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2章 邂逅
450日目その3~手荒い自己紹介と確認と~
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エレベータから降りると、幅10mくらいのレンガ敷のおしゃれな通路が数十m続いていた。
天井までも、20mくらいありそうだ。
道の両脇に5階建ての建物。
1階部分は店舗のように見える。
2階から上は扉。部屋だろうか。
思ったより明るい。
道の突き当りにも建物とだだっ広い空間が見える。
各階から人が見ている。
38人。…1人足りないな。
表情は様々だ。
無表情の奴から、ニコニコしている奴。心配そう?不安そうな奴。
ニヤニヤしている奴らも居る。
駆「付いてこい。」
風嵐兄妹が歩き出す。
俺は足を止める。
水元も止まる。
水元「火火野さん?」
火火野「…ここは、能力使い放題か?」
駆「?いや、この居住区での能力使用は基本ダメだが。」
火火野「そうか。」
と言うと。
ドドドン!!
一瞬で4階のニヤニヤしていた奴らの所に飛び。
ドンッ
襟元を捻じり上げ壁に叩きつける。
ニヤニヤ1「グォッ!」
火火野「お前、能力使ったろ?禁止区域で。つまり俺達に危害を加えようとした訳だ。じゃぁ、俺達も同じことしていいよな?」
と殴り掛かるように拳を引く。
ニヤニヤ2「ちょっちょちょ…」
ニヤニヤしていたもう一人は突然の事に、あたふたしている。
その時。
スッ
っと手が割って入ってくる。
手の出てきた方向を見ると、無表情の男が立っていた。
さっき確認した感じでは、4階の少し離れたとこにいたと思ったが、速いな。
無表情「…すまない。私の管理不行き届きだ。収めてくれないか。」
色が出ていない。
この状況で能力を使う気がないようだ。
火火野「…分かった。」
と、掴まえていた手を放す。
ドスン
と廊下に尻を打つ。
俺は踵(きびす)を返し、4階から飛び降りようとする。
ニヤニヤ1「…テメェ!!こんなことしていいと思ってんのか!!俺は水の序列4位だぞ!」
俺は振り返り。ニヤニヤ1を見据えて。
火火野「で?」
ニヤニヤ1「グヌヌッ。…月末、覚えてろ!!」
と、捨て台詞を残し、ニヤニヤ2と退散する。
俺は4階から飛び降りる。
火火野「水元、風嵐の真後ろに付いて歩け。」
水元「…うっす。」
水元は不思議そうな顔をしながら、風嵐の真後ろを歩き、俺の所まで来る。
水元「なんで、真後ろを歩かせたんです?」
火火野「見てな。」
道端に落ちていた石を拾うと、エレベータの俺達が立っていた前ら辺に投げる。
ボチャッ
水元「沼!?」
火火野「まぁ、落とし穴だろうな。悪戯だよ。」
エレベータのど真ん中は、そのままで、両脇を沼みたいにしている。
ニヤニヤ1が水と言っていた、ということはニヤニヤ2が土の能力者で、合わせ技で作った落とし穴だろう。
駆「また、やったな。アイツ等。すまんな。」
火火野「別に。上でのっぺらな兄ちゃんにも謝られたし、被害もないしな。」
やっぱり、何回もやってやがったか。ということは…まぁ、後から確認だな。
雷華の方は、何か含んだ表情をしている。
雷華「じゃ、先に行きましょう。長官が待ってます。」
火火野「あぁ。」
道の先にある建物に行く。
2重扉になっている自動ドアを抜け、建物内に入る。
カッカッカッ…
?この音?
??「ようこそ、能力者の園。SWEET(スウィート)へ!」
スウィート…って。
雷華「ただいま戻りました。長官。」
こ、この人が長官。
想像と違い過ぎて反応ができない。
黒いハイヒール、軍服のような膝丈スカートのスーツ。黒髪ロング。眼鏡付き。
身長170cmを超えている長身。まだ、若い…よな。
の、女!!
