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3話・進み行く車の前には、道が出来る。
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相変わらず、道無き道を突き進む。
いや、正確には道は"ある''…
もっと正確に言えば、道が出来るんだ。
この車のヘッドライトの光が森の木々に当たると
なぜか前方に生えていた木々が両脇にスルスルと移動して進路から避けて行く。
そうした後に地面が平たく形成されて、新たに道になって行く。
そう…道無き道に道が出来ていく。
そういう事で
森の中を車で走るその事それ自体だけならば
いたって平穏なのだが、事故ってから目を覚ました所から車を走らせてからずっと雨が降っている。
騒音や振動といった不快な感覚は全く無い。
ビチビチッとフロントガラスに大粒の雨が当たって音を立てている。
ワイパーが雨水を左右に飛ばしている
しかし、あまりに強い雨に雨水をさばききれないらしく
ワイパーのスピードをMAXにしても前が見えにくい。
そんな視界が遮られている状態でこの森を車で走るなんて
普通ならば、とてもじゃないが出来ないんだかなぁ~
しっかし、俺の目にはしっかりと
雨が当たるフロントガラスの向こうの様子が見える
不思議な感覚を味わっている。
「俺の目、こんな感じじゃなかったんだけどなぁ~」
そう…俺はいたってごく普通の一般人だったんだ。
「あの手紙を信じるしかないっか…ドッキリ…じゃないんだもんなぁ~、はぁ~ぁ」
あの手紙…
そう、あの手紙が俺の手元に届いた
それこそが、決してドッキリなんかじゃないって事なんだと自覚する事になったわけだ。
そんな事を考えたがそれよりも気になっていることがある。
助手席をチラッと見る。
まだ現物がここにこんなにあるんだよな~
それは、この森の中へと出発する前の出来事だ。
トレーラーがダイヤル一つで変更出来る。
その状況をただ、受け入れられずに
ぼ~っとしながら、ダイヤルを回す
変わるトレーラー…
ここで、気持ちを落ち着かせる為に一服にタバコを吸う…なんてな
喫煙者ならば、それをして気を紛らわす事も出来るだろうが
俺は、タバコ吸わないし
ならば、やけ酒…
俺は、酒も飲まない。
逃げ道ないなぁ~
ポケットからある物を取り出す。
家の近くにある駄菓子屋の飴だ
棒に飴が付いている。
前に買ってから買いに行けていないから
確か数がそう無いんだが
この状況だと仕方ないので、その数が少ない棒付きの飴を口に入る
飴の包み紙をダッシュボードに置く。
既に数が多い…
あれ?こんなに買ってあったっけ?
ポケットを弄ると飴を握りしめてポケットの外に出す
さっきの感覚だと、まだ飴を全部は掴み切れてないな…
そう思って、再び手を突っ込むと
…あれ⁉︎さっきと同じ量ある様なんだが⁉︎
まさか、な
そうして掴めるだけ掴んで出す。
その出した飴を助手席にひとまず乗せる。
そしてまた、ポケットに手を入れ…
は?さっきと同じ量あるんだが⁉︎
そうして俺その一連の動作を繰り返す。
そうしていると、次第に助手席のシートの上に飴の山が出来上がった。
既にポケットに入る量を遥かに超えている。
しかし、手をポケットに突っ込む度に手に飴が当たる。
絶対に全ての飴を出す事ができないだろう。
そして、絶対に飴はポケットから無くならない。
このポケットと車の変化
そうして、俺の中である結論が出た。
ここは、俺のいた世界なんかじゃない
そう結論付けた瞬間だったと思う。
''ドサ''
後部座席に何か重いものが落ちる音がした。
後部座席を見るために体を捩り、振り返る。
その視線の先に
一冊の本が置いてあった。
さっき見た時にはこんな本などなかった。
そう思っていたら
何もない空間から何か出て来て
本の上にヒラヒラと舞い落ちた。
俺は、運転席のシートから体を起こして後部座席の上にあるものに手を伸ばした。
本とその上にあるヒラヒラと舞って落ちた物に
手に取った本は、見た目はごく普通の本で持った感覚もいかにも本って感じの本だった。
そして、本の上にあった手にしたそれは、少し茶色い紙で出来ていた。
「何だこれ?ひょっとして…手紙か?」
