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その他
自暴自棄になって裏世界のショーに参加したら、みんなからくすぐられました②
ショーを終えてラブホテルへ入った俺達。また次もショーに出ようかなと伝えた所、響は難しい顔をして言った。
「さっきは興奮しちゃってまた出る?とは聞いたけど、今日で大金を手に入れたわけじゃん。何で次も出たいと思えたの?これ単純な質問ね。俺は攻められるわけじゃないから簡単に言えちゃったけど」
「…まず一つは、楽に稼げたから次も参加してみる価値はあるんじゃないかと思った。金なんて将来の為にいくらでもあったっていいと思ってる。そしてもう一つは、気持ち良くて嫌な事を忘れられたから。…元々セックス好きだったしな、響くんが隣にいる安心感があるから他の奴に触られても怖くねーし。そんな感じ」
「おけ、じゃあ次も出ようか。誘っておいてアレだけど、嫌な事を忘れたいってだけなら出ない方がいいと思ったから。無理だけはしないでね。自分の事、大事にしてあげてよ。一番大切に出来るのは自分だけなんだから」
「うん、でも一つだけお願いがあって、絶対響くんが傍に居てほしい。他の人なら出ない」
「大丈夫、もし何かがあって俺が出れなかったら詩も出なくていいから。んで、ここから大事な話ね。開催されてるショーにはレベルがあってさ、俺達が今日出たのはレベル1。優勝者は同じレベルにはもう出れないんだよね」
「うん」
「だから次はレベル2以上に出ないと行けないんだけど、賞金が上がる代わりに要求される事が増える。レベル2だと、触られる対象は指入れも含まれる。因みにレベル1は触っていいのは性器までだったのね」
「うん、じゃあレベル3だと挿入ありとか?」
「レベル3が最上級なんだけど、NGが一切出す事が出来なくて、相手にされるがまま。パートナーの俺も関与することが出来なくて、その場に同席する事さえ出来ない。そして、最終気に入られてしまったらそのまま買われる」
「……」
流石裏世界のショー。人を売買出来ると言うことか。俺は自分が居た世界とはまるで違う話に冷や汗が流れたが、響は話を続けた。
「レベル3はアレ。本当に売られてもいいような、裏の世界で主従関係があるようなパートナー達が出るようなやつだから。俺達はレベル2までしか出ないよ。仮に優勝したとしてもこれでおしまいね」
「分かった」
「説明は終わりだけど、指入れは大丈夫なの?」
「平気だよ。元彼の入れてたしな」
「了解。じゃあ先輩にエントリーしてもらうね」
「宜しく。先輩に連絡終わったらさ、抱いてよ」
俺は強請るように響を見ると、クスッと笑いながら俺の頭を撫でてくれた。
「いいけど、本当にいいの?元彼に振られてヤケクソなんだったら虚しくなるだけじゃないの?」
片手でよしよしと頭を撫でてくれながら、先輩に連絡を入れていた。
「もう吹っ切れたよ。ショーに出た刺激のおかげ。でもイケなかったから不完全燃焼。だからめちゃくちゃイカせてよ」
「はいはい。んじゃ、先輩に連絡しといたから俺シャワー浴びてくる」
「俺も行く」
「一緒に入る気?」
「うん」
「…恥ずかしいからダメ」
ピシャリと拒否されると、響は一人でシャワーを浴びに行った。責めている時は意地悪な顔だが、時折見せる素の表情はとても可愛くて、つい見惚れてしまう。
それにしても、今日は本当にすごい一日だった。恋人に振られた事なんて些細な一コマだったかのように。
「お先。詩も浴びる?俺はそのままの詩でも問題ないけど」
「浴びる、汗かいたし」
「いってらっしゃい」
軽く俺もシャワーを浴びてすぐに響の所へ戻ると、少し照明が落とされていてムードが出ていた。
「おかえり。明るさはこれくらいでいい?もっと暗くする?」
「俺明るくてもいいけど」
「俺が恥ずかしいからこれ以上明るいのは無理」
「…響くんって童貞なの?」
「ではないね」
「随分恥ずかしがり屋だよね」
「うるさい、からかうなら抱かないよ」
「ごめんて」
「…おいで」
クイッと優しく腕を引き寄せられるとトサっとベッドへ押し倒された。少し暗いとは言え、響の顔がよく見えた。可愛らしくて今日俺のポジションで出場していてもおかしくない見た目。
「詩は嫌な事とかない?」
「…ない」
「最後までしたい?抜くだけがいい?」
「……入れてほしい」
「いいよ」
「キスもしたい」
「いいよ。じゃあいい子にしててね」
顔が近付くと、俺は目を瞑った。ショーの時とは違い、しっかりと最初から深くキスをされた。
「ん…」
手は恋人繋ぎにされて押さえられながら舌を入れられる。全然違うキスに戸惑いながら、上顎をなぞられピクリと跳ねた。普通に気持ち良い。
「…んん、」
「詩、可愛い」
「…ん、響くんも…可愛い」
「そこは格好良いって言ってよ」
俺を見下ろす響の表情は可愛くて、そして少し男らしさが出て格好良くて。俺は力を抜いて全て響に身を任せた。
◇ ◆
「めっっっっちゃ気持ち良かった」
「それはどーも」
情事後の俺の感想はそれに尽きた。ショーの時のキスから考えてこんなにテクニシャンなのおかしくないか?と思う程。
「俺あんな気持ち良かったの初めてなんだけど」
「ショーで感度上がってただけでしょ。俺そんなに上手くないと思うよ」
「いやめちゃくちゃ上手かった!ハマりそう!」
「まぁ褒められると悪い気はしないね、ありがと」
「惚れちゃいそう、また次も抱いてよ」
「別にいいけど惚れるのはなしね。俺恋人いらないから」
「あ、俺イケメンが好きなんだごめんね…」
「そっちから惚れそうとか言っておきながらそんな申し訳なさそうな顔で振らないでくれる?」
むっと頬を膨らませる響くんもとても可愛くて。のんびりとピロートークをしながら、後片付けをしてホテルから出ることになった。体も疲れ切ってきたので泊まりたかったというのが本音だが。
「夜道だし家まで送るよ」
「俺男だし別に気にすんなよ」
「疲れてんでしょ。ホテル泊まっても良かったんだけど、俺自分の家のベッドしかゆっくり寝れないんだよね」
「…」
なんか響くんっていちいち可愛いなぁ、なんて思いながら本当に家の近くまで送ってくれた。
「またね、詩」
最後にポンと頭を撫でてくれると、優しい笑顔を向けて帰って行った。
「…やべー、さっきは冗談で惚れそうとか言ったけど結構やばいかも。なんかドキドキするあの子」
年齢も本名もよく知らない響にドキドキしながら、俺は自宅へ帰った。
◇ ◆
メッセージがきたのはあれからすぐのこと。駅で待ち合わせてショーへ向かうことになった。少しでも意識すると格好良いとしか思えなくて、俺は終始響の顔を見ることが出来なかった。
「この前お酒の力も入ってたもんね。緊張してるの?静かだね」
「…まぁ、ちょっとな」
「前も言ったけど無理だけはしないでね。嫌がる事はしたくないからさ」
「響くんが居るなら嫌じゃない」
恥ずかしかったが、じっと顔を見てそれを伝えた。
「…あ、そ」
フイとそっぽを向いた響。耳が少し赤くなっていたことに気付けなかった俺はちょっと傷ついてしまった。
「前と殆ど同じで、今回は指入れが追加される感じだから。この前はイケなかったけど、イカせてもらうのはありだから我慢出来なかったら気にせずイッてね」
「うん」
「元気ないね、平気?」
いや、お前の所為だよと思いながらもコクリと頷くと。キュッと手を握ってくれた。
「大丈夫、俺が隣に居るからね」
「あ、うん」
繋がれた手を振り解く事が出来なくて、俺は軽く握り返した。顔が熱かったのできっと俺の顔は赤く染まって居たんだろうが、指摘されることはなかった。
◇ ◆
「はーーい!皆様こんにちはー!!今回も可愛い子がたくさん揃ってますよー!!お気に入りの子を見つけて、たーっぷり可愛がって上げて下さいね~」
前回と同じ司会者がキラキラとした照明の中、挨拶をすると、カーテンが開かれて大勢のお客さんから歓声を浴びた。
今回は指入れが可能と言うこともあり、SMでよく使われると言う拘束椅子に固定されることになった。流れは前回と同じく、パートナーに攻められ反応を見せる→客が俺たちに触れて好みの子を探す→投票という形のまま。
「詩、すごい可愛い。恥ずかしい所丸見えだね」
隣に立つ響が、全裸で足を開いた状態の俺を見てニヤリとからかう。
「…うるさい!」
完全素面で、響のことが少し気になっている今。恥ずかし過ぎて堪らない。
「ではまず、レベル1優勝者のご挨拶と、パートナーから攻められちゃう可愛い反応をご覧下さ~い」
「皆様、こんばんは。僕響と、パートナーの詩です。前回は可愛い詩と、お客様のおかげで優勝することが出来ました。まだ出場が二回目ということもあり、激しい攻めは対応出来ませんが、体は敏感な子なので今日はたくさん愛してあげて下さい」
笑顔でサラリと挨拶する響に、お客さんの歓声はすごい大きなものとなった。優勝者となると期待度も上がるのだろうか。
「じゃあまず軽く肌を撫でてあげるとすぐに感じちゃうので、見てあげて下さいね」
クスッと笑いながら響は俺に向き合うと、ゆっくりと肌に指を滑らせた。
「…っ」
小さく吐息が漏れ、拘束された腕が音を立てる。
「可愛い、もう感じてるの?」
わざと感じる耳元で囁きながらゆっくりと脇腹をなぞると、俺はガシャンと大きく反応した。
「ぁ…っ、んぅ、」
「恥ずかしいね、みんな詩のこと見てる」
「ゃめ…」
言葉にされると、どうしても視線が気になってしまい、俺は顔を真っ赤にさせた。それを見て興奮するお客さん達。
「胸もここも反応してきてるね。少し肌撫でただけでこんなになるなんて…詩は敏感さんだね」
「…っん、響くん…っ、言葉やめて…!」
耳元で囁かれると吐息もそうだが、羞恥で更に敏感になる気がした。
「言葉があった方が感じるくせに。詩はちょっとMっ気があるもんね?」
「ひゃぁあっ!!」
椅子の背中部分は少し空いており、スルッと人差し指が背中をなぞると、俺は大きく反応を示した。
「背中が弱い詩も可愛いね。この椅子いいね。ちゃんと支えてくれるのに背中も触れるから」
「ぁあ…っ、だめ…!ダメだって、ゃぁっ」
我慢が出来ずにガチャガチャと暴れ出すと、歓声も大きくなり、響の顔も意地悪さが増した。するとそこで司会の人の声で響の刺激が止まる。
「はい、皆様いかがでしたか?気になる子はおりましたでしょうか~!!では早速…気になるあの子と触れ合いターイム!」
息がまだ整っていない状況の時にかなり長い列が出来た俺達。レベル1で参加してくれたいた人達も居て、俺は目を丸くさせた。
「響くんと詩ちゃんが出るって聞いたから、奮発して参加チケット買っちゃった。今日は触れ合いタイムが前回より少し長いからいっぱいいじめてあげれるね」
前に紳士的だった人達が多数だったので安堵した。
「さーて…また俺はくすぐっちゃおうかな」
「な…っ!待って、くすぐるのはっ、やめて!」
俺の言葉は見事にスルーされ、敏感な場所にそれぞれのお客さんが指をセットすると、一斉に優しいタッチでくすぐってきた。ぞわぞわする感覚に体は対応出来ずにいた。
「ひ…っっ、ぁぁぁああ…っぁっ、ゃぁっゃだ、」
「鳥肌すごいね~」
ゆっくりとした指の動きは、確かにくすぐったいがそれ以上に快感とも言えた。必死に逃れようと体を捩られさせると殆ど動けない体。
「逃げても無駄だよ、詩ちゃん」
「気持ち良過ぎて我慢出来ないのかな?」
「ひっ!?ゃめっ、耳やめてっ、やめてぇっ!!」
「耳元で喋られると感じちゃうもんね」
左右一人ずつ耳に口を寄せると、息を吹きかけながらわざとらしく言葉でも責めてくる。
「やば…っ!!待って、まじでっ、耳だけでもやめろ!」
「そんなに感じるの?」
「言葉遣いが良くないから却下だね」
「詩ちゃん、もうここビンビン。恥ずかしいお汁がたくさん出てきてるよー?」
「るせ…っ、やめ、ろってば…!!!」
我慢が出来ずに本気で抵抗し始めた俺を見て、響が近付いてきた。
「詩ー。お客様も言ってくれたけど言葉遣いが良くないよ。本気で耐えられなくなると強がっちゃうんだよねェ」
クスクスと笑いながらそう言うと、お客さんも更に興奮を増したようで。
「へぇ、強がっちゃうんだ?そんなに俺達の指が気持ち良い?」
「我慢出来ないのー?可愛いなぁ」
「体はかなり正直だから、強がってるところも最高に可愛いね」
「…っく、」
興奮したお客さん達の責めは強くなり、俺は涙が溢れ出した。
「詩ちゃん、どっちからも涙出てるね」
「可哀想に…お兄さんがよしよししてあげるね?」
そう言うと一人の男が俺の自身を優しく握ると、ゆっくりと先端を撫でた。
「---っ!!!ぁあッ」
「お、いい反応だね」
「ぁっ、やぁぁ…っ、待っ、まっ…だめっ!」
「ダメなのー?この子は嬉しそうだけど」
クルクルと先端を指の腹で刺激されると、体が大きく跳ねて背中が反る。足もビクビクと震え出すと、お客さん達は嬉しそうに刺激を追加して行った。
「詩ちゃん俺はこっちね」
「じゃあ俺はもう片方を」
更に人が増えてごちゃごちゃと狭苦しい中、次に狙われたのは乳首。二人から片方ずつ優しく摘まれたり、焦らすように周りをなぞられた。
「ひゃぁぁあっ!そんなっ、いっぱい…っだめ、っ響くっ、助けてぇ…!!」
「ふふ、じゃあ俺は可愛いお臍でも触ってあげようか?気持ち良くておかしくなりそうなだけだよね、詩」
「ひぁぁぁぁあ!!!!」
スルッと響の細い腕がお客さんの隙間を入り込むと、くすぐるようにお臍周りをなぞり始めた。
「やぁぁ…っだめっ、イク、イッちゃう…!!みんな触るのやめてぇっっ」
「詩ちゃんが恥ずかしくイッちゃう所見たいなぁ~」
「体どれくらいビクビクしちゃうのかな?」
「人前でイクなんて恥ずかしくて堪らないね」
「やめ…っ、言わないで…!イキたくないっ、恥ずかしい…っやだ、やだっっ」
羞恥心を煽られながら絶頂に導かれると、本気で恥ずかしくて。俺は必死に体に力を入れて耐えまくった。
「力入ってる。いつまで我慢出来るかな?」
「乳首も小さいのにコリッコリ。限界なはずなのによく頑張るねぇ」
「そんなに我慢されちゃ余計…イカせたくなるよね?」
「やめて…っ、本当に…!本当にむりっ、恥ずかしい、恥ずかしいっ、見ないで…!!!」
縋るように響を見ると、クスッと笑って言葉を放つ。
「イキなよ、詩。誰にも見せたくない恥ずかしくて堪らない姿を、俺に見せて?」
「---ッ!!」
ゾクリとした感覚が全身に襲いかかると、力が入らなくなり、俺は大勢の前で欲を吐き出してしまった。
「ぁっ…ぅそ、…っ、あ…ぁぁーー…」
ビクビクと体が痙攣しながら絶頂を迎えると、俺はダランと脱力した。
「うわぉ、すごーい。いっぱいみんなで刺激してたとは言え、今響くんの言葉でイッたんじゃない?」
「妬いちゃうねぇ、さすがパートナー」
「あはは、詩可愛い。僕の声でイッちゃったの?」
「ちが…っ!たまたまっ、イキそうなタイミングでお前が声かけただけで…!」
真っ赤になって否定するが、またみんなの手が伸びてきた。
「あっ、今は…!んぁッ、」
「恥ずかしいね、言い訳はだめだよ?」
「響くんのこと大好きなんだね」
「大好きなパートナーに見られながらイッちゃってどんな気持ち?」
「ゃめ…っうるさっ、ほっとけバカァ…!!」
響の名前を出されるだけで無性に恥ずかしくなった。それを知ってか知らずが次々に響の名前を出しながら俺を責め立てる。
「今響くんって名前言っただけで感じてなかった?」
「流石にそれはねーだろ」
「…詩ちゃーん、響くんのこと好き?」
「ひゃぁ…っっ、やめ!!」
「ほら、めっちゃ感じてる気がする」
「へぇ~可愛い~」
「やだっ、もう許して…!普通に責めてよっ」
俺が羞恥でおかしくなる中、サワサワとみんなの優しいボディタッチは続き、一人の男が耳元で何度も意地悪な言葉を囁く。
「響くんが見てるよ、詩ちゃん」
「ぁあ…っだから、本当…っやめ、お願い…っ」
「詩ちゃん、可愛いココも"響くん"に反応してるよ?またたくさん溢れてきた」
「やめて…っやめて、お願い…っやめて、は、恥ずかしい…!死んじゃう…っ」
クルクルと達したばかりで敏感な先端を擦られ、また体は嫌でも反応した。
「ぁ…っぁ、今だめぇ…!」
「だめじゃないよね?喜んでるよ、素直な詩ちゃんが」
ガクガクと足が震え始めて再び絶頂に導かれると、俺は体を強張らせた。イク。
「…またイッちゃうの?」
「え!もうイクのー?」
タイミングに気付いた男が自身から手を離すと、周りも煽るようにからかってくる。
「……っっ」
寸止めされたことより、またイこうとしていた自分にも恥ずかしくなり、俺は顔を伏せた。
「詩、可愛い顔上げて」
そんな中、響が俺の前へ来るとクイッと顎を持ち上げて俺の顔を自分へ向けさせた。触れられた部分が熱すぎて、顔が直視出来なかった。
「…詩、僕のこと見て?」
「…っ」
目線を下に下げたままでいると、意地悪なのか分からないが響がそう言った。
「詩ちゃーん、大好きな響くんがお顔見てって言ってるよ?」
「お、本気で照れてんじゃん可愛過ぎない?」
「好き過ぎて顔すら見れないの?」
散々なこと言うお客さんに更に顔が赤くなる。
「…詩、俺を見て」
「……ん、」
少し強い口調で言われると従うことしか出来なくて。俺はじっと響を見つめた。
頬を少し染めた響はとても可愛くて、格好良くて、俺は胸がぎゅうと締め付けられるような気持ちになる。
「…っっ」
目が合ったままでいるとありえないくらいに体が熱くなった。すると、俺の後ろを陣取って耳やら脇腹やらを責めていた男達が一旦移動すると、そこに響は歩いてやってきては、後ろから俺の事を抱き締めるように腕を回した。
「あ…っぁ、え?…響く、」
それだけで面白い程に反応した俺。さっきまで散々煽ってきたお客さん達は、響が何か行動を起こすまで無言で見つめていて。
「詩、可愛い、すごく」
優しく耳元で囁かれると、ビクンと大きく体が反応し、自身もグンッと元気になった。
「ぁ…、何、響くん…待って、だめぇ…」
震えが止まらない中、響が何をするのか分からない俺は心臓を激しく動かした。
「詩…ここも触ってあげるね」
後ろから回した腕を俺の両方の乳首をとらえると、クリクリと捏ね回す。
「---ッふ、ぁっ?ぁぁ…っえ?だめっ、ぁ、何っ、だめ、ダメ!!」
音を立てて俺の耳を舐めながら、乳首を捏ねる指を強くされる。
「詩、イきなよ」
俺はプツンと何かが外れた気がした。
「イッ---!!!」
ビクビクッと体を跳ねさせ、明らかな絶頂を迎えた。それを見たお客さん達は大歓喜。
「うわーすごい、胸だけでイッたね!」
「やば、可愛すぎ!」
「詩ちゃん可愛いィィィ!!!」
「あ…っ、はぁ…っはぁ、ぁ…」
自分に何が起きたか理解出来ないまま、後ろに居た響はクスリと笑いながら少し離れた所で俺を見ていた。
「詩ちゃーん、大丈夫?」
「気持ち良過ぎてとんじゃった?」
「そういう所も可愛すぎるね」
少しずつ頭が戻ると、さっきのことを思い出してまた俺は顔が熱くなった。あんなのなしだろ!
キッと響を睨みつけると、相変わらずクスクス笑っていた。
「こらこら、大好きな響くんのこと睨んじゃダメでしょ?」
「本当だー、お仕置きが必要かなぁ?」
「ッひゃ!?ちょ、もう…っぁは、ははっやめっ」
今まで優しい動きだったみんなの指が、明らかに笑わせにくる刺激に変化された。
「ひゃはははは!くすぐっちゃだめっ、やめてぇっ」
ガシャンと激しく拘束具をならしながら暴れるも、どんどん面白がってみんなが群がり始めた。
「ひゃはははァァ!!!だめっ、そんなっ、いっぱいくすぐんないでっっ!!!」
後ろから首筋、腋、脇腹、背中、前からは乳首やお臍、腰回り。足元にいた人達に太腿や足の付け根、膝や足裏。
一斉に襲いかかる刺激に耐えれるはずもなく、敏感な体は悲鳴として俺の声から放たれた。
「ァァア!!!ぁははははは!!!いやっ、だめっ、むりぃぃぃぃ!!!」
「じゃあ響くんにごめんなさいして?」
「"大好きなのに睨んでごめんなさい"って」
「"二人の時以外にイキたくなくて睨んじゃいました"とかも可愛いよね」
「誰が…言うかっ!あいつが、っ悪いんだっ!ぁはっ、ゃめてぇぇ!!」
「あらあら、じゃあ苦しいけどくすぐり続行かぁ」
「詩ちゃん、こちょこちょ」
耳元でわざとらしく言われると更にくすぐったく感じてしまう。
「ひっ、ぁっはははは!!ごめんなさぃぃっっ、許して、許してェェっ」
「ほら、詩ちゃん。響くんに謝ろう?」
「あはは、詩ー。僕に謝らないと許してもらえないみたいだよー?」
楽しそうに笑いながら俺の前に来ると、さっきまで苛立っていた気持ちが消え去った。
何のフィルターがかかったのか知らないが、クソ格好良い…。顔を見た瞬間胸が熱くなった。
「あらあら、顔見ただけで照れちゃった?」
「どうしたの詩ちゃーん、この前普通だったのに」
「意識したら余計上手く出来ないやつな」
「ほら、早く謝って?じゃないとまたみんなくすぐっちゃうよ?」
サワサワと腋をくすぐられると、ビクッと跳ねて体が嫌だと訴えた。
「…響くんごめん、なさい」
「あれ、お客さんが言ってた言葉と違う気がするけど?」
「…っ」
「詩ちゃん、"大好きなのに睨んでごめんなさい"だよ?」
「…言えない、好きじゃない!!」
「あはは、バレバレだけどね詩ちゃん」
好きになったら恋人のいらないという響とは会えなくなる気がして、俺は認めたくなかった。
「…詩、僕のこと好きなの?」
「!」
じっと見つめてくる響の目は、勘違いかもしれないけど嬉しそうだった。
「それなら言ってみて。みんなの前で、詩は俺の事が好きだって」
「……だ、いすき…。好き…響くん…」
不安と羞恥で繋がれた拳は震えながらも、俺は告白をした。
「よく言えました。いい子だね、詩。あとは皆さんに可愛がってもらいなよ」
満足そうに笑うと、響は優しく俺の頭を撫でて少し離れた定位置へ戻った。
「詩ちゃん、いい子だねー」
みんなが騒がしく周りで声をかけてくれたので少し緊張は紛れたが、めちゃくちゃ緊張した。
「じゃあ時間も時間だし…詩ちゃんのナカ、入れるね」
一人の男が開かれて大きく晒された足の間へ行くと、ローションを準備していた。
「…わぁ、すごく期待してヒクヒクしてるね」
「綺麗だねー詩ちゃん」
「いっぱい広げてみんなに見せてあげようか」
「!?なっ、やめっっ!!!!」
ローションを準備している人とは別の男が、俺のお尻をムニっと持つと、蕾が広がるように左右に開け始めた。
「うぉーー!!!よく見えるじゃん」
「はは、こっちも恥ずかしそうにピクピクしちゃって」
「やっ、やめてぇぇぇぇぇ!!!!」
今までの比じゃない位の羞恥に全力で暴れるが、ガシャガシャと拘束具が鳴るだけで、何も状況を変えることは出来なかった。
「お、流石に恥ずかし過ぎる?」
「そりゃ尻の穴広げられたら恥ずかしいだろ」
「やめてっ、これはっ、本当だめ!見るなっ!!見んな!見んなァァァァ!!!」
必死な叫びも虚しく、一番恥ずかしい箇所は晒されたまま、ローションをたっぷり含んだ指が挿入された。
「んぐ…ッ」
「詩ちゃん、こっちに気を逸らそうね」
この前入れたばかりだが、少しゴツゴツとした指に異物感を覚えてくぐもった声を出すと、マナーのいいお客さん達は乳首を触ってくれたり、自身に触れたりしてくれた。
「んぁ…っぁ、あん…、」
おかげでいい具合に力が抜けていくと、中へ挿入された指はゆっくりと進められた。
「詩ちゃん、痛かったら言うんだよ」
「ん、ん…平気っ、」
「良かった」
奥の方まで到達した指は、良い所を探るように動き出す。早く見つけて欲しくて腰を少し動かしてみると、クイッと曲がった指がソコを掠めた。
「んァァッ!!!」
「苦しくない?」
「あっ、ぁ、気持ち良い…っ、気持ち良い、っもっと、もっとぉ…!」
これは多少喜ばせるための演技も含まれているが、俺がそう口走ると、嬉しそうに指を入れたお客さんはグリグリと前立腺を刺激した。
「…」
何となくチラリと響に目をやると、心なしか少しだけ不機嫌そうに見えた。
「あっ、ァッ、気持ち良い…!もっとぉ…!」
「あぁ、入れたくなっちゃう…詩ちゃん可愛過ぎ」
「詩ちゃん、こっちも気持ち良いと思わない?」
色んな所を一斉に刺激されると、背中がのけ反り、俺はどの刺激が決定打になったか分からないままに射精をした。
「すごい締め付け…」
指を入れたお客さんがそう呟いて少しすると、司会の声が会場に響き渡る。
「はーい、終了で~す!皆さんいかがでしたかー?」
相変わらずその声を合図にみんなはピタリと刺激をやめてくれた。
「詩ちゃん、今回もすごく可愛かったよ。楽しい時間をありがとう。投票するからね」
みんなが口々にそう言って、戻っていく中、俺は安堵の溜息を吐いた。
「詩、よく頑張ったね」
前回と同じくよしよしと頭を撫でてもらえると一気に力が抜けた。
「…うん、頑張った」
褒めて欲しくてチラリと見つめるとクスッと微笑んでくれて、また胸が締め付けられるような痛み。
そしてあり得ないことが起こったのはその数分後。
光り輝くライトが俺に照らされたかと思うと、アナウンスがなされた。
「優勝は…またもこのお二人!響アンド詩ペアでーーす!!」
「「うおぉマジか」」
二人の声が揃い、盛大な拍手が送られた。
流石に二回目は無理だと思っていたが、最後に演技したのか良かったのか。
拘束を解かれた俺は響とハイタッチをした。
◇ ◆
たった二回の参加で当分仕事しなくても生きていけるような大金を手にした俺達は、身なりを整えてその会場を後にした。
かなり嬉しい反面、レベル3に出場出来ない今、もう響と会う理由はなくなってしまう。
「お金のことだけど、俺の先輩から連絡になるみたいだから、送金とかそういうのはちょっと待ってね。一応これが先輩の連絡先だから登録しといて」
「ありがとう」
「ん。家まで送るよ詩」
「…」
またホテルに行きたい。
いや、そうじゃない。
もう少し一緒に居たい。
恋人がいらないと言った響の言葉が足枷となり動けないでいる俺を、時間は無情にも追い詰めた。
「じゃあね、詩」
家の近くまで帰ると、手を振って去っていく響。
これからもメッセージを送っていいの?
普通に会ったりしていいの?
俺は結局何も言えないまま、響の後ろ姿を見つめていた。
→
「さっきは興奮しちゃってまた出る?とは聞いたけど、今日で大金を手に入れたわけじゃん。何で次も出たいと思えたの?これ単純な質問ね。俺は攻められるわけじゃないから簡単に言えちゃったけど」
「…まず一つは、楽に稼げたから次も参加してみる価値はあるんじゃないかと思った。金なんて将来の為にいくらでもあったっていいと思ってる。そしてもう一つは、気持ち良くて嫌な事を忘れられたから。…元々セックス好きだったしな、響くんが隣にいる安心感があるから他の奴に触られても怖くねーし。そんな感じ」
「おけ、じゃあ次も出ようか。誘っておいてアレだけど、嫌な事を忘れたいってだけなら出ない方がいいと思ったから。無理だけはしないでね。自分の事、大事にしてあげてよ。一番大切に出来るのは自分だけなんだから」
「うん、でも一つだけお願いがあって、絶対響くんが傍に居てほしい。他の人なら出ない」
「大丈夫、もし何かがあって俺が出れなかったら詩も出なくていいから。んで、ここから大事な話ね。開催されてるショーにはレベルがあってさ、俺達が今日出たのはレベル1。優勝者は同じレベルにはもう出れないんだよね」
「うん」
「だから次はレベル2以上に出ないと行けないんだけど、賞金が上がる代わりに要求される事が増える。レベル2だと、触られる対象は指入れも含まれる。因みにレベル1は触っていいのは性器までだったのね」
「うん、じゃあレベル3だと挿入ありとか?」
「レベル3が最上級なんだけど、NGが一切出す事が出来なくて、相手にされるがまま。パートナーの俺も関与することが出来なくて、その場に同席する事さえ出来ない。そして、最終気に入られてしまったらそのまま買われる」
「……」
流石裏世界のショー。人を売買出来ると言うことか。俺は自分が居た世界とはまるで違う話に冷や汗が流れたが、響は話を続けた。
「レベル3はアレ。本当に売られてもいいような、裏の世界で主従関係があるようなパートナー達が出るようなやつだから。俺達はレベル2までしか出ないよ。仮に優勝したとしてもこれでおしまいね」
「分かった」
「説明は終わりだけど、指入れは大丈夫なの?」
「平気だよ。元彼の入れてたしな」
「了解。じゃあ先輩にエントリーしてもらうね」
「宜しく。先輩に連絡終わったらさ、抱いてよ」
俺は強請るように響を見ると、クスッと笑いながら俺の頭を撫でてくれた。
「いいけど、本当にいいの?元彼に振られてヤケクソなんだったら虚しくなるだけじゃないの?」
片手でよしよしと頭を撫でてくれながら、先輩に連絡を入れていた。
「もう吹っ切れたよ。ショーに出た刺激のおかげ。でもイケなかったから不完全燃焼。だからめちゃくちゃイカせてよ」
「はいはい。んじゃ、先輩に連絡しといたから俺シャワー浴びてくる」
「俺も行く」
「一緒に入る気?」
「うん」
「…恥ずかしいからダメ」
ピシャリと拒否されると、響は一人でシャワーを浴びに行った。責めている時は意地悪な顔だが、時折見せる素の表情はとても可愛くて、つい見惚れてしまう。
それにしても、今日は本当にすごい一日だった。恋人に振られた事なんて些細な一コマだったかのように。
「お先。詩も浴びる?俺はそのままの詩でも問題ないけど」
「浴びる、汗かいたし」
「いってらっしゃい」
軽く俺もシャワーを浴びてすぐに響の所へ戻ると、少し照明が落とされていてムードが出ていた。
「おかえり。明るさはこれくらいでいい?もっと暗くする?」
「俺明るくてもいいけど」
「俺が恥ずかしいからこれ以上明るいのは無理」
「…響くんって童貞なの?」
「ではないね」
「随分恥ずかしがり屋だよね」
「うるさい、からかうなら抱かないよ」
「ごめんて」
「…おいで」
クイッと優しく腕を引き寄せられるとトサっとベッドへ押し倒された。少し暗いとは言え、響の顔がよく見えた。可愛らしくて今日俺のポジションで出場していてもおかしくない見た目。
「詩は嫌な事とかない?」
「…ない」
「最後までしたい?抜くだけがいい?」
「……入れてほしい」
「いいよ」
「キスもしたい」
「いいよ。じゃあいい子にしててね」
顔が近付くと、俺は目を瞑った。ショーの時とは違い、しっかりと最初から深くキスをされた。
「ん…」
手は恋人繋ぎにされて押さえられながら舌を入れられる。全然違うキスに戸惑いながら、上顎をなぞられピクリと跳ねた。普通に気持ち良い。
「…んん、」
「詩、可愛い」
「…ん、響くんも…可愛い」
「そこは格好良いって言ってよ」
俺を見下ろす響の表情は可愛くて、そして少し男らしさが出て格好良くて。俺は力を抜いて全て響に身を任せた。
◇ ◆
「めっっっっちゃ気持ち良かった」
「それはどーも」
情事後の俺の感想はそれに尽きた。ショーの時のキスから考えてこんなにテクニシャンなのおかしくないか?と思う程。
「俺あんな気持ち良かったの初めてなんだけど」
「ショーで感度上がってただけでしょ。俺そんなに上手くないと思うよ」
「いやめちゃくちゃ上手かった!ハマりそう!」
「まぁ褒められると悪い気はしないね、ありがと」
「惚れちゃいそう、また次も抱いてよ」
「別にいいけど惚れるのはなしね。俺恋人いらないから」
「あ、俺イケメンが好きなんだごめんね…」
「そっちから惚れそうとか言っておきながらそんな申し訳なさそうな顔で振らないでくれる?」
むっと頬を膨らませる響くんもとても可愛くて。のんびりとピロートークをしながら、後片付けをしてホテルから出ることになった。体も疲れ切ってきたので泊まりたかったというのが本音だが。
「夜道だし家まで送るよ」
「俺男だし別に気にすんなよ」
「疲れてんでしょ。ホテル泊まっても良かったんだけど、俺自分の家のベッドしかゆっくり寝れないんだよね」
「…」
なんか響くんっていちいち可愛いなぁ、なんて思いながら本当に家の近くまで送ってくれた。
「またね、詩」
最後にポンと頭を撫でてくれると、優しい笑顔を向けて帰って行った。
「…やべー、さっきは冗談で惚れそうとか言ったけど結構やばいかも。なんかドキドキするあの子」
年齢も本名もよく知らない響にドキドキしながら、俺は自宅へ帰った。
◇ ◆