長官「申し遅れました、この組織の長官をさせていただいています。『夢野 叶(ユメノ カナエ)』と申します。」
まだ、唖然としている。水元も。
夢野「あの?何か?」
火火野「いや!何もないです。」
水元「同じく、何もありません。」
キョトン。という反応をしている。
この人は天然なのだろう。
夢野「では、改めて。ようこそSWEETへ。私たちはあなた方を歓迎します。」
火火野「あの、えっと、スウィート?」
夢野「部屋にパンフレットを配布しておきましたが、『Supernatural poWer EducatE Team』から取っています。かわいいでしょう?意味は、”超能力を訓練する部隊”となります。良い名前でしょう?」
火火野&水元「…はい。」
それ以外の言葉が出ない。
夢野「では、駆くんから説明されているでしょうが、もう少し組織について詳しく説明しましょう。」
・火は9名。水は10名。風は10名。土は10名。(火火野と水元含む)
・月に1回大会を催していて、その結果からある程度の序列を定めている。
・序列は能力毎。今後、作戦に従事する際に活用を予定。
・基本的な活動は、能力者の育成と捜索。能力者による有事の際の対応、対抗。
夢野「といったところかしら。」
火火野「一個確認しときたいんですが。」
夢野「どうぞ。」
火火野「俺達、犯罪者ですよね?大丈夫なんですか。」
水元が俯く。
夢野「確かに。暴行を行ったように思われますが、そんな事実は”なかった”ことになります。簡単に言うと、皆に忘れてもらいました。お薬で。」
自然と口が開く。
夢野「もう慣れちゃいましたが、最初は本当にできるのかと思いましたよ。お薬を用いた記憶のすり替えをします。事情聴取の時に上手にね。」
は…犯罪では。と思うが、何も言えねぇ。
さすが政府直轄の機関だ。いや、だからこそダメなのでは…
深くは考えない方が良さそうだ。
火火野「で、今集まっている人たちは?」
部屋には、俺と水元、雷華、長官の他に3名。
さっきの事件で謝ってきた無表情と、暑苦しそうな体格の良い男、スレンダーな体系のショートヘアの女性。
無表情「『里水 冷(サトミ レイ)』だ。水の能力を使える。さっきはすまなかったな。」
急に自己紹介が始まった。
スレンダー「『天岩 土筆(アマイワ ツクシ)』よ。土の能力者よ。よろしくね。」
暑苦しい「『不知火 豪(シラヌイ ツヨシ)』だ!さっきの一件、痛快だったぞ!月末も楽しみだ。ハッハッハ!!」
不知火は見たまんまの性格みたいだ。
里水と天岩は、まだよくわからないが、人当たりは悪くなさそうだ。
水元と俺も自己紹介を済ませる。
夢野「彼らが各能力の序列1位になります。とりあえず、分からないことがあれば、里水君、不知火君に聞けばいいわ。」
火火野「分かりました。ついでに聞きたいのですが、俺らの今の仕事はどうなります?」
夢野「辞めてもらうわ。問題ある?」
水元「…いや、ありません。」
長官はニッコリする。
まぁ、俺と水元にとってはありがたいが、残っているメンバーには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
火火野「細かい所は追々聞きますが、今月の大会っていつからですか?」
夢野「今3日だから、今月のOSLC(オシルコ)は、25日後の28日から開始ね。」
火火野「お…お汁粉??」
夢野「Order SettLement Contest。”序列を決める大会”よ。私が考えたの。」
ニッコリする。
俺と水元は思った。
本当に大丈夫だろうか。この組織。
夢野「駆君。水元君を水の寮まで案内お願いね。」
扉の外で待機していた駆がスッと入ってくる。
駆「了解。付いてこい。」
水元「あ、はい。」
夢野「火火野君は、ちょっと居残りね。」
俺は、静かに頷く。
何を聞かれるか。心当たりはある。
今日は、まだまだ終わらない。
天井までも、20mくらいありそうだ。
道の両脇に5階建ての建物。
1階部分は店舗のように見える。
2階から上は扉。部屋だろうか。
思ったより明るい。
道の突き当りにも建物とだだっ広い空間が見える。
各階から人が見ている。
38人。…1人足りないな。
表情は様々だ。
無表情の奴から、ニコニコしている奴。心配そう?不安そうな奴。
ニヤニヤしている奴らも居る。
駆「付いてこい。」
風嵐兄妹が歩き出す。
俺は足を止める。
水元も止まる。
水元「火火野さん?」
火火野「…ここは、能力使い放題か?」
駆「?いや、この居住区での能力使用は基本ダメだが。」
火火野「そうか。」
と言うと。
ドドドン!!
