自分で書いた未完のラノベ小説の世界に転生したけどどうしたらいいですか?

黒野 ヒカリ

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No.29

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 目的の場所に着くと俺とパメラ様は馬車を降りた。

 着いた場所はパメラ様に魔法を教えてもらった場所で、ここからは森の奧に入って行くので馬車では行けず徒歩での移動になる。

 「パメラ様、メイさんが見えないようですが…」

 「あっ、メイねメイはえっと、なんか準備があるみたいよ?」

 何処へ行くにも何かと着いてくるメイさんが準備を優先させたのはかなり気になるが聞かない方がいいだろう。
 だいたい想像はつくから俺は話題を変えた。

 「所でパメラ様、お目当ての魔物はなんですか?」

 「ポルターマウスよ」

 ポルターマウスは体長五十センチ程の魔物で見た目は大きなネズミだ。
 動きが素早く仕留めるのに苦労する。

 そんなに強い魔物では無いが、ポルターマウスは必ず団体で襲いかかってくる。
 油断すると銀の冒険者も殺られてしまう。

 俺も何度か討伐した事があるが、討伐の度に百匹以上に襲われ死ぬかと思った。
 出来るならばやりたくはないがパメラ様に言われたらやるしかない。

 「パメラ様、辺りを探りますのでお待ちを」

 自分を中心に魔力を回りに広げ辺りを探っていく。

 これは俺が魔力操作の最中に編み出した魔法で、自分の魔力を外に放出して魔物が発する魔力を感知して位置を特定する魔法だ。

 かなりの魔力を使うみたいで恨めしそうにするパメラ様に教えたのだが直ぐに魔力欠乏を起こしてしまった。

 「どおラグー、いる?」

 「近くにはいませんね。範囲を広げてみますね」

 俺は徐々に魔力を大きく広げて行くと魔力の反応を感じた。

 「パメラ様いました。ここから東へ一キロ程行った所です」

 「ありがとうラグー、早速移動しましょう」

 反応を感じた場所に着くと直ぐにポルターマウスの巣穴を見つけた。

 今まで見た事の無い程の大きさで、どれだけのポルターマウスがいるのか想像もつかない。

 「パメラ様これは大きすぎます、危険なので帰りましょう!」

 もしパメラ様に何かあればパリントン公爵に俺は殺されてしまう。
 なので俺は撤退を提案したのだが、

 「ラグーもいるし、大丈夫よ。それに回りにポルターマウスは見えないので巣穴に全部いる筈よ」

 確かに回りにポルターマウスがいなければ巣穴に潜っている。
 そしてこの時がポルターマウスを安全で楽に全滅できる瞬間である。

 巣穴にありったけの魔力を使って魔法をぶっぱなせばあっという間に全滅できるが、これだけ大きいとどれだけ魔力が必要か分からない。

 パメラ様が俺を評価してくれているのは嬉しいが危険すぎる。

 「パメラ様、やっぱり帰りましょう!」

 「大丈夫、大丈夫」

 そう言って俺の言葉を無視したパメラ様はどんどん巣穴に近づき、巣穴に向けて魔法をどんどん打ち込んで行く。

 一度魔法を巣穴に打ち込むとポルターマウスを全滅させるまで魔法を打ちみ続けなければならない。
 中途半端で終ると怒り狂った大量のポルターマウスに襲われてしまう。問題は魔力が足りるかだ。

 「はぁ~」と息を吐き俺はパメラ様に声を掛けた。

 「パメラ様、魔力が尽きそうになったら言って下さい。変わります」

 「分かったわ」

 パメラ様は返事を返すとどんどん魔法を打ち込んで行く。

 巣穴からパメラ様の放った魔法の衝撃音とポルターマウスの「ギィィィィィ」と気味の悪い鳴き声が響く。

 どれだけ魔法打ち込んだかは分からないがポルターマウスの声が止んだ。
 この巣穴の大きさで、パメラ様の魔力たけでポルターマウスを全滅できたのは奇跡だろう。

 巣穴の大きさに比べポルターマウスはそんなにいなかったのか?疑問は残る。
 
 「ふ~」と息を吐いてパメラ様は魔法を止めた。

 「ラグー、ポルターマウスの声が聞こえないけど全滅したかしら?」

 パメラ様の言う通りポルターマウスの声は聞こえない。でも少し様子を見た方がいいだろう。

 「ポルターマウスの声が聞こえなくなれば討伐完了なのですが、これだけ大きな巣穴ですので少し様子を見ましょう」

 「そっ、分かったわ」

 俺とパメラ様はいつでも魔法を放てるように巣穴を見つめる。

 すると、ゴゴゴゴゴと地鳴りがして巣穴が弾け飛んだ。

 「きゃっ!」

 パメラ様は巣穴が弾け飛んだ勢いで飛ばされてしまった。

 「パメラ様!」

 俺は慌ててパメラ様に駆け寄る。

 「パメラ様大丈夫ですか?」

 「だ大丈夫よ、大丈夫だけど……ねぇラグーあれは何かしら……」

 ブルブルと体を震わせ言葉を発したパメラ様の目線は俺の後ろに向いていた。

 「ラグー……不味いわ……」

 パメラ様は俺の後ろにいる魔物の殺気にやられ震えている。

 「確かにこれは不味ですね……」

 俺はこの気配を知っている。
 ビリビリと肌を刺すこの殺気は間違いない。

 俺は立ち上がり振り返った。

 (やっぱりコイツか)

 そこには巨大を揺らすデビルマウスが此方に狙いを定めていた。
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