10年後も生きる為に、特種素材を求めて、異世界を旅する事になりました。《仮》

夕刻の灯

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第3章・炎帝龍の山

九話・花畑の階層《ガーデニング・ガーデン》

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転移の門は、既に設置済み…
オレは、その事を知らない
何よりも…その話初耳で聞いてない

「ボルドー、オレその事聞いてないよ?」
『すいません、私も転移の門は、初めてでしたから…いきなりアイ様が使われて何かあっては、いけませんから』

ボルドーまた?
また君の過保護出たの?
いや、責めるつもりはないけど…
ボルドー達…契約守護獣のオレへの対応が
かなり重いような気がするんだけど?
まぁ…害はない?んだし
ここには、触れずに放置かな?

とりあえず、設置済みの転移の門の方を優先するべきだろうしな

「ボルドーその設置済みの転移の門って、一体どこにあるんだ?」
『それは、こっちですよ…っとその前にアイ様、カーディナルを降ろしてもらえますか?』

オレは、ボルドーの頭の上で寝ている
カーディナルをゆっくりと地面に降ろした
カーディナルを掴んで降ろしたが、カーディナルは全く起きない
スースーっと、寝息を立てている。

「カーディナルはこのままにしておこう」
『それはですね。アイ様、転移の門はこちらですよ』

ボルドーが世界樹ユグドラシルの方に歩いて行く

世界樹ユグドラシルは急激な速度で、成長した
今や苗木だった頃の面影は全くない
それほどまでに大きな大木になっていた

世界樹ユグドラシルの方に転移の門そんなのあったっけ?
そう思いながら、ボルドーの後について行くと
ボルドーが世界樹ユグドラシルの背後に回り込んだ
え⁉︎世界樹ユグドラシルの後ろ?

「ボルドー、転移の門って世界樹ユグドラシルの背後にあるのか?」
『そうですよ。アイ様はいつも、こちらには来ないようでしたのでこちらに設置しました。』

へ~
オレの行動範囲を熟知した上で、ここに設置したのか
そう思いながら、オレもボルドーに続いて世界樹ユグドラシルの背後に回り込んだ
しかし…

「アレ⁉︎何もないよ?」

世界樹ユグドラシルの背後には、何も無かった。
まぁ、ホームワールドには、ほとんど何もないから
この景色はホームワールドでは普通だ
しかし、ボルドーが設置済みだ、っと言った転移の門は、見あたらない
どこにあるんだろうか?
ボルドーがある場所に歩いて行く
それは、世界樹ユグドラシルから少し離れたところだ
そこで、ボルドーこちらに振り返る

『アイ様ここですよ。』

え⁉︎だからどこ⁉︎
って思っていると、ボルドーが口で何かを咥える動作をした

『ここですよ。』

ボルドーは、その何かを引き剥がした。
するとそこには…
さっき見たのと同じ転移の門があった。

「アレ⁉︎何も無かったけど?」
『それはですねこれを被せてあったんです。』

ボルドーが何かを咥えてこちらに来た
それをオレに手渡した。
それは、オレも見覚えある物だった

「コレって、蜘蛛の糸の布?」
『そうですよ。』

蜘蛛の糸の布
それは、擬態の魔法を付与する事で
被ったモノの姿をくらます事が出来るようになる布だ

『アイ様がこちらに来たとしても、これを被せておけば、まず見つけられませんからね』

転移の門を二段階で隠してあったのか…
それは、オレも気付く訳無いな…
かと言って、オレはその事で落ち込んだりはしない
さてと、本題だよ。本題

「それでコレは、森のどこに通じているんだ?」
『コレは、森には繋げていません』
「転移の門の移動先は、森じゃ無いの?」
『そうですよ。』

え?ならどこに繋がってるんだろう?

『アイ様、どこに通じているのか行ってみますか?』

もちろん行くよ!

『では、入りましょう』

ボルドーが転移の門のアーチをくぐって行く
するとアーチを通った先のボルドー頭が消えている
そして最終的には完全にボルドー姿が消えた

「消えた⁉︎」

オレは恐る恐る、転移の門に近づいてみた
すると

『アイ様?こちらですよ?』
「うわー!!びっくりした!!」

オレは、思わず声を上げてしまった。
転移の門の中から、いきなり
ボルドーの頭がヌッと出て来たのだ
ボルドーの生首が空中に浮いている
かなり、シュールな光景…

『アイ様⁉︎大丈夫ですか?』

ボルドーの生首が喋っている

「ボ、ボルドー方こそ大丈夫なの⁉︎」

ボルドーが頭を傾げた
何を言っているんだって感じだ

『ああ、コレですか?』

ボルドーが下の方を見ながら喋って来る

「そうだよ!!生首にしか見えないよ!!」
『すいません言い忘れてましたね』

言い忘れてたじゃないよ!!
君、大概の事を言わないじゃないか!!
っと心の中で突っ込みを入れた
しかし、実際にボルドーに突っ込みを入れようとは思はない
何故なら、後がメンド臭いから
ボルドーは、一度凹むと
ひたすら凹んで、しばらく使い物にならなくなる

『この転移の門はこういう仕様なんですよ。行き先は普通は通り抜けないと見えません』

転移の門は転移先の景色は見えない
それは、あちら側とこちら側を完全に隔てているからだそうだ
混じり合うのを防ぐ為だ
場所によって、魔素の量が違う事がある
その場合、魔素の量が多い場所から低い場所へと魔素が向かう
圧倒的に差があった場合には、かなり危険だそうだ
だからこそ、門の境界で、あちら側とこちら側を隔てているんだって話だった。

『アイ様、転移の門の移動は安全ですからね。大丈夫ですよ。』

ボルドーが安全だと言うのだから
転移の門は、安全なんだろう
しかし…怖いな
オレは、転移の門をくぐり抜けるまで目を瞑った

『アイ様、着きましたよ?目を開けて下さい。』

そう言われて、オレは恐る恐る目を開けた
そこには、驚きの光景が広がっていた。

「え⁉︎花畑⁉︎」

オレの目の前には、見渡す限り
一面の花畑が広がっている。
一度見たあの花畑かと思うほどに似ていたが規模が違う
圧倒的にこの花畑の方が大きいのだ
広大な土地に一面の花畑が広がっていた。

『アイ様ようこそ、新しいホームワールドの階層ガーデニング・ガーデンへ』

オレの背後に居たボルドーがオレにそう告げた
オレは新たに増やされた階層に来たのだ
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