短編BL

まこ

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プリン兄弟の日常

プリン兄弟の日常③

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拘束/擽りのみ/筆/声我慢

攻→つばさ(弟)
受→兄/視点

◇ ◆

「ええええ!」

冷蔵庫を開けると、見たことのないプリンが二つ並んで冷やされていた。

「プリンがある!!お母さん買って来てくれたの?」

「あぁ。それ、翼が買って来てたよ。二つあるし、一つはお兄ちゃんの分じゃない?でも一応翼に聞いてから食べてね」

「はーい!」

母にはそう言われたが、この前可愛い顔で「今度は喧嘩せずに一緒に食おう」と言っていたので、絶対俺に買って来てくれたんだ。

しかし、ホイップがかかった300円もするプリンは、とても美味しそうで、どうしても我慢出来ずに俺は母に止められたがすぐに食べてしまった。


◇ ◆


「ん…!」

上半身に着ていた寝巻きのシャツを脱がされ、後ろ手にタオルで縛られた俺は、自分のベッドの上で小さな吐息を漏らしていた。

プリンを許可なく食べたあの日の夜、弟は俺の部屋へやってきた。あれは俺の分だったのは違いないが、一緒に食べたくて買って来たのに先に食ってんじゃねーよと怒られたのだ。

確かにその通りなので何も抵抗出来ずにいると、こうなった。

後ろ手に縛られた所為で上手く動けずに居る俺の隣に座り、肌にゆっくりと筆を滑らす弟。鳥肌が立つような刺激に、変な声が漏れそうになる。

「この前背中触った時、ちょっと可愛かったからさ。優しく擽ったらどんな反応すんだろうと思って」

スッと首筋を撫で上げ、ふわふわとした毛先が耳をなぞるとビクンと体が跳ねた。

「んん…っ」

モゾモゾと体を動かして逃げようとすると、よいしょ、と小さく呟いて弟は俺の足元に乗っかった。

「な、なぁ……手解けよ。痛いんだけど」

背中の後ろで縛られ、自分の体重がかかって少し辛い。じっと見つめると、弟は明らかに警戒しながらもタオルを解いてくれた。

「…っオラァァァ!」

自由になった手で殴りかかる。さっきはプリンを食べた罪悪感から抵抗しなかったが、こんなえっちな事されると分かったなら話は別だ。

「雑魚が」

パシッと乾いた音を立てて拳を受け止めた弟は、あっさりと俺の両手を一纏めにしてタオルで縛り上げた。

「うわぁぁぁ!」

「この前力の差見せつけただろ?兄ちゃん雑魚なんだから大人しくしとけよ。つーか……俺以外にこんな事させんなよ?」

「俺が誰にこんな事されるってんだよ!お前くらいだよバカ!」

「ふぅん。じゃあそれも含めて分からせよっか」

「はぁ…?」

「兄ちゃんあっさり縛られるんだから、そうならねーように誰かが近付いて来たらちゃんと逃げろよ?じゃなきゃ、こんなことされるかもよ?」

纏められた腕を頭上に持って行かれ、弟はその腕を片手で押さえつけると、もう片方の手で筆を持ち、サワサワと脇腹をなぞり出した。

「!!~~ッッ!」

バタバタと足をバタつかせても、弟の体重で殆ど動けない。前に与えられた手の刺激は擽ったいだけだったが、筆はそれプラス変な感覚が生まれる。

ゾワゾワする感覚に震えてると、弟は真顔でゆっくりと脇腹から腋へと筆を滑らせた。

「は…っ!ぁ…それ、やだ…っ。変な感じする…っ」

「兄ちゃんってシた事ある?」

「はぁ?何を…っ」

「セックス」

「ねーわぼけェェ!あれは大人になってからするもんだろ!」

「そういう考えなんだ」

腋に居た筆が胸元へ来ると、クルクルと乳首の周りをなぞり始めた。

「ぁ…!?つ、翼っ…やめ、ふふ…んはは!やっ、待てそこ擽ったい!恥ずかしいんだけど…!!」

「兄ちゃんって彼女居る?」

「居ないっ、いらんっ、」

「何で?」

「るせーな振られまくってるからだよ!!」

「振られんの?何で?」

「な、何でって……いつも言われんのは煩いから、とか、可愛いから友達止まりだからとか…そんな感じ」

「告られた事は?」

その言葉に一瞬ドキッとした。高校に入ってすぐ、仲良くなった男友達に告られた。それの意味が分からなかったが、かなり真剣に告白してくれたのはバカな俺でも分かったのできちんと誠意を持ってお断りした。今もそいつは俺の親友としてすぐ近くに居るのだが。

「…へぇ、男?女?」

「…………」

「ふぅん。まぁ大体分かったけど敢えて聞かねーよ。とにかくアレだ。兄ちゃん黙ってりゃ顔はいいから、変な奴に襲われたりしねーようにな。男には変な奴多いから。まぁ女もだろうけど」

