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腐女子が男子になってしまった件
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私は長谷川ゆうき、名前だけ聞くと男子に聞こえるだろうが、れっきとした女子である。といっても私はしがない女子、女子として最低限のおしゃれはするが、他の女子と競い合うほどのおしゃれはせずに、人に見せて恥ずかしくない程度にしている。クラスカーストとか勝手に出来ているが、恐らくわたしは下の方だろう。私はいわゆる腐女子で腐れの友達はいるが、ノンケの友達を作る気もないし、ノンケ女子を腐教する気も無い。
ある日、クラスで席替えがあり、くじ引きで決める方式だった。私の隣は干渉してこないタイプの人間がいいなと思っていたが、隣は意外な人となる。同じクラス内で女子にモテている長野 信君だ。まあ、遠目で綺麗な顔しているなぁ程度に思っていたけど、特に接点もないし、むしろ、他の女子から恨みがましいひそひそ話が聞こえてきて嫌な気持ちになっている。つうか「あの女にふさわしくない」とか「長野君可哀想」とか聞こえてんぞごら。私も女子だが、これだから女子ってやつは嫌いである。できれば早めに次の席替えをして欲しい。全く、迷惑な存在だよ長野って男は、全然羨ましくないよこちとら、ちょっと顔がいいだけだろ……いや、ちょっとどころじゃねえわ!! 直視できない!! 今更ながらこんな美形の男子がなんで私の隣に!? 美しすぎて人を直視できないとか初めての経験なんですけど!!
「長谷川さんどうしたんだい? なんだか顔が赤いけど?」
あ~~!! 声までイケメンだわ!! 薄い本だったら攻めでも受けでもいけるわ長野!! いやいや、クラスメートを腐れの目で見てはいけない。一度それで中学の頃やらかしているからな私は。あぁ、思い出したくない黒歴史が……忘れよう!!
「えぇと、なんか顔が火照っていてね、熱あるかも?」
と言って私はわざとらしげにおでこにお手々をあてる。
「体調悪い時に無理はしないほうがいいよ。かえって風邪が長引いちゃうからさ。授業のノートなら後で俺が貸すよ」
ぐっ、長野の優しさで昇天してしまう。つうか、周りの女子も「なに長野君に心配かけさせてんのさ」とか「さっさと休めよ、つうか永久に休めよ」とか、身体よりもむしろ精神面の方で気分が悪くなってくるわ!
ガラッ
おや、急に長野君立ち上がって誰かのもとへと向かうぞ? あっ、私の悪口言っている上位カーストの女子達のほうか、まあ長野君もあっちの女子と仲良くなりたいよな~~。
「お前ら、雰囲気悪くなるからいうの控えていたが、陰口やめねえか? お前らがやめねえなら、俺も正直にお前らみたいな心のブスが嫌いだって皆に聞こえるように言うぞ?」
「なに言ってるのよ長野君!! あんな女別にどうだっていいじゃん!! なに良い子ぶってんのさ!!」
「……やめねえのか? やめるのか?」
「……なにそれ、意味分かんない!!」
おいおい、どういうこった? これって私のために長野があの女子共相手にガンを飛ばしながら怒ったってこと? そして女子も唐突の展開に泣き出すし……。こいつ、まじか、顔も声も心までイケメンじゃねえか。心の中で長野と呼び捨てしているが、様をつけたほうがいいとすら思えてしまう。
ただ、段々と女子が意味不明な悲鳴あげて阿鼻叫喚と化してきている。ここは存在感の薄さを利用してこの場から一端離脱しよう。私にまで火の粉が飛びかねない。
「ふぅ……」
とりあえず女子トイレの個室に入って用を足した。出すもの出したらすっきりしてきた。一端ここで落ち着くか……。
ばしゃああ
「なんで唐突に頭上から水が降ってくるわけ……」
「くすくす……」
「きひひひ……」
笑い声をおさえている女子の声だ。しかもこの声のトーン、カースト上位女子共から聞こえてきた声だ。すぐに逃げていく足音も聞こえた。ここまでやるかあいつら? あ~~もう、制服や下着までびちょびちょで最悪!! 制服のかわりにジャージは用意できても、濡れた下着の代用品どうすんだよこれ……。あっ、あそこならあるか? 私は保健室へとすぐに向かった。事情を知らぬ学校内の人が変な目であたしを見るが気付かぬふりをしよう!!
