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えん魔さまの選択
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えん魔さまが、わたしを良い人と判断したら天国行きがきまる。
逆に、えん魔さまが、わたしを悪い人と判断したら地獄行きがきまる。
わたしは、交通事故で死んでしまい、今まさにえん魔さまの前で、天国行きか地獄行きかを告げられようとしているのだ。
天国では、天使たちがまっていて、楽しい日々がおくれるという。おいしい食べ物も食べ放題らしい。
地獄では、鬼たちがまっていて、針山をのぼらされたり、火の池に入らなければならない。もちろん、食べ物などはない。だから、ずっと空腹のまますごさなければならない。
えん魔さまは、えん魔帳を閉じた。わたしは、汗だくになり、きんちょうしている。天国行きか、地獄行きか、わたしは手をあわせていのった。
えん魔さまは、口を開く。
「きみ、びみょうだね。……どうしょうかなぁ」
「お願いします。ぜひとも天国行きにしてください」
「……どうしたものかなぁ。きみは、良い人と悪い人の、ちょうど中間なんだよ」
「でしたら、おまけして良い人にしてくれませんか?」
「おまけしてなんて言われてもなぁ」
「お願いします」
ほんの少しの間があいたあとに、ふたたびえん魔さまは、口を開いた。
「そもそも、何で死んだんだっけ?」
「交通事故です」
えん魔さまは、えん魔帳を開きなおした。
「あぁ、きみは子犬が車の前に飛び出したのを見かけて、子犬を助けようとして、車にひかれたんだ」
「はい、そうでした。思い出しました。ちなみに、子犬は助かったのでしょうか?」
「……子犬は、助かってるよ」
わたしは、ほっとした。
「自分のいのちをかえりみずに子犬を助けたなんて、やるじゃないか」
「ありがとうございます」
わたしは、うれしくなった。この流れは天国行きだ。
「よし、地獄行き!」
「はぁ?」
「あの子犬は、ものすごい悪い子犬で、ゆくゆくは、たくさんの人間をかみ殺すんだ。そんな大悪党を助けたのだから、地獄だ」
「そ、そんなぁ。悪い子犬だったなんて知らなかったんですよ。どうかお願いします。天国行きにしてください」
「ならぬ。地獄だ」
逆に、えん魔さまが、わたしを悪い人と判断したら地獄行きがきまる。
わたしは、交通事故で死んでしまい、今まさにえん魔さまの前で、天国行きか地獄行きかを告げられようとしているのだ。
天国では、天使たちがまっていて、楽しい日々がおくれるという。おいしい食べ物も食べ放題らしい。
地獄では、鬼たちがまっていて、針山をのぼらされたり、火の池に入らなければならない。もちろん、食べ物などはない。だから、ずっと空腹のまますごさなければならない。
えん魔さまは、えん魔帳を閉じた。わたしは、汗だくになり、きんちょうしている。天国行きか、地獄行きか、わたしは手をあわせていのった。
えん魔さまは、口を開く。
「きみ、びみょうだね。……どうしょうかなぁ」
「お願いします。ぜひとも天国行きにしてください」
「……どうしたものかなぁ。きみは、良い人と悪い人の、ちょうど中間なんだよ」
「でしたら、おまけして良い人にしてくれませんか?」
「おまけしてなんて言われてもなぁ」
「お願いします」
ほんの少しの間があいたあとに、ふたたびえん魔さまは、口を開いた。
「そもそも、何で死んだんだっけ?」
「交通事故です」
えん魔さまは、えん魔帳を開きなおした。
「あぁ、きみは子犬が車の前に飛び出したのを見かけて、子犬を助けようとして、車にひかれたんだ」
「はい、そうでした。思い出しました。ちなみに、子犬は助かったのでしょうか?」
「……子犬は、助かってるよ」
わたしは、ほっとした。
「自分のいのちをかえりみずに子犬を助けたなんて、やるじゃないか」
「ありがとうございます」
わたしは、うれしくなった。この流れは天国行きだ。
「よし、地獄行き!」
「はぁ?」
「あの子犬は、ものすごい悪い子犬で、ゆくゆくは、たくさんの人間をかみ殺すんだ。そんな大悪党を助けたのだから、地獄だ」
「そ、そんなぁ。悪い子犬だったなんて知らなかったんですよ。どうかお願いします。天国行きにしてください」
「ならぬ。地獄だ」
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