一瞬で4階のニヤニヤしていた奴らの所に飛び。
ドンッ
襟元を捻じり上げ壁に叩きつける。
ニヤニヤ1「グォッ!」
火火野「お前、能力使ったろ?禁止区域で。つまり俺達に危害を加えようとした訳だ。じゃぁ、俺達も同じことしていいよな?」
と殴り掛かるように拳を引く。
ニヤニヤ2「ちょっちょちょ…」
ニヤニヤしていたもう一人は突然の事に、あたふたしている。
その時。
スッ
っと手が割って入ってくる。
手の出てきた方向を見ると、無表情の男が立っていた。
さっき確認した感じでは、4階の少し離れたとこにいたと思ったが、速いな。
無表情「…すまない。私の管理不行き届きだ。収めてくれないか。」
色が出ていない。
この状況で能力を使う気がないようだ。
火火野「…分かった。」
と、掴まえていた手を放す。
ドスン
と廊下に尻を打つ。
俺は踵(きびす)を返し、4階から飛び降りようとする。
ニヤニヤ1「…テメェ!!こんなことしていいと思ってんのか!!俺は水の序列4位だぞ!」
俺は振り返り。ニヤニヤ1を見据えて。
火火野「で?」
ニヤニヤ1「グヌヌッ。…月末、覚えてろ!!」
と、捨て台詞を残し、ニヤニヤ2と退散する。
俺は4階から飛び降りる。
火火野「水元、風嵐の真後ろに付いて歩け。」
水元「…うっす。」
水元は不思議そうな顔をしながら、風嵐の真後ろを歩き、俺の所まで来る。
水元「なんで、真後ろを歩かせたんです?」
火火野「見てな。」
道端に落ちていた石を拾うと、エレベータの俺達が立っていた前ら辺に投げる。
ボチャッ
水元「沼!?」
火火野「まぁ、落とし穴だろうな。悪戯だよ。」
エレベータのど真ん中は、そのままで、両脇を沼みたいにしている。
ニヤニヤ1が水と言っていた、ということはニヤニヤ2が土の能力者で、合わせ技で作った落とし穴だろう。
駆「また、やったな。アイツ等。すまんな。」
火火野「別に。上でのっぺらな兄ちゃんにも謝られたし、被害もないしな。」
やっぱり、何回もやってやがったか。ということは…まぁ、後から確認だな。
雷華の方は、何か含んだ表情をしている。
雷華「じゃ、先に行きましょう。長官が待ってます。」
火火野「あぁ。」
道の先にある建物に行く。
2重扉になっている自動ドアを抜け、建物内に入る。
カッカッカッ…
?この音?
??「ようこそ、能力者の園。SWEET(スウィート)へ!」
スウィート…って。
雷華「ただいま戻りました。長官。」
こ、この人が長官。
想像と違い過ぎて反応ができない。
黒いハイヒール、軍服のような膝丈スカートのスーツ。黒髪ロング。眼鏡付き。
身長170cmを超えている長身。まだ、若い…よな。
の、女!!
