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夢と現実の狭間
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船着場だったのがふわりと景色が変わり、周りを見ると水上にある建物の中にいた。東屋に近い建物だったが、間取りは広く当然ながら真ん中にふかふかのベッドが置いてあった。
そして満月がハッキリ見えて、月明かりが差している。
「月って案外明るいなー……」
ルイスは月を見上げてそう言っていた。しばらく眺めていたいかのような気配で、そのまま何もせず一緒に見上げていた。
もしかしたら現実よりも明るいのかもしれない。だが、何も話さずただ一緒に見上げることは今までになく、しばらくこうしていたかった。
しかし、その時間はあっさり終わった。ルイスの手が俺の股間をまさぐってきたのだ。
「月よりも性欲ってことか」
「まぁ、お腹空いてるしね。精気さっさとくれ」
ルイスは振り向いて無精髭がある頬に舌なめずりされた。
「……前回のようなのはマジで勘弁してくれよ」
「分かった。随分待たされたぶん堪えてるからな。次がすぐ来てくれるよう抑えるよ」
本当に待ってる間、ルイスのことばかり考えすぎて仕事に支障をきたしていた。そう、リュトが教えてくれたマーキングのことを知ってから。
だが現実にいることを知っているとルイスに伝えれば、殺されるかもしれないし、消えてしまうかもしれない。二度と会えなくなるのはごめんだ。
どうにか、現実で会える術はないのだろうか。
とりあえず今は精気を与えてやろう──ルイスを抱き上げ、ベッドに寝かせた。
何度触れても吸いつくような肌。うっすら見えるシックスバックの膨らみを指でしばらくなぞった。
すると、ふよふよ浮いていた尻尾が小刻みに震えてリトは思わず口がゆるんだ。
何度かセックスして気付いたことだが、ルイスが感じている時は必ず尻尾が小刻みに震える。たとえ、表面は感じていないと見栄をはっていても、尻尾は素直らしい。だが、ルイス本人はまだ気付いていないようで、あえて黙っていた。
「……夢じゃなく、現実で触れていても同じ感触だと嬉しいんだがな」
おまえが現実にいることを分かっているんだぞという遠回し的なことを言ってみた。
「何言ってんの? 俺は夢でしか会えない存在だよ?」
「現実では会えないのか? もし現実だったら俺の精気が常に貰えるぞ」
「どんだけ俺のこと夢中なの……」
ため息つかれてしまった。だが少しだけ追いつめてみようと思い、契約のことを訊いてみた。
「インキュバスとやらは何か契約とかあるんじゃないか? 俺ならホイホイ乗る——」
ルイスはあきらかにギクリとした顔したが、すぐに戻りこれ以上話すなと言わんばかりにキスしてそのまま舌を入れてきた。
……しかたないな。今回はこれまでにしといてやる。
お腹空かせてたまま来たってことは、今まで誰も精気もらっていないんだろう。俺の精気だけで生きていると思うと優越感が湧き上がる。
口の中に入ってきたルイスの舌を吸い、絡めとる。そして顔じゅうにバードキスした。頬、こめかみ、まぶた、おでこ……くまなく唇でルイスのきめ細かな肌を感じながら、手は背中を廻す。
「ちょ、整えてるからって、髭がいてぇんだよ」
キスから背けようと顔をそらす際に、ルイスのうなじが見え、襟足付近にほくろが二つ縦に並んでついていた。思わずそのほくろの位置に軽くかぶりつきながらなめてやると小さく身震いしてくる。
その様子を見て少し楽しくなり、しばらくかじっているといい加減にしろと俺の背中にバンバンと叩かれてしまった。
もっと味わいたかったが仕方ないと、うなじから離れた。
「ルイスの肌はどこも触れたくなるし、かぶりたくなるんだよ。許せ」
お手上げポーズでルイスをなだめていると、ルイスは俺の服に軽く触れると全て消えた。
突然全裸になった俺は、脱ぐという行為が出来なくなったことの違和感に戸惑っていると、ルイスが勃ちあがりかけている俺のペニスを躊躇せずくわえてきた。
わざと唾液をたっぷりまぶしながら濡れた音が聞こえるように俺のペニスをとことんねぶっている。
「そんなにお腹空いてるんだな……いったんここで飲むか?」
膨らんだりへこんだりする頬に優しく撫でながら訊ねると、ルイスはコクコクと頷いた。
ルイスの要望通り口の中で一回爆ぜると、頬が少し紅潮して目がとろんとしながら味わっている。
「俺の精気はそんなに美味いか──」
ルイスの顎をつかみ、俺の方にむかせてやると妖艶な笑みを浮かび、俺のペニスについている残滓を舐めとった。
そして満月がハッキリ見えて、月明かりが差している。
「月って案外明るいなー……」
ルイスは月を見上げてそう言っていた。しばらく眺めていたいかのような気配で、そのまま何もせず一緒に見上げていた。
もしかしたら現実よりも明るいのかもしれない。だが、何も話さずただ一緒に見上げることは今までになく、しばらくこうしていたかった。
しかし、その時間はあっさり終わった。ルイスの手が俺の股間をまさぐってきたのだ。
「月よりも性欲ってことか」
「まぁ、お腹空いてるしね。精気さっさとくれ」
ルイスは振り向いて無精髭がある頬に舌なめずりされた。
「……前回のようなのはマジで勘弁してくれよ」
「分かった。随分待たされたぶん堪えてるからな。次がすぐ来てくれるよう抑えるよ」
本当に待ってる間、ルイスのことばかり考えすぎて仕事に支障をきたしていた。そう、リュトが教えてくれたマーキングのことを知ってから。
だが現実にいることを知っているとルイスに伝えれば、殺されるかもしれないし、消えてしまうかもしれない。二度と会えなくなるのはごめんだ。
どうにか、現実で会える術はないのだろうか。
とりあえず今は精気を与えてやろう──ルイスを抱き上げ、ベッドに寝かせた。
何度触れても吸いつくような肌。うっすら見えるシックスバックの膨らみを指でしばらくなぞった。
すると、ふよふよ浮いていた尻尾が小刻みに震えてリトは思わず口がゆるんだ。
何度かセックスして気付いたことだが、ルイスが感じている時は必ず尻尾が小刻みに震える。たとえ、表面は感じていないと見栄をはっていても、尻尾は素直らしい。だが、ルイス本人はまだ気付いていないようで、あえて黙っていた。
「……夢じゃなく、現実で触れていても同じ感触だと嬉しいんだがな」
おまえが現実にいることを分かっているんだぞという遠回し的なことを言ってみた。
「何言ってんの? 俺は夢でしか会えない存在だよ?」
「現実では会えないのか? もし現実だったら俺の精気が常に貰えるぞ」
「どんだけ俺のこと夢中なの……」
ため息つかれてしまった。だが少しだけ追いつめてみようと思い、契約のことを訊いてみた。
「インキュバスとやらは何か契約とかあるんじゃないか? 俺ならホイホイ乗る——」
ルイスはあきらかにギクリとした顔したが、すぐに戻りこれ以上話すなと言わんばかりにキスしてそのまま舌を入れてきた。
……しかたないな。今回はこれまでにしといてやる。
お腹空かせてたまま来たってことは、今まで誰も精気もらっていないんだろう。俺の精気だけで生きていると思うと優越感が湧き上がる。
口の中に入ってきたルイスの舌を吸い、絡めとる。そして顔じゅうにバードキスした。頬、こめかみ、まぶた、おでこ……くまなく唇でルイスのきめ細かな肌を感じながら、手は背中を廻す。
「ちょ、整えてるからって、髭がいてぇんだよ」
キスから背けようと顔をそらす際に、ルイスのうなじが見え、襟足付近にほくろが二つ縦に並んでついていた。思わずそのほくろの位置に軽くかぶりつきながらなめてやると小さく身震いしてくる。
その様子を見て少し楽しくなり、しばらくかじっているといい加減にしろと俺の背中にバンバンと叩かれてしまった。
もっと味わいたかったが仕方ないと、うなじから離れた。
「ルイスの肌はどこも触れたくなるし、かぶりたくなるんだよ。許せ」
お手上げポーズでルイスをなだめていると、ルイスは俺の服に軽く触れると全て消えた。
突然全裸になった俺は、脱ぐという行為が出来なくなったことの違和感に戸惑っていると、ルイスが勃ちあがりかけている俺のペニスを躊躇せずくわえてきた。
わざと唾液をたっぷりまぶしながら濡れた音が聞こえるように俺のペニスをとことんねぶっている。
「そんなにお腹空いてるんだな……いったんここで飲むか?」
膨らんだりへこんだりする頬に優しく撫でながら訊ねると、ルイスはコクコクと頷いた。
ルイスの要望通り口の中で一回爆ぜると、頬が少し紅潮して目がとろんとしながら味わっている。
「俺の精気はそんなに美味いか──」
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