39 / 54
学園祭一日目が始まった件①
しおりを挟む学園祭当日──
僕は余り集中的できず、やっと仕上げた最後の小道具をクラスの委員長に手渡した。
「染谷君、お疲れ様でした」
委員長が労いの言葉をかけるが僕の心はここには無い。
手に持つチラシが原因だ。
『後夜祭スペシャルゲスト篠田愛弓スペシャルライブ』
自作のチラシの通り、学園祭の後にある後夜祭でこの高校に篠田愛弓ことあゆたんがやってくるのだ!
高校最後の夏にあゆたんに会えなかった悲しみに僕がオファーした。
僕の熱意と情熱があゆたんと事務所を動かしたのだ!
勿論ただではない。
ちゃんとギャランティーが発生する。
それは僕の貯金とオタク仲間の宏と浩司が喜んで協力してくれた。
それでも足りない分は頭を下げて出世払いで親から借りた。
宏は「我の貯金がー」と騒いでいたけど大丈夫?だろう。
あゆたんがこの高校にやってくるのが決まって僕の日々は慌ただしくなった。
勝手にオファーを出して決めてしまったのでこの事を学園祭実行委員に直談判しに行った。
実行委員の皆さんも最初は困惑していたけど僕の熱意と情熱に心動かされたのだろう、最後は納得してくれた。
実行委員長は僕の去り際に「大人しいと思っていたけど、こんな性格だったんだね。正直君が怖い」と言っていたけど首を縦に振っていたので納得?してると思う。
僕の頭はあゆたんの事でいっぱいで小道具作り処ではなかったけど北澤さんも協力してくれたのでギリギリ間に合った。
「賢がおかしくなった」としきりに言っていた北澤さんだけどちゃんと小道具は仕上げられて安心した表情を浮かべていた。
北澤さんには本当に感謝しかない。
北澤さんがいなければ間に合わなかっただろう……
「よーし!あゆたんの控え室の準備でもするかー!」
僕は喜びを表現するように大声を出して走り出した。
◇◇◇
「本当にギリギリ……」
疲れきった私は小道具作りをしていた教室で項垂れていた。
タメ息を吐き、賢の出ていった方を見つめる。
小道具作りを半分ぐらい仕上げたところで「あゆたんはー、あゆたんはー」と煩くなった賢に振り回されて本当に疲れた。
しまいにはあの自作した笑顔のあゆたんTシャツを着だして、私にも薦めてくる始末。
賢は心ここに有らずで全く手を動かさないからもう間に合わないと思ってしまた。
学園祭は賢と回ろうと思っていたのに、賢は「あゆたんの準備があるから」と言ってさっさと何処かへ行ってしまった。
私はこれからそんな賢にずっと付き合って行くのかと思ったら不安になったけど、
『私に夢中にさせてしまえばいい』
そう思えばあゆたんの事が少しだけ気にならなくなった。
(久しぶりに化粧でもしようかな)
そして私は誰もいない教室を出て行った。
0
あなたにおすすめの小説
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、孝之は高校三年生、十七歳。妹の茜は十五歳、高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる