AV男優の生活(完結)

まこ

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本編

06

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※注意※

新キャラの深沢 遊ふかざわ ゆうが登場します。暫く擽りプレイが続きます。

基本遊+湊×双葉ですが、軽く湊が受けてるシーンがありますので苦手な方はご注意下さい。

拘束/擽り/感度チェック/双葉視点

◇ ◆

「どーも、深沢遊でーす。宜しく双葉ちゃん」

俺は今、湊に告白されて恋人同士になった思い出のラブホテルを訪れていた。しかし湊とではなく、深沢遊と言うタチ専門と男優とだ。

何故こうなったかと言うと、話は数日前に遡る。

今度の撮影は擽りプレイになったと湊から連絡があり、"SM専門の知り合いが居るから勉強させてもらおう"と言う話になり、ガッチリと拘束が出来る場所で三人で会おうという事になったからだ。

今目の前に居るこの男優は、SMプレイを主に撮影している湊と並ぶ程のベテラン。予習のために彼の出ている作品も見たが、ソフトなものからハードなものまで数多く出演していた。

レビューも確認したが、そのテクニックは相当なもので、湊が是非技術を教わりたいとのことだった。

しかし当の湊は寝坊で遅れるらしいので、二人でラブホテルに入室したという訳だ。

「んじゃ双葉ちゃん。早速だけど、まずはどれくらいの感度が調べたいからベッドに寝てもらってもいい?」

「…はい。あの、若宮さんに軽くされたことあるんですけど、弱いんで軽くお願いしてもいいですか」

「いいけど、それで撮影大丈夫なの?アイツどーせ激しくすんだろ」

「…若宮さんにも優しくしてもらいますんで」

確かに意地悪な湊の事だ。弱い所は徹底的に責めてくるだろう。だが、何度か擽られて苦手だと理解している今、テクニックのあるこの男に触られるのは恐怖でしかない。俺が少し困った様にしていると、深沢は口を開いた。

「ついでに湊もかなり弱いからな。弱い奴ほど、何処が苦手なのかとか、理解出来てるから攻めるのが上手いんだよ」

「え、若宮さんと撮影したことあるんですか」

「うん。アイツがまだリバの時な。クソ生意気だからめちゃくちゃに攻めたら二度と受けはしないとかで今のポジションになったんだよ」

「へぇ」

過去の作品が出てこないので分からなかったが、是非ともそんな湊も見てみたいと思った。

「どーせ双葉ちゃん、撮影でいじめられるだろうから、今日来たら先に二人で攻めてやっか」

「はい、是非!」

純粋に湊の反応を見てみたい俺は目を輝かせながら深沢に賛同すると、いいタイミングで湊が入室してきた。

「遅れちゃってすみませーん。進んでますー?」

何も知らない湊がヘラッとした表情でこちらへ近づいて来ると、ペコリと深沢へお辞儀をしていた。

「お前、遅刻癖直んねーな。どうにかしろよ」

「いやぁ、遊くんだと思うと遅刻してもいいやって。ごめんね~」

「…相変わらずふざけてんなお前」

「まぁまぁ、そんな怒んないでよ。ほら、早く始めましょ。俺の双葉くん、凄く可愛いよ。……っえ?うわっ」

背を向けてSMチェアの方へ向かおうとした湊の腕を引っ張ると、無駄のない動きで湊をベッドへ押し倒して器用に腕を拘束した。

「はぁ?俺じゃないんだけど」

「久しぶりだよな。覚えてる?あん時お前、かなり泣いちゃったよな」

「…は?待って。まさか双葉くんに話したの?言うなって言ったよね」

湊の焦った様な、怒った様な姿は初めてでとても新鮮だった。ついでに言うと、湊が他の人に組み敷かれている姿も中々に興奮してしまった。

「ひゃっ…ちょっ…!ぁはぁっ、やめて…っ」

太腿に乗られて動けない様にされた湊は、深沢に脇腹を擽られると可愛い声を上げながらジタバタと暴れて体を捩らせていた。

深沢は湊の服の中へ手を入れると、腋に指を持って行くと、つつくような動きで攻撃し始めた。

「ひぁ…ッ!?ぁはははっ…やめっ…ちょ、遊くんっ待って!そこダメだってば!!」

「お前ここ弱いもんな。全然変わってなくて安心したよ」

ツンツンと腋を攻められビクビク跳ねながらガシャガシャと拘束具が音を鳴らす。湊の顔は今までに見たことないくらいに赤く染まり、苦しそうに笑っていた。

「なんでこんな事するの…っやだっ、やめて…!ひゃははっ…もぉぉっっ!!」

「俺はまだお前と共演したかったのに、攻めに転向しちゃったからさ。…今位しか責める機会ないだろ?」

「双葉っ、くんを…!いじめようよ…っ!無理無理無理!!本当にダメ…っくすぐったい!離してよっ」

湊が弱いのか深沢が上手いのかは分からないが、いつも余裕たっぷりでまったりとした湊はそこには居なくて。俺が見ていても興奮してしまうような可愛らしい姿で責め立てられていた。

