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4章 ダイジケン発生
509日目その3~国会議事堂を奪還せよ!!(侵入と遭遇と圧倒と)~
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地下道の入口でふと考える。
おいおい、国会議事堂までどれだけの距離があると思ってんだ?
全員そう考えたようで、顔を見合わせる。
夢野は、早く行け。くらいの表情だ。
火火野「…合わせ技で行くか?」
里水「しかないだろうな。」
火火野「長官、これ一本道なんですよね?」
夢野「そうよ?…あートイレの心配?10km毎にあるから心配ないわよ?上水道も引いているし自販機もあるから水分も大丈夫よ。」
天岩「サービスエリアみたいなもんか。」
雷華「ですねぇ…」
火火野「…まぁ、行くか。里水、道を。土筆、乗り物を。雷華、フロント浮かせて、風よけて。俺が推進力を生むから。」
里水&雷華&天岩「了解。」
里水が氷で道を作り、天岩がそりのような乗り物を。雷華が少し前部分を浮かせる。
ちゃんと背もたれのある椅子付きで、俺の爆破を受ける部分は強度を考えて岩で作っている。
火火野「よし!行くぞ!!」
夢野「頑張ってね!!GO!GO!」
ドンッ!ドンッ!…
俺の爆発で乗り物はどんどん加速していく。
…百数十kmは軽く超えていて、景色が吹き飛んでいく。
能力者の動体視力じゃないとヤバいし、雷華が風圧をよけてくれていなければ、まともの前を向けてすらいないだろう。
火火野「ひゃーはーっ!!」
里水「これは、中々。」
天岩「すごーい!」
雷華「皆楽しそうだけど、風よけは地味に大変なんですよ?」
火火野「雷華、サンキュ。助かるわ。」
俺は雷華にウインクする。
雷華「ま、余裕ですけど?」
雷華はまんざらでもなさそうだ。
俺は、声色を落として雰囲気を変える。
火火野「…もし、万が一があったら、俺がやるから。」
3人が今さっきのジェットコースターのノリから、真剣な表情に変わる。
里水「そういう訳にはいかない。」
天岩「夢野んも言ったじゃん、その時の判断でって。」
雷華「そうですよ。火火野さんに押し付ける訳にはいきません。」
俺は、少し俯きながら続ける。
火火野「人を殺めたことは皆ないだろう?どれだけの十字架を背負うことになるか、想像つくか?それが一生続くんだぞ?」
3人は、考え込んでいるようだ。
雷華「火火野さんだって、ないでしょ!?」
…返しをする前に、少し先に扉のような物が目に入る。
火火野「…どうやって止まる?」
天岩「考えてなかったの?」
火火野「あー…」
里水「適任は俺だろうな。」
そう言うと、大きな水の塊りを出現させる。
おいおい、100kmで衝突すると水はコンクリートって聞いたことあるんだが?
雷華「私も手伝いましょう。」
風で減速させる。
天岩「私もブレーキかけるよー掴まって衝撃に注意!」
ガガガガガ!!
まぁまぁの衝撃!
直後に。
ドボッ!!
水に突っ込む。
少しして、
バッシャー
と水が形を崩した。
火火野「ふーなんとか止まったな。ビッショビショだが。」
天岩「止まるのに役立たずだったんだから、乾かすのくらいやってよ。」
火火野「もちろん。雷華、手伝ってくれ。」
雷華は頷き、火と風の合わせ技で即席ドライヤー?服乾燥機の完成だ。
数10秒で服は乾く。
火火野「さてと、雷華、索敵ヨロシク。」
雷華「…」
火火野「雷華?」
雷華「私は、納得できません。この能力に目覚めた時から、ある程度の覚悟は…」
俺は、手を雷華の前に出して言葉を遮る。
火火野「俺は、もう背負ってるから。」
笑顔で、雷華にそう伝える。
3人にその笑顔がどう映ったかは分からない。
火火野「索敵お願い。」
雷華「…分かりました。」
そう言うと、風を飛ばす。
相変わらず色が視えてから発動までが流麗で速い。
まぁ他の2人もそうだが。
雷華「星は、10人ですね。能力者は2人です。本物かどうかはわかりませんが、能力者以外の星は銃火器を所持していますね。」
火火野「配置は?」
雷華「能力者の1人は、大きめの部屋に1人だけでいますね。もう一人は…多分衆議院の議場で首相と2人きりです。銃火器を持った8人は各通路2人ずつ配置されていますね。この扉は出たら階段で地上まで行くことになり、そこにある扉を出たら、銃火器持ち2人と出会う可能性があります。」
火火野「分かった。1人だけの所に俺が行こう。3人で首相の救助を頼む。」
雷華は少し不安そうな顔をする。
火火野「大丈夫だよ。俺だけなら万が一は無い。そっちの方が気をつけろよ。自暴自棄になったら、何するか分からんぞ?」
里水「あぁ。この3人なら、何にでも対応できるだろう。」
火火野「違いない。」
ー時は少し戻りー
衆議院の議場に10人の男たち。
火村「さてと。ここまでは予定通りだな。」
波風「本番はここからだな。来ると思うか?」
火村「そりゃぁくるだろ。首相をさらったんだぜ。来なけりゃ、政府は超能力者を飼っていないって事になる。」
波風「確かに。」
この二人は、火村 貫悟(ヒムラ カンゴ)と波風 凪(ナミカゼ ナギ)。
この事件の首謀者だ。
他の8人は2人の意志に同調した友人(のようなもの)だ。
火村「多分、首相を奪還に来るのは、俺達みたいな超能力者だ。その場合は、抵抗せず銃を捨てて投降してくれ。多分、問答無用で危害を加えては来ないだろ。」
他8人「了解。」
他1「リーダ達はどうするんだ?」
火村「ん?もちろん戦うさ。まぁ、一番は話して仲間になってくれりゃいいけど…まぁ、難しいだろ。だから、力ずくになるだろうな。」
他1「相手の方が強かったら?」
波風「ふっ。俺達の力を見ただろう?相手が余程の手練れでもない限り、負けないさ。」
他2「…あんたらならやれると信じてる。この国を変えてくれ!」
火村「あぁ。必ず変えるぞ、この腐った国を!」
他8人「おぉ!!」
ー現在に戻るー
扉を開け、階段と対峙する。
火火野「覚悟していたが、長いなー」
里水「お前なら一瞬だろう。」
俺は、ニヤッと返す。
火火野「が、同時に進めないと、首相に危害が…加わることは無いか。」
天岩「なんでだよ?。」
里水「この事件の裏だな?」
火火野「あぁ。」
天岩「だから、なんでだよ。」
火火野「この事件を起こした理由は、多分だが。仲間集めだ。」
天岩「!そうか。首相を誘拐すれば、強い能力者が集まる。」
火火野「その通り。政府が能力者を集めていれば、な。」
雷華「理由が仲間集めならば、人質を無下にすることはないと?」
火火野「まぁ、全部推測だから、安全策で同時に地上に出よう。」
里水&雷華&天岩「了解。」
地上まで50mほどか。
能力者の身体能力なら1分程度だ。
扉の前で、一呼吸置く。
俺は、GOの指示を手でだす。
扉から飛び出し、俺は1人の能力者の方へ向かう。
他の3人は衆議院議会場へ。
俺も、他の3人も人間を見たが、銃を置き両手を挙げて白旗状態だった。
能力者に連絡を取る素振りすらない。
俺達は、雷華の風で常にコミュニケーションを取れる状態になっていた。
火火野「やっぱり、推測が当たりだな。」
雷華「そのようですね。そちらの方が、先に着きそうですね。…お気をつけて。」
火火野「…あぁ。」
俺は、ある扉の前に立ち、その扉を静かに開ける。
火村「やっぱり、政府は能力者を飼ってたか。」
若い。20代前半のジーパンに真っ赤なダウンジャケットといったカジュアルな服装をしたの茶髪の男が豪勢な椅子に腰かけていた。
机は事前に部屋の両端に置かれている。
戦闘の邪魔になることを嫌ったのだろうか。
火火野「お前が首謀者か?」
火村「あぁ。俺がリーダーだ。」
火火野「…目的は仲間集めだろ?」
火村は、こちらを品定めしているような目で見てくる。
火村「ご明察。…あんたは、この国と未来をどう思う。先があると思うか?」
火火野「…俺は今のことだけで精一杯だ。この国の行く末なんて考える余裕は無いね。」
火村「嘘だな。あんたのその眼は…俺の相棒と同じ色をしている。全てに絶望したことのある色だ。」
俺は、少し、ほんの少し動揺した。
火火野「ほう…会ってみたいな。その相棒とやらに。」
火村「俺たちの仲間になれば、会えるさ。どうだ、この国を一緒に変えないか。」
火火野「無いよ。俺は、お前たちほど、この国に絶望しちゃいない。ま、期待もしてないがな。」
火村「…そうか、残念だ。力ずくになるのは嫌だったんだがな。」
火火野「…一つ聞くが、能力が開花してからどれくらいだ?」
火村「?2か月くらいだが?」
火火野「そうか。相棒とやらより、お前は強いのか?」
火村「あぁ…いや、本当はアイツの方が強いんだろうな…」
火村は少し悲しげな表情を見せる。
火火野「優しい相棒を持ったもんだな…だが、知っているか?この世の中には想像できないようなバケモンが居るんだぜ?」
火村「フン!やる前から、勝ったつもりか!!」
火村は腰を落とし、両拳を腰の辺りで握り戦闘態勢に入る。
拳に色も見える。
火火野~その身は炎に包まれて その羽ばたきは全てを焼き尽くす~
火村「お前も、”それ”が出来るのか!?」
火火野「へぇ。お前も使えるなら使ってもいいぞ?お前が何をやったところで、俺には届かない。」
火村「もし、弱かったらと思って気を使って損したぜ!」
でも、コイツも2か月程度で詠唱が使えるのか…ちょっと…いや、かなり俺って…
火村~燃えて燃えろ 拳よ燃えろ 全てを焦がして焼き尽くせ~
火村~バーンナックル!!~
火村の拳から火球が放たれる。
まぁ、まぁの大きさだ。
火火野~奥義 滅の段 鳳凰創成~
ブワッ!!
と炎の風が巻き起こり、火村が放った火球を掻き消した。
火村は腕で顔を覆い、熱風をガードする。
腕を下げた、火村は巨大な火の鳥を目にする。
火村「ま…マジかよ。」
火の鳥を撫でながら、俺は聞く。
火火野「まだやるか?」
ーその頃、衆議院議会場ー
天岩「蹴破るよ!」
雷華「念のため、首相には風のガードをしておきます。」
ブワァ
首相の周りに風が巻き起こる。
波風「やっと来たね…」
ドカンっ!!
3人が衆議院議会場に突入した。
雷華はそこに居た男と目が合った瞬間にハッとする。
雷華「火火野さんと…」
おいおい、国会議事堂までどれだけの距離があると思ってんだ?
全員そう考えたようで、顔を見合わせる。
夢野は、早く行け。くらいの表情だ。
火火野「…合わせ技で行くか?」
里水「しかないだろうな。」
火火野「長官、これ一本道なんですよね?」
夢野「そうよ?…あートイレの心配?10km毎にあるから心配ないわよ?上水道も引いているし自販機もあるから水分も大丈夫よ。」
天岩「サービスエリアみたいなもんか。」
雷華「ですねぇ…」
火火野「…まぁ、行くか。里水、道を。土筆、乗り物を。雷華、フロント浮かせて、風よけて。俺が推進力を生むから。」
里水&雷華&天岩「了解。」
里水が氷で道を作り、天岩がそりのような乗り物を。雷華が少し前部分を浮かせる。
ちゃんと背もたれのある椅子付きで、俺の爆破を受ける部分は強度を考えて岩で作っている。
火火野「よし!行くぞ!!」
夢野「頑張ってね!!GO!GO!」
ドンッ!ドンッ!…
俺の爆発で乗り物はどんどん加速していく。
…百数十kmは軽く超えていて、景色が吹き飛んでいく。
能力者の動体視力じゃないとヤバいし、雷華が風圧をよけてくれていなければ、まともの前を向けてすらいないだろう。
火火野「ひゃーはーっ!!」
里水「これは、中々。」
天岩「すごーい!」
雷華「皆楽しそうだけど、風よけは地味に大変なんですよ?」
火火野「雷華、サンキュ。助かるわ。」
俺は雷華にウインクする。
雷華「ま、余裕ですけど?」
雷華はまんざらでもなさそうだ。
俺は、声色を落として雰囲気を変える。
火火野「…もし、万が一があったら、俺がやるから。」
3人が今さっきのジェットコースターのノリから、真剣な表情に変わる。
里水「そういう訳にはいかない。」
天岩「夢野んも言ったじゃん、その時の判断でって。」
雷華「そうですよ。火火野さんに押し付ける訳にはいきません。」
俺は、少し俯きながら続ける。
火火野「人を殺めたことは皆ないだろう?どれだけの十字架を背負うことになるか、想像つくか?それが一生続くんだぞ?」
3人は、考え込んでいるようだ。
雷華「火火野さんだって、ないでしょ!?」
…返しをする前に、少し先に扉のような物が目に入る。
火火野「…どうやって止まる?」
天岩「考えてなかったの?」
火火野「あー…」
里水「適任は俺だろうな。」
そう言うと、大きな水の塊りを出現させる。
おいおい、100kmで衝突すると水はコンクリートって聞いたことあるんだが?
