11 / 64
わがまま
4
しおりを挟む「…湊和、くん…」
「おつかれ、ヨシ」
驚く義経ににっこりと満面の笑みを返した湊和は尚もドアを開けるのを拒んでいる。
「あの…湊和くん。オレ、中に入りたいんだけど…」
「そうだよね」
「え?わっ!っ…!!」
おそるおそる湊和を見上げ伺うと湊和は突然、義経の腰に手を回し、勢い良くドアを開けるとその勢いのまま義経と部屋に入り込みドアが自然に閉まる頃には義経の体は湊和の腕に抱き締められ身動きが取れなくなっていた。
「湊和くん…?」
「ごめんね…。ヨシの事だからこの前の事で試合後は僕を避けるようになるだろうなぁと思ってたから待ち伏せして捕まえちゃった」
「な、なんで…?」
湊和の胸に顔を埋めたままで湊和の表情などは伺う事が出来ない義経だったが湊和の鼓動が少しだけ早くなった気がした。
ヨシの事が好きだから…なんて言ったらますます僕から逃げるようになっちゃうだろうなぁ…。
自分の中の気持ちを伝えるべきではないことは分かっていた湊和だが、伝えてしまいたい気持ちも強く躊躇しながらゆっくりと口を開いた。
「…この前は手伝うなんて偉そうな事言っちゃったけど、僕、スケートばっかりで友達とあんな事したことなくて…。学校行くとたまに?そういう話してるの聞いてどんなんだろうって興味があってさ…ヨシを利用したみたいな形になってごめんね…?」
湊和の気持ちは義経にも理解出来るところがあった。別にスケート漬けの毎日を後悔している訳ではない。ただ少しだけ、普通の青春に憧れてしまう時もあるのだ。
チカには湊和くんとあんなことするなって言われたけど…湊和くんなら…いいよね?だって『特別な意味』なんてないんだから。
「…大丈夫。ただすごくびっくりしたけど、オレも湊和くんとおんなじこと考えたことあるから…」
「本当に?」
そこでようやく湊和の胸から解放された義経は湊和の顔を見上げてから小さく頷いた。それを見た湊和は珍しく破顔させた。いつも微笑みを絶やさない湊和だが、それは貼り付けた仮面のように感じる時もあった義経は見慣れない湊和の表情に一瞬狼狽える。
「良かった…あんな事してヨシに嫌われたらどうしようってずっと悩んでたんだ…」
「オレも湊和くんがなんであんなことしたのか分からなかったからチカに相談したら…アイツ変態だからおんなじことされてさ…」
「………したの?同じ事…?」
「え…うん…」
先程まで不安に揺れていた湊和の瞳は幾分か困惑と怒気を含んだものになり義経はなにかまずいことを言ってしまったのかと体を緊張させる。
「そう…」
「え…湊和くっ…?!」
突然、腕を引かれベッドに投げられた義経はすぐに湊和に覆い被さられ、抵抗しようとした腕は湊和に押さえつけられてしまい義経は体を強張らせる。
「湊和くん…?」
「今日も『手伝って』あげるね、ヨシ…」
「えっ!!…ま、待って湊和くん!!」
にっこりと、まるで拒否は許さないというように笑顔を浮かべた湊和はすぐに右手で義経の自身を握り締めると左手で下着ごとズボンを剥ぎ取った。
「っ!!………えっ………?」
湊和の流れるような動きに抵抗も出来なかった義経だが、自身を襲う感じたことのない感触に視線のみを向けると仰向けで寝ていた上半身を勢い良く起こした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ポメった幼馴染をモフる話
鑽孔さんこう
BL
ポメガバースBLです! 大学生の幼馴染2人は恋人同士で同じ家に住んでいる。ある金曜日の夜、バイト帰りで疲れ切ったまま寒空の下家路につき、愛しの我が家へ着いた頃には体は冷え切っていた。家の中では恋人の居川仁が帰りを待ってくれているはずだが、家の外から人の気配は感じられない。聞きそびれていた用事でもあったか、と思考を巡らせながら家の扉を開けるとそこには…!※12時投稿。2025.3.11完結しました。追加で投稿中。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる