上 下
27 / 41
恋人編

いってきますの

しおりを挟む
朝起きると、いつものように豪華な天井があった。
そして、体に腕が巻きついていた。
「…は?レン?」
「…んん、あ、アツキおはよう」
「ああおはよう。じゃなくて!なんでこんなになってんの」
「え?だって昨日アツキ俺の腕の中で寝ちゃったんだもん。それで起こすのも可哀想だから抱っこしたままベッドに運んだ後俺も寝ちゃった」
なんだか思い出してきた。昨日好きだって伝えて、言い合って、それでそのあと気がついたら眠っていた。そのあとでレンが俺をここまで運んでくれたのだろう。
「ありがとう」
「うん?どういたしまして。ねえ、アツキ?これからもぎゅーってしながら寝てもいい?」
正直、レンが俺の隣にいて、お互い抱きしめて眠るのは幸せだと思う。
「…しょうがないから、許す」
「ほんと?やった!」
寝ぼけているのかいつもより言葉が易しい。
「ん、じゃあご飯用意しよ。」
「ああ!」





「いってらっしゃい」
「やだー!アツキと離れたくない!」
「お前仕事あるんだろ?帰ってきたら一緒なんだから、ほら」
「うーん…。急いで帰ってくるから!」
「いつも通りでいいって」
「いってきまーす」
「はーい」
「あ、待って忘れ物」
そういうや否や俺のおでこにキスしてきた。
「じゃ、いってきます。帰ってきたらここにするから」
そういって唇に触れ、にやっとして扉を開けていった。
「なんだよ…」
不意打ちでびっくりした俺は玄関でしゃがみ込んでしまった。
これだけでこんなにドキドキしてこれからやっていけるのだろうか。





しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

どうして、こうなった?

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:7

熱中症

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:58

風邪ひいた社会人がおねしょする話

BL / 連載中 24h.ポイント:49pt お気に入り:44

純白のレゾン

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:19

つぎのあなたの瞳の色は

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:14pt お気に入り:198

当たり前のことが、こんなに大切だと知った日

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:9

倫理的恋愛未満

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:50

処理中です...