マッチングアプリの男 有吉似の男編

椋のひかり~むくのひかり~

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8.趣味の話

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「ねえ、趣味は何?休日何してるの?」 
「最近はね、全捨離にはまってるの。」 
「ふーん。」 
「え、全捨離知ってるの?」 
「全って全部の全?」 
「そう、断捨離の上の全捨離。 
8割の物を捨てて運気をアップする準備をするってやつで、 
たまたまYOUTUBEで知って、はまって物を捨てまくってるの。」 
「俺も物持たない主義なんだよねー。」 
「ぽいねー。(だってケチそうだもん。笑) 
とうとうこないだ食器棚まで捨てたの。」 
「家がごちゃごちゃしてるのとか嫌だよねー。俺の家はほんと何もないの。」 
 
(食器棚のくだり食いつかないんだ。笑 
おまえんちもないのか? 
ってか、また話振っときながら自分の話しようとしてるよね。 
まあいいや。) 
 
その後少し掃除の話につなげたが、なんとまあ聞き下手な男であろう。 
しかめっ面でつまらなさそうが全開になった表情だった。 
普段ならそれを察して話を切り上げて話題を変えたりするが、 
今回はなぜか彼にそんな気を使う気になれなかった。 
 
(まあいいや。今まで我慢して聞いてやってたんだから、 
どういうコメント返すのか試してやろう。笑) 
 
大したオチもないこ話で自分でもこんなに興味なさそうな相手に話して話が盛り上がるとわけがないと思いつつもしばらくダラダラと思うがままにしゃべり続けた。 
 
つまらなさそうな表情をする彼に向かって、あえてくだらない話を続けることによって 
自分の中の相変わらずのエスっぷりを楽しんでいた。 
一通り話し終えた。 
 
「さちこさんはえらいね。」 
 
(その聞き方でまさかの誉め言葉!笑) 
 
「あとはなんかあるの?なんか芸術的な趣味とか。絵とか描かないの?」 
「絵は落書きはか描くどね。文章は書いてるよ。」 
「文章?どんな小説とか?」 
「うん。小説とかエッセイ的なのとか。」 
「どういうジャンル?俺もさ小説書いてたことがあって。」 
「ふーん、どんなジャンル?」 
「ファンタジー。星新一知ってる?ああいう感じのやつ。」 
「へー、そうなんだ。私は官能小説。」 
「え!官能小説?読ませてよ。読みたい。」 
「恥ずかしいから嫌だ。」 
「じゃあさ、読ましてくれたら、俺が挿絵描いてあげよっか。 
俺、挿絵描くの得意で、何人かに描いてあげたりしてるから。」 
「へー、やらしい絵も描けるの? 
そういや有吉さんは絵を描くとかアプリのプロフに書いてたもんね?」 
「そう、俺仕事もデザイン関係で絵を描くんだけど、 
定年後はそれで食べていきたいと思ってるの。」 
「ふーん、いいね。作品とかの写真ないの?見せて。」 
 
スマホを取り出して、ヘタウマなデッサンを次々見せられた。 
普通であった。 
自分の描いたアニメの同人誌風のがよっぽどシュールで趣があると思った。 
正直、自分の小説の挿絵をお願いしたいとは思わなかった。 
 
「そういう系統なんだ。やらしい挿絵とかないの?」 
「一時期そういうの描いてたんだけど、抜き取られるじゃん。だから全部消したの。」 
「抜き取られるって誰に?」 
「g社に。 
あれ定期的に無作為にデータ抜き取ってて、保存してないっていうけどしてるんだよ。」 
「そっか。でもやらしい絵とか別に抜き取られても良くない? 
それをg社がどうかすんの?笑」 
「俺がさ、もし有名人になった時にさ、脅しに使われたりしたら嫌でしょ?」 
 
(大丈夫。その絵、その人格では有名人にならないから。笑) 
 
「なるほどね。笑」 
 
それよりも自分のセックス動画を保存してたことが気になった。 
そっちのが抜き取られるとやばいと思った。 
 
 
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