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悪役令嬢の思惑と阻止
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「お兄様、明日パーティー後殿下がお兄様との面会を希望されてますが、お時間はよろしいですか?」
ツンとした表情で俺に話しかけてくる悪役令嬢ロザンヌ。
やっぱり性格悪そうな顔つきしてるわ。
ゲームでは、カサンドラに陰湿なイジメをして婚約者の王子から嫌われてるんだよな。
この話ってのも婚約解消の相談ってやつで…
追い詰められた粘着質なロザンヌは、我が家に向かう馬車の中で王子に睡眠薬飲ませるんだよな。
屋敷に到着して眠りにつく王子にロザンヌが襲いかかって…
その動きに気づいた侍従に取り押さえられるんだよな。
それにしても、貴族の令嬢が既成事実に持ち込むって、さすが成人向けゲームだ。
ロザンヌは王子に薬を盛ったことがバレて処刑されるんだよな。
オスカーの関与の証拠はみつからなかったため、侯爵家取り潰し後オスカーは平民となった。
でも、日頃の行いの悪さから、平民落ちした後にずっとオスカーに恨みを抱いていた元貴族に刺されて死ぬんだよな。
って…明日って言った?
これは…詰みましたな…
破滅へのカウントダウンがはじまっている…
*
「オスカー様、ご予定より早く馬車が到着いたしましたがいかがされますか」
きたぁー。
たしかに予定より1時間も早い。
ふうっ… ゲームでトラブルが起こることは予め知っていたけど…
やっぱりオスカーは冷酷だけど優秀でできる男だ。
そのおかげでトラブル回避して無事この時間に間に合ったんだから、オスカーの記憶と能力に感謝だよ。
「あぁ、問題ない。私が応対しよう」
早く到着することはゲームで知ってたもんね。
玄関でサディアス王子を迎える。
サディアス王子は綺麗になびく黄金の髪、吸い込まれそうな碧い瞳、細身ながらも程よく筋肉がつき、繊細で気品に溢れている。
どこから見てもプリンス、貴公子。
ま、ゲームでも大人気だったもんなぁ。
なんかこういう生まれながらの勝者って嫌いだなぁ。
ああ、どうせ恵まれた人生を歩んでるんだろうなぁ…
ケッ…
俺は捻くれている。
自分でもわかっている。
だって、転生してすぐ死んでしまう運命って辛い…
その元凶が恵まれてて、しかも愛するヒロインと身分差乗り越えて幸せまで掴もうとしてるなんてさ…
こう…どこまでも不幸な俺がいるのに…
当然のように恵まれた人生を歩むやつがいるなんて…
「ようこそお越しいただきました、殿下」
「あぁ、オスカー。忙しいところ、時間を割いてもらってすまない」
えぇ、そうですよ。俺には時間がないんですよ…
何せカウントダウン中ですからね。
あっ、いいこと考えた‼︎
どうせ滅びるなら…
「おおおおお…お兄様…どうしてここに…?」
あぁ、まだ帰ってないと踏んでたな。
ロザンヌよ、動揺が声に出てるよ。
そんなに狼狽してると王子が不審に思ってしまうぞ。
「ロザンヌ、どうした?顔色が悪いぞ…
私と殿下2人で大切な話をするので、お前は少し自室で休んでいなさい。また後で声をかけるから」
「いいえ…大丈夫です…でも」
なんだかんだと抵抗する素振りをしていたが、ロザンヌは俺が命じた執事によって引きずられるように部屋へ向かった。
ツンとした表情で俺に話しかけてくる悪役令嬢ロザンヌ。
やっぱり性格悪そうな顔つきしてるわ。
ゲームでは、カサンドラに陰湿なイジメをして婚約者の王子から嫌われてるんだよな。
この話ってのも婚約解消の相談ってやつで…
追い詰められた粘着質なロザンヌは、我が家に向かう馬車の中で王子に睡眠薬飲ませるんだよな。
屋敷に到着して眠りにつく王子にロザンヌが襲いかかって…
その動きに気づいた侍従に取り押さえられるんだよな。
それにしても、貴族の令嬢が既成事実に持ち込むって、さすが成人向けゲームだ。
ロザンヌは王子に薬を盛ったことがバレて処刑されるんだよな。
オスカーの関与の証拠はみつからなかったため、侯爵家取り潰し後オスカーは平民となった。
でも、日頃の行いの悪さから、平民落ちした後にずっとオスカーに恨みを抱いていた元貴族に刺されて死ぬんだよな。
って…明日って言った?
これは…詰みましたな…
破滅へのカウントダウンがはじまっている…
*
「オスカー様、ご予定より早く馬車が到着いたしましたがいかがされますか」
きたぁー。
たしかに予定より1時間も早い。
ふうっ… ゲームでトラブルが起こることは予め知っていたけど…
やっぱりオスカーは冷酷だけど優秀でできる男だ。
そのおかげでトラブル回避して無事この時間に間に合ったんだから、オスカーの記憶と能力に感謝だよ。
「あぁ、問題ない。私が応対しよう」
早く到着することはゲームで知ってたもんね。
玄関でサディアス王子を迎える。
サディアス王子は綺麗になびく黄金の髪、吸い込まれそうな碧い瞳、細身ながらも程よく筋肉がつき、繊細で気品に溢れている。
どこから見てもプリンス、貴公子。
ま、ゲームでも大人気だったもんなぁ。
なんかこういう生まれながらの勝者って嫌いだなぁ。
ああ、どうせ恵まれた人生を歩んでるんだろうなぁ…
ケッ…
俺は捻くれている。
自分でもわかっている。
だって、転生してすぐ死んでしまう運命って辛い…
その元凶が恵まれてて、しかも愛するヒロインと身分差乗り越えて幸せまで掴もうとしてるなんてさ…
こう…どこまでも不幸な俺がいるのに…
当然のように恵まれた人生を歩むやつがいるなんて…
「ようこそお越しいただきました、殿下」
「あぁ、オスカー。忙しいところ、時間を割いてもらってすまない」
えぇ、そうですよ。俺には時間がないんですよ…
何せカウントダウン中ですからね。
あっ、いいこと考えた‼︎
どうせ滅びるなら…
「おおおおお…お兄様…どうしてここに…?」
あぁ、まだ帰ってないと踏んでたな。
ロザンヌよ、動揺が声に出てるよ。
そんなに狼狽してると王子が不審に思ってしまうぞ。
「ロザンヌ、どうした?顔色が悪いぞ…
私と殿下2人で大切な話をするので、お前は少し自室で休んでいなさい。また後で声をかけるから」
「いいえ…大丈夫です…でも」
なんだかんだと抵抗する素振りをしていたが、ロザンヌは俺が命じた執事によって引きずられるように部屋へ向かった。
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