「あん時湊さぁ、泣きながら漏らしちゃったもんな」

「うわぁぁ!!!言わないでよ!バカ!!!」

俺には絶対聞かせたくなかったのだろう。全力で怒鳴って怒る湊は新鮮で、クスッと笑ってしまった。

「双葉ちゃんも足くすぐってあげて。足の付け根とか内股が弱いから、コイツ」

「うわぁぁっ!!言わないでよ!!」

「…へぇ、いい情報をありがとうございます」

深沢にそう告げると、少し移動してもらってベルトを外して、湊のズボンを脱がして下着姿へすると、少し反応してテントの張った湊のモノが姿を見せた。

「あ…っ見ないで…っ!双葉くん、やめてっ」

見る事の出来ない貴重な湊の本気の照れ顔を見せられると、今まで思った事のないような悪戯心が俺の中に現れた。最近いじめられてまくっていたので、少しだけいじめてやろうと思い、ニヤリと笑みを向けた後にゆっくりと足の付け根に指を置いた。

「やめ…!後でどうなるか分かってる?」

少し涙目になった湊に睨まれるも、今は深沢が居るので問題ないだろう。仮にめちゃくちゃにいじめられても、いじめたい気持ちが勝ってしまった俺は、ゆっくりと内股をくすぐった。

「んく…っ、双葉くん…っばか、だめっ」

「双葉ちゃん。足の付け根はこうやって触ってやると効くぜ」

俺の責め方を見ていた深沢が手を伸ばすと、足の付け根をクニクニと弄る様に触れると、ビクンと湊の体は大きく跳ね、声が激しくなった。

「ひゃはぁっ…や、やめて遊くん…ッ、やめてっ、もう…っ本当に無理…許して!!」

「湊~やっぱりお前可愛いなぁ。ほーら、こちょこちょこちょこちょ」

「ひゃぁぁぁッッ!!!」

深沢が湊の耳へ近付くと、わざとらしくそう囁いた。その瞬間にまた湊の高い声が部屋に響いた。

「耳っやだ…っ遊くんやめて本当にっ!」

「お前耳も弱いもんな。ほら、こちょこちょ」

「ひゃはははは!言わないで!やめてっ!!」

半泣きになりながら懇願する湊を見て、正直俺はかなり興奮していた。自分もされたいと思う様な感情なのか、純粋に湊の痴態に興奮したのかは分からないが。

「やめてほしい?」

「やめてほしいです…」

「はーい、いい子に言えましたー終わりー」

深沢は湊の言葉を聞くとピタリと指を止めてニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら笑いながらベッドから離れた。

「はぁ…っはぁ…もう!早く解いてよ…」

「あとで解いてやっからちょっと休憩してな。んじゃ双葉ちゃん。感度チェックしよっか」

「ああぁ!もう!遊くん!!」

ガチャガチャと激しく拘束具を鳴らして怒っている湊を放置して、俺達は前回湊と使用した椅子へ移動した。服を脱ぐ様に言われたので傍らに畳んで置いてから椅子に腰掛けた。

「はーい、ばんざーい」

手首を捉えられてチェアに固定されると、長さを調整されてピンと大きく伸ばした状態にさせられた。

「痛くない?」

「大丈夫です」

「おっけ」

足は広げた状態で拘束され、本来羞恥が増すはずだが相手は真剣な表情をしていたため、俺も仕事モードで対応する事が出来た。

「んじゃまず上半身からいくな。やばくなったら言って」

「はい」

深沢が俺の股間辺りにしゃがみ、反応を見るためか前から脇腹に指を添えてゆっくりと動かしてきた。

「…っ」

かなり優しいタッチで、我慢出来ない程ではないが快感と擽ったさが混ざる感覚に、目をきつく閉じて歯を食い縛る。

「声我慢するのも唆られるけど、そこまでは歯は食い縛らない方がいいかも。声我慢しちゃうけどやっぱり漏れちゃうとかの方が見てる方は興奮するらしい」

「…んっ、…っ」  

そう言われても恥ずかしい声が出るのは嫌なので一応コクコクと頷きながらも口はしっかりと結んだ。その時、再びベッドの方がガシャガシャと激しい手枷が当たる音と、湊の叫び声が部屋に響いた。