雷華「私も手伝いましょう。」
風で減速させる。
天岩「私もブレーキかけるよー掴まって衝撃に注意!」
ガガガガガ!!
まぁまぁの衝撃!
直後に。
ドボッ!!
水に突っ込む。
少しして、
バッシャー
と水が形を崩した。
火火野「ふーなんとか止まったな。ビッショビショだが。」
天岩「止まるのに役立たずだったんだから、乾かすのくらいやってよ。」
火火野「もちろん。雷華、手伝ってくれ。」
雷華は頷き、火と風の合わせ技で即席ドライヤー?服乾燥機の完成だ。
数10秒で服は乾く。
火火野「さてと、雷華、索敵ヨロシク。」
雷華「…」
火火野「雷華?」
雷華「私は、納得できません。この能力に目覚めた時から、ある程度の覚悟は…」
俺は、手を雷華の前に出して言葉を遮る。
火火野「俺は、もう背負ってるから。」
笑顔で、雷華にそう伝える。
3人にその笑顔がどう映ったかは分からない。
火火野「索敵お願い。」
雷華「…分かりました。」
そう言うと、風を飛ばす。
相変わらず色が視えてから発動までが流麗で速い。
まぁ他の2人もそうだが。
雷華「星は、10人ですね。能力者は2人です。本物かどうかはわかりませんが、能力者以外の星は銃火器を所持していますね。」
火火野「配置は?」
雷華「能力者の1人は、大きめの部屋に1人だけでいますね。もう一人は…多分衆議院の議場で首相と2人きりです。銃火器を持った8人は各通路2人ずつ配置されていますね。この扉は出たら階段で地上まで行くことになり、そこにある扉を出たら、銃火器持ち2人と出会う可能性があります。」
火火野「分かった。1人だけの所に俺が行こう。3人で首相の救助を頼む。」
雷華は少し不安そうな顔をする。
火火野「大丈夫だよ。俺だけなら万が一は無い。そっちの方が気をつけろよ。自暴自棄になったら、何するか分からんぞ?」
里水「あぁ。この3人なら、何にでも対応できるだろう。」
火火野「違いない。」
ー時は少し戻りー
衆議院の議場に10人の男たち。
火村「さてと。ここまでは予定通りだな。」
波風「本番はここからだな。来ると思うか?」
火村「そりゃぁくるだろ。首相をさらったんだぜ。来なけりゃ、政府は超能力者を飼っていないって事になる。」
波風「確かに。」
この二人は、火村 貫悟(ヒムラ カンゴ)と波風 凪(ナミカゼ ナギ)。
この事件の首謀者だ。
他の8人は2人の意志に同調した友人(のようなもの)だ。
火村「多分、首相を奪還に来るのは、俺達みたいな超能力者だ。その場合は、抵抗せず銃を捨てて投降してくれ。多分、問答無用で危害を加えては来ないだろ。」
他8人「了解。」
他1「リーダ達はどうするんだ?」
火村「ん?もちろん戦うさ。まぁ、一番は話して仲間になってくれりゃいいけど…まぁ、難しいだろ。だから、力ずくになるだろうな。」
他1「相手の方が強かったら?」
波風「ふっ。俺達の力を見ただろう?相手が余程の手練れでもない限り、負けないさ。」
他2「…あんたらならやれると信じてる。この国を変えてくれ!」
火村「あぁ。必ず変えるぞ、この腐った国を!」
他8人「おぉ!!」
ー現在に戻るー
扉を開け、階段と対峙する。
火火野「覚悟していたが、長いなー」
里水「お前なら一瞬だろう。」
俺は、ニヤッと返す。
火火野「が、同時に進めないと、首相に危害が…加わることは無いか。」
天岩「なんでだよ?。」
里水「この事件の裏だな?」
火火野「あぁ。」
天岩「だから、なんでだよ。」
火火野「この事件を起こした理由は、多分だが。仲間集めだ。」
天岩「!そうか。首相を誘拐すれば、強い能力者が集まる。」
火火野「その通り。政府が能力者を集めていれば、な。」
雷華「理由が仲間集めならば、人質を無下にすることはないと?」
