45 / 67
苦痛
2
しおりを挟む彰人が翔たちに連れていかれていた頃、須田は彰人がラムネを買った海の家とは違う店で2人で食べるための軽食をいくつか買い込んでいた
「あいつ、ちいせぇしこんなに食えんのかな」
あれもコレもと思ううちに、予定より多くなった軽食たちを見ながら、先ほどまで彰人が座っていたブルーシートに戻ると、そこには誰の姿もなかった
「……あれ」
誰かと一緒じゃない限りどこかにいくような性格でもない彼が近くには見つからず嫌な汗が背中を伝った
「いや、まて……河野といたし……」
冷静になるためにも、彰人と別れた直前のことを思い出しながら口にする
一緒にいたであろう河野の姿を探すと、海辺の方で福部たちとビーチバレーをしている姿が見えた
急いでそちらに向かい河野に声をかけると、何事かという様子で河野が近寄ってきた
「なぁ、彰人みなかった?」
「え……?30分くらい前にブルーシートで話していて、今もそこに……っ!!」
そう話しながら先ほどまで自分がいた場所を須田の肩越しに目をやると、彰人の姿が見えずすぐに動揺の色が顔に表れた
「どうしたのー?」
何の会話か聞いていなかった福部がのんびりとした様子で近寄ってくると、すぐに只事じゃない空気に表情が曇った
「何があったの、須田」
「彰人が見当たらない……しらねぇよな?」
「ごめん、見てない……」
3人の様子が普通じゃないことに気がついたのか、沢井と上條も寄ってきた
「なにかあったすか?」
「彰人がいない」
沢井の言葉に短く答えると、その後ろから上條の声がした
「え……?会ってないんすか、山本と」
思いもよらないその言葉に怪訝そうに上條の顔を見ると、言った本人も問いかけるような視線でこちらを見てきた
「どゆこと」
「山本さっき俺んとこきて、須田さんに話したいことあるからって場所聞いてきたんすよ……ちょうど海の家に向かったとこやったんでそう言ったんすけど……」
「1人でいかせたわけ?」
「ついて行くって言ったすけど、山本がいらへんって……すぐ合流できるからって」
「だとしても一緒に行くべきだろ!あいつ、1人にさせたら!!」
焦りで無責任にも上條の肩を掴み食ってかかると、やられた本人もその腕を掴み返して睨んできた
「せやったら側におってくださいよ!」
ごもっともな言葉に何も言い返せず、歯を食いしばるしかなかった
「落ち着いて……2人とも、拓哉と沢井が怖がってる」
自分のSubの危険を感じてDefenceになる須田と、それに対してGlareを返す上條の間に福部が割り込んだ
その言葉で河野や沢井を見ると、Dom同士の喧嘩に当てられ不安そうに震えていた
10
あなたにおすすめの小説
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
脱落モブ男が人気アイドルに愛されるわけがない
綿毛ぽぽ
BL
アイドルを夢見るも、デビューできずオーディション番組に出演しても脱落ばかりの地味男、亀谷日翔はついに夢を諦めた。そしてひょんなことから事務所にあるカフェで働き始めると、かつて出演していた番組のデビューメンバーと再会する。テレビでも引っ張りだこで相変わらずビジュアルが強い二人は何故か俺に対して距離が近い。
━━━━━━━━━━━
現役人気アイドル×脱落モブ男
表紙はくま様からお借りしました
https://www.pixiv.net/artworks/84182395
隠れSubは大好きなDomに跪きたい
みー
BL
ある日ハイランクDomの榊千鶴に告白してきたのは、Subを怖がらせているという噂のあの子でー。
更新がずいぶん遅れてしまいました。全話加筆修正いたしましたので、また読んでいただけると嬉しいです。
不器用な僕とご主人様の約束
いち
BL
敬語のクラブオーナー×年下のやんちゃっ子。遊んでばかりいるSubの雪はある日ナイトクラブでDomの華藍を知ります。ちょっと暑くなってくる前に出会った二人の短編です。
🍸カンパリオレンジのカクテル言葉は初恋だそうです。素敵ですね。
※pixivにも同様の作品を掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる