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恋人編

なんで?

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「そういえばさ、」
2人ともが落ち着いたところで俺は口を開いた。体勢は変わらないままで。
「うん?」
「どうしてここがわかったんだ?今日レン仕事だっただろ?…って、レン、仕事大丈夫なのか?」
「ああ、他のものに任せてきたから大丈夫だ。」
「おい、なんで応えてくれないんだよ。どうしてここがわかったんだ?」
明らかにはぐらかされており、問い詰めようとすると、レンは苦笑いを浮かべた。
「言ったらアツキ怒りそう」
「怒らないから言ってみろって」
「そうだな、。…また今度の機会にな!」
よほど言いたくないのだろうか。
そこまでして隠されると問い詰めてもいいものかと悩んでしまう。
「今回だけだからな。」
「おう!アツキのそう言うところ大好きだ!あ、もちろんいい意味でな!」
「はいはい」










レンside

危なかった。
アツキに対して護衛つけてたなんて言ったらなんて返されるのか。
本当なら俺が常に一緒にいて隣を守っていたい。
それでも俺の目指すもののために、やらなくちゃならないことがある。
だから泣く泣く護衛を頼んでいたのだ。
その護衛団から連絡を受けたときにはそれはもう肝が冷えたが、こうなることがある程度予想できてしまっていたから護衛をつけたんだろうな、とも思った。
前の婚約者だったアイラさんも同じ目な遭っていたから。
アイラさんも、もちろん高級階級にいる人間だから、そう簡単に手は出されないだろうなんて思っていたが、そんなことはなかった。
ひどく傷ついたような顔をしていたのがやけに印象的で。
だからアツキにはそんな顔させたくないと思った。
それなのにまた同じ目に合わせてしまった。このことが深く俺を蝕んでしまいそうになったとき。救ってくれたのはアツキだった。
「大丈夫」って。その言葉だけでも人は救われるのだなと。
そして、アツキの隣にいることができて心底幸せだなと。
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