期限付きの猫

結城 鈴

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 その晩、夜、あまり家にいられなくなるからと、寝室に誘われた。ベッドに余裕があるのは、さっき体験しているけれど、やっぱり緊張する。孝利は、まだ眠くないらしく、隣でランプの明かりを頼りにタブレットを見ていた。メガネ姿は、まだ見慣れない。
どっちもかっこいいけど。
見ていると、なに?と視線を向けてきた。
「何見てるのかなって。」
「あぁ・・・。アダルトグッズ。君のお尻、開発しないとねー、って言ったらどうする?」
「どうって・・・だって、最終的に、セックスするんですよね?・・・痛い思いはしたくないです。」
「開発されたいんだ?」
「語弊がありますけど・・・。無理やり突っ込まれるくらいなら、慣らしてもらった方がいいです。」
力じゃかないそうもない。
身長差もそうだが、孝利は高所作業が多いせいか、体幹がしっかりしているのだ。ちょっとやそっとじゃひっくり返せそうもない。つまり、今襲われでもしたら、最後まで完遂されてしまいかねないのだ。
さすがに、お互い抜き合った後で、それはないだろうが。
孝利は、紳士なのか変態なのかわからない一面があった。
夜中に一人で男同士のアレな動画を見るとか。今だって。
それでいて、三時の食事兼ティータイムは大切にしているみたいだし。服装も、家の中でも気崩しすぎている印象はなかった。今も、パジャマをしっかりと着こんで、隣に寝そべっている。肘で体を支えてタブレットを見ているだけなのに、妙に様になっていた。
かっこいいってお得。
「でさぁ・・・使われるんならどんなのが好み?」
タブレットを覗くと、そこには卑猥な感じはあまりないのに、だからこそ使い方を想像すると空恐ろしいものがずらりと並んでいた。
「・・・最初は小さいので・・・お願いしたいです。」
「それはもちろんそうなんだけど。ほら、色とかもいろいろあってさ、黒っぽいのより、ピンクとか水色とかの方が抵抗少ないかなって。あと、こういうグロテスクな方より、ポップな感じの・・・。」
これとか、と拡大される。そこには透明な、おそらくシリコン製の、徐々にボールが大きくなっていくタイプのおもちゃがあった。
「色も三色あってね?ピンクがいい?」
「いや・・・色とか・・・。」
それよりも、比較に手のひらが映っているのだが、それから察するに、一番大きい部分の大きさが、もしかしたら孝利のモノより大きいような・・・。
「こんなに開いちゃうものなんですか?」
「手首が入るくらいだから、入るんじゃない?」
「って!?」
想像してゾッとする。
「フィストファックっていうんだって。徐々に慣らせば大丈夫みたいだよ?」
そうかもしれないが、その頃にはトイレの始末も大変になってそうな気がする。
「あの・・・。あんまりその・・・ゆるゆるにされちゃうのは本意じゃないというか・・・。」
「わかってる。ギリギリがいいよね。痛いくらい。で、あとは回数こなして俺ので良くしてあげるよ。」
じゃぁ後は、ローションと、浣腸と、汚してもいいバスタオルと・・・といくつか注文して、ページを閉じる。
「受け取り、よろしくね!」
なで、と頭を撫でられて、しかしそんなもの受け取りたくない。聞き流したが、浣腸?そんなこともされてしまうのか。
それとも、しないといけないのか・・・。
「俺が見た動画見てみる?」
「いえ、いいです。寝かせてください。」
楽し気な孝利にため息して、背を向ける形で寝る体勢を作った。すると、耳元に、ちゅっと音を立ててキスをされる。
「わー・・・。」
「タマかわいい。おやすみ。」
寝たふりをすると、しばらくして、男の悩まし気な喘ぎ声が聞こえてくる。孝利が、動画を見始めたのだろう。時々悲痛な泣き声が混じる。処女狙いだと言っていた。痛そうなものを見ているに違いなかった。
ドキドキして、なかなか眠れなかった。
寝たふりには、気付いていたかもしれない。でも、孝利はやめる気配がなかった。
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