「遊くーーーん!!先に俺を解いてよー!!」

「…うるせーな。今解いたら双葉ちゃんの事いじめるだろ?俺が全体的に感度チェックしてから解いてやるから待っとけよ」

二人のやりとりに少しだけ緊張の糸が解けてしまった俺は、同じ動きにも関わらず擽ったさを強く感じてしまい、つい笑い声が漏れてしまった。

「ぅぁ…っはは、…はははっ」

「お、いいねぇ。緊張してる時より少しリラックスしてる時の方が効果あったりするから、プレイする時はしっかりと湊に解してもらいなよ」

脇腹を揉んだりつついたり、なぞったり、強弱を変えてみたり、深沢の指は何人も人格があるかの様に色んなやり方で攻め立てる。脇腹が終わるとガラ空きになっている腋へ移動し、同じ様に探る様に擽られた。

「はぁ…はぁ…っ」

やっと上半身が終わる頃うんうん、と頷いて納得したように俺を見る深沢。俺は必死に息を整えて俺を見つめる深沢を見つめ返した。

「双葉ちゃんは優しく触られると感じちゃうんだな」

別に揶揄う目的ではないのは理解しているが、言葉にされると一気に羞恥が襲い、相手をキッと睨み付けてしまった。それに気付いた深沢は口角を上げた。

「…おっけ、下半身も俺一人でチェックする予定だったけど、そんな態度取るなら湊の事解いてくるわ」

「え?まだ…っ」

「双葉ちゃんの弱点分かったし、アイツにも教えて二人でたーっぷり可愛がってやんよ」

「んな…っやめろよ…っ深沢!」

「はぁ?いきなり呼び捨てかよ双葉~。泣かせてやるから覚悟しとけよ」

黒い笑みを浮かべてそんな発言を放つと、湊の方へ行ってしまった。ガチャンと次は俺が手枷を響かせる番になり、焦った様にガチャガチャと暴れた。

「もぉっ!遊くんひどい!双葉くんの前ではやめてよね」

拘束を解かれた湊はプンスカ怒りながらバシッと深沢を殴りながら二人で俺の居る方へやってきた。

「痛ェな、お前また泣かすぞ」

「うわ!ひどい男ー!鬼畜ー!ドSー!つり目ー!」
 
「子どもかよ」

二人でこちらへやってくると、深沢への態度とは一変、俺の方を見ると気持ち悪い位に湊は俺に笑顔を向けた。

「双葉くん。さっきはありがとうね?覚悟は出来てるかな」

「あ…やめ…」

あまりのオーラにビビってしまい、意味もなくガチャガチャと腕を動かしてしまう。

「コイツは優しくくすぐると気持ち良くなっちゃうから、擽りプレイにするなら少し激しめにした方が笑うかもな。後半は感じさせる展開にしてもいいだろうけど」

深沢は俺の後ろへ回り込むと脇腹を少し激しめにこちょこちょとくすぐってきた。肋骨に食い込む様な、グニグニするような刺激は異常にくすぐったくて、今にも拘束が外れてしまいそうな程に暴れた。

「ぁはははぁッ!!やっやぁっ!待って…ッゃ、あはっ、ひゃはははっ」

「へぇ、分かった~」

湊は先程の話を聞いていたのか居ないのか、真逆のゆっくりとした指遣いで首筋を擽った後、同じ強さで腋を擽ってきた。二つの異なる刺激に体は対応出来ずに狂った様に笑い転げた。

「…っぅ、ァッ…ははは!!やめてっ許して…!無理無理!!くすぐったい!!」

「そりゃくすぐってるからな」

深沢に脇腹、湊に腋を擽られて笑い声で次第に息が苦しくなってくる。

「ぁははははぁっ、けほっ、けほっ」

「あ、湊ストップ~。双葉、大丈夫?ちょっと水持って来るわ」

咳き込んでしまった後、すぐに刺激は止められて深沢が持ってきてくれた水を口へ注いでもらった。乾いた体が潤され、生き返った気分になった。

「湊もされた事あるから分かってると思うけど、やばそうになったら一旦やめて休憩させてやるか、気持ち良くさせてやるかしてやれよ」

「はーい。あの時の遊くんとは大違いだねェ」

「あん時は俺もまだよく分かってなくて、ただくすぐってただけだったもんな。今は相手からも色々教えてもらったりして、褒めてもらえる様になったよ。慣れるまではしっかり体見てやれよ」