「替えの下着、ここに置いておくぞ」
保健室の先生がベッドにいる私に着替えを置いた。ベッドはカーテンで囲える構造になっており、簡易的な更衣室になっている。
「ありがとうございます先生」
「礼を言われるほどでもない、女子の日で下着が汚れる奴がいるから常備しているだけだ」
ガラララ
「失礼します」
ん? この声は長野君!? 私の着替え中に男子が入るとか、どんなラッキースケベイベントやねん!!
「えぇと、長谷川さんいますか?」
「今カーテンの向こうで着替えている。男子はとっとと立ち去れ、しっしっ」
「あの、彼女に用があって、待たせて貰えませんか?」
「……これか?」
「……今からなるつもりです」
カーテン越しであの二人は一体何を話しているんだ。というか、今日はもうこのまま体調悪いフリして保健室にずっといたい。
「今日は暑い日だな。私はコンビニでがりがりちゃんを買ってくるから、保健室を30分閉めておく。見張ってくれ」
ガラララ かちゃり
え、なに? まるで私と長野君を密室に閉じ込めてうふふな展開を期待するかのように出ていったよ保健室の先生!!
「長谷川さん、もう着替えはすんだかな?」
カーテン越しで私が呼ばれてる。まずい、こうなったら他人のふりをしよう。声色を変えて、すぅ~~
「チガウヨ、ワタシハタナカ」
「いや、なんのジョークだ長谷川さん、声色変えても分かるって」
「なんですぐにばれるんだよちくしょう!」
私はやけ気味にカーテンを思い切り開いて自分の姿を公開させた。
「だって、長谷川さんの声だって分かるし、そもそも三人しかいない保健室だったし」
私って本当馬鹿……。
「長谷川さん、いや、ゆうき!!」
「っ!?」
なにこの展開、私の名前を呼び捨てって、まさか本当にそういう展開になるの!? いや待て、私の人生に限ってそんなことが起きるはずがない!!
「好きだ!!」
「あ~~、どっきり? どっきりでしょ!! どうせこっそりどこかで誰かがこの様子を眺めているんでしょ!! おらさっき私に水かけた女どもでてこ~~い!!」
カ ベ ド ン !
「本気だよ」
……生まれて初めて男子に壁ドンされた……。やばい、漫画やアニメではよく見たけど思った以上にやられる側ドキドキすんなこれ!!
いやいや、まだ信じては駄目だ!!
「じゃあ、あたしのどこに魅力があるのか言える? 言えるもんなら言ってみてよ!」
「……あ~~そうだな……」
ほれ、返答に困っている。アドリブ的なものを要求すればすぐこれだ。やっぱりこれはどっきりさ!
「勉強しようと思って図書室きたらゆうきが一人で本を読んでいてさ」
あ~~、なんかあるあるのシチュエーション。唐突に私のどこに惚れたのって質問をアドリブで返すならこんなもんかな。
「何か、スパイ家族のアニャみたいな、にやにや笑顔で小説を読んでいて何かと思って表紙を見てみたら」
え? お、おい、私が図書室でにやにやしながら読むような本って!?
「あれってBLっていうやつ? 裸の男同士が抱き合っている本を読んでいたと思うけど」
「ぎゃああああ!!」
「ど、どうしたの?」
「おまえ覗いていたのか!! があああ私の黒歴史がまた一つできたああああ!! 多分、推しの作者の新刊気になってつい学校で見ちゃったやつだあああ!!」
「お、俺言わないから!! 二人だけの秘密にするから!!」
「あんた!! 好きだと言ってから人様の黒歴史を見ていたとかどういう神経しとんじゃ!!」
「……だってさ、それ以来、ゆうきの事が気になって、気がついたらゆうきを……お、おれのものにしたいなって思うぐらい好きになっていたんだよ」
「長谷川君よ、すまないがお前の女を好きになるツボはおかしい」
「駄目なのか!」
「だ、駄目ってわけじゃないけど、なんだろ、OKする準備が全然できてないし……」
がしっ
「じゃあ今からお前にファーストキスをする」
「ちょっ、まじで殴るよ!」
「嫌なら拒否してくれればいい」
私の顎が引き寄せられて、長野君の唇が迫ってくる。これが、これが私の人生初のファーストキス、まさかこんな瞬間が来るとは! 私これからリア充名乗ってもいいよね? あぁ、唇が迫ってくると同時に恐怖心がばくばくと、だめ、耐えきれない!!