ここに日本語や英語が書かれていたら
直ぐに、手紙だと思うだろうが
この手紙に書かれていたのは見た事もない文字だった。
記号、筆記体ともと見て取れる。
俺にこの文字は読めないだろうなっと思った。
しかし、その文字をじっとよく見たら
文字が次第にボヤけて、途端に文字化けしたようになってきた。
何だっと思った時には、日本語になっていた。
いや、違うか?日本語になっていたっていうのは正確じゃないな
日本語に見えるようになったって言う方が正しいだろうな。
志賀 草馬 様へ
俺宛の手紙だった。
俺は、その手紙の封を開けて手紙を読んだ。
そして、この手紙を読んだ後
この森の中へと車を走らせた。
そうやって、森の中を走っていると
突然カーナビが鳴った。
ポ~ン
「うお⁉︎びっくりした!!」
そこで急ブレーキをかけて止まった。
「へ?何だ⁉︎」
カーナビを確認する。
少し離れだ所に光の点が一つその点が蛍の光のようにゆっくりと、点滅している。
「さっきの手紙のヤツかな?」
指でタッチしてみた。
するとカーナビに
目的地に設定しますか?
YES・or・NO
っと表示された。
俺は、少しだけ疑問に感じながらも、YESの方を押した。
普段の俺なら、かなり怪しんだと思うんだけどな~
なぜか余りそう言う感じに感じなかった。
「まぁ、良いか」
そうして、俺はナビに従って、車を走らせる
ナビに従って走らせる事十数分。
大分点の近くに近づいたな、っと思ったらまた
カーナビが鳴った。
ポ~ン
『目的地に近づきました。案内を終了します。目的地は左側です。周囲の状況を確認して下さい。』
そう言ってカーナビの声は、案内を終えてしまった。
俺は、カーナビを拡大のボタンを操作してカーナビの地図を広げて見る。
本当に少しだけ離れたところに点が点滅していた。
外は相変わらず、激しい雨が降っている。
いや、正確には道は"ある''…
もっと正確に言えば、道が出来るんだ。
この車のヘッドライトの光が森の木々に当たると
なぜか前方に生えていた木々が両脇にスルスルと移動して進路から避けて行く。
そうした後に地面が平たく形成されて、新たに道になって行く。
そう…道無き道に道が出来ていく。
そういう事で
森の中を車で走るその事それ自体だけならば
いたって平穏なのだが、事故ってから目を覚ました所から車を走らせてからずっと雨が降っている。
騒音や振動といった不快な感覚は全く無い。
ビチビチッとフロントガラスに大粒の雨が当たって音を立てている。
ワイパーが雨水を左右に飛ばしている
しかし、あまりに強い雨に雨水をさばききれないらしく
ワイパーのスピードをMAXにしても前が見えにくい。
そんな視界が遮られている状態でこの森を車で走るなんて
普通ならば、とてもじゃないが出来ないんだかなぁ~
しっかし、俺の目にはしっかりと
雨が当たるフロントガラスの向こうの様子が見える
不思議な感覚を味わっている。
「俺の目、こんな感じじゃなかったんだけどなぁ~」
そう…俺はいたってごく普通の一般人だったんだ。
「あの手紙を信じるしかないっか…ドッキリ…じゃないんだもんなぁ~、はぁ~ぁ」
あの手紙…
そう、あの手紙が俺の手元に届いた
それこそが、決してドッキリなんかじゃないって事なんだと自覚する事になったわけだ。
そんな事を考えたがそれよりも気になっていることがある。
助手席をチラッと見る。
まだ現物がここにこんなにあるんだよな~
それは、この森の中へと出発する前の出来事だ。
トレーラーがダイヤル一つで変更出来る。
その状況をただ、受け入れられずに
ぼ~っとしながら、ダイヤルを回す
変わるトレーラー…
ここで、気持ちを落ち着かせる為に一服にタバコを吸う…なんてな
喫煙者ならば、それをして気を紛らわす事も出来るだろうが
俺は、タバコ吸わないし
ならば、やけ酒…
俺は、酒も飲まない。
逃げ道ないなぁ~
ポケットからある物を取り出す。
家の近くにある駄菓子屋の飴だ
棒に飴が付いている。
前に買ってから買いに行けていないから
確か数がそう無いんだが
この状況だと仕方ないので、その数が少ない棒付きの飴を口に入る
飴の包み紙をダッシュボードに置く。
既に数が多い…
あれ?こんなに買ってあったっけ?
