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お城奪還編
第58話 アズサが戦う理由
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「旦那! 大収穫ですぜ」
アストリナ貴族の引き渡しまで、残り六日となった日の晩。
この日は朝から蒸し暑かったが、日が暮れると雲一つ無い快晴に変わる。
月明かりを頼りに集落跡へと戻ってきたディンゴ達は、笑顔でアル達が居る居間へと戻ってきた。
「お疲れさん! んで…… まぁその顔を見れば、聞くまでも無いか」
少し疲れも見せながらもディンゴとアズサは、笑顔を浮かべている。
リナは無表情ながらも見た所、怪我も無く元気そうな様子だった。
「もちろんでさぁ! とりあえず昼から何も口にしてねぇんで」
ディンゴは腹部をポンポンと叩きながら、苦笑いで空腹を訴えている。
その様子を見ていたレイが、笑顔でディンゴ達に話しかける。
「今日は皆で外でご飯食べようと思って! シナモンちゃんももう広場に居るよ! 行こっ!」
「へいっ! じゃぁあっしはお先に」
そう言うとディンゴは一足先に居間を出て、集会場前の広場に向かっていった。
一方のアズサは少し気不味そうな表情で、申し訳無さそうにレイに返答する。
「あのぉ…… ボクはやっぱ、まだあの人達とはぁ……」
「あっ…… ごっ、ごめんねアズサさん。 どうしよ……」
アズサ同様に気不味そうな表情に変わったレイ。
アルはそんなレイの頭をポンポンと叩くと、笑顔でレイに言葉をかけた。
「アズサの分の飯も、ちゃんとあるんだろ? アレは一応、沢山作っておいたからさ」
そう言葉をかけると、次にアズサの方へと視線を送ったアルは
「後でまた皆で話そうぜ? 酒も用意しておくからさっ」
アルの言葉を聞いたアズサは、気不味そうな表情から笑顔に変わる。
「うん! 何か気使わせちゃってごめんね! 後で飲もうねっ!」
「あぁ! んじゃ行くか!」
アズサにそう返答し、改めてレイとリナに言葉をかけたアル。
その誘いに対し、リナは無表情のまま小さな声で呟く。
「リナも…… 今日は良い。 待ってる……」
「…………そっか。 わかった。 んじゃまた後でな。 行くぞレイ」
「えっ? あっ、うん。 それじゃリナちゃんとアズサさん。 ご飯はここ置いておくね」
居間のテーブルの上に二人分の食事を準備したレイは、アルと共に皆の元へと向かっていった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
居間の開け放たれた窓からは、楽しそうに会話する皆の声が聞こえてくる。
その声を聞いていたアズサは、少し気不味そうにリナに声をかけた。
「リナちん、良かったの? 無理にボクに付き合わなくても……」
そのアズサの様子を見たリナは、無表情のまま小さく呟く。
「大丈夫…… ご飯…… 食べよ?」
リナの言葉に促されるように、アズサとリナは言葉も交わさずに食事していた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
リナ達の食事が済み、しばらく経った頃。
外では未だアル達が貴族達と共に、楽しそうに会話する様子が居間まで聞こえていた。
食事の後、いつの間にか居なくなったリナの姿を捜すように、アズサが家の中を彷徨いている。
「あっれぇ? おかしいなぁ。 どこ行ったんだろ、リナちん」
家のどこを探しても見つからず、アズサは玄関から外に移動する。
そして何気なく上を見ると、屋根の上でアル達の様子を見ながらボーッとしているリナを見つけた。
「あんなところに! よーーっし。 ボクも……」
リナがどこから登ったか検討もつかないアズサは、辺りをキョロキョロと見回していた。
そして屋根に最も近い木を見つけ、スルスルと駆け上がるように屋根へと移動していく。
「なーーにしてんのっ? リナちん」
屋根の上で佇むリナに満面の笑みを向けながら、アズサが声をかけた。
「…………何も。 見てただけ……」
リナはアズサの方を振り返る事無く、真っ直ぐアル達に視線を向けたまま返答する。
「そっか! 隣良い? いやぁ、今日は疲れたねぇ。 よっと……」
