マッチングアプリの男 有吉似の男編

椋のひかり~むくのひかり~

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4.ご対面

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当日の昼、前日テレビでやってたお笑い番組のM1の話を振ってきた。 
前日に「私はビデオで見るので結果は人指し指をくちもとに」 
という偉そう且つ気持ち悪い表現で制してきたくせに、
という苛立ちから返信しなかった。 
 
前日にモチベーションが低すぎて
すっかり着ていく服にアイロンをかけるのを忘れていた。
アイロンをかけていると、待ち合わせ場所に行くのに迷うことを想定して
10分早めに家を出る予定がギリギリの電車に乗ることになっってしまった。 

30分前にメッセージを送った。 

「道に迷うかもしれないから5分遅れるかも。ごめんね。」 
「無理せずに来いや!」
「Take it easy」 
 
目が点になった。 
 
(なんでいきなり乱暴な口調&英語?意味不明。。。) 
 
この豹変ぶり、かつての合唱男を思い出した。 

「ありがとう。」 

としか返すしかなかった。 
 
結局道に迷わず14:57に着いたのでアプリにメッセージを送った。
 
「迷わず着いたわ。ライオンの横にいます。黒いコート黒いブーツです。」 
 
なんせラインを交換していないので既読かどうかもわからない。 
返信がないので、遠くから品定めしてバックレるつもりなのかもしれないし、
それならそれでもいいし、
どこを寄り道して帰ろうかなぐらいのテンションで待っていた。 
なんの返信もなく6分経過したので再度送信してみた。 
 
「有吉さん、どんな格好してる?」 
 
(とりあえず5分遅れるかもと自分から連絡した以上、
15:05までは待ってみよう。 
で、このまま返事がなければ帰ろう。) 
 
女性性開花の瞑想ワークをしながら立っていた。 
すると目つきの悪いやる気のなさそうなマスクをした男が近づいてきた。 
目があったので話しかけてみた。 
 
「有吉さんですか?」 
 
話しかけるとうなずいて、 
やる気がなさそうにぼそぼそと話しながら店のビルに誘導されながら歩いた。 
 
「なんかお店電話したらこのご時世だから予約受け付けてないって言われて
予約できなかったんです。」 
「へーそんなことあるんですか。」 
「だから予約してないんですけど、ごめんなさいね。」 
「いや、全然別に構いませんよ。仕方ないし。」 
「ほら、でもこんな時間だし空いてると思うんですよ。」 

(だから日にち決める時そんな急がなくて良かったやろ?!
大体今どき空いてるって。)

「でしょうね。このご時世だし、平日の昼間だし。きっと大丈夫ですよ。」 
「お店の人も多分混んでない、予約しなくても大丈夫って言ってたんで、 
一応行ってみて。。。」 
 
(ってか、メッセージみてないのかな。
そのパンケーキ屋はお前が行きたかっただけやし、 
予約できへんのはもうしゃーないって言ってるやん。 
それよかまずメッセージスルーしてたのを謝ってほしいね。 
なんか会話の運び方が人の話聞かないタイプかも?笑)

「はい、大丈夫ですよ。行ってみましょう。」 
 
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