メッセージがきたのはあれからすぐのこと。駅で待ち合わせてショーへ向かうことになった。少しでも意識すると格好良いとしか思えなくて、俺は終始響の顔を見ることが出来なかった。
「この前お酒の力も入ってたもんね。緊張してるの?静かだね」
「…まぁ、ちょっとな」
「前も言ったけど無理だけはしないでね。嫌がる事はしたくないからさ」
「響くんが居るなら嫌じゃない」
恥ずかしかったが、じっと顔を見てそれを伝えた。
「…あ、そ」
フイとそっぽを向いた響。耳が少し赤くなっていたことに気付けなかった俺はちょっと傷ついてしまった。
「前と殆ど同じで、今回は指入れが追加される感じだから。この前はイケなかったけど、イカせてもらうのはありだから我慢出来なかったら気にせずイッてね」
「うん」
「元気ないね、平気?」
いや、お前の所為だよと思いながらもコクリと頷くと。キュッと手を握ってくれた。
「大丈夫、俺が隣に居るからね」
「あ、うん」
繋がれた手を振り解く事が出来なくて、俺は軽く握り返した。顔が熱かったのできっと俺の顔は赤く染まって居たんだろうが、指摘されることはなかった。
◇ ◆
「はーーい!皆様こんにちはー!!今回も可愛い子がたくさん揃ってますよー!!お気に入りの子を見つけて、たーっぷり可愛がって上げて下さいね~」
前回と同じ司会者がキラキラとした照明の中、挨拶をすると、カーテンが開かれて大勢のお客さんから歓声を浴びた。
今回は指入れが可能と言うこともあり、SMでよく使われると言う拘束椅子に固定されることになった。流れは前回と同じく、パートナーに攻められ反応を見せる→客が俺たちに触れて好みの子を探す→投票という形のまま。
「詩、すごい可愛い。恥ずかしい所丸見えだね」
隣に立つ響が、全裸で足を開いた状態の俺を見てニヤリとからかう。
「…うるさい!」
完全素面で、響のことが少し気になっている今。恥ずかし過ぎて堪らない。
「ではまず、レベル1優勝者のご挨拶と、パートナーから攻められちゃう可愛い反応をご覧下さ~い」
「皆様、こんばんは。僕響と、パートナーの詩です。前回は可愛い詩と、お客様のおかげで優勝することが出来ました。まだ出場が二回目ということもあり、激しい攻めは対応出来ませんが、体は敏感な子なので今日はたくさん愛してあげて下さい」
笑顔でサラリと挨拶する響に、お客さんの歓声はすごい大きなものとなった。優勝者となると期待度も上がるのだろうか。
「じゃあまず軽く肌を撫でてあげるとすぐに感じちゃうので、見てあげて下さいね」
クスッと笑いながら響は俺に向き合うと、ゆっくりと肌に指を滑らせた。
「…っ」
小さく吐息が漏れ、拘束された腕が音を立てる。
「可愛い、もう感じてるの?」
わざと感じる耳元で囁きながらゆっくりと脇腹をなぞると、俺はガシャンと大きく反応した。
「ぁ…っ、んぅ、」
「恥ずかしいね、みんな詩のこと見てる」
「ゃめ…」
言葉にされると、どうしても視線が気になってしまい、俺は顔を真っ赤にさせた。それを見て興奮するお客さん達。
「胸もここも反応してきてるね。少し肌撫でただけでこんなになるなんて…詩は敏感さんだね」
「…っん、響くん…っ、言葉やめて…!」
耳元で囁かれると吐息もそうだが、羞恥で更に敏感になる気がした。
「言葉があった方が感じるくせに。詩はちょっとMっ気があるもんね?」
「ひゃぁあっ!!」
椅子の背中部分は少し空いており、スルッと人差し指が背中をなぞると、俺は大きく反応を示した。
「背中が弱い詩も可愛いね。この椅子いいね。ちゃんと支えてくれるのに背中も触れるから」
「ぁあ…っ、だめ…!ダメだって、ゃぁっ」
我慢が出来ずにガチャガチャと暴れ出すと、歓声も大きくなり、響の顔も意地悪さが増した。するとそこで司会の人の声で響の刺激が止まる。
「はい、皆様いかがでしたか?気になる子はおりましたでしょうか~!!では早速…気になるあの子と触れ合いターイム!」
息がまだ整っていない状況の時にかなり長い列が出来た俺達。レベル1で参加してくれたいた人達も居て、俺は目を丸くさせた。
「響くんと詩ちゃんが出るって聞いたから、奮発して参加チケット買っちゃった。今日は触れ合いタイムが前回より少し長いからいっぱいいじめてあげれるね」
前に紳士的だった人達が多数だったので安堵した。
「さーて…また俺はくすぐっちゃおうかな」
「な…っ!待って、くすぐるのはっ、やめて!」
俺の言葉は見事にスルーされ、敏感な場所にそれぞれのお客さんが指をセットすると、一斉に優しいタッチでくすぐってきた。ぞわぞわする感覚に体は対応出来ずにいた。
「ひ…っっ、ぁぁぁああ…っぁっ、ゃぁっゃだ、」
「鳥肌すごいね~」
ゆっくりとした指の動きは、確かにくすぐったいがそれ以上に快感とも言えた。必死に逃れようと体を捩られさせると殆ど動けない体。
「逃げても無駄だよ、詩ちゃん」
「気持ち良過ぎて我慢出来ないのかな?」
「ひっ!?ゃめっ、耳やめてっ、やめてぇっ!!」
「耳元で喋られると感じちゃうもんね」
左右一人ずつ耳に口を寄せると、息を吹きかけながらわざとらしく言葉でも責めてくる。
「やば…っ!!待って、まじでっ、耳だけでもやめろ!」
「そんなに感じるの?」
「言葉遣いが良くないから却下だね」
「詩ちゃん、もうここビンビン。恥ずかしいお汁がたくさん出てきてるよー?」
「るせ…っ、やめ、ろってば…!!!」
我慢が出来ずに本気で抵抗し始めた俺を見て、響が近付いてきた。
「詩ー。お客様も言ってくれたけど言葉遣いが良くないよ。本気で耐えられなくなると強がっちゃうんだよねェ」
クスクスと笑いながらそう言うと、お客さんも更に興奮を増したようで。
「へぇ、強がっちゃうんだ?そんなに俺達の指が気持ち良い?」
「我慢出来ないのー?可愛いなぁ」
「体はかなり正直だから、強がってるところも最高に可愛いね」
「…っく、」
興奮したお客さん達の責めは強くなり、俺は涙が溢れ出した。
「詩ちゃん、どっちからも涙出てるね」
「可哀想に…お兄さんがよしよししてあげるね?」
そう言うと一人の男が俺の自身を優しく握ると、ゆっくりと先端を撫でた。
「---っ!!!ぁあッ」
「お、いい反応だね」
「ぁっ、やぁぁ…っ、待っ、まっ…だめっ!」
「ダメなのー?この子は嬉しそうだけど」
クルクルと先端を指の腹で刺激されると、体が大きく跳ねて背中が反る。足もビクビクと震え出すと、お客さん達は嬉しそうに刺激を追加して行った。
「詩ちゃん俺はこっちね」
「じゃあ俺はもう片方を」
更に人が増えてごちゃごちゃと狭苦しい中、次に狙われたのは乳首。二人から片方ずつ優しく摘まれたり、焦らすように周りをなぞられた。
「ひゃぁぁあっ!そんなっ、いっぱい…っだめ、っ響くっ、助けてぇ…!!」
「ふふ、じゃあ俺は可愛いお臍でも触ってあげようか?気持ち良くておかしくなりそうなだけだよね、詩」
「ひぁぁぁぁあ!!!!」
スルッと響の細い腕がお客さんの隙間を入り込むと、くすぐるようにお臍周りをなぞり始めた。
「やぁぁ…っだめっ、イク、イッちゃう…!!みんな触るのやめてぇっっ」
「詩ちゃんが恥ずかしくイッちゃう所見たいなぁ~」
「体どれくらいビクビクしちゃうのかな?」
「人前でイクなんて恥ずかしくて堪らないね」
「やめ…っ、言わないで…!イキたくないっ、恥ずかしい…っやだ、やだっっ」
羞恥心を煽られながら絶頂に導かれると、本気で恥ずかしくて。俺は必死に体に力を入れて耐えまくった。
「力入ってる。いつまで我慢出来るかな?」
「乳首も小さいのにコリッコリ。限界なはずなのによく頑張るねぇ」
「そんなに我慢されちゃ余計…イカせたくなるよね?」
「やめて…っ、本当に…!本当にむりっ、恥ずかしい、恥ずかしいっ、見ないで…!!!」
縋るように響を見ると、クスッと笑って言葉を放つ。
「イキなよ、詩。誰にも見せたくない恥ずかしくて堪らない姿を、俺に見せて?」
「---ッ!!」
ゾクリとした感覚が全身に襲いかかると、力が入らなくなり、俺は大勢の前で欲を吐き出してしまった。
「ぁっ…ぅそ、…っ、あ…ぁぁーー…」
ビクビクと体が痙攣しながら絶頂を迎えると、俺はダランと脱力した。
「うわぉ、すごーい。いっぱいみんなで刺激してたとは言え、今響くんの言葉でイッたんじゃない?」
「妬いちゃうねぇ、さすがパートナー」
「あはは、詩可愛い。僕の声でイッちゃったの?」
「ちが…っ!たまたまっ、イキそうなタイミングでお前が声かけただけで…!」
真っ赤になって否定するが、またみんなの手が伸びてきた。
「あっ、今は…!んぁッ、」
「恥ずかしいね、言い訳はだめだよ?」
「響くんのこと大好きなんだね」
「大好きなパートナーに見られながらイッちゃってどんな気持ち?」
「ゃめ…っうるさっ、ほっとけバカァ…!!」
響の名前を出されるだけで無性に恥ずかしくなった。それを知ってか知らずが次々に響の名前を出しながら俺を責め立てる。
「今響くんって名前言っただけで感じてなかった?」
「流石にそれはねーだろ」
「…詩ちゃーん、響くんのこと好き?」
「ひゃぁ…っっ、やめ!!」
「ほら、めっちゃ感じてる気がする」
「へぇ~可愛い~」
「やだっ、もう許して…!普通に責めてよっ」
俺が羞恥でおかしくなる中、サワサワとみんなの優しいボディタッチは続き、一人の男が耳元で何度も意地悪な言葉を囁く。
「響くんが見てるよ、詩ちゃん」
「ぁあ…っだから、本当…っやめ、お願い…っ」
「詩ちゃん、可愛いココも"響くん"に反応してるよ?またたくさん溢れてきた」
「やめて…っやめて、お願い…っやめて、は、恥ずかしい…!死んじゃう…っ」
クルクルと達したばかりで敏感な先端を擦られ、また体は嫌でも反応した。
「ぁ…っぁ、今だめぇ…!」
「だめじゃないよね?喜んでるよ、素直な詩ちゃんが」
ガクガクと足が震え始めて再び絶頂に導かれると、俺は体を強張らせた。イク。
「…またイッちゃうの?」
「え!もうイクのー?」
タイミングに気付いた男が自身から手を離すと、周りも煽るようにからかってくる。
「……っっ」
寸止めされたことより、またイこうとしていた自分にも恥ずかしくなり、俺は顔を伏せた。
「詩、可愛い顔上げて」
そんな中、響が俺の前へ来るとクイッと顎を持ち上げて俺の顔を自分へ向けさせた。触れられた部分が熱すぎて、顔が直視出来なかった。
「…詩、僕のこと見て?」
「…っ」
目線を下に下げたままでいると、意地悪なのか分からないが響がそう言った。
「詩ちゃーん、大好きな響くんがお顔見てって言ってるよ?」
「お、本気で照れてんじゃん可愛過ぎない?」
「好き過ぎて顔すら見れないの?」
散々なこと言うお客さんに更に顔が赤くなる。
「…詩、俺を見て」
「……ん、」
少し強い口調で言われると従うことしか出来なくて。俺はじっと響を見つめた。
頬を少し染めた響はとても可愛くて、格好良くて、俺は胸がぎゅうと締め付けられるような気持ちになる。
「…っっ」
目が合ったままでいるとありえないくらいに体が熱くなった。すると、俺の後ろを陣取って耳やら脇腹やらを責めていた男達が一旦移動すると、そこに響は歩いてやってきては、後ろから俺の事を抱き締めるように腕を回した。
「あ…っぁ、え?…響く、」
それだけで面白い程に反応した俺。さっきまで散々煽ってきたお客さん達は、響が何か行動を起こすまで無言で見つめていて。
「詩、可愛い、すごく」
優しく耳元で囁かれると、ビクンと大きく体が反応し、自身もグンッと元気になった。
「ぁ…、何、響くん…待って、だめぇ…」
震えが止まらない中、響が何をするのか分からない俺は心臓を激しく動かした。
「詩…ここも触ってあげるね」
後ろから回した腕を俺の両方の乳首をとらえると、クリクリと捏ね回す。
「---ッふ、ぁっ?ぁぁ…っえ?だめっ、ぁ、何っ、だめ、ダメ!!」
音を立てて俺の耳を舐めながら、乳首を捏ねる指を強くされる。
「詩、イきなよ」
俺はプツンと何かが外れた気がした。
「イッ---!!!」
ビクビクッと体を跳ねさせ、明らかな絶頂を迎えた。それを見たお客さん達は大歓喜。
「うわーすごい、胸だけでイッたね!」
「やば、可愛すぎ!」
「詩ちゃん可愛いィィィ!!!」
「あ…っ、はぁ…っはぁ、ぁ…」
自分に何が起きたか理解出来ないまま、後ろに居た響はクスリと笑いながら少し離れた所で俺を見ていた。
「詩ちゃーん、大丈夫?」
「気持ち良過ぎてとんじゃった?」
「そういう所も可愛すぎるね」
少しずつ頭が戻ると、さっきのことを思い出してまた俺は顔が熱くなった。あんなのなしだろ!
