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二章
episode 4 村長
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玄関で靴を脱いで廊下を歩き畳の大広間に三人は通された。
そして女が座布団を三枚横一列に敷いてくれたので、星野、新田、日向の順に座った。
女は星野の向かい側に座布団を敷くと座った。
星野は緊張した様子でちらちらと女の方を見ると目が合う。そのたび星野はビクッとして赤くなった顔を下に向けた。
大広間の横の襖がスーッと開く。すると髪を綺麗に後ろの高めの位置にお団子ヘアに結んだ、紫色の着物を着た六十代くらいの女性が入って来た。
その女性は冷たい視線で星野達を案内してきた女を見るなり言った。
「琴子さん!まだ帰っていなかったの!?」
琴子と呼ばれた女は、ニコッと微笑むと言った。
「外に出たらお客様がいらしたのが見えたので大広間にお通しいたしました」
「もういい!私が来たから琴子さんは帰りなさい!」
「はい」
琴子が立ち上がろうとした時だった。大広間の襖から今度は六十代くらいの男性が入って来た。その男性は渋い茶色の着物を着て、白髪で横分けにしたお洒落な髪型は色気を漂わせているように見える。
星野達から離れた位置に向かい合わせで敷いてあった座布団の上に男性はゆっくり腰をおろす。
「俺が帰る琴子に客人を大広間に通せと頼んだのだ!琴子帰らないでいい」
琴子と呼ばれた女は再び座布団に座り直す。
六十代くらいの女性は、男性が琴子をかばって嘘を言っているのがすぐにわかる。それが面白くないのか女性は琴子を睨みながら琴子の横に座った。
そして星野達を見るなり急に男性は笑顔に変わり話しだした。
「遠くからようこそ双山村へ!双山村の村長の久遠宗一郎と言います、そして皆さんの向かい側に座っているのが妻の千代と千代の横に座るのは琴子です」
星野、新田、日向はよろしくお願いしますと言いながら頭を下げる。
「それじゃ本題に入ろうか!皆さんは双山村祭りのために双山村へ来たわけじゃなさそうだ・・・本当は何しに双山村へ来た?」
星野は少し考えてから口を開いた。
「いやいや、双山村祭りをたまたま知り、楽しそうだなって思い知人たちと来ただけですよ」
「ほぉ~‥しかし、たかが祭りを楽しみに来た客人がなぜ私の家に?」
「双山村にせっかく来たので、村長に一度お目にかかりたいと思い、挨拶をしに来たんです」
すると久遠は突然笑い出した。
「がっはっはっは!お前達もよくわからん都市伝説のような話に振り回されるタイプだな!双山村についたら最初に村長の家に行って許可を得ないと、この村で自由にできないと聞かされてきたんだろう?もう何人もそういう都市伝説を信じ取材だの動画だのって来た事か。そんなもんあるわきゃねーだろう」
探偵をやっているのに、双山村のことがかいてあった情報雑誌に騙された事に気づき、星野は悔しい気持ちになる。
「すみません・・情報雑誌に踊らされて、村長の久遠さんの家に来てしまいました」
「いいよいいよ、せっかく遠くから双山村祭りをみに来たのは確かなのだからな」
すると日向がコホン!と咳払いをして新田の腕を突っついた。
新田は日向の方に顔を向けると、小声で((片桐風子のことは?))と星野に伝えてと新田に顎で合図をした。
二人をチラッと横目で見た星野は日向の小声が聞こえた。そして自分が何をしに双山村に来たのかを思い出す。
あぐらから正座に座り直した星野は久遠の顔を見つめて言った。
「あの実は本当の事を言うと捜してる人がいるんです、その人が双山村出身だと知りこの村に来ました」
「ほぉ~で、その捜してる人とは誰だ?名前を言ってみなさい」
「片桐風子です」
「知らんな」と、考える事もなく久遠は即答だった 。すると日向が久遠に訊いた。
「簡単に知らないと言ってますけど、村長だからって村の人全員の名前を覚えているんですか?」
「ああ、覚えているとも」
久遠は笑顔で言ったが目が笑っていなかった。
