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1話・新車で事故って
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長年の夢だった。
中学生の時に見たテレビに映っていた
外車のデカい車、その車に俺は釘付けになっていた。
それから時が流れて、今は会社員だ。
志賀 草馬
草馬
草に馬
親父が馬が好きでつけた名前…
よく、馬と鹿~とか
ホース君~好きでしょ~?ニンジンいる~?っとか
やっぱり、名前の通りでアッチもウマ並みなの?とか言われた…
兄貴や弟は、それなりにいい名前なのに…
高校生の時に急激に視力が落ちて、メガネっ子になってしまったが…だが
あの車に夢中なのは、相変わらずだったな~
まず最初の車は、節約の為に中古くんだった。
しかし、その中古くんもかなりこだわった。
この海外のメーカーに憧れて、このモデルが発表されてからすぐに予約した。
貯金を使って、この新車で購入したのだ。
他府県にしかないディラーに足を運ぶ事、数回
ディラーがかなり遠いって、とんでもなく不便…
しかし、実車やサポートの面から言ってもディラーに頼らないと…
車好きって言っても、自分で全部メンテ出るほどじゃないし…
そう思って、ディラーに来たら
このディラーの担当者、かなり熱意と言うか、圧が凄い。
「この度は、新車のご購入ありがとうございました~」
ものすんごい、手がちぎれるんじゃないか?ってくらい手を降ってるし…
お辞儀も激しい。
道に出た後も、ずっと手を振ってるのが見えた。
ウキウキ気分で、ディラーから鍵と車を受け取って
手続きしてたら、すっかり暗くなってしまった。
さっさっと、自分の家に帰ってそれなりに準備したら
1人旅に出よう…
その時の俺は、そう思ってた。
車を走らせる事十数分ほど経った頃
最寄のインターチェンジから高速に入った。
車が少ないからか?前方確認の為に、っと事前に設定しておいたオートハイビームが作動した。
そのハイビームで遠くの方までよく見える。
しかし、先程から妙に花粉を感じるんだ
花粉症の薬が切れてきたらしく。
鼻がムズムズにして、思わず…
「へ、、ヘックション、ヘックション!!」
二回連続でクシャミをしてしまった。
近年では、花粉がすごい。
鼻水と唾が~!!
クシャミのせいで、メガネが鼻からずれて視界がボヤけてしまった。
下を向いていた顔を元の位置まで戻しながらメガネを手で押し上げたら
車のヘッドライトに照らされて、巨大な黒い影が見えた。
「へぇ⁉︎何だ⁉︎鹿か?」
道の真ん中に鹿が飛び出して来たのだ。
慌てて、ブレーキを踏み込んだ。
しかし、車は急には止まれない。
咄嗟にハンドルを切った。
そこから全てがスローになったように感じた。
スピードが出ていたから俺の車は、遠心力で横倒しに…
そして、錐揉み回転して
そのまま、ガードレールを突き破っていた…。
エアーバッグが開いてる…
しかし、この浮遊感…
咄嗟に俺は、ハンドルをきつく掴み頭を下げた。
気がつくと森の中だった。
ハ!っとして、頭を上げると…固まった。
きつく掴んでいたハンドルから手を離して目に見える光景に釘付けになっていた。
「木?いや、森…か?」
鬱蒼とした木々が見える。
しかも、一本一本がかなりの樹齢の大木だった。
ハイビームにしてあるヘッドライトに照らされている。
ハイビームの光で確認出来るのは、二、三本だ
近くて、二、三本しか見えないんじゃない。
一本一本がかなり幹が太いんだ。
「助かった?」
そう思ったのもつかの間だった。
ガードレールを突き破った時に開いたはずのエアーバッグがない。
確かに開いたはずだった。
それに、錐揉み回転した時に車の中に散乱した荷物も元の位置に戻っている。
体の痛みも一切ない、あちこちぶつけまくったはずなんだが?
極め付けは、直前に買って来たコーヒーだ。
飲みかけだったコーヒーが湯気を立てて
そのままカップホルダーに収まっていた。
中身が飛び散って、ホルダーから飛び出して車内の何処かへと消えたはずだ。
あの時俺は、シロップやらをコーヒーのカップに入れて、フタをせずにそのままにしてしまっていたんだ。
そのコーヒーに手を伸ばして、俺はコーヒーを口にする。
「温かい…中身もそのままだな」
コーヒーを飲み込む。
取り敢えず、現在地を確認する為に
カーナビを見た。
しかし、カーナビの画面には何もなかった。
地図記号はもちろん、道の一つさえ一切表示されていなかった。
俺は、現在地を確認のボタンを押した。
このボタンを押せば、座標が確認できるはずだからだ。
しかし、何も変わらなかった。
そこで、カーナビの地図の拡大のボタンを押す変わらない。
そこでその拡大のボタンを連打する。
そこにはやはり、日本地図にあるはずの都道府県の標記が一切出てこない。
かわりに…
「マラーク帝国?何だコレ?新しいテーマパークか?」
いや、待てよ?
マラーク帝国、こんな名前のテーマパークなんて俺は、全く知らない。
確かに…俺は、残業や休日返上して休日出勤とかをしていたが、テレビを見ていなかった訳じゃない。
それにこの規模…都道府県よりもはるかに大きい。
まさか、本当にコレって、新規のテーマパークじゃない…?
そうだ!!スマホだ!!
