裏世界で開催されるショーに参加したら予想外の結末になりました。

まこ

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番外編②

甘い嫉妬

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少し嫉妬/拘束/甘エロ/※少し響も攻められてます

◇ ◆

まずい。

そう思ったのはベッドで寝転ぶ俺の上に跨り、Sっ気全開で俺を見下ろす響くんを見た瞬間だった。

「おはよう詩。麗くんとこっそり連絡取り合ってたみたいだけどどういうつもり?」
「………スマホ、見たの?」

寝起きでまだ上手く覚醒しきれていないが、響くんの大親友でもある麗くんと連絡を取っていたのは確かだ。しかしスマホを見たなら内容も把握している筈。それなのにこんなに怒るだろうか。

「お互い嫌な気持ちになるから勝手にスマホは見たりしないよ。麗くんが昨日お酒飲みながら「最近毎日詩ちゃんと連絡とってるの~あの子可愛いスタンプ使うよねぇ」って言ってきて、一瞬スマホ見せつけてきたの。だから内容とかは見てない。理由をどうぞ?」

(あの人なんつー紛らわしいことしてんの!?)

それだけ聞けばただただ浮気してるようにしか聞こえないじゃないか。疑いを晴らそうとスマホに手を伸ばそうとすると、自分の両手がタオルで丁寧に拘束されていることに気付いた。

「俺のスマホ見て!内容も全部説明出来るから!コソコソと隠れて連絡してたのは謝ります。ただ、今度響くんのお誕生日パーティーするからその件について相談したいって言われて…」

「……正直な話、麗くんも恋人のこと溺愛してるの知ってるし、詩も俺のこと好きで居てくれてるの分かってるんだけど、あんな風に煽られたらちょっとその……ヤキモチ妬いちゃった」

俺がすぐにそう言葉にしたからか、響くんは安心したように眉を下げながら頬を掻いた。

「いやそんな言われ方したら誰だって心配になるよ。サプライズしようとしたとは言え、響くんに嫌な思いさせてごめんね。不安にさせたくないから全部内容も見せ……んっ」

言葉を言い終える前に唇が重なり、ゆっくりと目を閉じると少し乱暴に舌が入ってきた。

(ヤキモチ妬いた時はちょっとキスも余裕ない感じになるから可愛い……)

今回みたいにあまり露骨に出したりはしないが、今までも何度かヤキモチを妬いているのは知っていた。その時のキスは決まって少しだけ乱暴で可愛らしい。

(あー…気持ちい……)

落ち着きを取り戻したのか、乱暴に入ってきた舌はゆっくりと丁寧な動きに変化していった。

「ひ、びき、くん」
「……はい」

「好き」
「……俺も」

その後はお互い言葉を発することなく、深いキスを繰り返した。響くんの舌が上顎を掠めると、ピクンと体が揺れる。

「…っ」

舌がその箇所へ当たる度にゾクゾクと体が震え、体を捩ろうとするも響くんの体重がかかっているので動けない。

次第に反応し始める下半身に気付いて足だけでも閉じようとすると、すかさず響くんの足が間に入り込んできた。グイッと足で股間を刺激されるとビクッと体が跳ねる。

「…足閉じちゃダメ」

漸く唇が離れると、響くんは低い声でそう呟いた。その声色だけでもゾクゾクとした快感が押し寄せる。

「…っ、響くん…そんな声出さないでよー…完全にスイッチ入ったじゃん…」
「…俺もキスした時から入っちゃった。縛ってごめんね、けどこのまま続けていい?」
「いーよぉ…別に拘束も好きだし、これからも響くんがしたいことしてほしい。けどたまには俺も攻めさせてね?」
「それはだめ」

ヤキモチはすっかりなくなったのか、いつも通りの響くんからもう一度キスが贈られた。

舌を絡めない触れ合うだけのものから、舌を入れた深いキスまで。それだけで幸せを感じていると、服の中へ細い指が入ってきては優しく肌を撫で回す。

「…っん」

脇腹を中心にさわさわと動く指は、くすぐったさと気持ち良さが半々で混ざり合う。

「っ、ぅ、ん……」

指がスルリと上へ移動すると、相変わらず優しいタッチで胸元をなぞる。気持ち良さと焦ったさで小さく身じろぎすると、服が乳首に擦れてゾクっとした快感を生み出した。

(やばぁ…どっちも勃っちゃってる…)

恥ずかしさより気持ち良さが勝っている今、響くんの指や足が好きな場所へ当たるように体を動かした。

「…可愛い。腰揺れてるよ」
「だって気持ち良いから……ちゃんと触って…」
「うん、いいよ。汚れちゃうから下は脱ごうね」
「もう遅いと思うけど早く脱がして」

窮屈だった衣類が脱がされると、面白いほどに反応した自分自身が晒された。とろとろと先走りが溢れた先端を拭うと、早くも指が伸びてきたのは響くんと繋がることが出来る入り口。

ツプリと指が当てがわれると、いつものトレーニングのおかげですぐに飲み込んでくれた。

「本当…いつも解してくれてるんだね」
「だって今日休みだからするかなーと思ってさ。俺は毎日響くんと繋がりたい。好き。早く入れて」
「もうちょっとムード出してよ」
「……だって我慢出来ないんだもん」
「…俺も出来ないけどさ。早いけど入れるね」

数本指が入るようになった頃、引き抜かれた直後に当てがわれたのは響くん自身。入りやすいように足を大きく広げておねだりすると、クスッと微笑みながら欲しいものをくれた。

どれだけ自分で慣らしていても、やっぱり繋がる時の圧迫感や気持ち良さはいつまでも変わらない。

「っんん、」
「痛くない?」
「痛くない……っ、早く、全部入れて」

そう呟くと、少しだけ大きくなった響くん自身が奥まで来てくれた。

「響くんキスして」
「…っ、うん」

余裕がなさそうにしながらも体勢を整えてキスをしてくれた。

「気持ちぃぃ…」

響くんが腰を動かす度に、知り尽くされた箇所を刺激され、反射的にきゅうっと締め付けてしまう。

「ん……そんなに、締め付けないで」
「えへへ…だって気持ち良いもん。無理だよ…っ」
「…っ、ん、本当はもっと繋がってたかったけど、無理かも。腕、俺に回して」

タオルで結ばれた両手が解放されると、俺はすぐに響くんの体に回して抱きついた。

(気持ち良い…っ)

ベッドが軋む音とお互いの小さな吐息が響く部屋。少し汗ばんだ肌を愛しく思いながらキスを強請ると、頬を染めて少しとろんとした表情の響くんと目が合った。

(あぁぁぁ…可愛いぃぃ…好き…)

「響くんすきー…っだめ、可愛い好き、可愛い」
「…も、何。詩の方が可愛いからね…っ」

恥ずかしそうにしながらもキスをしてくれて、その数秒後に響くんは俺の中へ欲を放った。

「…っ」

射精した直後、俺の体を気遣いながら自身を引き抜いた響くんは息を切らしながらごろんと俺の横へ寝転がった。

絶頂した直後の響くんは──めちゃくちゃエロい。

「ねぇ響くん」
「…ん、どうしたの」
「可愛い」
「はぁ…?詩の方がっ、あっ!?待っ、何──ッ」

力尽きた響くんの上に馬乗りになり、両手を頭上へ一纏めにして押さえつけてやると、すぐに俺のしたいことを理解したのか暴れ出した。

しかし一度イッた後の気怠さがある体では俺を押しのけることは出来ないようで。

「えへへ。俺はまだイッてないからちょっと手伝ってね」

片手で響くんの両手を押さえつけながらニッコリ微笑み、耳元へキスすると、ピクンと小さく跳ねてくれた。

ふぅと耳へ息を吹きかけてみるとジタバタ暴れ出したので、響くんの本名を囁いた後に大好きだよと伝えると、面白いほどに力が抜けた。

(可愛すぎる……)

もう腕を押さえつけていなくても問題なさそうなので、試しに乳首を触ってみると、弱々しい抵抗が返ってきた。

「響くん力抜けすぎ。可愛いー…」
「っ……」

耳元で遊んでいた唇を胸元へ持って行き、淡い色をした突起を舐めた。ぷくんと主張した乳首を舌で転がすと、響くんは声を我慢しているのか、手で口元を覆いながら眉を下げて震えている。

「響くんも胸弱いんだね」
「っ、……そりゃ、詩が触ってるんだから、気持ち良いに決まってるよ」
「えへへ。嬉しい」

ちゅっと音を立てながら乳首を吸い上げながら、優しく脇腹をくすぐると、流石にバシッと手を掴んできた。

「ゃめ…っ」
「脇腹触ったらすごいビクってした。可愛い」
「ひゃぁ…っははっ、くすぐったい、だめっ」
「その割に下はまた元気になってきてるけど」
「…っうるさいなぁ、」
「まぁ俺も限界かも。一緒にイこう」

響くんの可愛い姿を見て俺自身も相変わらず主張しており、お互いの自身を重ね合わせて手を添えた。

「…っあはは、意外と恥ずかしいかもこれ」
「自分からしといて何言ってんの…俺が触るよ。詩は寝転んで」
「…んっ、そんな、時間ない……好きだよ日向くん」
「……うん。俺も好きだよ、朝日」

そう呟いた後、同じタイミングで欲を吐き出した。体が二人分の欲で汚れても、汗ばんで少し気持ち悪さがあっても、幸せそうな蕩けた響くんの顔を見るだけでまた胸が熱くなる。

「……好き」
「うん。ありがとう」

ぎゅうっとしがみついた後、触れるだけのキスを数回繰り返した。

end.
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