「だめええええ!!」
ばきぃ
アッ、長野君の顎に見事なアッパーカットを入れちゃった。気絶こそしてないがしばらく起き上がれなさそう、とっても気まずい!! 逃げよう!!
たったった
私はすぐに保健室を抜け出して駆けだした。まだ早いが、学校をふけちゃおう!! 私はわけの分からぬテンションで息を切らしながら家まで走りだす。走っている内に冷静になってきて、自分の行いの悪さを反省する。
「私……あのままOKしても良かったんじゃ……長野君いい男だし……キスも駄目とだけ言えばよかったし……私の馬鹿あああ!!」
ゴロロロ ザアアアア
突然、空模様が怪しくなったと思ったら豪雨が降り出した。やれやれ、下着まで替えたのに無駄になったよ。さっさと帰ろう。
ピカ ドシャアアアン
一瞬、私の身体が光に包まれた。その直後、身体に激痛が走るほどの痺れを感じた。
「ふんぎゃああああ!!」
もしかして、雷に当たった? 私死ぬの? こんな死に方なんて……あぁ何も考えられなくなっていく……
目が覚めた。歩道に大の字で私は寝ていた。割と身体にダメージがなさそうな感じで立てそうだ。
「ふぅ、雷が落ちて死んだと思ったけど、普通に立てるし案外大丈夫だったかな。ん?」
あれ、私の声がなんだか低い、雷の影響で喉がやられたのだろうか? それに、心なしか胸元も軽くなっている……はああああ!?
「ない!! おっぱいがない!! これでもBカップはあったのにAAカップになっとる!!」
雷ってここまで身体に障害をもたらすのかよ!! まるで男になったようじゃ、ん? なんだろ、股間に何かぶよぶよとしたものがあって、太ももにぴっとりついてる。生き物?いや、私の身体から出ている物だ。まさか、わたしの女子の穴が雷で肥大化したんじゃねえだろうな、どんだけグロイ見た目になっているんだ? ちょうどいい角があったので、股間が見えないように角の方で私の陰部を見た。
「ふわっ!?」
え? なんか、私の女の穴がなくなってかわりになんか伸びているんだけど、いや、これは、ついている? いや、もっと性格にいうなら、まんこがちんことタマキンになっているじゃねえええかあああ!!
「ちょっと待て!! これは、私が男になったって事かああ!!」
やべえこれからどう生きていけいいのよ私!!
ある日、クラスで席替えがあり、くじ引きで決める方式だった。私の隣は干渉してこないタイプの人間がいいなと思っていたが、隣は意外な人となる。同じクラス内で女子にモテている長野 信君だ。まあ、遠目で綺麗な顔しているなぁ程度に思っていたけど、特に接点もないし、むしろ、他の女子から恨みがましいひそひそ話が聞こえてきて嫌な気持ちになっている。つうか「あの女にふさわしくない」とか「長野君可哀想」とか聞こえてんぞごら。私も女子だが、これだから女子ってやつは嫌いである。できれば早めに次の席替えをして欲しい。全く、迷惑な存在だよ長野って男は、全然羨ましくないよこちとら、ちょっと顔がいいだけだろ……いや、ちょっとどころじゃねえわ!! 直視できない!! 今更ながらこんな美形の男子がなんで私の隣に!? 美しすぎて人を直視できないとか初めての経験なんですけど!!
「長谷川さんどうしたんだい? なんだか顔が赤いけど?」
あ~~!! 声までイケメンだわ!! 薄い本だったら攻めでも受けでもいけるわ長野!! いやいや、クラスメートを腐れの目で見てはいけない。一度それで中学の頃やらかしているからな私は。あぁ、思い出したくない黒歴史が……忘れよう!!
「えぇと、なんか顔が火照っていてね、熱あるかも?」
と言って私はわざとらしげにおでこにお手々をあてる。
「体調悪い時に無理はしないほうがいいよ。かえって風邪が長引いちゃうからさ。授業のノートなら後で俺が貸すよ」
ぐっ、長野の優しさで昇天してしまう。つうか、周りの女子も「なに長野君に心配かけさせてんのさ」とか「さっさと休めよ、つうか永久に休めよ」とか、身体よりもむしろ精神面の方で気分が悪くなってくるわ!