キッと響を睨みつけると、相変わらずクスクス笑っていた。
「こらこら、大好きな響くんのこと睨んじゃダメでしょ?」
「本当だー、お仕置きが必要かなぁ?」
「ッひゃ!?ちょ、もう…っぁは、ははっやめっ」
今まで優しい動きだったみんなの指が、明らかに笑わせにくる刺激に変化された。
「ひゃはははは!くすぐっちゃだめっ、やめてぇっ」
ガシャンと激しく拘束具をならしながら暴れるも、どんどん面白がってみんなが群がり始めた。
「ひゃはははァァ!!!だめっ、そんなっ、いっぱいくすぐんないでっっ!!!」
後ろから首筋、腋、脇腹、背中、前からは乳首やお臍、腰回り。足元にいた人達に太腿や足の付け根、膝や足裏。
一斉に襲いかかる刺激に耐えれるはずもなく、敏感な体は悲鳴として俺の声から放たれた。
「ァァア!!!ぁははははは!!!いやっ、だめっ、むりぃぃぃぃ!!!」
「じゃあ響くんにごめんなさいして?」
「"大好きなのに睨んでごめんなさい"って」
「"二人の時以外にイキたくなくて睨んじゃいました"とかも可愛いよね」
「誰が…言うかっ!あいつが、っ悪いんだっ!ぁはっ、ゃめてぇぇ!!」
「あらあら、じゃあ苦しいけどくすぐり続行かぁ」
「詩ちゃん、こちょこちょ」
耳元でわざとらしく言われると更にくすぐったく感じてしまう。
「ひっ、ぁっはははは!!ごめんなさぃぃっっ、許して、許してェェっ」
「ほら、詩ちゃん。響くんに謝ろう?」
「あはは、詩ー。僕に謝らないと許してもらえないみたいだよー?」
楽しそうに笑いながら俺の前に来ると、さっきまで苛立っていた気持ちが消え去った。
何のフィルターがかかったのか知らないが、クソ格好良い…。顔を見た瞬間胸が熱くなった。
「あらあら、顔見ただけで照れちゃった?」
「どうしたの詩ちゃーん、この前普通だったのに」
「意識したら余計上手く出来ないやつな」
「ほら、早く謝って?じゃないとまたみんなくすぐっちゃうよ?」
サワサワと腋をくすぐられると、ビクッと跳ねて体が嫌だと訴えた。
「…響くんごめん、なさい」
「あれ、お客さんが言ってた言葉と違う気がするけど?」
「…っ」
「詩ちゃん、"大好きなのに睨んでごめんなさい"だよ?」
「…言えない、好きじゃない!!」
「あはは、バレバレだけどね詩ちゃん」
好きになったら恋人のいらないという響とは会えなくなる気がして、俺は認めたくなかった。
「…詩、僕のこと好きなの?」
「!」
じっと見つめてくる響の目は、勘違いかもしれないけど嬉しそうだった。
「それなら言ってみて。みんなの前で、詩は俺の事が好きだって」
「……だ、いすき…。好き…響くん…」
不安と羞恥で繋がれた拳は震えながらも、俺は告白をした。
「よく言えました。いい子だね、詩。あとは皆さんに可愛がってもらいなよ」
満足そうに笑うと、響は優しく俺の頭を撫でて少し離れた定位置へ戻った。
「詩ちゃん、いい子だねー」
みんなが騒がしく周りで声をかけてくれたので少し緊張は紛れたが、めちゃくちゃ緊張した。
「じゃあ時間も時間だし…詩ちゃんのナカ、入れるね」
一人の男が開かれて大きく晒された足の間へ行くと、ローションを準備していた。
「…わぁ、すごく期待してヒクヒクしてるね」
「綺麗だねー詩ちゃん」
「いっぱい広げてみんなに見せてあげようか」
「!?なっ、やめっっ!!!!」
ローションを準備している人とは別の男が、俺のお尻をムニっと持つと、蕾が広がるように左右に開け始めた。
「うぉーー!!!よく見えるじゃん」
「はは、こっちも恥ずかしそうにピクピクしちゃって」
「やっ、やめてぇぇぇぇぇ!!!!」
今までの比じゃない位の羞恥に全力で暴れるが、ガシャガシャと拘束具が鳴るだけで、何も状況を変えることは出来なかった。
「お、流石に恥ずかし過ぎる?」
「そりゃ尻の穴広げられたら恥ずかしいだろ」
「やめてっ、これはっ、本当だめ!見るなっ!!見んな!見んなァァァァ!!!」
必死な叫びも虚しく、一番恥ずかしい箇所は晒されたまま、ローションをたっぷり含んだ指が挿入された。
「んぐ…ッ」
「詩ちゃん、こっちに気を逸らそうね」
この前入れたばかりだが、少しゴツゴツとした指に異物感を覚えてくぐもった声を出すと、マナーのいいお客さん達は乳首を触ってくれたり、自身に触れたりしてくれた。
「んぁ…っぁ、あん…、」
おかげでいい具合に力が抜けていくと、中へ挿入された指はゆっくりと進められた。
「詩ちゃん、痛かったら言うんだよ」
「ん、ん…平気っ、」
「良かった」
奥の方まで到達した指は、良い所を探るように動き出す。早く見つけて欲しくて腰を少し動かしてみると、クイッと曲がった指がソコを掠めた。
「んァァッ!!!」
「苦しくない?」
「あっ、ぁ、気持ち良い…っ、気持ち良い、っもっと、もっとぉ…!」
これは多少喜ばせるための演技も含まれているが、俺がそう口走ると、嬉しそうに指を入れたお客さんはグリグリと前立腺を刺激した。
「…」
何となくチラリと響に目をやると、心なしか少しだけ不機嫌そうに見えた。
「あっ、ァッ、気持ち良い…!もっとぉ…!」
「あぁ、入れたくなっちゃう…詩ちゃん可愛過ぎ」
「詩ちゃん、こっちも気持ち良いと思わない?」
色んな所を一斉に刺激されると、背中がのけ反り、俺はどの刺激が決定打になったか分からないままに射精をした。
「すごい締め付け…」
指を入れたお客さんがそう呟いて少しすると、司会の声が会場に響き渡る。
「はーい、終了で~す!皆さんいかがでしたかー?」
相変わらずその声を合図にみんなはピタリと刺激をやめてくれた。
「詩ちゃん、今回もすごく可愛かったよ。楽しい時間をありがとう。投票するからね」
みんなが口々にそう言って、戻っていく中、俺は安堵の溜息を吐いた。
「詩、よく頑張ったね」
前回と同じくよしよしと頭を撫でてもらえると一気に力が抜けた。
「…うん、頑張った」
褒めて欲しくてチラリと見つめるとクスッと微笑んでくれて、また胸が締め付けられるような痛み。
そしてあり得ないことが起こったのはその数分後。
光り輝くライトが俺に照らされたかと思うと、アナウンスがなされた。
「優勝は…またもこのお二人!響アンド詩ペアでーーす!!」
「「うおぉマジか」」
二人の声が揃い、盛大な拍手が送られた。
流石に二回目は無理だと思っていたが、最後に演技したのか良かったのか。
拘束を解かれた俺は響とハイタッチをした。
◇ ◆
たった二回の参加で当分仕事しなくても生きていけるような大金を手にした俺達は、身なりを整えてその会場を後にした。
かなり嬉しい反面、レベル3に出場出来ない今、もう響と会う理由はなくなってしまう。
「お金のことだけど、俺の先輩から連絡になるみたいだから、送金とかそういうのはちょっと待ってね。一応これが先輩の連絡先だから登録しといて」
「ありがとう」
「ん。家まで送るよ詩」
「…」
またホテルに行きたい。
いや、そうじゃない。
もう少し一緒に居たい。
恋人がいらないと言った響の言葉が足枷となり動けないでいる俺を、時間は無情にも追い詰めた。
「じゃあね、詩」
家の近くまで帰ると、手を振って去っていく響。
これからもメッセージを送っていいの?
普通に会ったりしていいの?
俺は結局何も言えないまま、響の後ろ姿を見つめていた。
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