ちゃんもやっぱり美人だった。

◇◇◇

 「行ってらっしゃい」

 朝ごはんを食べ終えた俺を送り出すマリアお姉ちゃんに手を降り「行ってきます」と返して俺は仕事に向かった。

 今日は仕事が午前中で終わりと言っていたので仕事が終わったら図書館にでも行ってみようと思う。

 仕事現場に着くと、俺を見つけたマウロさんが手を振った。

 「ラグーおはよう、昨日はどうしたんだい?あれから俺を避けてるみたいだし」

 俺はお昼休みの出来事で気まずくてマウロさんを避けていた。
 マウロさんが近づいてくるのが見えたら逃げて仕事が終わっても何も言わずに帰ってしまた。

 「マウロさん、ごめんなさい。マリアお姉ちゃんをマウロさんに取られてしまって嫉妬したみたいです」

 俺が謝るとマウロさんは目を丸くして申し訳なさそうな表情を浮かべた。

 「ラグーごめんよ、ちゃんと言っておくべきだったね。ラグーがマリアのお古の服を着たり、髪型を真似たりしてマリアの事が大好きだと知っていたのに付き合ってる事を言わなかった俺が悪い。本当にすまなかった」

 マウロさんは俺に向かって頭を下げている。

 でも、俺はマウロさんに構っている余裕は無い。

 髪型は自分の姿を確認した時に似てるとは思った。
 でも俺がマリアお姉ちゃんのお古の服を着てたのはどうなの?
 ラグーが女装好きの可能性にしたくもないタメ息が出てしまう。

 まだ会って二日しかたってないのに、次々と知りたくもない事を仰られてくるマウロさんの事が嫌いになりそうだ。

 「マウロさん頭をあげて下さい。もう大丈夫ですから」

 「ありがとうラグー」

 マウロさんは心のつっかえが取れたかのように安心した表情をしているが、俺の心にはつっかえができてしまった。

◇◇◇

 予定通り仕事が午前中で終わり、俺は図書館にやってきた。

 図書館は中世ヨーロッパ風の大きな建物で豪華な門構えをして、平民だと入るのに躊躇してしまうだろう。

 でも利用料さえ払えば誰でも図書館を利用できるので気にする事なく足を進める。

 豪華な門を潜り、図書館に入るとカウンターにいる受付の人に図書館使用料銀貨一枚を払い中に入った。

 かなりお高い料金設定なのだが、この世界の本はかなり高くて金貨三枚は安い方、種類によっては目玉が飛び出る程の値段の本もある。

 二、三カ月分の給料が本一つで無くなるので平民が気軽に買える値段ではない。

 なので平民は本を読みたければ銀貨一枚払ってでも図書館にやってくるのである。

 まぁこの図書館の維持費等を考えると、この料金設定は安いだろう。

 カウンターを抜けるとすぐに中心に読書用と思われる大きなテーブルが目に入り、その周りを本棚が囲むように並んでいた。

 俺は本棚からお目当ての本を探す。

 本棚に並ぶ本はどれも見慣れた日本語のタイトルでこの世界の言葉を日本語設定にして良かったと思う。

 異世界設定にしてたら文字がわからなかったかもしれないと考えるとめんどくさがりもたまには役に立つ。

 俺は沢山の本を抱えてテーブルに置くと椅子に腰かけた。

 選んだ本はミラベル帝国の歴史書と魔法に関する本で俺はまずミラベル帝国の歴史書を手に取り、読み始めた。
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