【R-18・BL】こじらせ初恋

祈 -inori-

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好きなのに

3*

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「っ!や、怖い…こわい…」
    恐怖からぼろぼろと義経が大粒の涙を落とすと湊和は背中にキスを落とし宥めてはみるもののその涙は止まるどころか量を増すばかり。
「僕がそんなに嫌い…?」
    湊和の問いに答えず義経は尚も涙を溢し続けた。その様子に湊和は義経の足をぴたりと閉じさせそして後ろから自分自身を突き立てると回した手で義経自身と絡ませる。
「やっ!あ…」
「これなら痛くないでしょ…?」
    いわゆる素股という状態になり湊和は躊躇いなく腰を振ると、義経は自分の腿の間を出たり入ったりする湊和自身にまるで身体の中に挿入されているような錯覚に陥り快楽を得ようと無意識に腰を揺らした。
「ヨシ…もうイキそうだね…」
「はっ、あぁ…ん、ん、っ…」
    くすりと笑う湊和の手の中で義経自身は限界を訴えるように跳ねると先走りの量を増し湊和のものと混ざったそれは義経の足を伝い零れていく。
    湊和は義経に所有の印を散らすように吸い付き、背中に広がったそれに満足すると腰の律動を速め、義経自身を追い詰めていく。
「ゃっ、だぁ!!出る…でるぅ……ぅあっ!!ぁ、ぁ、はぁ…んっ!」
    勢いよく吐き出した白濁は義経の腹を汚し後を追うように湊和は義経の後腔目掛けて精を吐き出した。尻に広がる熱に朦朧とする意識の中でも義経は何をされたか理解できた。量の多い湊和の白濁は義経の尻からゆっくりと足を伝い足元に絡まる下着とジャージを汚した。まるで義経の中に出されたものが溢れ流れ出ているようなその光景は背中のキスマークと共に湊和の所有欲を満たし湊和はうっとりとその様子を眺めていた。
「…な………で……」
    絞り出した掠れた声が湊和の耳に届くと顔だけ振り向いている義経の目が合った。
「なんで…こんなコトするの…?」
    涙を湛えた義経の責めるような瞳でさえ湊和は綺麗だと、素直にそう思った。
「義経の事が好きだから」
「…え…?」
「好きだから、ずっとこうしたかった…」
    力の入らない義経の体を無理矢理向かい合わせにすると湊和は義経の腹を汚した白濁に手を滑らせる。くちゅり、自分の指に絡むそれを口許に運ぶと恍惚な表情を浮かべ、義経に見せつけるように舌でゆっくりと嘗めあげた。
    何度も慣らされた体はまるで義経自身にそうされているような錯覚を引き起こし無意識に腰を揺らすと湊和はその反応を待っていたかのように義経の腰を引き寄せる。そして耳元に唇を寄せた。
「もし、チカ君だったら義経の中に入れたのかな…?」
「っっ!!」
    わざとらしく指で後腔の入口を押してやると義経の腰が跳ね、突っ張った両腕が湊和を拒絶した。
「…やめて………もぉ…やめて…」
    俯く顔の表情は読めないが震える声がそれを教えてくれる。湊和は義経の手を離すと服を整え静かにドアを出ていった。
「…」
    ドアが閉まったのを見ると義経は個室のカギを閉めた。静寂が、先程までのことが夢か幻のように思わせてくれたのも束の間、自分の体に残る情痕が厳しい現実をまざまざと見せつけ義経の両目からはもう何度目か分からない大粒の涙が零れ、止められるはずのない嗚咽が口をついて溢れでていった。


***


    なるべく誰にも逢わないように…。
    そう心の中で祈りながら義経はそろりとトイレの入口から外を伺った。泣くだけ泣いて幾分かすっきりとした頭は冷静にこれからのことを整理し始める。
    まずは体をキレイにしないと…。
    視界に入る度に思わず目を逸らしていたがいくらなんでもこの格好のまま外に出れるわけもなく個室のドアを少し開き周りに人気がないことを確認した義経は洗面台でタオルを濡らしそれで出来るだけ丁寧に体を拭いた。体はなんとかなったものの、ずっと足元に絡まりありとあらゆる体液を受け止めた下着とジャージは正直このまま捨ててしまいたい気分だがあいにく、今はこれしか持ち合わせがなく義経は仕方なくゆっくりとたくしあげ、途中、冷えた液体がぞくりと悪寒を走らせるが気持ち悪さに歯を食いしばりながらなんとか外に出れる状態にはなった。
    あとは誰にも見つからないように…。
    もう人気のない廊下は義経の思惑を容易いもののように感じさせ体の緊張が幾分か解けていった。
「義経?なんだ、お前帰ったんじゃないの?」
    聞き慣れた声に大袈裟に肩を跳ねさせた義経は躊躇いながら恐る恐る振り返るとやはりそこには見慣れた人物がいた。
「……チカこそ……」
    正直、今一番会いたくない相手だと、居心地の悪い義経だが扱いを間違えるとさらにややこしく面倒なことになるためなんとかやり過ごそうとするが、人の粗を目敏く見つけてしまうのが親慶の特技とも言える。
「…まさかお前…トイレ間に合わなかったの…?」
「ちがっ!!間に合わなかったわけじゃ──」
    汚れたジャージも濡らしたタオルで広範囲に拭いたため瞬間的に見ただけだと漏らしてしまったようにも見える。
    だから誰にも会いたくなかったのに…。
    言い訳しようにも頭を回転させると先程の行為を思い出してしまい義経の体はすくみ小刻みに震え、前髪で隠そうとしているが隠しきれていない泣き腫らした瞼も親慶は見逃さなかった。
「…分かった、分かった。コンビニでパンツ買ってきてやるからお前はトイレで待ってろよ」
「でも…」
「そのまんまじゃお前帰れないだろ…」
    これ以上親慶に探られたくないと思った義経だが、自分の状況を鑑みて小さく頷くと大人しくトイレの中へ戻って行った。
「…くそっ!!」
    その後ろ姿を見届けた親慶は握り締めた拳で何度も近くの壁を殴り付けた。拳の痛みとかそんなものよりも心が痛いと血が滲む自分の拳を見て親慶は眉をひそめる。
    義経が自分に何も言わずに帰宅したことを不信に思っていた親慶は密かに館内を回り続けていた。またいつものようになってどこかで困って隠れているんじゃないかと心配していたのだが、たまたま義経が出てくる前に同じトイレから湊和が出てくるのを見つけた。それから義経の泣き腫らした目や乱れた服やジャージの隙間から覗いた無数の赤い印を目の当たりにして誰に何をされたのか親慶には容易に見当がついた。
    だからこそ守れなかった自分に激しい憤りを感じた。
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