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ヒロインとご令嬢
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「貴女、私の婚約者に付き纏ってどう言うつもりなのよ」
「私の婚約者にも纏わりついていたみたいだけど、貴女それがどう言うことかわかっているのかしら」
「平民上がりの方には貴族の常識がまだわからないのかしら?平民なら平民らしく平民同士で仲良くしていたら良いのに」
ゲームで見た光景と同じように、階段の上でメアリーが複数の令嬢に絡まれている。
ゲームと違うのは取り囲んでいるのは王子の婚約者とその取り巻きではなく、モブの令嬢である。
うーん。
これは…王子の好感度が低いから?それともイベントは関係なくて、メアリーが手当たり次第に子息を誑かしているから?
周りを見回しても攻略対象はいないし、彼女を助けようという子息もいない。
まずいっ‼︎
ゲームと同じであれば興奮したご令嬢に肩を押されてメアリーが階段から落ちてしまう。
ゲームであれば、駆けつけた攻略対象がメアリーの手を引いて助け上げて二人の親密度があがるのだけど…
攻略対象・・・王子?ジェイデン?騎士のランスロット?
誰も近づいてくる気配がない。
このままではメアリーが階段を落ちて大怪我をしてしまう。
怪我をする事が予想できるのに無視することはできない…早く誰か来てくれ…
考えるより先に身体が動いていた。
ご令嬢に肩を押されて階段を落ちるメアリーの腕を掴み引き上げた。
間に合った、俺、すごいっ、と安堵したと思ったら、身体が宙に放り出されてしまった。
しまったーー!体格がひょろひょろの俺ではメアリーを支えきれなかった。
メアリーが無事階段の上で座り込んでいるのを目の端で確認しながらこれから起こる衝撃に備え、身体を丸め目を閉じた。
「・・・!!!」
衝撃は訪れなかった。
いつの間にか階段下に駆けつけていたジェイデンのがっしりとした腕で受け止められていた。
「間に合った…」
ジェイデンの手も口も震えており、いつも涼しげな瞳は潤んでおり今にも泣き出しそうな顔をしている。
「ジェイデン様…」
「メアリー嬢の騒動を聞きつけて来てみれば、君が……無事でよかった」
震える身体で俺をギュッと抱きしめて離さないジェイデン。
「ジェイデン、後は私がやっておくので、2人はべつのところで話しておくがよい」
エリオット王子もジェイデンと一緒に駆けつけていたらしい。他にも風紀委員が駆けつけてバタバタと慌ただしい。
ジェイデンは王子へ礼をすると、俺を軽々と横抱きにしたままその場を後にした。
「私の婚約者にも纏わりついていたみたいだけど、貴女それがどう言うことかわかっているのかしら」
「平民上がりの方には貴族の常識がまだわからないのかしら?平民なら平民らしく平民同士で仲良くしていたら良いのに」
ゲームで見た光景と同じように、階段の上でメアリーが複数の令嬢に絡まれている。
ゲームと違うのは取り囲んでいるのは王子の婚約者とその取り巻きではなく、モブの令嬢である。
うーん。
これは…王子の好感度が低いから?それともイベントは関係なくて、メアリーが手当たり次第に子息を誑かしているから?
周りを見回しても攻略対象はいないし、彼女を助けようという子息もいない。
まずいっ‼︎
ゲームと同じであれば興奮したご令嬢に肩を押されてメアリーが階段から落ちてしまう。
ゲームであれば、駆けつけた攻略対象がメアリーの手を引いて助け上げて二人の親密度があがるのだけど…
攻略対象・・・王子?ジェイデン?騎士のランスロット?
誰も近づいてくる気配がない。
このままではメアリーが階段を落ちて大怪我をしてしまう。
怪我をする事が予想できるのに無視することはできない…早く誰か来てくれ…
考えるより先に身体が動いていた。
ご令嬢に肩を押されて階段を落ちるメアリーの腕を掴み引き上げた。
間に合った、俺、すごいっ、と安堵したと思ったら、身体が宙に放り出されてしまった。
しまったーー!体格がひょろひょろの俺ではメアリーを支えきれなかった。
メアリーが無事階段の上で座り込んでいるのを目の端で確認しながらこれから起こる衝撃に備え、身体を丸め目を閉じた。
「・・・!!!」
衝撃は訪れなかった。
いつの間にか階段下に駆けつけていたジェイデンのがっしりとした腕で受け止められていた。
「間に合った…」
ジェイデンの手も口も震えており、いつも涼しげな瞳は潤んでおり今にも泣き出しそうな顔をしている。
「ジェイデン様…」
「メアリー嬢の騒動を聞きつけて来てみれば、君が……無事でよかった」
震える身体で俺をギュッと抱きしめて離さないジェイデン。
「ジェイデン、後は私がやっておくので、2人はべつのところで話しておくがよい」
エリオット王子もジェイデンと一緒に駆けつけていたらしい。他にも風紀委員が駆けつけてバタバタと慌ただしい。
ジェイデンは王子へ礼をすると、俺を軽々と横抱きにしたままその場を後にした。
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