「はーい」

二人の会話を聞きながら、しばしの休憩時間を過ごしていると、"じゃあ再開するか"と深沢の声が聞こえた。

「あ…せめて湊だけでお願い出来ませんか?」

「は?俺が嫌なの?」

「…その、深沢さんだと…我慢が出来なくて」 
「ちょっと!何それ双葉くん!俺が下手みたいじゃん!」

隣からすかさず湊が割り込んで来ると、プンスカと怒っていた。

「おい喧嘩すんなよ。お前の作品見てきたけどさ、双葉って湊の声とか表情に弱そうだから…」

深沢はそう言ってクイッと俺の顎を持ち上げて自分の方を向かせながら、ゆっくりともう片方の手でこちょこちょと脇腹をくすぐってきた。

「ひぁっ!?やっ!…っあ、」

顎を固定され無理矢理深沢の方を向けられており、じっとこちらを見つめて来るので恥ずかしくなり、ギュッと目を閉じた。

「こっち見ろよ、双葉」

「…っ」

「目開けて、くすぐられて感じてる顔見せて」

「やだ…ッ」

深沢の低いトーンと優しいタッチの刺激にゾワッと一気に鳥肌が立ち、感度が格段と上がったのが分かった。俺が頑なに目を開けずに居ると、開けろと命令口調になったため、羞恥に耐えながら目線を合わすと引き込まれそうな瞳にまた、体が反応した。

「あ…っん、ひゃ…っやめ、ふふ…んはっ…」

しっかりと目を見るとまた強弱を付けて擽られ、間抜けな表情を晒す羽目になった。

「…ん。って感じで無理矢理顔を向けさせたりしたらもっと感度良くなるかもな」

「分かりました。双葉くん可愛いなー真っ赤だねぇ」

「うるさい…」

「じゃあ次は下半身のチェックな」

「はーい。隣で見させてもらいますね」

下半身へ移動した湊は先程と同様に感度をチェックし始めた。足の付け根や自身の付け根を優しくくすぐられると反射的に体が動いてしまい、ガチャンと腕が鳴った。

湊が弱い足の付け根は、同じようにされても少し違和感があるだけで、案外平気だった。俺の反応でそれをすぐ理解した深沢は、別の触り方でチェックしていく。内股も色々な触り方をされるが平気。くすぐった気持ち良いくらいの感覚だった。

「へぇ、下半身は案外余裕そうだな」

指はどんどん降りていき、一番不安視していた足の裏まで到達した。が。

「あ、平気な感じ?」

一般的に弱い人が多いその箇所も、俺にとっては問題なかったようで、深沢は意外そうにしていたが、念の為色んな触り方をされた。

「んーじゃあ双葉のプレイは基本上半身だけっぽそうだな。ちょっと最後に試したいことあるから待ってて」

少し席を外すと、湊がひょっこりとこちらへ近づいてきた。さっきまでの行為を見ていたので、湊も驚いた様な表情をしていた。

「へぇ、双葉くんすごいね。足くすぐったくないの?」

「うん。案外足は平気みたいだな…っんん、触んなよ…」

ニヤリとした表情で俺の自身を掴むと、優しい手つきでゆっくりと上下された。わざと感じる様な動きをする湊を睨み付けるも、やめてくれる様子はなくピクンと体が跳ねた。

「あ…っちょ、湊…っだめ、今は…」

「平気だよ。遊くんが帰って来るまでに一回くら…っひゃあ!?」

「おい退け」

すぐに戻ってきた深沢に脇腹をつつかれた湊は可愛い声を上げると真っ赤に顔を染めて逃げる様に俺達から離れた。

「もう!!俺に触んないでよバカっ!」  

「はいはい。ちょっとどいてろよ」

深沢が手にしていたのは耳かきと電動ブラシだった。しゃがみ込んで俺の足の裏の前へ来ると、足の親指を掴んで丸まらない様にすると、持ってきた耳かきで優しく踵を引っ掻かれた。先程とは違い、何だか変な感覚が襲う。俺の反応を見つつ、深沢は無言で踵の膨らんだ部分を攻めてくる。