ガラッ
おや、急に長野君立ち上がって誰かのもとへと向かうぞ? あっ、私の悪口言っている上位カーストの女子達のほうか、まあ長野君もあっちの女子と仲良くなりたいよな~~。
「お前ら、雰囲気悪くなるからいうの控えていたが、陰口やめねえか? お前らがやめねえなら、俺も正直にお前らみたいな心のブスが嫌いだって皆に聞こえるように言うぞ?」
「なに言ってるのよ長野君!! あんな女別にどうだっていいじゃん!! なに良い子ぶってんのさ!!」
「……やめねえのか? やめるのか?」
「……なにそれ、意味分かんない!!」
おいおい、どういうこった? これって私のために長野があの女子共相手にガンを飛ばしながら怒ったってこと? そして女子も唐突の展開に泣き出すし……。こいつ、まじか、顔も声も心までイケメンじゃねえか。心の中で長野と呼び捨てしているが、様をつけたほうがいいとすら思えてしまう。
ただ、段々と女子が意味不明な悲鳴あげて阿鼻叫喚と化してきている。ここは存在感の薄さを利用してこの場から一端離脱しよう。私にまで火の粉が飛びかねない。
「ふぅ……」
とりあえず女子トイレの個室に入って用を足した。出すもの出したらすっきりしてきた。一端ここで落ち着くか……。
ばしゃああ
「なんで唐突に頭上から水が降ってくるわけ……」
「くすくす……」
「きひひひ……」
笑い声をおさえている女子の声だ。しかもこの声のトーン、カースト上位女子共から聞こえてきた声だ。すぐに逃げていく足音も聞こえた。ここまでやるかあいつら? あ~~もう、制服や下着までびちょびちょで最悪!! 制服のかわりにジャージは用意できても、濡れた下着の代用品どうすんだよこれ……。あっ、あそこならあるか? 私は保健室へとすぐに向かった。事情を知らぬ学校内の人が変な目であたしを見るが気付かぬふりをしよう!!
「替えの下着、ここに置いておくぞ」
保健室の先生がベッドにいる私に着替えを置いた。ベッドはカーテンで囲える構造になっており、簡易的な更衣室になっている。
「ありがとうございます先生」
「礼を言われるほどでもない、女子の日で下着が汚れる奴がいるから常備しているだけだ」
ガラララ
「失礼します」
ん? この声は長野君!? 私の着替え中に男子が入るとか、どんなラッキースケベイベントやねん!!
「えぇと、長谷川さんいますか?」
「今カーテンの向こうで着替えている。男子はとっとと立ち去れ、しっしっ」
「あの、彼女に用があって、待たせて貰えませんか?」
「……これか?」
「……今からなるつもりです」
カーテン越しであの二人は一体何を話しているんだ。というか、今日はもうこのまま体調悪いフリして保健室にずっといたい。
「今日は暑い日だな。私はコンビニでがりがりちゃんを買ってくるから、保健室を30分閉めておく。見張ってくれ」
ガラララ かちゃり
え、なに? まるで私と長野君を密室に閉じ込めてうふふな展開を期待するかのように出ていったよ保健室の先生!!
「長谷川さん、もう着替えはすんだかな?」
カーテン越しで私が呼ばれてる。まずい、こうなったら他人のふりをしよう。声色を変えて、すぅ~~
「チガウヨ、ワタシハタナカ」
「いや、なんのジョークだ長谷川さん、声色変えても分かるって」
「なんですぐにばれるんだよちくしょう!」
私はやけ気味にカーテンを思い切り開いて自分の姿を公開させた。
「だって、長谷川さんの声だって分かるし、そもそも三人しかいない保健室だったし」
私って本当馬鹿……。
「長谷川さん、いや、ゆうき!!」
「っ!?」
なにこの展開、私の名前を呼び捨てって、まさか本当にそういう展開になるの!? いや待て、私の人生に限ってそんなことが起きるはずがない!!
「好きだ!!」
「あ~~、どっきり? どっきりでしょ!! どうせこっそりどこかで誰かがこの様子を眺めているんでしょ!! おらさっき私に水かけた女どもでてこ~~い!!」
カ ベ ド ン !
「本気だよ」
……生まれて初めて男子に壁ドンされた……。やばい、漫画やアニメではよく見たけど思った以上にやられる側ドキドキすんなこれ!!
いやいや、まだ信じては駄目だ!!