車のホルダーに置いておいたスマホに手を伸ばした
電源ボタンを押すと、問題なく画面が点灯した。
携帯会社のロゴの後にいつものディスプレイが表示される。
しかし…
「やっぱり、圏外か、一体何がどうなってるんだ?」
アンテナマークは、一切出てない…
スマホを持つ腕を必死に伸ばすが…反応なし
どの方向に向けても無駄だった。
中学生の時に見たテレビに映っていた
外車のデカい車、その車に俺は釘付けになっていた。
それから時が流れて、今は会社員だ。
志賀 草馬
草馬
草に馬
親父が馬が好きでつけた名前…
よく、馬と鹿~とか
ホース君~好きでしょ~?ニンジンいる~?っとか
やっぱり、名前の通りでアッチもウマ並みなの?とか言われた…
兄貴や弟は、それなりにいい名前なのに…
高校生の時に急激に視力が落ちて、メガネっ子になってしまったが…だが
あの車に夢中なのは、相変わらずだったな~
まず最初の車は、節約の為に中古くんだった。
しかし、その中古くんもかなりこだわった。
この海外のメーカーに憧れて、このモデルが発表されてからすぐに予約した。
貯金を使って、この新車で購入したのだ。
他府県にしかないディラーに足を運ぶ事、数回
ディラーがかなり遠いって、とんでもなく不便…
しかし、実車やサポートの面から言ってもディラーに頼らないと…
車好きって言っても、自分で全部メンテ出るほどじゃないし…
そう思って、ディラーに来たら
このディラーの担当者、かなり熱意と言うか、圧が凄い。
「この度は、新車のご購入ありがとうございました~」
ものすんごい、手がちぎれるんじゃないか?ってくらい手を降ってるし…
お辞儀も激しい。
道に出た後も、ずっと手を振ってるのが見えた。
ウキウキ気分で、ディラーから鍵と車を受け取って
手続きしてたら、すっかり暗くなってしまった。
さっさっと、自分の家に帰ってそれなりに準備したら
1人旅に出よう…
その時の俺は、そう思ってた。
車を走らせる事十数分ほど経った頃
最寄のインターチェンジから高速に入った。
車が少ないからか?前方確認の為に、っと事前に設定しておいたオートハイビームが作動した。
そのハイビームで遠くの方までよく見える。
しかし、先程から妙に花粉を感じるんだ
花粉症の薬が切れてきたらしく。
鼻がムズムズにして、思わず…
「へ、、ヘックション、ヘックション!!」
二回連続でクシャミをしてしまった。
近年では、花粉がすごい。
鼻水と唾が~!!
クシャミのせいで、メガネが鼻からずれて視界がボヤけてしまった。
下を向いていた顔を元の位置まで戻しながらメガネを手で押し上げたら
車のヘッドライトに照らされて、巨大な黒い影が見えた。
「へぇ⁉︎何だ⁉︎鹿か?」
道の真ん中に鹿が飛び出して来たのだ。
慌てて、ブレーキを踏み込んだ。
しかし、車は急には止まれない。
咄嗟にハンドルを切った。
そこから全てがスローになったように感じた。
スピードが出ていたから俺の車は、遠心力で横倒しに…
そして、錐揉み回転して
そのまま、ガードレールを突き破っていた…。
エアーバッグが開いてる…
しかし、この浮遊感…
咄嗟に俺は、ハンドルをきつく掴み頭を下げた。
気がつくと森の中だった。
ハ!っとして、頭を上げると…固まった。
きつく掴んでいたハンドルから手を離して目に見える光景に釘付けになっていた。
「木?いや、森…か?」
鬱蒼とした木々が見える。
しかも、一本一本がかなりの樹齢の大木だった。
ハイビームにしてあるヘッドライトに照らされている。
ハイビームの光で確認出来るのは、二、三本だ
近くて、二、三本しか見えないんじゃない。
一本一本がかなり幹が太いんだ。
「助かった?」
そう思ったのもつかの間だった。
ガードレールを突き破った時に開いたはずのエアーバッグがない。
確かに開いたはずだった。
それに、錐揉み回転した時に車の中に散乱した荷物も元の位置に戻っている。
体の痛みも一切ない、あちこちぶつけまくったはずなんだが?
極め付けは、直前に買って来たコーヒーだ。
飲みかけだったコーヒーが湯気を立てて
そのままカップホルダーに収まっていた。
中身が飛び散って、ホルダーから飛び出して車内の何処かへと消えたはずだ。
あの時俺は、シロップやらをコーヒーのカップに入れて、フタをせずにそのままにしてしまっていたんだ。
そのコーヒーに手を伸ばして、俺はコーヒーを口にする。
「温かい…中身もそのままだな」
コーヒーを飲み込む。
取り敢えず、現在地を確認する為に
カーナビを見た。
しかし、カーナビの画面には何もなかった。
地図記号はもちろん、道の一つさえ一切表示されていなかった。
俺は、現在地を確認のボタンを押した。
このボタンを押せば、座標が確認できるはずだからだ。
しかし、何も変わらなかった。
そこで、カーナビの地図の拡大のボタンを押す変わらない。
そこでその拡大のボタンを連打する。
そこにはやはり、日本地図にあるはずの都道府県の標記が一切出てこない。
かわりに…
「マラーク帝国?何だコレ?新しいテーマパークか?」
いや、待てよ?
マラーク帝国、こんな名前のテーマパークなんて俺は、全く知らない。
確かに…俺は、残業や休日返上して休日出勤とかをしていたが、テレビを見ていなかった訳じゃない。
それにこの規模…都道府県よりもはるかに大きい。
まさか、本当にコレって、新規のテーマパークじゃない…?
そうだ!!スマホだ!!
車のホルダーに置いておいたスマホに手を伸ばした
電源ボタンを押すと、問題なく画面が点灯した。
携帯会社のロゴの後にいつものディスプレイが表示される。
しかし…
「やっぱり、圏外か、一体何がどうなってるんだ?」
アンテナマークは、一切出てない…
スマホを持つ腕を必死に伸ばすが…反応なし
どの方向に向けても無駄だった。
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