ポケットを弄ると飴を握りしめてポケットの外に出す
さっきの感覚だと、まだ飴を全部は掴み切れてないな…
そう思って、再び手を突っ込むと
…あれ⁉︎さっきと同じ量ある様なんだが⁉︎
まさか、な
そうして掴めるだけ掴んで出す。
その出した飴を助手席にひとまず乗せる。
そしてまた、ポケットに手を入れ…
は?さっきと同じ量あるんだが⁉︎
そうして俺その一連の動作を繰り返す。
そうしていると、次第に助手席のシートの上に飴の山が出来上がった。
既にポケットに入る量を遥かに超えている。
しかし、手をポケットに突っ込む度に手に飴が当たる。
絶対に全ての飴を出す事ができないだろう。
そして、絶対に飴はポケットから無くならない。
このポケットと車の変化
そうして、俺の中である結論が出た。
ここは、俺のいた世界なんかじゃない
そう結論付けた瞬間だったと思う。
''ドサ''
後部座席に何か重いものが落ちる音がした。
後部座席を見るために体を捩り、振り返る。
その視線の先に
一冊の本が置いてあった。
さっき見た時にはこんな本などなかった。
そう思っていたら
何もない空間から何か出て来て
本の上にヒラヒラと舞い落ちた。
俺は、運転席のシートから体を起こして後部座席の上にあるものに手を伸ばした。
本とその上にあるヒラヒラと舞って落ちた物に
手に取った本は、見た目はごく普通の本で持った感覚もいかにも本って感じの本だった。
そして、本の上にあった手にしたそれは、少し茶色い紙で出来ていた。
「何だこれ?ひょっとして…手紙か?」
ここに日本語や英語が書かれていたら
直ぐに、手紙だと思うだろうが
この手紙に書かれていたのは見た事もない文字だった。
記号、筆記体ともと見て取れる。
俺にこの文字は読めないだろうなっと思った。
しかし、その文字をじっとよく見たら
文字が次第にボヤけて、途端に文字化けしたようになってきた。
何だっと思った時には、日本語になっていた。
いや、違うか?日本語になっていたっていうのは正確じゃないな
日本語に見えるようになったって言う方が正しいだろうな。
志賀 草馬 様へ
俺宛の手紙だった。
俺は、その手紙の封を開けて手紙を読んだ。
そして、この手紙を読んだ後
この森の中へと車を走らせた。
そうやって、森の中を走っていると
突然カーナビが鳴った。
ポ~ン
「うお⁉︎びっくりした!!」
そこで急ブレーキをかけて止まった。
「へ?何だ⁉︎」
カーナビを確認する。
少し離れだ所に光の点が一つその点が蛍の光のようにゆっくりと、点滅している。
「さっきの手紙のヤツかな?」
指でタッチしてみた。
するとカーナビに
目的地に設定しますか?
YES・or・NO
っと表示された。
俺は、少しだけ疑問に感じながらも、YESの方を押した。
普段の俺なら、かなり怪しんだと思うんだけどな~
なぜか余りそう言う感じに感じなかった。
「まぁ、良いか」
そうして、俺はナビに従って、車を走らせる
ナビに従って走らせる事十数分。
大分点の近くに近づいたな、っと思ったらまた
カーナビが鳴った。
ポ~ン
『目的地に近づきました。案内を終了します。目的地は左側です。周囲の状況を確認して下さい。』
そう言ってカーナビの声は、案内を終えてしまった。
俺は、カーナビを拡大のボタンを操作してカーナビの地図を広げて見る。
本当に少しだけ離れたところに点が点滅していた。
外は相変わらず、激しい雨が降っている。
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