その目が笑っていないことに恐怖を感じ、日向は思わず目を逸らした。
玄関で靴を脱いで廊下を歩き畳の大広間に三人は通された。
そして女が座布団を三枚横一列に敷いてくれたので、星野、新田、日向の順に座った。
女は星野の向かい側に座布団を敷くと座った。
星野は緊張した様子でちらちらと女の方を見ると目が合う。そのたび星野はビクッとして赤くなった顔を下に向けた。
大広間の横の襖がスーッと開く。すると髪を綺麗に後ろの高めの位置にお団子ヘアに結んだ、紫色の着物を着た六十代くらいの女性が入って来た。
その女性は冷たい視線で星野達を案内してきた女を見るなり言った。
「琴子さん!まだ帰っていなかったの!?」
琴子と呼ばれた女は、ニコッと微笑むと言った。
「外に出たらお客様がいらしたのが見えたので大広間にお通しいたしました」
「もういい!私が来たから琴子さんは帰りなさい!」
「はい」
琴子が立ち上がろうとした時だった。大広間の襖から今度は六十代くらいの男性が入って来た。その男性は渋い茶色の着物を着て、白髪で横分けにしたお洒落な髪型は色気を漂わせているように見える。
星野達から離れた位置に向かい合わせで敷いてあった座布団の上に男性はゆっくり腰をおろす。
「俺が帰る琴子に客人を大広間に通せと頼んだのだ!琴子帰らないでいい」
琴子と呼ばれた女は再び座布団に座り直す。
六十代くらいの女性は、男性が琴子をかばって嘘を言っているのがすぐにわかる。それが面白くないのか女性は琴子を睨みながら琴子の横に座った。
そして星野達を見るなり急に男性は笑顔に変わり話しだした。
「遠くからようこそ双山村へ!双山村の村長の久遠宗一郎と言います、そして皆さんの向かい側に座っているのが妻の千代と千代の横に座るのは琴子です」
星野、新田、日向はよろしくお願いしますと言いながら頭を下げる。
「それじゃ本題に入ろうか!皆さんは双山村祭りのために双山村へ来たわけじゃなさそうだ・・・本当は何しに双山村へ来た?」
星野は少し考えてから口を開いた。
「いやいや、双山村祭りをたまたま知り、楽しそうだなって思い知人たちと来ただけですよ」
「ほぉ~‥しかし、たかが祭りを楽しみに来た客人がなぜ私の家に?」
「双山村にせっかく来たので、村長に一度お目にかかりたいと思い、挨拶をしに来たんです」
すると久遠は突然笑い出した。
「がっはっはっは!お前達もよくわからん都市伝説のような話に振り回されるタイプだな!双山村についたら最初に村長の家に行って許可を得ないと、この村で自由にできないと聞かされてきたんだろう?もう何人もそういう都市伝説を信じ取材だの動画だのって来た事か。そんなもんあるわきゃねーだろう」
探偵をやっているのに、双山村のことがかいてあった情報雑誌に騙された事に気づき、星野は悔しい気持ちになる。
「すみません・・情報雑誌に踊らされて、村長の久遠さんの家に来てしまいました」
「いいよいいよ、せっかく遠くから双山村祭りをみに来たのは確かなのだからな」
すると日向がコホン!と咳払いをして新田の腕を突っついた。
新田は日向の方に顔を向けると、小声で((片桐風子のことは?))と星野に伝えてと新田に顎で合図をした。
二人をチラッと横目で見た星野は日向の小声が聞こえた。そして自分が何をしに双山村に来たのかを思い出す。
あぐらから正座に座り直した星野は久遠の顔を見つめて言った。
「あの実は本当の事を言うと捜してる人がいるんです、その人が双山村出身だと知りこの村に来ました」
「ほぉ~で、その捜してる人とは誰だ?名前を言ってみなさい」
「片桐風子です」
「知らんな」と、考える事もなく久遠は即答だった 。すると日向が久遠に訊いた。
「簡単に知らないと言ってますけど、村長だからって村の人全員の名前を覚えているんですか?」
「ああ、覚えているとも」
久遠は笑顔で言ったが目が笑っていなかった。
その目が笑っていないことに恐怖を感じ、日向は思わず目を逸らした。
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