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非日常はすぐそこまで
1-4☆
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放課後になった。
花梨は、オカルト研究会と怪文が関係しているか確かめるために彼らの部室へと向かった。
ぼくは駿英と一緒に教室に残り、花梨の帰りを待っていた。
駿英の机の上には理科のワークが広げられている。
だけど、最初の数問しか解かれていない。
「花梨が戻るまで勉強する」と言ったのに、開始五分で諦めて話始めるのは、彼らしい。
「……なあ、つばき。今日さ、家行っていいか?」
駿英はシャーペンを回しながら、ボーッと校庭を見ている。
夏休みに入ってすぐに他校との練習試合がある彼は、少しでもいいから練習したいという気持ちのはず。
どうしたんだろう?
「別にいいけど……どうして急に?」
「いやー、つばきの家ってめっちゃ本があるだろ? 勉強会ついでに調べられるんじゃないかと思ってな」
「えっ……、何を?」
「そんなの、朝の変な文章に決まってるじゃんか!」
珍しいこともあるもんだ、と思った。
いつもの駿英なら、朝のなにげない話題なんか忘れている。
それに、最近忙しそうだった花梨も解くのに積極的だ。
ぼくも駿英と何かを一緒にやるのは好きだ。
だけど……、
「でも、そもそもあの文章が何を言っているのかわからない――」
「わたしも行ってみたい!!」
割り込んできた花梨の声に、言葉が止まった。
いつの間に帰ってきたんだ。
ぼくがフリーズしている間に話す二人。
あぁ、どんどん話が決まっていく。
「それで、オカルト研究会はなんて言ってた?」
「関係ないって。彼らも誰が貼ったかを調べているみたい」
「まじかよ。他にやりそうな奴なんているか?」
「うーん……」
じゃあ、ますます謎だ。
でも――"わからない”って、嫌いじゃない。
「じゃあ、どっちが先に解けるかオカ研と勝負だな!」
駿英がガタっと勢いよく椅子から立ち上がり拳を天井に突き出す。
やれやれといった表情を浮かべ、花梨は額に手のひらを当てる。
「もう、そういうことじゃないでしょ! まあ確かにオカルト研究会には勝ちたいかも」
普段おとなしい花梨がそんなこと言うのは意外に感じた。何かあったのかな?
「あの人たち、熱意があるのはいいんだけど、勧誘がしつこくって……。戻ってきたらどっと疲れが湧いてきちゃった」
「まじか、助けに行けばよかったな。でも、さすがうちの中学校に存在する三大ヘンテコ部活の一つ。そう言われているのは伊達じゃないってことだな」
「なに感心してんだ」
うんうんとうなずく駿英の頭をポンッと叩く。
よかった、音が響いてないってことは、脳みそは詰まっているな。
底なしのおバカだからもしかしたら……なんて思っていたけど安心した。
「ところで二人はどうなの? 何かいい考え出てきた?」
「いや、こっちもさっぱりわからないよ。解けるように作られているものなのかもさっぱりだし」
「そういうことだし早くつばきの家に行こうぜ! ここにいるだけ無駄だしな」
「そうだね。行こう行こう!」
(……ぼくの家に行っても、駿英の勉強時間は5分だな。)
二人の言葉に押されるよう学校から帰ることにした。
帰り際に掲示板を確認したけど、すでに紙が入ったクリアファイルごとなくなっていた。
花梨は、オカルト研究会と怪文が関係しているか確かめるために彼らの部室へと向かった。
ぼくは駿英と一緒に教室に残り、花梨の帰りを待っていた。
駿英の机の上には理科のワークが広げられている。
だけど、最初の数問しか解かれていない。
「花梨が戻るまで勉強する」と言ったのに、開始五分で諦めて話始めるのは、彼らしい。
「……なあ、つばき。今日さ、家行っていいか?」
駿英はシャーペンを回しながら、ボーッと校庭を見ている。
夏休みに入ってすぐに他校との練習試合がある彼は、少しでもいいから練習したいという気持ちのはず。
どうしたんだろう?
「別にいいけど……どうして急に?」
「いやー、つばきの家ってめっちゃ本があるだろ? 勉強会ついでに調べられるんじゃないかと思ってな」
「えっ……、何を?」
「そんなの、朝の変な文章に決まってるじゃんか!」
珍しいこともあるもんだ、と思った。
いつもの駿英なら、朝のなにげない話題なんか忘れている。
それに、最近忙しそうだった花梨も解くのに積極的だ。
ぼくも駿英と何かを一緒にやるのは好きだ。
だけど……、
「でも、そもそもあの文章が何を言っているのかわからない――」
「わたしも行ってみたい!!」
割り込んできた花梨の声に、言葉が止まった。
いつの間に帰ってきたんだ。
ぼくがフリーズしている間に話す二人。
あぁ、どんどん話が決まっていく。
「それで、オカルト研究会はなんて言ってた?」
「関係ないって。彼らも誰が貼ったかを調べているみたい」
「まじかよ。他にやりそうな奴なんているか?」
「うーん……」
じゃあ、ますます謎だ。
でも――"わからない”って、嫌いじゃない。
「じゃあ、どっちが先に解けるかオカ研と勝負だな!」
駿英がガタっと勢いよく椅子から立ち上がり拳を天井に突き出す。
やれやれといった表情を浮かべ、花梨は額に手のひらを当てる。
「もう、そういうことじゃないでしょ! まあ確かにオカルト研究会には勝ちたいかも」
普段おとなしい花梨がそんなこと言うのは意外に感じた。何かあったのかな?
「あの人たち、熱意があるのはいいんだけど、勧誘がしつこくって……。戻ってきたらどっと疲れが湧いてきちゃった」
「まじか、助けに行けばよかったな。でも、さすがうちの中学校に存在する三大ヘンテコ部活の一つ。そう言われているのは伊達じゃないってことだな」
「なに感心してんだ」
うんうんとうなずく駿英の頭をポンッと叩く。
よかった、音が響いてないってことは、脳みそは詰まっているな。
底なしのおバカだからもしかしたら……なんて思っていたけど安心した。
「ところで二人はどうなの? 何かいい考え出てきた?」
「いや、こっちもさっぱりわからないよ。解けるように作られているものなのかもさっぱりだし」
「そういうことだし早くつばきの家に行こうぜ! ここにいるだけ無駄だしな」
「そうだね。行こう行こう!」
(……ぼくの家に行っても、駿英の勉強時間は5分だな。)
二人の言葉に押されるよう学校から帰ることにした。
帰り際に掲示板を確認したけど、すでに紙が入ったクリアファイルごとなくなっていた。
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