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No.30
しおりを挟むポルターマウスは十年程で寿命を向かえ勝手に死んでしまうのだが、希に十年過ぎても生き続けるポルターマウスがいる。
十年を越えて生き続けたポルターマウスは獰猛さが増し、家畜や小動物時には魔物すら襲って食べてしまう。
そしてどんどん巨大化したポルターマウスはデビルマウスに姿を変え危険度が羽上がる。
デビルマウスは体長が十五メートルになりポルターマウスの面影は消え失せる。
その体はドス黒い先の鋭い毛が硬い皮膚を覆い赤い目が恐怖を掻き立てる。
動きはポルターマウスとは比べ物にならないほど速く、硬い皮膚とドス黒い毛が物理攻撃を阻み魔法は効かない。
最強のネズミがいたら面白いと思って考えた魔物だが、学生のラミラスが倒せる展開が浮かばず慌てて弱点を追加した。
デビルマウスの背中の真ん中に五百円程の大きさで毛が無い部分があり、そこだけ皮膚が柔らかくなっている。
そこに物理攻撃で傷を付け魔法を打ち込めば倒せる。
しかしそれが本当に大変だった。
ポルターマウスの討伐依頼を受けた時に俺は一度デビルマウスと戦った事がある。
弱点を狙って攻撃をしても動きが速すぎるし、自分の弱点を隠すように動くから中々攻撃が当たらなかった。
戦いの最中に「俺のバカ!」と何度叫んだだろうか。
傷を負ってボロボロになりながら何とか倒したが、本当に死ぬかと思った。
「それにしてもコイツはデカ過ぎる」
声に出してしまう程俺の目の前にいるデビルマウスは大きかった。
俺が倒したデビルマウスより一回りぐらい大きくて恐ろしい程の殺気を放っている。
パメラ様が震えて動けなくなるのも分かる。
デビルマウスは狙った獲物は逃さない。
だから逃げる事は不可能だろう。
ならば戦う以外の道は無い。
俺はゴグリと唾を飲んで覚悟を決めた。
「パメラ様はそこの岩陰に隠れて僕の合図でアイツに向けて魔法を放って下さい!」
「ラ、ラグーはどうするの?」
「俺はアイツを引き付けて弱点に攻撃を仕掛けます」
「そんな…、ラグーが、ラグーが死んじゃう……」
涙を浮かべるパメラ様に俺は笑顔を向けた。
「大丈夫です。僕は死にませんから、必ず生きて帰ります。それにまだパメラ様からのキスを頂いていないので死ねませんよ」
「バババババカ!ラグーのバカ!こんな時にななな何言ってるのよ!」
顔を真っ赤にしたパメラ様は本当に可愛いかった。パメラ様の為にも死ぬ訳にはいかない。
「よし、それではパメラ様行ってきます!」
「ラグー気を着けて…生きて帰れたらキス……しよ」
「約束ですよ、では!」
恥ずかしそうにするパメラ様に俺は笑顔で答えた。
最後の方はすごく小さな声だったがちゃんと聞こえた。
これで本当に死ぬ訳にはいかなくなった。
美女からのキスは最高の報酬だ。
俺は体に魔力を循環させ身体強化をしてデビルマウスに向かって駆け出した。
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