リナの承諾を待たずにアズサは、リナの隣に腰掛ける。
「皆楽しそうだねぇ。 リナちんは行かなくて良かったのぉ?」
「……うん」
アズサに視線を向けずに、小さな声で呟くように返答するリナ。
そんなリナの方に体を向けたアズサは、おもむろにリナの髪の毛を触る。
「リナちんって、綺麗な髪だよねぇ。 金色で絹糸みたいで……」
そして撫でるように優しく髪を触りながら、アズサは笑顔で話を続けていく。
「まるでフローラ様みたいだなぁ。 そういやリナリア様も、綺麗な金髪だったっけ」
アズサの言葉に少しだけピクッと反応したリナだが、すぐに無表情に戻る。
「リナちんって……」
何かを言いかけたアズサの言葉に対し、リナは目線を合わせないままに返答する。
「リナはお兄ちゃんの妹…… リナ…… ミンナ…… ナイノーニ……」
誤魔化すように適当な名前を口にするリナに、アズサは少し苦笑いを浮かべていた。
「そういやアルルンって、ナニモ・ナイノーニって言うんだっけ?」
「……うん」
無表情で答えるリナの髪を触りながら、アズサは独り言のように呟く。
「リナリア様。 どこで何してるかなぁ…… お城も手に入りそうだし。 見つかるかなぁ……」
少し不安そうに呟くアズサに対し、リナは横目で視線を送り小さな声で問いかける。
「アズサは…… 何でお城を?」
その問いかけに対しアズサは、少しだけ顔を膨らませながらリナの頬をツンツンと突く。
「こらぁ! アズサお姉ちゃんでしょ? リナちんは歳下なんだからぁ」
頬を突かれたリナは無表情のまま、顔をアズサに向ける。
するとアズサは満面の笑みでニカッと白い歯を見せると、言葉を続けた。
「お姉ちゃんって柄じゃないかな? えへへ」
「アズサ…… お姉ちゃん……」
アズサの様子に根負けしたように、少し俯きながらリナが小さく呟く。
「うんうん! っで、何でお城をって話だったっけ?」
「もう…… アストリナは無いのに…… 何でそこまでするの?」
「うーーーーーん……」
リナの問いかけに対し、アズサは視線を上に向け右人差し指で自分の頬をツンツンと突く。
そして何かを決心し、思い出すように話し始める。
「あのねっ! これは…… そう! 昔々のお話なんだけどさっ」
アズサは過去の、自分の思い出をリナに話し始めた。
アストリナ貴族の引き渡しまで、残り六日となった日の晩。
この日は朝から蒸し暑かったが、日が暮れると雲一つ無い快晴に変わる。
月明かりを頼りに集落跡へと戻ってきたディンゴ達は、笑顔でアル達が居る居間へと戻ってきた。
「お疲れさん! んで…… まぁその顔を見れば、聞くまでも無いか」
少し疲れも見せながらもディンゴとアズサは、笑顔を浮かべている。
リナは無表情ながらも見た所、怪我も無く元気そうな様子だった。
「もちろんでさぁ! とりあえず昼から何も口にしてねぇんで」
ディンゴは腹部をポンポンと叩きながら、苦笑いで空腹を訴えている。
その様子を見ていたレイが、笑顔でディンゴ達に話しかける。
「今日は皆で外でご飯食べようと思って! シナモンちゃんももう広場に居るよ! 行こっ!」
「へいっ! じゃぁあっしはお先に」
そう言うとディンゴは一足先に居間を出て、集会場前の広場に向かっていった。
一方のアズサは少し気不味そうな表情で、申し訳無さそうにレイに返答する。
「あのぉ…… ボクはやっぱ、まだあの人達とはぁ……」
「あっ…… ごっ、ごめんねアズサさん。 どうしよ……」
アズサ同様に気不味そうな表情に変わったレイ。
アルはそんなレイの頭をポンポンと叩くと、笑顔でレイに言葉をかけた。
「アズサの分の飯も、ちゃんとあるんだろ? アレは一応、沢山作っておいたからさ」
そう言葉をかけると、次にアズサの方へと視線を送ったアルは
「後でまた皆で話そうぜ? 酒も用意しておくからさっ」
アルの言葉を聞いたアズサは、気不味そうな表情から笑顔に変わる。
「うん! 何か気使わせちゃってごめんね! 後で飲もうねっ!」
「あぁ! んじゃ行くか!」
アズサにそう返答し、改めてレイとリナに言葉をかけたアル。
その誘いに対し、リナは無表情のまま小さな声で呟く。
「リナも…… 今日は良い。 待ってる……」
「…………そっか。 わかった。 んじゃまた後でな。 行くぞレイ」
「えっ? あっ、うん。 それじゃリナちゃんとアズサさん。 ご飯はここ置いておくね」
居間のテーブルの上に二人分の食事を準備したレイは、アルと共に皆の元へと向かっていった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
居間の開け放たれた窓からは、楽しそうに会話する皆の声が聞こえてくる。
その声を聞いていたアズサは、少し気不味そうにリナに声をかけた。
「リナちん、良かったの? 無理にボクに付き合わなくても……」
そのアズサの様子を見たリナは、無表情のまま小さく呟く。
「大丈夫…… ご飯…… 食べよ?」
リナの言葉に促されるように、アズサとリナは言葉も交わさずに食事していた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
リナ達の食事が済み、しばらく経った頃。
外では未だアル達が貴族達と共に、楽しそうに会話する様子が居間まで聞こえていた。
食事の後、いつの間にか居なくなったリナの姿を捜すように、アズサが家の中を彷徨いている。
「あっれぇ? おかしいなぁ。 どこ行ったんだろ、リナちん」
家のどこを探しても見つからず、アズサは玄関から外に移動する。
そして何気なく上を見ると、屋根の上でアル達の様子を見ながらボーッとしているリナを見つけた。
「あんなところに! よーーっし。 ボクも……」
リナがどこから登ったか検討もつかないアズサは、辺りをキョロキョロと見回していた。
そして屋根に最も近い木を見つけ、スルスルと駆け上がるように屋根へと移動していく。
「なーーにしてんのっ? リナちん」
屋根の上で佇むリナに満面の笑みを向けながら、アズサが声をかけた。
「…………何も。 見てただけ……」
リナはアズサの方を振り返る事無く、真っ直ぐアル達に視線を向けたまま返答する。
「そっか! 隣良い? いやぁ、今日は疲れたねぇ。 よっと……」
リナの承諾を待たずにアズサは、リナの隣に腰掛ける。
「皆楽しそうだねぇ。 リナちんは行かなくて良かったのぉ?」
「……うん」
アズサに視線を向けずに、小さな声で呟くように返答するリナ。
そんなリナの方に体を向けたアズサは、おもむろにリナの髪の毛を触る。
「リナちんって、綺麗な髪だよねぇ。 金色で絹糸みたいで……」
そして撫でるように優しく髪を触りながら、アズサは笑顔で話を続けていく。
「まるでフローラ様みたいだなぁ。 そういやリナリア様も、綺麗な金髪だったっけ」
アズサの言葉に少しだけピクッと反応したリナだが、すぐに無表情に戻る。
「リナちんって……」
何かを言いかけたアズサの言葉に対し、リナは目線を合わせないままに返答する。
「リナはお兄ちゃんの妹…… リナ…… ミンナ…… ナイノーニ……」
誤魔化すように適当な名前を口にするリナに、アズサは少し苦笑いを浮かべていた。
「そういやアルルンって、ナニモ・ナイノーニって言うんだっけ?」
「……うん」
無表情で答えるリナの髪を触りながら、アズサは独り言のように呟く。
「リナリア様。 どこで何してるかなぁ…… お城も手に入りそうだし。 見つかるかなぁ……」
少し不安そうに呟くアズサに対し、リナは横目で視線を送り小さな声で問いかける。
「アズサは…… 何でお城を?」
その問いかけに対しアズサは、少しだけ顔を膨らませながらリナの頬をツンツンと突く。
「こらぁ! アズサお姉ちゃんでしょ? リナちんは歳下なんだからぁ」
頬を突かれたリナは無表情のまま、顔をアズサに向ける。
するとアズサは満面の笑みでニカッと白い歯を見せると、言葉を続けた。
「お姉ちゃんって柄じゃないかな? えへへ」
「アズサ…… お姉ちゃん……」
アズサの様子に根負けしたように、少し俯きながらリナが小さく呟く。
「うんうん! っで、何でお城をって話だったっけ?」
「もう…… アストリナは無いのに…… 何でそこまでするの?」
「うーーーーーん……」
リナの問いかけに対し、アズサは視線を上に向け右人差し指で自分の頬をツンツンと突く。
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