【R-18・BL】こじらせ初恋

祈 -inori-

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わがまま

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「…湊和、くん…」
「おつかれ、ヨシ」
    驚く義経ににっこりと満面の笑みを返した湊和は尚もドアを開けるのを拒んでいる。
「あの…湊和くん。オレ、中に入りたいんだけど…」
「そうだよね」
「え?わっ!っ…!!」
    おそるおそる湊和を見上げ伺うと湊和は突然、義経の腰に手を回し、勢い良くドアを開けるとその勢いのまま義経と部屋に入り込みドアが自然に閉まる頃には義経の体は湊和の腕に抱き締められ身動きが取れなくなっていた。
「湊和くん…?」
「ごめんね…。ヨシの事だからこの前の事で試合後は僕を避けるようになるだろうなぁと思ってたから待ち伏せして捕まえちゃった」
「な、なんで…?」
    湊和の胸に顔を埋めたままで湊和の表情などは伺う事が出来ない義経だったが湊和の鼓動が少しだけ早くなった気がした。
    ヨシの事が好きだから…なんて言ったらますます僕から逃げるようになっちゃうだろうなぁ…。
    自分の中の気持ちを伝えるべきではないことは分かっていた湊和だが、伝えてしまいたい気持ちも強く躊躇しながらゆっくりと口を開いた。
「…この前は手伝うなんて偉そうな事言っちゃったけど、僕、スケートばっかりで友達とあんな事したことなくて…。学校行くとたまに?そういう話してるの聞いてどんなんだろうって興味があってさ…ヨシを利用したみたいな形になってごめんね…?」
    湊和の気持ちは義経にも理解出来るところがあった。別にスケート漬けの毎日を後悔している訳ではない。ただ少しだけ、普通の青春に憧れてしまう時もあるのだ。
    チカには湊和くんとあんなことするなって言われたけど…湊和くんなら…いいよね?だって『特別な意味』なんてないんだから。
「…大丈夫。ただすごくびっくりしたけど、オレも湊和くんとおんなじこと考えたことあるから…」
「本当に?」
    そこでようやく湊和の胸から解放された義経は湊和の顔を見上げてから小さく頷いた。それを見た湊和は珍しく破顔させた。いつも微笑みを絶やさない湊和だが、それは貼り付けた仮面のように感じる時もあった義経は見慣れない湊和の表情に一瞬狼狽える。
「良かった…あんな事してヨシに嫌われたらどうしようってずっと悩んでたんだ…」
「オレも湊和くんがなんであんなことしたのか分からなかったからチカに相談したら…アイツ変態だからおんなじことされてさ…」
「………したの?同じ事…?」
「え…うん…」
    先程まで不安に揺れていた湊和の瞳は幾分か困惑と怒気を含んだものになり義経はなにかまずいことを言ってしまったのかと体を緊張させる。
「そう…」
「え…湊和くっ…?!」
    突然、腕を引かれベッドに投げられた義経はすぐに湊和に覆い被さられ、抵抗しようとした腕は湊和に押さえつけられてしまい義経は体を強張らせる。
「湊和くん…?」
「今日も『手伝って』あげるね、ヨシ…」
「えっ!!…ま、待って湊和くん!!」
    にっこりと、まるで拒否は許さないというように笑顔を浮かべた湊和はすぐに右手で義経の自身を握り締めると左手で下着ごとズボンを剥ぎ取った。
「っ!!………えっ………?」
    湊和の流れるような動きに抵抗も出来なかった義経だが、自身を襲う感じたことのない感触に視線のみを向けると仰向けで寝ていた上半身を勢い良く起こした。
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