2 / 8
2話・車のダイヤルを回す
しおりを挟む
俺、志賀 草馬は、念願の新車を購入した。
その日に高速で、単独事故を起こした。
その時に気を失って気がついたら…
映画やアニメの中でしか見た事のないような
手で掴めないほどに太い幹をもつ
巨木が生い茂る古代森林だった。
「俺は、夢でも見てるんだろうか?」
俺は、その現実を受け入れられず
あまりの事にボ~、っとしながら
暗闇の中に照らされて見えている巨木の気を見ていると…
フロントガラスいっぱいのその木々とは別に
俺の視界にある物が入って来た。
「うん?何だ?」
それは、この車のルームミラーだった。
車の運転中や車庫入れの際に車の後方確認に使う物だ。
そのルームミラーにある物が見える事に気づいた。
室内灯を点けていたから、外が見えづらくなっていたんだ。
リアガラスには室内ばかり写り込んでいて、車の外はうっすらとしか見えなかったんが…
ルームミラーの鏡に映っているそれは、全体の一部だけなのだが
それが一体何なのかは、俺にはすぐにわかった。
そこで確認の為に室内灯のスイッチを一度切ると…
車内の明るさが無くなり、リアガラス越しに見えるようになった。
車のテールランプの光によって暗闇の中から浮かび上がってきたのだ。
それは…
「え?アレって、どう見てもトレーラーだよなぁ?」
この車に付けたかったけど
予算の関係上、先送りにした。
この車の後ろにトレーラーを付けて、牽引して走りたい。
もう一つの憧れだった。
牽引免許も取ったんだけどな~
例のディラーに
『初心者には、あのトレーラーは厳しいですよ?まずこの車に慣れてからにしましょうよ~』
っと言われたんだ。
今すぐに車を出て、この目でしっかりと確かめたい
しかし、この森…
正直言って、何が出るか分からない。
悩んでいると、静寂が訪れる
いつも気晴らしに聞いてたラジオは、全く聞こえて来ないから大分前に切ったからな。
独特なエンジン音だけが響いている。
やっぱり、このエンジン音いいよなぁ~
何だか、エンジン音聞くと妙に落ち着く。
エンジン音…エンジン?何か忘れているよな…
って!!そうだ!!給油してないんだった。
「マズイぞ!!燃料あと、どれ位だろう?」
慌てて、燃料メーターを見る。
しかし、俺は目を疑った。
あるはずのものが無いんだ。
そう、目線の先に目的のものがなかったんだ。
燃料メーターが無いんだ。
正確には、燃料メーターのあった位置に別の物があった。
別の物…それは、見慣れないメーター
全く見た事ないメーターサイズのモニターが付いていた。
トレーラー、ディスプレイ?
ディスプレイには、トレーラーの絵が映ってる。
「何だ⁉︎これ⁉︎」
それに、給油口のレバーもまた無くなっていた。
レバーのあった場所には、またまた見慣れないダイヤルが有った。
トレーラー、コントロール?
ダイヤルは、ノーマルを示していた。。
トレーラーディスプレイもノーマルも同じくノーマルになっていた。
疑問に感じながら、ダイヤルを回す。
→ーキャンピング
ー洗濯機
ーキッチン
ートレーラーハウス
ー……
次々とダイヤルを回すと出てくる。
俺は取り敢えず、キャンピングにダイヤルを合わせてみた。
「何だったんだろう?このダイヤルとディスプレイ、給油できなくなってるし…って何だ⁉︎」
ぶつくさっと言いながら体を起こすと
ある物が視界を横切った。
また例のルームミラーだった。
しかし、鏡に映っている物が先程と全く違うんだ。
先程までは、確かにトレーラーだった。
しかし、今ルームミラーで見えるのは、先程と同様に一部だけしか見えないんだけど。
その見えているものだけでも、それが何なのか俺には良く分かるんだ。
それは、俺が気になっていたキャンピングのトレーラーだった。
雑誌やネットニュースで何度となく見た
キャンピングトレーラー特集の記事
そこに載っていたうちの一台だった。
何でだろう?っと思っていると先程のディスプレイが目に入ってくる。
「まさか…」
そう思って、ルームミラーを見たまま
俺は、また例のダイヤルを1目盛り回す
すると…
ルームミラーの中でトレーラーがダイヤルを回すと同時に変わった。
どうやら、このダイヤルを回すとトレーラーが変わるって事らしい。
"カチカチ''っとダイヤルを回す
そして変わって行くトレーラー
それをルームミラー越しに見る
ひとしきり見た後、一番気になるキャンピングにダイヤルを戻した。
しかし、他のトレーラーも気になる。
ダイヤルを回す…
''カチカチ"
トレーラーが変わる
"カチカチ"
トレーラーが変わる
"カチカチ''
トレーラーが変わる
それを延々と続ける…
なぜ、そんなことをするかって?
