STRAWBERRY

中島健華

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前編

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「ねぇ、ケーキ買ってきたんだけど、」
『え、!…やったぁ、!…早く食べよ、!』
「…ん?…お前の分買ってきたなんて、俺一言も言ってねぇけど、?」
『……っもう!…いじわる!…ばか、』

「…ふは、…一つしかなかったんだもーん。ショートケーキ。」
『他の買ってこれば良かったじゃん、』
「おんなじの買わないと、ミク俺のも欲しがるでしょ、」
『…私の買ってないと、ふうまのケーキまるごと全部欲しくなっちゃうよ、』
「……全部はだめ。…半分こ、な?」 

『…、うん!』

はやく食べたくて、私はふうまの腕を引いて、リビングへ向かう。
それにふうまは笑ってついてくる。…ショートケーキってことは、苺ってことでしょ?大好物なんだもん。こんなにるんるんになるのも仕方がない話なの。

早速二つに、均等に、一ミリもズレがないように切った。
ちょっとでも違うと、喧嘩になっちゃうから。…二人とも、美味しいものを食べるのは大好きだから

…さぁ、問題はここから。
私達はとても気が合う。性格がとても似てる。負けず嫌いなところとか、自分で言うのもなんだけど、一途なところ。…食べるのが好きなところ。

『…いちご、……、私が食べたい、!』
「は?…なにいってんの、俺が食べんの~、」
『だめ~、…私だっていちご食べたいんだもん、っ』
「俺が俺の金で買ってきたんですけどぉ~?」
『でもでもっ!…ふーま私にくれるって言ったんだもん!』
「ケーキは、ね?」

『………はんぶんこ。』
「…只でさえ小さい苺だろ?…2分の1なんて食べたうちに入んねぇもん、」
『……やーだぁ、』
「…あ、じゃあさ、…一緒に食べる、っつーなら、いいけど、?」
『……いっしょ、?』
「口移ししながら、…ならいいけど、?…てかむしろ、それならウエルカム。」
『…はっ、!?』
「…まぁ、嫌ならいいよ?…俺一人でいちご食べちゃうから、」

『……やだぁ、……でも、…』
「早く決めて、?……5、…4、」
『っ、…いっしょに、…たべる、…』
「ふは、…よろしい、」


にやりと怪しく笑ったふうま。…その口の中に赤い実が入る。…あぁ、いちご、

「ほら、…口開けて、?…飲み込んじゃうよ?」
『……ん、』

ゆっくりと、唇を開いた。…すると、ふうまのふに、…とした柔らかな唇と私の唇が重なった。身長も座高も、私より高いふうま。
自然と私の体は後ろへ仰け反り、甘酸っぱい苺の汁と、僅かな実。…そして、それに絡んだふうまの唾液が私の口の中に流れ込む。
甘酸っぱい、……この感じが、私はたまらなく好きなの。

「…ふふ、…おいし?」
『ん、……もっと、…ちょうだい、』
「欲しがりだなあ、…もう。」


あぁ、…これ、絶対に流されてる。…ふうまの思うままなんだろうな、…なんて考えてるうちに、いつの間にか、…私の服は何処え、なんて。
いつの間にか、露わになった私の素肌。…秋になって夏の日焼けも少し消えてきた、私のほんの少しだけ白くなった肌。
口の中に収まりきらずに溢れだした赤い苺に唾液が、私の顎、首筋、鎖骨をつたって胸の谷間に流れ込んだ。

「ふは、…めっちゃえろい、」
『……うるさい、っ、…』
「…勿体ないよなぁ、?…こんなにこぼしちゃ、」

そう言って、私の胸に顔を埋めて、つー、っとその舌で苺を舐めとった。
胸から鎖骨へと、どんどん上がって、首筋に噛みつかれる。
最初は痛かった甘噛みも、今ではすっかり慣れて、気持ちいい、…と思うようになった。

甘噛みをされた私の首筋は、再びふうまによって食らわれて、痛いぐらいの吸い付きをする。…ふうまの独占欲は止まらない。
最初は見えるところはやめて、と言っていた私だけど、今はもう諦めたんだ、。

「俺さ、ずーっと、やってみたかったんだよね、」
『…は、…、?』
「ミクの白い肌にクリームとか乗せてさぁ、えっちすんの。……好きなものと好きな物、って、…最高じゃない、?」








片方の口角を上げて微笑むふうま。…怪しげに微笑むふうまに弱い私は、そんな変態過ぎるふうまの内面を見ても、それさえもいとおしいと思ってしまうの。…これって、多分、相当重症だよね、?

「クリームもここに、乗せなきゃね。…あ、ちゃんと全部食べてあげるし、部屋の掃除もちゃんとやるし、体も洗ってやるから安心してな、?」


ちょん、…と乳首に触れて、私が心配していた事を全て述べてくる辺り、ふうまは私の彼氏として完璧だと思う。
折角均等に、慎重に切ったケーキを私の体にべちゃべちゃと乗せてゆく。
そしてそれを、ふうまの綺麗な手が、私の肌を滑って、いやらしく塗られてゆく。

「 ほら、…ミクも。…塗ってみ?自分で」
『……んっ、』

少し冷たいクリームが、心做しか、気持ちよくて、この状況にもちょっとだけ興奮してるって言うのは秘密。……分厚く塗られているところからクリームを掬いとって、お腹にすっ、…と塗りつけた。

「…あ、…それ、やべえね、…めっちゃえろい、」

欲情したような顔でふうまが私にそう告げた。片方のふうまの手は、ふうまのソレの上。ジーンズの上から、軽く、擦ってるみたい。
ふうまが私を見て興奮してくれてるのが嬉しくて、体が熱くなった。

もう片方のふうまの手は、私の胸の突起の上。軽く、ちょん、と弾かれる。…いつもと違うような景色に、いつもと違う感覚。…いつもよりずぅっと、甘くて、………、のうみそ、とけちゃう、…かも

片方の手で突起をくるくると、焦らすように撫でられて、もう片方の突起は、ふうまのじと、…っとした舌の上。ころころ、とゆっくりとクリームを舐め取られてゆく。私の足には、ふうまのソレをすりすりと、擦り付けられて。…あぁ、ふうまのズボンまで汚れちゃうよ、?

白かったそこが、私の肌の色に戻る。
それが、余計に生々しくて、きゅん、…と胸が熱くなった。

ふうまのだ液で胸がべとべとになったころ、お腹に塗られたクリームを舐め取りながら、私のソコに辿り着いた。
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