6 / 8
おまつり
しおりを挟む
『くちよせ』の言葉に心を動かされた人が、みんなの中で一番かしこくて、その分こだわりが強いむらじいにこの出来事を話すと、むらじいは肩をふるわせながら「それをはじまりの山の上にある、清水(きよみず)のはじまりの大石(おおいし)の上において祭るがよい…と阿呆に伝えよ。」と人に告げてから、あやしげな笑みを浮かべて家の奥へと消えていった。
むらじいにこのように言わせたのは、むらじいの心の玉に巻きついている善い蛇(よいへび)であったが、人にはそれは分からない。鬼(おに)が住むと言われているはじまりの山に阿呆を向かわせるのは、阿呆を消し去ってしまいたいと言うことだろうか。と人は思ったが、すぐに阿呆の家に行って、阿呆にこの事を伝えると阿呆は「分かりました。そうします」と言って、はじまりの山へと向かった。
阿呆がはじまりの山の上にある、清水のはじまりの大石の前に着くと、近くの森の中から鬼が現れた。鬼は実は神様であった。神様であったが今は鬼なので、怖ろしい顔つきで阿呆に向かってこう告げた。「何をするつもりだ。ここはお前の来る場所ではない」
阿呆は鬼であるが神様であることに気づいたので「ここにこれを祭りたいと思います」と言った。
鬼が神様であることを告げずに「そのようなものを祭るのは許されない話だ。すぐに立ち去れ」と言ったとき、『くちよせ』を両手に抱えた阿呆が、口を閉ざしたままおごそかな声で「鬼は神であり、神は鬼である。遥か遠くの星にいるものにはおよばない」と告げると、鬼は神様の姿となって一枚の紙を出して形あるものを創り、それを大石の上において、
「この『おまつり』に『くちよせ』を置くがよい」と言って消えていった。
阿呆が言われたように大石の上に立てられた『おまつり』に『くちよせ』を置くと、『くちよせ』はピタリと『おまつり』に納まった。
すると、『おまつり』に納まった『くちよせ』から光があふれ出して、ある国すべてを包み込んだ。阿呆がそれをよろこびながら見ていると、「善い(よい)」というおごそかな声が『くちよせ』から聞こえた。
その声が出た時に、むらじいの心の玉に巻きついている善い蛇は、神様のところへと戻っていった。
善い蛇がはなれたことで、むらじいから強いこだわりが少しずつ無くなっていき、いつしか話しやすい人になったそうである。
むらじいにこのように言わせたのは、むらじいの心の玉に巻きついている善い蛇(よいへび)であったが、人にはそれは分からない。鬼(おに)が住むと言われているはじまりの山に阿呆を向かわせるのは、阿呆を消し去ってしまいたいと言うことだろうか。と人は思ったが、すぐに阿呆の家に行って、阿呆にこの事を伝えると阿呆は「分かりました。そうします」と言って、はじまりの山へと向かった。
阿呆がはじまりの山の上にある、清水のはじまりの大石の前に着くと、近くの森の中から鬼が現れた。鬼は実は神様であった。神様であったが今は鬼なので、怖ろしい顔つきで阿呆に向かってこう告げた。「何をするつもりだ。ここはお前の来る場所ではない」
阿呆は鬼であるが神様であることに気づいたので「ここにこれを祭りたいと思います」と言った。
鬼が神様であることを告げずに「そのようなものを祭るのは許されない話だ。すぐに立ち去れ」と言ったとき、『くちよせ』を両手に抱えた阿呆が、口を閉ざしたままおごそかな声で「鬼は神であり、神は鬼である。遥か遠くの星にいるものにはおよばない」と告げると、鬼は神様の姿となって一枚の紙を出して形あるものを創り、それを大石の上において、
「この『おまつり』に『くちよせ』を置くがよい」と言って消えていった。
阿呆が言われたように大石の上に立てられた『おまつり』に『くちよせ』を置くと、『くちよせ』はピタリと『おまつり』に納まった。
すると、『おまつり』に納まった『くちよせ』から光があふれ出して、ある国すべてを包み込んだ。阿呆がそれをよろこびながら見ていると、「善い(よい)」というおごそかな声が『くちよせ』から聞こえた。
その声が出た時に、むらじいの心の玉に巻きついている善い蛇は、神様のところへと戻っていった。
善い蛇がはなれたことで、むらじいから強いこだわりが少しずつ無くなっていき、いつしか話しやすい人になったそうである。
0
あなたにおすすめの小説
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
悪女の死んだ国
神々廻
児童書・童話
ある日、民から恨まれていた悪女が死んだ。しかし、悪女がいなくなってからすぐに国は植民地になってしまった。実は悪女は民を1番に考えていた。
悪女は何を思い生きたのか。悪女は後世に何を残したのか.........
2話完結 1/14に2話の内容を増やしました
ローズお姉さまのドレス
有沢真尋
児童書・童話
*「第3回きずな児童書大賞」エントリー中です*
最近のルイーゼは少しおかしい。
いつも丈の合わない、ローズお姉さまのドレスを着ている。
話し方もお姉さまそっくり。
わたしと同じ年なのに、ずいぶん年上のように振舞う。
表紙はかんたん表紙メーカーさまで作成
青色のマグカップ
紅夢
児童書・童話
毎月の第一日曜日に開かれる蚤の市――“カーブーツセール”を練り歩くのが趣味の『私』は毎月必ずマグカップだけを見て歩く老人と知り合う。
彼はある思い出のマグカップを探していると話すが……
薄れていく“思い出”という宝物のお話。
生贄姫の末路 【完結】
松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。
それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。
水の豊かな国には双子のお姫様がいます。
ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。
もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。
王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