あれ?なんか…。

「あっあ、んっ…、待って…ッ」

カリカリと執拗に刺激されると我慢出来なくなり、ビクンと足が動いた。

「これちょっと効く?」

強弱を変えて攻められると中々刺激に慣れることが出来なかった。踵から離れ、電動ブラシを拇指球や土踏まずの辺りに当てられてスイッチを入れられるとまたガクンと体が跳ねた。

「ひゃあぁぁ…待って…っダメかも!離してっ…離して!!!」

電動ブラシの動きに耐えきれずにジタバタ暴れると、満足気に笑いながら足の裏を責められた。電動ブラシを当てながら足の甲や側面を擽られると変な気持ちになってくる。

「ぁぁ…っぅぅ、だめ…っひは…、やめッ」 

「へぇ、道具って凄いんだねぇ」

隣から見ていた湊が感心したように呟くと、深沢も刺激は止める事なく口を開いた。

「足の裏も擽れる幅自体は狭いからな。刺激にも慣れやすい。だからすぐに場所変えてやると慣れにくくていいかもな。ここらへんは皮膚が薄いから優しくしてやれよ。ガッチリ足の指まで拘束出来たらいいけど、拘束具がねー時は親指を固定してやると案外動きが制限されるから」

「ひゃあっ!!ぁはははは!だめっ」

説明しながら責め立てられると我慢が出来ず、動かせる範囲でジタバタ暴れていると、湊ももう片方の足に手を伸ばした。深沢とはまた違う擽り方に、余計慣れる事が出来なくて、効かないと思っていた箇所にも関わらず俺は笑い転げた。

「一人ですると中々難しいけど、左右違う攻め方すると慣れにくいからポイントな」

しかし、二人に無言で擽られ続けると、最初に言った通りくすぐり方を変えられても案外反応が弱まった。

「んー結構足は強いな。足の裏フェチの人もいるから一応くすぐった方がいいけど、その時はちゃんと暴れたりして我慢できないっつーの出した方がいいかもな。まぁ双葉は演技って丸分かりだから難しいかもしれねーけど」

湊と会うまではずっと演技でそれなりにウケていたが、本気で感じているのを見せてからはそれ以前の作品は揶揄われるようになってしまった。
 
「…努力します」

「二人なら上半身とか弱い箇所と一緒にくすぐるとカバー出来るかもだが、中々難しいからな」

その言葉を聞いて、湊が少し悩んだ後、提案をした。

「……遊くんも次の撮影来ない?」

「「え?」」

その提案に俺の深沢の声が重なった。

「いやね、今回実は結構期待してる人が多いんだよねぇ。遊くんもこの分野で人気だから3P希望の声もあるし」

「へぇ。お前らがいいなら参加したいけど」
「待って俺は反対!絶対我慢出来ないから!」

「じゃあ遊くん宜しく。マネージャーさんに伝えて調整しよう~」

「おい!俺は無視かよ!待って絶対無理!」

ガシャガシャと手枷を響かせながら俺が叫ぶも、二人の会話は進んで行き、三人で撮影する事が決定した。

「じゃあ今日はこれくらいで」

深沢がお開きの言葉を放つと、俺の拘束を解いて道具の片付けを始めた。

「遊くんありがとねー」
「…今日はありがとうございました」

二人で揃って深沢にお礼を伝え、俺も服を着替えて帰る準備をしていると、二人で何やらやりとりをしているのが聞こえた。

「あ、湊」
「何?遊くん~」
「やっぱりもっかい責めさせて」

「…は?」

一瞬の隙をつき、深沢は湊を押さえつけると、先程まで俺が拘束されていた椅子に押しつけた。

「ちょっ!俺はもういいってば!本当に怒るよ!」

「あんまり暴れると双葉にお前の昔の作品見せるぜ?」

「んな…っ!?何それ!卑怯者!!!」

「じゃあ静かにしようねぇ?」

「…っく」

脅しが大半だが、大人しく手足を拘束された湊はめちゃくちゃキレた顔で深沢を睨んでいた。

「双葉もこいつで練習してみる?意外と攻めも受けも、どっちの気持ちも分かると勉強になるよ。まぁ俺が可愛い湊を見たいってのが強いけど」

「ちょ…双葉くんダメだよ!そんな事したら撮影の時どうなるか分かってる?」

キッと俺の事も睨みつけていくるが、おそらく深沢が居ないと二度とこんなチャンスはないだろう。

俺はニッコリと湊に笑顔を見せて、深沢と一緒に指を動かすと、可愛い湊の声が部屋に響き渡った。

06 end.
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