「お、お前こそ…っ!女の子にこんな風に迫っちゃダメだからな!」

「俺は紳士なんで。バカな兄ちゃん限定」

「バカバカ言うなよ!バカ!」

「じゃ、続きといくか」

筆が傍らへ置かれると、次は弟の手が脇腹へ伸びて来た。

「っ!?ぎゃぁぁぁあ!!」

「今母さん風呂入ってるけど、そんなバカデカい声が出してたら何事だっつって部屋入ってくるだろうから黙れ」

「あひゃっ、ひゃははははんっっ!黙れるかバカぁぁ!あはははっ、擽ったい!擽ったぃぃ!」

ビクビクと体が跳ねると、ベッドの軋みも激しくなり、部屋には色んな音が響いた。それでもお構いなしにこちょこちょと肌を這い回る手は意地悪に俺の弱い箇所を追い詰める。

そんな時、ただいま。と父親が帰って来る声が聞こえてきた。

「!」

「…父さんに聞かれたらまずいだろ?黙っとけよ」

「ふ…ぁっ、じゃあ今すぐにやめろバカ!」

「や・だ」

耳元でわざとらしく囁いた弟は、俺が我慢出来るギリギリの強さで脇腹を擽り出した。

「ひ……ッ!…んん、っ。はぁぁ……つばさぁ、やめれ……お願いぃぃ……」

「こちょこちょ」

「はぁっ……や、や、やっ……」

父親の部屋は一階なので、俺の部屋がある二階には上がってこないだろうが、あんな大爆笑の声が聞こえたらきっとやって来るだろう。こんな姿見られたら終わる。ていうかコイツもバレたらやばいくせに何故やめないんだ。

「やだぁ……やだっ、ねぇぇ、手ぇやめてぇ…っ、」

「やだっつってんじゃん」

「耳元で喋んなばかぁ…っ」

「………つーかそんな甘えた声出すな気持ち悪い」

そう冷たく言いながらも、声色は少しだけ優しかった気がする。

まぁもちろん弟は弟なわけで、再び指は動き出し、次は腋へ伸びてきた。

「!!待って…そこはっ、んぁ……ッ」

「ここ弱いよな」

人差し指でくるくると円を描くように擽られると、今にも声が出そうになるが、今までのような爆笑じゃない変な声。

(こ、この声が出るのは恥ずかしい…っ)

キュッと唇を噛み締めて声を我慢すると、くるくると動く指には少しずつ力のが入ってきた。

人差し指から親指に変わると、グニグニと窪みを押すような動きに変わり、ビクンと腰が跳ねた。

「ふぁぁ…っ!あっ、やっ……それだめ!ねぇっ…!ねぇってば…!!」

「ふぅん。グリグリされんのダメなの?」

「ふっ…ぅぅぅぅ……んん、」

ゾクゾクするような低い声で耳元で囁かれながら親指を動かされると、もう頭がいっぱいになった。

擽ったい、気持ち良い?今の刺激は何?

グルグルと頭を回していると、いつのまにか押さえられていた手が解放されていた。解放された事に気付かなかった俺は万歳したまま耐えていると、両方の腋に弟の親指が食い込んだ。

「~~---ッッ!!」

危うく声が出そうになったので必死に噛み締めると、グニグニと動き出す指。反射的に腕を下げたが、一度入り込んだ指は抜けてくれなくて。

「ひっ、ぁっ…はは…んんぅ。翼ぁ…抜いてぇ、抜いて…っ入れないでぇぇ…ッ」

「兄ちゃん狙ってんの?」

「なっ、に、がぁぁ…ねぇ、声、出ちゃうっ…やめ…ひはっ、ぁぁあ、」

「……気持ち悪い声だから、俺以外に聞かせんなよバカ」

ふわふわとした頭の中で、言葉とは真逆の優しい声が聞こえた気がした。


◇ ◆


「兄ちゃんって、わき雑魚だよな。これからそう呼んでいい?」

「いいわけねーだろ!変な命名すんな!せめてもう少しネーミングセンス磨けや!」

プリンを取ってこいと言われたのでリビングまで取りに行くと、父親が居たのでついでにお帰りなさいと告げると、みんなから何も言われなくて淋しかったと告げられた。

「あぁ、ごめんね。気付かなかった。じゃあお休み」

「…お休み」

未だに少し淋しげな父を置いて、弟のプリンを持って行った。

「ほい」

「サンキュ」

「プリン美味しかった。ありがとな」

「いえいえ」

一足先に食べたとは言え、目の前で食べてる人が居るとまた食べたくなる。じっとプリンを見つめていると、「はい」とスプーンに一口よそってもらった。

「…!」

大口を開けてスプーンに近づくと、パッと離れていき、弟の口に入った。

「さっき一人で食ったくせにもらえると思うなよ」

「いっっじわるー!!」

間抜け面を晒して恥ずかしさもありポカポカと殴ると、弟は嫌そうにしながらももう一度プリンをすくうと、ズボッと勢いよく俺の口にスプーンを入れた。

その瞬間、ふわりと甘い香りとプルプルした感触。口の中でとろけるプリンはとても美味しい。

「んん…美味しい。これ、どこの?」

「セブ◯」

「…翼はこれ好き?俺が同じの買ってくるよ。次は二人で食べよう」

「…や、これは甘すぎる。もういらん。これも残りあげる」

「…うおぃぃぃ!!嬉しいけどムード大事にしろやぁぁ!」

end.
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