長官「申し遅れました、この組織の長官をさせていただいています。『夢野 叶(ユメノ カナエ)』と申します。」
まだ、唖然としている。水元も。
夢野「あの?何か?」
火火野「いや!何もないです。」
水元「同じく、何もありません。」
キョトン。という反応をしている。
この人は天然なのだろう。
夢野「では、改めて。ようこそSWEETへ。私たちはあなた方を歓迎します。」
火火野「あの、えっと、スウィート?」
夢野「部屋にパンフレットを配布しておきましたが、『Supernatural poWer EducatE Team』から取っています。かわいいでしょう?意味は、”超能力を訓練する部隊”となります。良い名前でしょう?」
火火野&水元「…はい。」
それ以外の言葉が出ない。
夢野「では、駆くんから説明されているでしょうが、もう少し組織について詳しく説明しましょう。」
・火は9名。水は10名。風は10名。土は10名。(火火野と水元含む)
・月に1回大会を催していて、その結果からある程度の序列を定めている。
・序列は能力毎。今後、作戦に従事する際に活用を予定。
・基本的な活動は、能力者の育成と捜索。能力者による有事の際の対応、対抗。
夢野「といったところかしら。」
火火野「一個確認しときたいんですが。」
夢野「どうぞ。」
火火野「俺達、犯罪者ですよね?大丈夫なんですか。」
水元が俯く。
夢野「確かに。暴行を行ったように思われますが、そんな事実は”なかった”ことになります。簡単に言うと、皆に忘れてもらいました。お薬で。」
自然と口が開く。
夢野「もう慣れちゃいましたが、最初は本当にできるのかと思いましたよ。お薬を用いた記憶のすり替えをします。事情聴取の時に上手にね。」
は…犯罪では。と思うが、何も言えねぇ。
さすが政府直轄の機関だ。いや、だからこそダメなのでは…
深くは考えない方が良さそうだ。
火火野「で、今集まっている人たちは?」
部屋には、俺と水元、雷華、長官の他に3名。
さっきの事件で謝ってきた無表情と、暑苦しそうな体格の良い男、スレンダーな体系のショートヘアの女性。
無表情「『里水 冷(サトミ レイ)』だ。水の能力を使える。さっきはすまなかったな。」
急に自己紹介が始まった。
スレンダー「『天岩 土筆(アマイワ ツクシ)』よ。土の能力者よ。よろしくね。」
暑苦しい「『不知火 豪(シラヌイ ツヨシ)』だ!さっきの一件、痛快だったぞ!月末も楽しみだ。ハッハッハ!!」
不知火は見たまんまの性格みたいだ。
里水と天岩は、まだよくわからないが、人当たりは悪くなさそうだ。
水元と俺も自己紹介を済ませる。
夢野「彼らが各能力の序列1位になります。とりあえず、分からないことがあれば、里水君、不知火君に聞けばいいわ。」
火火野「分かりました。ついでに聞きたいのですが、俺らの今の仕事はどうなります?」
夢野「辞めてもらうわ。問題ある?」
水元「…いや、ありません。」
長官はニッコリする。
まぁ、俺と水元にとってはありがたいが、残っているメンバーには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
火火野「細かい所は追々聞きますが、今月の大会っていつからですか?」
夢野「今3日だから、今月のOSLC(オシルコ)は、25日後の28日から開始ね。」
火火野「お…お汁粉??」
夢野「Order SettLement Contest。”序列を決める大会”よ。私が考えたの。」
ニッコリする。
俺と水元は思った。
本当に大丈夫だろうか。この組織。
夢野「駆君。水元君を水の寮まで案内お願いね。」
扉の外で待機していた駆がスッと入ってくる。
駆「了解。付いてこい。」
水元「あ、はい。」
夢野「火火野君は、ちょっと居残りね。」
俺は、静かに頷く。
何を聞かれるか。心当たりはある。
今日は、まだまだ終わらない。
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