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お城奪還編
第44話 戦う?逃げる?
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「リナは…… アストリナ国第一王女…… リナリア・リム・アストリナ」
「えぇぇぇえ!?」
リナが自分の正体を明かすと、シナモンは驚きのあまり大声を上げる。
「……うるさい」
「あぁぁ。 もっ、申し訳無いのでございますです」
目を瞑り眉間にシワを寄せたリナの言葉を聞いて、シナモンはおかしな言葉遣いで謝る。
その様子を見ていたアルは少し驚きながらも、すぐに「ハァ……」と溜息を吐く。
(まさか王女さんとはねぇ…… しかし…… 貴族連中を逃がすつもりが……)
アルは少し落ち込んだ様子でチラッとレイに視線を送る。
リナの告白にシナモン同様驚いた様子のレイ。
(絶対、城を取り戻すとか言いそうなんだけど……)
アルの悪い予感は直ぐに的中する。
レイは小さく「うんうん」と頷きながら、アルの肩をポンポンと叩きリナに言葉をかける。
「大丈夫だよリナちゃん! アルが何とかしてくれるから! ねっ?」
「…………まじすか?」
予想通りのレイの言葉にアルは項垂れる。
そんなアルの様子を他所に、シナモンは明るい表情でレイに言葉をかけた。
「リナ様は王女殿下なので、簡単なのですよ」
「んっ? なんで?」
勝ち誇ったような口調で話すシナモンの言葉を聞いて、レイはキョトンとした表情で聞き返す。
「そもそもハイランド帝国は、アストリナの王族が現れるまで領土を預かってただけなのです」
左手でぬいぐるみを抱きつつも、目を瞑り右人差し指を上げながらシナモンが話を続ける。
「なので、リナ様が城を返して欲しいと言えば、それで済む事なのですよ!」
自信満々に話すシナモンの言葉を聞いて、レイは少し関心した様子を見せていた。
「おぉぉ。 たしかに!」
その二人の様子を見て、アルは呆れたように「あのなぁ……」と呟き、言葉を続ける。
「そんな簡単に行くわけないだろ? むしろ、リナの存在は隠してた方が良いだろ……」
アルの言葉を聞いたレイとシナモンは、疑問を浮かべた表情でアルを見つめる。
「なぜなのです? だってリナ王女殿下は」
「考えたら分かるだろ? ゼニールって奴は貴族連中ですら、攫おうとした奴だぞ?」
そして呆れた表情を深めながら、チラッとリナに視線を向け言葉を続ける。
「王族、しかも王女が居るなんて分かったら、嬉々として何が何でも奪いに来るだろ」
アルの言葉を聞いたレイとシナモンは、納得したように押し黙り俯いた。
(とは言え…… リナに貴族と逃げろって言っても絶対納得しないよなぁ……)
チラッとリナに視線を向けたアルは、小さく溜息を吐きながら言葉を続けた。
「とにかく…… 今、話してても仕方ないだろ? もうすぐ夜明けだし、とりあえず寝ろ」
「うっ、うん。 そうだね! 詳しい事は明日、お話しよっか?」
レイが問いかけるようにリナとシナモンに言葉をかけると、二人は無言のまま頷く。
「では…… あの…… リナ王女殿下。 とりあえず私の部屋にお越し頂きたいのです」
すっかりバレリアの部屋を自分の部屋にしたシナモンが、リナに言葉をかける。
「リナで良い…… うん…… 一緒に寝る」
「はっ、はいなのです。 ではこっちなのです」
左腕でしっかりとぬいぐるみを抱いたシナモンが、リナに右手を差し出す。
リナは差し出された右手を握ると、連れられるように元バレリアの部屋へと向かった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
二人が部屋に入り戸が閉まると、居間に残ったのはレイとアルだけ。
テーブルを挟んで向かいに座るレイが、少し申し訳無さそうな表情でアルに言葉をかける。
「あの…… なんかごめんね?」
「んっ? 何でレイが謝るんだよ」
少しシュンとした表情で俯くレイに、アルは疑問を浮かべながら言葉をかける。
「いやっ…… アルに任せたら何とかなるかなって、簡単に考えてたけど……」
そういうとレイは気不味そうに、両手の人差し指を突き合わせながら言葉を続けた。
「いくら【数字の烙印】を持ってても。 アルだって記憶を失って大変なのに、こんな事になって……」
そう言うとレイは、更に落ち込んだ様子になる。
「何言ってんだよ。 っていうか、レイがそういう性格だからこそ」
アルはスッと立ち上がると、向かいに座るレイの近くにやってきた。
そしてぺたん座りするレイの目線に合わせるように、しゃがみ込み言葉をかける。
「俺だってこうして助かったんだからな。 まぁ…… なるようになるだろ」
「あっ、アルぅぅぅぅ……」
少し目を潤ませるレイの頭をポンポンと撫でたアルが優しく言葉をかける。
「とりあえずレイも寝ろって。 俺も寝るからさ。 おやすみ」
「うん。 おやすみ」
レイはそう返事をすると自分の部屋へと戻っていった。
アルはその姿を見届けると、自室へ戻り倒れ込むように布団の上へと寝転んだ。
(何か段々、良くない方向に進んでないか? これ……)
単純に逃げる方法だけを考えていたアル。
しかし、その逃げる方法も浮かばずにいたのに、次は城の奪還。
その追い詰められた現状に、アルは少し困惑していた。
(とは言え…… 逃げるにしても何するにしても…… 情報がな……)
布団の上でゴロゴロと寝返りを打ちながら、あれこれと頭の中で思案を重ねる。
しかし、これと言って良い案が浮かばないアルは、途方に暮れていた。
(こういう時…… 爺さんだったら、どうするんだろ……)
アルはこの世界で出会った同じ境遇の男、ワンの事を思い浮かべる。
(うーーん…… あの爺さんだったら絶対にレイとかバレリアに任せ……)
アルは突然、ハッとした表情で起き上がる。
そして机の上に無造作に置かれた、綺麗に折りたたまれた布を手にする。
机の上のランプを点け布団の近くまで持ってくると、布を広げランプの明かりに当てる。
(そういやディンゴのおっさんから、バレリアにって事付を預かってたっけ)
アルはディンゴから受け取った布を広げ、書かれている内容に目を通した。
【バレリア様! 一生のお願いです。 ゼニールのやつを何とかして下さい!】
「はぁ…… 結局、あのオッサンも人頼みかよ……」
そう思いつつもアルは続きに目を通していく。
【バレリア様がその気なら何でも出来ます! ディンゴの一生のお願いです】
「これは…… 全くアテになら…… んっ? まだ続きが……」
アルは布が途中で折られているのに気付き、布を広げ続きに目を通す。
【お膳立ては全部あっしが済ませやした! バレリア様の下僕 ディンゴ】
書かれている文字全てに目を通したアルは、布団の上で大の字になり天井を見つめる。
(お膳立てって事は…… 攻め込む手立てがあるって事か?)
アルは天井を見つめたまま目を瞑り、思案を重ねていく。
(攻めるにしても逃げるにしても…… 失敗した時の為に国境の警備を手薄にする必要があるし……)
そして何かを決心したように、カッと目を見開いて起き上がる。
「とりあえずオッサンに話を聞いて…… それから考えるか」
そう呟くと再度、布団に身を預けたアルは疲れのせいか正午前まで泥のように眠った。
「えぇぇぇえ!?」
リナが自分の正体を明かすと、シナモンは驚きのあまり大声を上げる。
「……うるさい」
「あぁぁ。 もっ、申し訳無いのでございますです」
目を瞑り眉間にシワを寄せたリナの言葉を聞いて、シナモンはおかしな言葉遣いで謝る。
その様子を見ていたアルは少し驚きながらも、すぐに「ハァ……」と溜息を吐く。
(まさか王女さんとはねぇ…… しかし…… 貴族連中を逃がすつもりが……)
アルは少し落ち込んだ様子でチラッとレイに視線を送る。
リナの告白にシナモン同様驚いた様子のレイ。
(絶対、城を取り戻すとか言いそうなんだけど……)
アルの悪い予感は直ぐに的中する。
レイは小さく「うんうん」と頷きながら、アルの肩をポンポンと叩きリナに言葉をかける。
「大丈夫だよリナちゃん! アルが何とかしてくれるから! ねっ?」
「…………まじすか?」
予想通りのレイの言葉にアルは項垂れる。
そんなアルの様子を他所に、シナモンは明るい表情でレイに言葉をかけた。
「リナ様は王女殿下なので、簡単なのですよ」
「んっ? なんで?」
勝ち誇ったような口調で話すシナモンの言葉を聞いて、レイはキョトンとした表情で聞き返す。
「そもそもハイランド帝国は、アストリナの王族が現れるまで領土を預かってただけなのです」
左手でぬいぐるみを抱きつつも、目を瞑り右人差し指を上げながらシナモンが話を続ける。
「なので、リナ様が城を返して欲しいと言えば、それで済む事なのですよ!」
自信満々に話すシナモンの言葉を聞いて、レイは少し関心した様子を見せていた。
「おぉぉ。 たしかに!」
その二人の様子を見て、アルは呆れたように「あのなぁ……」と呟き、言葉を続ける。
「そんな簡単に行くわけないだろ? むしろ、リナの存在は隠してた方が良いだろ……」
アルの言葉を聞いたレイとシナモンは、疑問を浮かべた表情でアルを見つめる。
「なぜなのです? だってリナ王女殿下は」
「考えたら分かるだろ? ゼニールって奴は貴族連中ですら、攫おうとした奴だぞ?」
そして呆れた表情を深めながら、チラッとリナに視線を向け言葉を続ける。