火火野「まぁ、全部推測だから、安全策で同時に地上に出よう。」
里水&雷華&天岩「了解。」
地上まで50mほどか。
能力者の身体能力なら1分程度だ。
扉の前で、一呼吸置く。
俺は、GOの指示を手でだす。
扉から飛び出し、俺は1人の能力者の方へ向かう。
他の3人は衆議院議会場へ。
俺も、他の3人も人間を見たが、銃を置き両手を挙げて白旗状態だった。
能力者に連絡を取る素振りすらない。
俺達は、雷華の風で常にコミュニケーションを取れる状態になっていた。
火火野「やっぱり、推測が当たりだな。」
雷華「そのようですね。そちらの方が、先に着きそうですね。…お気をつけて。」
火火野「…あぁ。」
俺は、ある扉の前に立ち、その扉を静かに開ける。
火村「やっぱり、政府は能力者を飼ってたか。」
若い。20代前半のジーパンに真っ赤なダウンジャケットといったカジュアルな服装をしたの茶髪の男が豪勢な椅子に腰かけていた。
机は事前に部屋の両端に置かれている。
戦闘の邪魔になることを嫌ったのだろうか。
火火野「お前が首謀者か?」
火村「あぁ。俺がリーダーだ。」
火火野「…目的は仲間集めだろ?」
火村は、こちらを品定めしているような目で見てくる。
火村「ご明察。…あんたは、この国と未来をどう思う。先があると思うか?」
火火野「…俺は今のことだけで精一杯だ。この国の行く末なんて考える余裕は無いね。」
火村「嘘だな。あんたのその眼は…俺の相棒と同じ色をしている。全てに絶望したことのある色だ。」
俺は、少し、ほんの少し動揺した。
火火野「ほう…会ってみたいな。その相棒とやらに。」
火村「俺たちの仲間になれば、会えるさ。どうだ、この国を一緒に変えないか。」
火火野「無いよ。俺は、お前たちほど、この国に絶望しちゃいない。ま、期待もしてないがな。」
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火火野「…一つ聞くが、能力が開花してからどれくらいだ?」
火村「?2か月くらいだが?」
火火野「そうか。相棒とやらより、お前は強いのか?」
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火村は少し悲しげな表情を見せる。
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火村は腰を落とし、両拳を腰の辺りで握り戦闘態勢に入る。
拳に色も見える。
火火野~その身は炎に包まれて その羽ばたきは全てを焼き尽くす~
火村「お前も、”それ”が出来るのか!?」
火火野「へぇ。お前も使えるなら使ってもいいぞ?お前が何をやったところで、俺には届かない。」
火村「もし、弱かったらと思って気を使って損したぜ!」
でも、コイツも2か月程度で詠唱が使えるのか…ちょっと…いや、かなり俺って…
火村~燃えて燃えろ 拳よ燃えろ 全てを焦がして焼き尽くせ~
火村~バーンナックル!!~
火村の拳から火球が放たれる。
まぁ、まぁの大きさだ。
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ブワッ!!
と炎の風が巻き起こり、火村が放った火球を掻き消した。
火村は腕で顔を覆い、熱風をガードする。
腕を下げた、火村は巨大な火の鳥を目にする。
火村「ま…マジかよ。」
火の鳥を撫でながら、俺は聞く。
火火野「まだやるか?」
ーその頃、衆議院議会場ー
天岩「蹴破るよ!」
雷華「念のため、首相には風のガードをしておきます。」
ブワァ
首相の周りに風が巻き起こる。
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