「じゃあ、あたしのどこに魅力があるのか言える? 言えるもんなら言ってみてよ!」
「……あ~~そうだな……」
ほれ、返答に困っている。アドリブ的なものを要求すればすぐこれだ。やっぱりこれはどっきりさ!
「勉強しようと思って図書室きたらゆうきが一人で本を読んでいてさ」
あ~~、なんかあるあるのシチュエーション。唐突に私のどこに惚れたのって質問をアドリブで返すならこんなもんかな。
「何か、スパイ家族のアニャみたいな、にやにや笑顔で小説を読んでいて何かと思って表紙を見てみたら」
え? お、おい、私が図書室でにやにやしながら読むような本って!?
「あれってBLっていうやつ? 裸の男同士が抱き合っている本を読んでいたと思うけど」
「ぎゃああああ!!」
「ど、どうしたの?」
「おまえ覗いていたのか!! があああ私の黒歴史がまた一つできたああああ!! 多分、推しの作者の新刊気になってつい学校で見ちゃったやつだあああ!!」
「お、俺言わないから!! 二人だけの秘密にするから!!」
「あんた!! 好きだと言ってから人様の黒歴史を見ていたとかどういう神経しとんじゃ!!」
「……だってさ、それ以来、ゆうきの事が気になって、気がついたらゆうきを……お、おれのものにしたいなって思うぐらい好きになっていたんだよ」
「長谷川君よ、すまないがお前の女を好きになるツボはおかしい」
「駄目なのか!」
「だ、駄目ってわけじゃないけど、なんだろ、OKする準備が全然できてないし……」
がしっ
「じゃあ今からお前にファーストキスをする」
「ちょっ、まじで殴るよ!」
「嫌なら拒否してくれればいい」
私の顎が引き寄せられて、長野君の唇が迫ってくる。これが、これが私の人生初のファーストキス、まさかこんな瞬間が来るとは! 私これからリア充名乗ってもいいよね? あぁ、唇が迫ってくると同時に恐怖心がばくばくと、だめ、耐えきれない!!
「だめええええ!!」
ばきぃ
アッ、長野君の顎に見事なアッパーカットを入れちゃった。気絶こそしてないがしばらく起き上がれなさそう、とっても気まずい!! 逃げよう!!
たったった
私はすぐに保健室を抜け出して駆けだした。まだ早いが、学校をふけちゃおう!! 私はわけの分からぬテンションで息を切らしながら家まで走りだす。走っている内に冷静になってきて、自分の行いの悪さを反省する。
「私……あのままOKしても良かったんじゃ……長野君いい男だし……キスも駄目とだけ言えばよかったし……私の馬鹿あああ!!」
ゴロロロ ザアアアア
突然、空模様が怪しくなったと思ったら豪雨が降り出した。やれやれ、下着まで替えたのに無駄になったよ。さっさと帰ろう。
ピカ ドシャアアアン
一瞬、私の身体が光に包まれた。その直後、身体に激痛が走るほどの痺れを感じた。
「ふんぎゃああああ!!」
もしかして、雷に当たった? 私死ぬの? こんな死に方なんて……あぁ何も考えられなくなっていく……
目が覚めた。歩道に大の字で私は寝ていた。割と身体にダメージがなさそうな感じで立てそうだ。
「ふぅ、雷が落ちて死んだと思ったけど、普通に立てるし案外大丈夫だったかな。ん?」
あれ、私の声がなんだか低い、雷の影響で喉がやられたのだろうか? それに、心なしか胸元も軽くなっている……はああああ!?
「ない!! おっぱいがない!! これでもBカップはあったのにAAカップになっとる!!」
雷ってここまで身体に障害をもたらすのかよ!! まるで男になったようじゃ、ん? なんだろ、股間に何かぶよぶよとしたものがあって、太ももにぴっとりついてる。生き物?いや、私の身体から出ている物だ。まさか、わたしの女子の穴が雷で肥大化したんじゃねえだろうな、どんだけグロイ見た目になっているんだ? ちょうどいい角があったので、股間が見えないように角の方で私の陰部を見た。
「ふわっ!?」
え? なんか、私の女の穴がなくなってかわりになんか伸びているんだけど、いや、これは、ついている? いや、もっと性格にいうなら、まんこがちんことタマキンになっているじゃねえええかあああ!!
「ちょっと待て!! これは、私が男になったって事かああ!!」
やべえこれからどう生きていけいいのよ私!!
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