「王族、しかも王女が居るなんて分かったら、嬉々として何が何でも奪いに来るだろ」
アルの言葉を聞いたレイとシナモンは、納得したように押し黙り俯いた。
(とは言え…… リナに貴族と逃げろって言っても絶対納得しないよなぁ……)
チラッとリナに視線を向けたアルは、小さく溜息を吐きながら言葉を続けた。
「とにかく…… 今、話してても仕方ないだろ? もうすぐ夜明けだし、とりあえず寝ろ」
「うっ、うん。 そうだね! 詳しい事は明日、お話しよっか?」
レイが問いかけるようにリナとシナモンに言葉をかけると、二人は無言のまま頷く。
「では…… あの…… リナ王女殿下。 とりあえず私の部屋にお越し頂きたいのです」
すっかりバレリアの部屋を自分の部屋にしたシナモンが、リナに言葉をかける。
「リナで良い…… うん…… 一緒に寝る」
「はっ、はいなのです。 ではこっちなのです」
左腕でしっかりとぬいぐるみを抱いたシナモンが、リナに右手を差し出す。
リナは差し出された右手を握ると、連れられるように元バレリアの部屋へと向かった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
二人が部屋に入り戸が閉まると、居間に残ったのはレイとアルだけ。
テーブルを挟んで向かいに座るレイが、少し申し訳無さそうな表情でアルに言葉をかける。
「あの…… なんかごめんね?」
「んっ? 何でレイが謝るんだよ」
少しシュンとした表情で俯くレイに、アルは疑問を浮かべながら言葉をかける。
「いやっ…… アルに任せたら何とかなるかなって、簡単に考えてたけど……」
そういうとレイは気不味そうに、両手の人差し指を突き合わせながら言葉を続けた。
「いくら【数字の烙印】を持ってても。 アルだって記憶を失って大変なのに、こんな事になって……」
そう言うとレイは、更に落ち込んだ様子になる。
「何言ってんだよ。 っていうか、レイがそういう性格だからこそ」
アルはスッと立ち上がると、向かいに座るレイの近くにやってきた。
そしてぺたん座りするレイの目線に合わせるように、しゃがみ込み言葉をかける。
「俺だってこうして助かったんだからな。 まぁ…… なるようになるだろ」
「あっ、アルぅぅぅぅ……」
少し目を潤ませるレイの頭をポンポンと撫でたアルが優しく言葉をかける。
「とりあえずレイも寝ろって。 俺も寝るからさ。 おやすみ」
「うん。 おやすみ」
レイはそう返事をすると自分の部屋へと戻っていった。
アルはその姿を見届けると、自室へ戻り倒れ込むように布団の上へと寝転んだ。
(何か段々、良くない方向に進んでないか? これ……)
単純に逃げる方法だけを考えていたアル。
しかし、その逃げる方法も浮かばずにいたのに、次は城の奪還。
その追い詰められた現状に、アルは少し困惑していた。
(とは言え…… 逃げるにしても何するにしても…… 情報がな……)
布団の上でゴロゴロと寝返りを打ちながら、あれこれと頭の中で思案を重ねる。
しかし、これと言って良い案が浮かばないアルは、途方に暮れていた。
(こういう時…… 爺さんだったら、どうするんだろ……)
アルはこの世界で出会った同じ境遇の男、ワンの事を思い浮かべる。
(うーーん…… あの爺さんだったら絶対にレイとかバレリアに任せ……)
アルは突然、ハッとした表情で起き上がる。
そして机の上に無造作に置かれた、綺麗に折りたたまれた布を手にする。
机の上のランプを点け布団の近くまで持ってくると、布を広げランプの明かりに当てる。
(そういやディンゴのおっさんから、バレリアにって事付を預かってたっけ)
アルはディンゴから受け取った布を広げ、書かれている内容に目を通した。
【バレリア様! 一生のお願いです。 ゼニールのやつを何とかして下さい!】
「はぁ…… 結局、あのオッサンも人頼みかよ……」
そう思いつつもアルは続きに目を通していく。
【バレリア様がその気なら何でも出来ます! ディンゴの一生のお願いです】
「これは…… 全くアテになら…… んっ? まだ続きが……」
アルは布が途中で折られているのに気付き、布を広げ続きに目を通す。
【お膳立ては全部あっしが済ませやした! バレリア様の下僕 ディンゴ】
書かれている文字全てに目を通したアルは、布団の上で大の字になり天井を見つめる。
(お膳立てって事は…… 攻め込む手立てがあるって事か?)
アルは天井を見つめたまま目を瞑り、思案を重ねていく。
(攻めるにしても逃げるにしても…… 失敗した時の為に国境の警備を手薄にする必要があるし……)
そして何かを決心したように、カッと目を見開いて起き上がる。
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