それしかする事がないからだ。
"カチカチ"
そして、このファンタジーとしか思えない光景を目にしている俺は
今、ある確信を得た。
ここは、俺の暮らしていた日本じゃない。
日本どころじゃない、地球ですらないのだと…
ここは、違う世界…
異世界なのだという事を…
その日に高速で、単独事故を起こした。
その時に気を失って気がついたら…
映画やアニメの中でしか見た事のないような
手で掴めないほどに太い幹をもつ
巨木が生い茂る古代森林だった。
「俺は、夢でも見てるんだろうか?」
俺は、その現実を受け入れられず
あまりの事にボ~、っとしながら
暗闇の中に照らされて見えている巨木の気を見ていると…
フロントガラスいっぱいのその木々とは別に
俺の視界にある物が入って来た。
「うん?何だ?」
それは、この車のルームミラーだった。
車の運転中や車庫入れの際に車の後方確認に使う物だ。
そのルームミラーにある物が見える事に気づいた。
室内灯を点けていたから、外が見えづらくなっていたんだ。
リアガラスには室内ばかり写り込んでいて、車の外はうっすらとしか見えなかったんが…
ルームミラーの鏡に映っているそれは、全体の一部だけなのだが
それが一体何なのかは、俺にはすぐにわかった。
そこで確認の為に室内灯のスイッチを一度切ると…
車内の明るさが無くなり、リアガラス越しに見えるようになった。
車のテールランプの光によって暗闇の中から浮かび上がってきたのだ。
それは…
「え?アレって、どう見てもトレーラーだよなぁ?」
この車に付けたかったけど
予算の関係上、先送りにした。
この車の後ろにトレーラーを付けて、牽引して走りたい。
もう一つの憧れだった。
牽引免許も取ったんだけどな~
例のディラーに
『初心者には、あのトレーラーは厳しいですよ?まずこの車に慣れてからにしましょうよ~』
っと言われたんだ。
今すぐに車を出て、この目でしっかりと確かめたい
しかし、この森…
正直言って、何が出るか分からない。
悩んでいると、静寂が訪れる
いつも気晴らしに聞いてたラジオは、全く聞こえて来ないから大分前に切ったからな。
独特なエンジン音だけが響いている。
やっぱり、このエンジン音いいよなぁ~
何だか、エンジン音聞くと妙に落ち着く。
エンジン音…エンジン?何か忘れているよな…
って!!そうだ!!給油してないんだった。
「マズイぞ!!燃料あと、どれ位だろう?」
慌てて、燃料メーターを見る。
しかし、俺は目を疑った。
あるはずのものが無いんだ。
そう、目線の先に目的のものがなかったんだ。
燃料メーターが無いんだ。
正確には、燃料メーターのあった位置に別の物があった。
別の物…それは、見慣れないメーター
全く見た事ないメーターサイズのモニターが付いていた。
トレーラー、ディスプレイ?
ディスプレイには、トレーラーの絵が映ってる。
「何だ⁉︎これ⁉︎」
それに、給油口のレバーもまた無くなっていた。
レバーのあった場所には、またまた見慣れないダイヤルが有った。
トレーラー、コントロール?
ダイヤルは、ノーマルを示していた。。
トレーラーディスプレイもノーマルも同じくノーマルになっていた。
疑問に感じながら、ダイヤルを回す。
→ーキャンピング
ー洗濯機
ーキッチン
ートレーラーハウス
ー……
次々とダイヤルを回すと出てくる。
俺は取り敢えず、キャンピングにダイヤルを合わせてみた。
「何だったんだろう?このダイヤルとディスプレイ、給油できなくなってるし…って何だ⁉︎」
ぶつくさっと言いながら体を起こすと
ある物が視界を横切った。
また例のルームミラーだった。
しかし、鏡に映っている物が先程と全く違うんだ。
先程までは、確かにトレーラーだった。
しかし、今ルームミラーで見えるのは、先程と同様に一部だけしか見えないんだけど。
その見えているものだけでも、それが何なのか俺には良く分かるんだ。
それは、俺が気になっていたキャンピングのトレーラーだった。
雑誌やネットニュースで何度となく見た
キャンピングトレーラー特集の記事
そこに載っていたうちの一台だった。
何でだろう?っと思っていると先程のディスプレイが目に入ってくる。
「まさか…」
そう思って、ルームミラーを見たまま
俺は、また例のダイヤルを1目盛り回す
すると…
ルームミラーの中でトレーラーがダイヤルを回すと同時に変わった。
どうやら、このダイヤルを回すとトレーラーが変わるって事らしい。
"カチカチ''っとダイヤルを回す
そして変わって行くトレーラー
それをルームミラー越しに見る
ひとしきり見た後、一番気になるキャンピングにダイヤルを戻した。
しかし、他のトレーラーも気になる。
ダイヤルを回す…
''カチカチ"
トレーラーが変わる
"カチカチ"
トレーラーが変わる
"カチカチ''
トレーラーが変わる
それを延々と続ける…
なぜ、そんなことをするかって?
それしかする事がないからだ。
"カチカチ"
そして、このファンタジーとしか思えない光景を目にしている俺は
今、ある確信を得た。
ここは、俺の暮らしていた日本じゃない。
日本どころじゃない、地球ですらないのだと…
ここは、違う世界…
異世界なのだという事を…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる